ファンタシースターポータブル外伝〜After the tragedy〜   作:烏山

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どーも烏山です


今回はマナの回です。


応援してあげてくださいw


戦場少女

~西軍 本部の瓦礫の山~

 

 

 

 

マナ    「貴方たちを絶対に…………許さない!!!」

 

 

怒りに満ちた表情のマナに対してバンダナの男は腹を抱え笑い罵った。

 

 

バンダナ  「……ひ……ひひひ!!…ゆ、許さないと…ど、どうなるんだぁ?」

 

 

マナ    「え、えっと……その……。…と、とにかく許しません!!(こ、このヒト気持ち悪い…それにやっぱり恐い…。…で、でも…倒すんだ!私の力で!)」

 

 

バンダナ  「じゃ、じゃあ、何かされる前に、こ、殺してるよぉ!」

 

 

瞬時に両手にフォトンタイプのサバイバルナイフを装備し、先ほどマナを追い抜いた、狂的な速さで特攻仕掛けた。

 

 

バンダナ  「そ、その肉、さ、裂いてやるぅ!!」

 

 

マナ    「(は、速い…でもまだこれだけ間合いがあるから…)えいっ!!」

 

 

ロッドを振るとマナの前方に電流の壁が発生した。テクニック【ラ・ゾンデ】である。

 

 

 

 

バンダナ  「(…な、何かと思えば、て、テクニックか…。こ、こんなもの余裕で、か、かわせるぅ!)」

 

 

バンダナの男は足を交差させ、そのまま体をぐるりと一回転しながらステップを踏んで長く飛び、マナの正面から離れて振り返り、違う角度からマナに斬りかかろうとした。

この動きからするにこのバンダナの男、ナイフなどの近距離武器による接近戦のエキスパートのようだ。

 

 

バンダナ  「(ひひっ…こ、この角度からなら、う、腕を落とせるぅ!!……う!?)」

 

 

彼の目の前には電流の壁が存在した。

マナが新しいテクニックを使ったわけでは無く、最初に放った【ラ・ゾンデ】のようだ。その証拠にマナの正面からこの位置までずっと電流の壁が続いている。

 

 

バンダナ  「(ば、バカなぁ!?こ、この位置まで電流が、と、とどいているだと!?…だ、ダメだぁ!?も、もう止まれないぃ!!)」

 

 

バンダナの男はそのまま電流の壁に激突し、彼の体に高圧の電流が走った。

 

 

バリリリリリリリリ!!!!!!!!!!!

 

 

 

バンダナ  「アガガガガガガガ!!!!!!!!!!!!」

 

 

数秒間電流によって体を焼かれると、口から煙を吐き、その場に倒れた。

 

 

マナ    「(や、やった!倒した!?…は、早くバロンさんと合流しないと……)」

 

 

倒れているバンダナの男をそのままに来た方向へと引き返すために、バンダナ男に背を向けてマナは走り出した。

 

 

 

 

 

 

―――――――ビュ―――――――――――キッ―――――――――

 

 

 

 

 

マナ    「痛っ…!」

 

 

マナの右肩に切り傷がつけられ、血がタラタラと流れ始めた。

後ろから飛んで来たフォトンナイフが右肩をかすめたのだ。

 

 

 

バンダナ  「…ひ…ひひひ…。ど、どこに行くんだ?お、女ぁ~……」

 

 

振り向くと倒れていたバンダナの男が立ち上がり、一本のナイフを突き立てている。

 

 

マナ    「!!…そ、そんなぁ……さっきので倒れたんじゃ……」

 

 

バンダナ  「…ひひ…た、確かに攻撃範囲と言い、い、威力と言い、そ、相当なもんだったぜぇ~……。…で、でも、お、俺はその程度じゃ倒れねぇ~……」

 

 

バンダナ男の体中にある電流による火傷の跡を見るとマナのテクニックの威力の高さが覗えるが、彼はやけどなど全く気にしていないようでピンピンしていた。

 

 

バンダナ  「…た、ただ俺に一撃与えたことは、ほ、誇りに思っていいぞぉ~…」

 

 

男は腕を組んで偉そうな顔つきでマナを見つめ、ペラペラと話し始めた。

 

 

バンダナ  「…お、俺の名は『バール・ベルスキン』……お、お前も傭兵なら、ぜ、『絶影のバール』という殺し屋を、き、聞いたことがあるだろぉ~?…お、お前の目の前にいる男が、そ、その絶影だぁ~!!ひひひひひひ!!!」

 

 

 

勝ち誇ったような表情で笑っているが、マナはキョトンとしていた。

 

 

そして、一言こう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マナ    「……す、すいません…。…知らないです……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バール   「・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

マナ    「・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一瞬にして微妙な空気が創生された。

 

 

 

 

そして、バールがこの沈黙を破った。

 

 

 

バール   「…ひひ……ひひひ…。…お、お前、き、恐怖のあまり、あ、頭がおかしくなったんだな?」

 

 

 

マナ    「……いや、ホントに知らないんです…。…傭兵の勉強として、ギラードさんに有名な犯罪者のリストも見せてもらったんですが……『絶影』なんて乗ってなかったような……」

 

 

腕を組んで首を傾げるマナを見て、バールはついにブチ切れた。

 

 

バール   「!!!!おおおおおお前ぇええ!!!おおおおおおお俺をバカにしたなぁああ!?おおおおお俺のことを小物って、いいいいいいい言いたいんだなぁ!??ここここここ殺すぅうう!!たたたたたたたただ殺すだけじゃないいいい!!!ぜぜぜぜぜぜぜ絶望の中で、めめめめめめめちゃくちゃにして、こここここ殺してやるぅううう!!!!」

 

 

 

突如バールの体から出現した黒いオーラが彼の体を包み込んだ。

 

 

 

マナ    「……黒いもやもや……!?確かあれって――――」

 

 

 

 

身体全体を包み込んだ数秒後、漆黒のオーラの中から、異形と化したバールが姿を現した。

 

 

バール   「…さささささささぁ!!きききききき恐怖しろぉ!!!ここここここここの姿こそ、ワワワワワワワスプさんがくれた、さささささささ最強の力ぁああ!!!」

 

 

姿はSEEDフォーム『デルシャバン』とほぼ一致し、大きさも2m無いくらいだが、手に当たる部分は両手とも5本の白いナイフが鈎爪のようについていて、何よりも特徴的なのは全身が白一色と言うことである。

 

 

マナ    「(……や、やっぱりマルコさんと似てる…。…確か…おず?…だっけ?……ディーンさんの話だと確か固有能力を持ってて……―――…アレ?)」

 

 

 

辺りの風景の異変に気付いた。

 

 

マナ    「(…なんだか白くぼやけてきた?…アレ!?あのヒトがいなくなってる!?)」

 

 

 

まるで濃霧が発生したかのように辺りは白に染まり、ついには伸ばした自分の手さえも白くぼやけてしまうほどになった。

そんな中で数十メートル離れた場所にいる真っ白な化け物を見失うのは当然である。

 

 

 

マナ    「(――――――違う……この白のもやもやのせいで見えづらくなってるんだ…。…ど…どうしよう…?)」

 

 

視覚が奪われたも同然の状態に置かれ、不安に陥り後ずさりした。その直後―――

 

 

 

バール   「ひひっ♪」

 

 

マナ    「(後ろっ!?)」

 

 

後ろから聞こえたバールの声と腕を振りかぶる音に気付き、慌てて前に飛びこんでかわそうとしたが、少し遅かった。

 

 

 

 

――――――――ザシュ――――――――――

 

 

 

 

マナ    「ああああああああああ!!!!」

 

 

背中に走る激痛に耐えきれず大声が出た。

 

 

かわそうとしたことでそこまで深い傷ではないが、5本のうち3本のナイフがマナの背中を切り裂いた。

 

 

バール   「まままままだ、こここここ殺さない……いいいいい痛ぶって、ももももも弄んでやるぅうう…」

 

 

そのまま前にこけてアスファルトの上を転げまわる。アスファルトが赤くなっているのが白いもやの向こうでうっすら視認することができた。

 

 

 

マナ    「(痛い…痛い痛い……。…こ、これが殺し屋……。 …に、逃げないと……こ、殺される……)」

 

 

激痛に耐えながら、何とか立ち上がり、涙をボロボロこぼしながら当てもなく走り始めた。

 

 

バール   「どどどどどこに行くんだぁ?!おおおおおお俺の能力は氷のOSによる、ホホホホホホホホホホホワイトアウトの発生だが、おおおおおおお俺の目ではこの白のもやの中でも普通の視覚となるぅうう!!!つつつつつつまり、おおおおおおお前がどこへ逃げようとも、ままままままま丸わかりだぁああ!!!」

 

 

ヒトの形態だったころと同じく素早い動きでマナを追いかけ始める。

 

 

 

 

 

~西軍 エリア 旧食糧保存施設前~

 

 

目が使えないうえバールの死角からの攻撃を仕掛けられ続け、マナは心身ともに限界に近づいてた。

 

 

背中だけではなく、肩、腕、脚、太もも…急所は避けられている上に浅い傷なのだが、ナイフでつけられた傷は相当堪えるらしい。マントや服もボロボロであった。

 

 

マナ    「(……痛い…。…体中が痛い………。…私、このまま殺されちゃうのかな…?)」

 

 

建物の壁にも背をあてうずくまっていた。

その目は虚ろで、絶望に染まっていた。

 

 

マナ    「(きっと、あのヒトは今私がこうしてるのも分かるんだ……。…勝てるわけないよ……つい最近傭兵になったばかりの女の子がプロの殺し屋…それも特殊能力をもってるなんて…………ムリだよ………最初から無理だったんだよ……)」

 

 

絶望的な状況に飲まれ、ネガティブな考えに頭の中が汚染されている。

 

 

そこへ白いデルシャバン―――バールがマナの目の前に現れる。

もうマナに逃げ出す気力が無いと見たのか、うっすらと見える位置に立ち5本のナイフが付いた右腕を挙げる。

 

 

バール   「ひひひひひひ……ややややややっと絶望に、そそそそそそ染まったなぁ?」

 

 

マナ    「(……痛い…痛い…… ……誰か助けてよ………)」

 

 

マナの体から少しずつ黒いオーラが現れた。

 

 

バール   「(ここここれは、おおおお俺達と同じ…?)」

 

 

マナ    「(…助けてよ……――――助け?)」

 

 

完全に心が折れかけた時、この『助け』という言葉が引っ掛かった。

 

 

マナ    「(……そういえば私、助けられてばっかだ…。…ディーンさん…エレーナにお父さん、ギラードさん、ラグナさん、ロークさん…ヤマトさん…ギルドのヒト達……ビオスさん…バロンさん―――――)」

 

 

少しずつマナの表情に変化が生じた。虚ろな目も色を取り戻し、黒いオーラも消えた。

 

 

バール   「(きききき消えた!?ききききき気のせいだったのか!?まままままままぁいい……)しししししねぇええええ!!!!」

 

 

 

バールはその腕を振り下ろす。

 

 

マナ    「(―――助けられてばかりじゃダメだ!!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――ザンッ―――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

斬れたのはマナの座っていたアスファルトだった。

 

 

 

 

 

 

バール   「ななななな何っ!?」

 

 

 

マナは横に転がってバールの一撃を回避し、そのまま壁伝いに逃げ出した。

そして、その建物の入り口の前にたどり着いた。

ボロボロの看板があり、何か書いてある。近寄ってみると何とか読むことができた。

 

 

マナ    「………食糧…保存庫…?……もしかしたら……勝てるかもしれない…!!」

 

 

 

 

マナは手動の扉を開き中へ入って行った。

 




キャラクター設定

バール・ベルスキン

種族:ヒューマン(男)
年齢:26歳
身長:172cm
体重:53kg
ICV:神奈 延年
詳細:痩せ形で根暗な雰囲気の殺し屋。身軽で動きが素早く、ナイフなどの近距離武器の扱いのエキスパート。ターゲットをいたぶって殺すことに喜びを感じる変態さん。しゃべり方は元々特徴的だが、怒るとさらに独特になる。
OSの属性は氷で、能力はホワイトアウト(極地の方で発生する濃い霧のような白い靄)を周囲に発生させる。ただし、自分の目には影響を与えない。暗器の扱いに長けた彼にぴったりの能力である。
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