ファンタシースターポータブル外伝〜After the tragedy〜   作:烏山

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循環

~西軍エリア 食糧倉庫前~

 

 

バロン   「くっそ……マナさんもバンダナのヤローもどこに行ったんだ?……マナさん大丈夫だろうな?あのヤロー、マナさんに傷でも付けたら三日三晩生かさず殺さずして………」

 

 

破戒僧ビガーを倒した後、マナを追って本部に向かったが発見できず西軍エリアをさまよっていた。

 

 

バロン   「…つか、この道路に点々としている血はマナさんのじゃないよな?……『食糧保存庫』?ここに入ってったみたいだな…」

 

 

「まさかな」…と思いつつも心配になり、入り口のドアに手を伸ばしたが、ドアノブを握る前に勝手に開いてしまった。

 

 

内側から開けたのだ。

 

 

 

 

バロン   「マナさん!?」

 

 

中からは全身傷だらけ血まみれのマナが出てきた。

 

 

マナ    「バ……ロン…さん…」

 

バロンの顔を見上げると安心して脱力したのか、脚の力が抜けその場に倒れかける。

そこをすかさずバロンが抱きかかえる。

 

 

バロン   「大丈夫ですか!?治療しますか!?アイツですか!?あのバンダナのヤローですか!?どこにいるんですか!?抹殺してきましょうか!?」

 

 

マナ    「ちょ……ちょっと質問多すぎます!…そ、それにあの人は私が倒しましたから大丈夫です!」

 

 

バロン   「も、申し訳ないです……ってアレ?倒したの!?マナさんが!?」

 

 

パチクリと目を開閉させ、マナのことを見つめる。とても信じられないぞ!?と言わんばかりの表情にマナは少し脹れたが痛みをまた思いだし、悲痛の声を漏らす。

 

 

バロン   「大丈夫ですか!?…ま、まずは治療を…」

 

 

ナノトランサーから中世の英国紳士が持っているような形のウォンドを取り出し、回復のテクニック『レスタ』を唱えた。

光がマナを包み、身体の傷をもの凄い速さで癒していった。

 

 

マナ    「(…優しい光……バロンさん回復のテクニックも使えるんだ…。すごいなぁ……どんどん痛みがひいてく……)」

 

 

気持ちよさそうに目を瞑っているマナに対してバロンは焦った表情をしていた。

 

 

バロン   「(こ…この娘、回復が早過ぎないか!?オレはテクニックを少しかじっているくらいにしか使えないから応急処置程度の予定だったのに……もう全快になりそうだ……何者なんだ?)…はい、もう終わりましたよ?マナさん回復が早いですね?」

 

 

マナ    「えっ!?もう!あ、ありがとうございました!バロンさん、テクニックお得意なんですね!私が凄いんじゃなくてバロンさんが凄いんですよ!」

 

 

バロン   「(自覚は無しか……)じゃあ、マナさん。少し休憩したら管制塔に向かいましょう…私と貴方ならテロリストの首謀者を倒すことができますよ!」

 

 

マナ    「あ、はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

~管制塔~

 

 

たくさんのモニターに囲まれた暗い部屋でワスプは中央の椅子に座ってをパズルに熱中していた。周りには銃殺された管制員の達の死体がたくさん倒れている。

 

 

ワスプ   「あ~あ、バールさんまで連絡が途絶えちゃったよ……彼を倒した女の子は頭脳で勝ったって感じだったけど、ビガーさんを倒したキャストのヒトとベリアルさんを倒した女のヒトは強いなぁ~……そんで、あの青髪のヒトは何なんだろうな?確かに強いんだろうけど光るものがないなぁ~……もし、彼がゴルドーさんを倒せたらファングさんを殺ったヒトが同一人物って可能性が高くなるんだけどなぁ~……。……でも…」

 

 

パズルが完成し、満足げにそれを眺める。嵐の海上の写真が完成していた。

 

 

ワスプ   「…ゴルドーさんはあの中じゃ、ズバ抜けて強いからね……。それにあの能力……ファングさんを倒したヒトだとしても勝てるかな~……」

 

 

そういうとパズルを放り投げた。

そして床に落ちてピースがバラバラになって死体の上に乗っかった。

 

 

 

 

~東軍エリア~

 

 

ゴルドー  「おおおおおおおおおお!!!!!!」

 

 

 

黒いオーラの中から変異したゴルドーが姿を現した。

姿はヒト型の上半身と馬のような下半身を持つモンスター、カオスブリンガーに類似しているが、少し赤みを帯びている。

 

 

ディーン  「OSの力か……厄介だな…」

 

 

ナギサ   「な、なんなんだ!?何が起こったんだ!?」

 

 

 

ディーン  「アイツは人工SEEDを投与されたんだ……とにかく戦闘力が上がって一つ厄介な能力が追加される…」

 

 

ナギサ   「人工SEEDだと!?そんなものが……」

 

 

ゴルドー  「そろそろ行かせてもらっていいか!?おおおおおおおおお!!!!」

 

 

4本の脚のうち、右後ろ足で地面を二度蹴ると、勢いよく突進を始めた。

 

 

ディーン  「(…勢いはあるがただの突進だ……。うまくやれば足を切断できる!)ナギサ!!オレがやつの体勢を崩す!そこを一気に決めてくれ!!」

 

 

ナギサ   「わかった!頼んだぞ!!」

 

 

ディーンがセイバーを両手で握りしめ突進してくるゴルドーに向かって走り出した。

ゴルドーの突進はディーンが近づいてもスピードを上げも緩めもせず真直ぐ進み続ける。

 

 

そして両者の距離が2mほどに縮まった時、ディーンは強く地面を蹴り、低く飛んでセイバーを振り切った。

 

 

ナギサ   「!!!ディーンダメだ!!」

 

 

ディーン  「あぁ!?」

 

 

 

 

 

――――――――――ガッ――――――――――

 

 

 

ナギサの叫びの直後ディーンは宙を舞っていた。

切断する予定だった前足に蹴り飛ばされたのだ。

 

 

ディーン  「(な、何が起き……た……!?)ガハッ!!!」

 

 

強く地面に叩きつけられ、頭からは少し血が流れた。

 

 

連撃に備え、何とか立ち上りセイバーを握り直した時、足を切断できなかった理由を知った。

 

 

ディーン  「(……なんだこれは!?刃(フォトン)の部分が無い!?)」

 

 

どういうワケかセイバーの刃の部分が消えていた。無論、自分でフォトンリアクターの供給を切ったワケでは無い。

 

そこへナギサが駆け寄ってきた。

 

 

ナギサ   「貴方は何を考えているんだ!?斬りかかる瞬間に刃をしまってどうする!?」

 

 

ディーン  「はぁ!?オレはそんな事してないぞ!?」

 

 

ナギサ   「じゃあ何か?貴方は勝手にフォトンが消滅したとでも言いたいのか!?」

 

 

ディーン  「まぁ、そういうコトだが……話し込んでいる暇はなさそうだぜ…」

 

 

振り向くとゴルドーがまたこちらに向かって走り出そうとしている。

 

 

ナギサ   「わかった!…今度は私がやつに仕掛ける!貴方と役職交代だ!」

 

 

ディーン  「了解!」

 

 

今度はナギサが突進してくるゴルドーに向かって行った。

 

 

ゴルドーがナギサの間合いに入る直前にフォトンリアクターの出力を最大にして、大剣のブースターを発動させた。

 

 

ナギサ   「はぁあああああああああ!!!!」

 

 

ディーン  「(行ける!……なっ!?…ブースターが…!?)」

 

 

加速し始めた大剣がスピードを落とし始めた。フォトンのブースターが光子分解されていた。

よく見ると一瞬空中に漂った光子がゴルドーの体に吸収されていった。

 

 

ナギサ   「(!?勢いが……だが、いける!!)」

 

 

 

 

 

 

――――――ブンッ―――――

 

 

 

 

ナギサの大剣は空振りだった。ゴルドーは馬のような跳躍力で跳ねてかわして行ったのだ。

 

 

ナギサ   「おのれっ!逃がすかぁあ!!」

 

 

ナギサの体から青い光が現れ、それを体に纏った。

デューマンの固有能力『インフィニティブラスト』である。

 

青いフォトンを右腕に集め、強大なフォトンの剣を形成した。

 

 

ナギサ   「はぁああああああ!!!!」

 

 

その青い大剣をすでに離れたところにいるゴルドーに向かって振り下ろした。リーチは足りている。

 

 

ディーン  「だめだ!!そいつには効かない!!!」

 

 

 

 

 

 

――――――――パァ―――――――――――

 

 

 

 

 

ゴルドーの体に大剣が触れる直前に大剣もナギサが纏っているフォトンも消滅した。

 

 

ナギサ   「!?」

 

 

 

 

ゴルドー  「…そっちのディーンといったか?お前は冷静だったな……。…そうだ、俺にフォトンは効かない…」

 

 

ディーン  「……フォトン吸収能力か……最悪の相手だ…」

 

 

そう、全ての武器がフォトンタイプのディーンにとっては天敵であった。

カオスブリンガーにもフォトンを吸収する能力があるが、ゴルドーの場合は近づいただけで吸収されてしまうようだ。

 

 

ゴルドー  「……その通り……俺は俺に近づいたフォトンを一度光子の状態に分解し、体内に取り込むことができる……。……しかし、おしいな?」

 

 

ディーン  「何がだ!?」

 

 

ゴルドー  「吸収能力で間違えではないのだが………取り込んだフォトンはどうなるのかね?」

 

 

そういうと、両手をナギサに向ける。そして、身体から赤いオーラを放出し、手に平の前に赤いエネルギーとして収束されていく。

 

 

ナギサは大技の反動でよろついている。

 

 

ディーン  「逃げろぉ――!!!!!」

 

 

ナギサに向かってディーンは走り出した。

 

 

ゴルドー  「吸収したフォトンはそのまま俺のエネルギーとなる……質量保存というやつだな……。すべてのモノは循環しているのだよ……。………さらばだ…眼帯の少女よ…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――ゴォオオオオオオオオ―――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レーザーカノンとは比べ物にならないくらい極太の赤い熱線がナギサに向かって放たれた。




キャラクター設定

ゴルドー・ドレイク

種族:ビースト(男)
年齢:42歳
身長:192cm
体重:89kg
ICV:大塚 明夫
詳細:ワスプが雇った凄腕の元軍人。SEED事変以降、平和な日々が続いたため堕落した自分の部隊に絶望し、彼を慕っていたベリアルと共に脱退。なんでも引き受ける戦争屋となった。最終階級は大尉。
能力は火のOSによる、フォトン吸収からの熱線放出。
フォトン武器しか使わないディーンはどうやって勝つのか!?
たまにはこういう正義も悪もない純粋な敵役がいてもいい気がします!


それでは次回で!
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