ファンタシースターポータブル外伝〜After the tragedy〜 作:烏山
はい!インターストーリーです!なんかほとんど料理小説です!
実際に作れるんでよかったら作ってみてください!
OUT BREAK!!マナ
ある日……その事件は突然起きた…。
ディーン 「………ぐっ……ぅぅうう……」
ラグナ 「……………ぁ……んぁ…」
ギラード 「…………ぅぅう………」
ジャン 「・・・・・・・・・・」
ギルドのロビーで主力の三人が呻き声を上げ、ジャンは完全に意識を失っていた。
マナ 「……み、みなさん……な…なんで……? どうして……?」
ただ全身を震わせ、なす術もなく呆然と立ち尽くしかなかった。
ディーン 「…………マ………ナ………」
マナ 「ディーンさん!!いやだ!!死んじゃ嫌です!!死なないで!!」
ロビーに少女の叫び声が木霊した。
――――――――――――なぜこんなことになったのか?
それを明らかにするためには少々時間を遡る必要がある。
……約1時間前。
午後5時。ギルドのロビーではラグナ、マナ、エレーナがテレビ画面を眺めていた。
番組の内容は主婦向けの料理番組で何やらパエリアを作っているようだ。
シェフ 『なんとここでぇ……さきほど細かく刻んだ花びらを入れちゃいます~!』
TVの画面では細かく刻まれた花びらがパラパラとリゾットに盛り付けられていく。
マナ 「え~っ!?お花って食べれるんですかー!?」
ラグナ 「…ん、まぁテレビで言ってるんなら食えるんじゃねぇの? 俺は料理に詳しくないからわかんねーけど… エレーナちゃん分かる?」
エレーナ 「え~…そうですねぇ…。見栄えを良くする際に飾りとして使ったことでしたら何度かありますが、食材としては……」
三人が料理に花を使うことについて考えていると、ギルドの出入り口のゲートが開いた。
マナ 「あ!ディーンさん!ジャン君!お帰りなさい!」
昼間から二人で出かけていたディーンとジャンが帰ってきたのであった。
なんでも武器の新調にディーンが出かけようとしたところ、武器選びの参考にとジャンもついて行ったそうだ。
ディーン 「おーぅ!――なかなかいい買い物できたぜぇ!」
満足げなディーンの隣には疲れた表情をしたジャンの姿があった。
マナ 「アレ?ジャン君どうしたの?欲しいもの無かった?」
ジャン 「……いや、俺は元々今日は買い物をするつもりは無かったんで、そういうワケでは無いんスが………。 …何というか…あんまり参考にならなかったと言うか……」
マナ 「…へ………?」
ジャンのこの様子の原因が分からず「?」を頭上に掲げているマナだが、ディーンが買った品を取り出し見せつけ始め、ようやく理解できた。
ディーン 「実はこの前フォトン武器が効かない相手との戦闘になってさ。そんなことがこの先もあるんじゃないかって思って今日は金属製の武器を見に行ったワケよ!」
よほど嬉しいのか、いつもよりも饒舌なディーン。そうして買ったものをナノトランサーから取り出した。
黒光りするそれを見たその場にいた全員が唖然とした。
ディーン 「そんでこれ!『フライパン』!なんか料理にも使えるみたいだし一石二鳥じゃね?」
エレーナ 「……まさか、それで戦うつもりですか?」
ディーン 「? 武器なんだし戦うだろ?普通に…」
若干ドン引きしたエレーナの問いに何の引け目もない様子で答えた。
エレーナ 「……ディーンさんって………」
マナ 「……割と天然なんですね……あははは……ははは…」
冷たい視線を浴びせるエレーナ、苦笑いするマナ、そして大爆笑しているラグナ。これらの反応に対してディーンは腑に落ちない表情をする他なかった。
マナ 「……ははは………ん?あ、そうだ!」
ディーン 「なんだ?」
マナ 「ディーンさんって結構料理するヒトですよね?」
ディーン 「まぁ、一人暮らし長いし、4年間ニートしてた時も節約のため自分で作ってたからな……」
マナ 「お花って食べれるんですか!?」
先ほどの番組でのことが忘れられずディーンにも尋ねた。
ディーン 「……花か…」
腕を組み遠くを見つめて考え始める。
ディーン 「まぁ、食えるな。食用のやつがあって結構栄養価も高い、その上料理の見た目の美しさの上昇と、カラーセラピー効果も期待されるってんでなかなか面白い食材だ。 あと、中には雄蕊をスパイスとして利用したり、葉や茎もサラダとして食べることはまぁ知ってるか… あ、それから―――――」
ペラペラとさっきとは違い、専門家のように語った。マナは目をキラキラと輝かせながら聞いていたが、他のメンバーは後半はついてきてはいなかった。
ディーン 「……と、まぁこんなもんかな?…なんだ?マナも料理に関心があるのか?」
マナ 「は、はい!! …でも、ほとんどやったことなくて……」
まぁそうだろうなと頷くとエレーナの方を向いた。
ディーン 「今からキッチン使っていいか?」
エレーナ 「……フフッ…構いませんよ?」
お互いに目で合図を交換すると、ニヤリと口元を緩めた。
マナ 「えっ……何?」
ディーン 「夕飯を作るぞ!」
~ギルド・キッチン~
マナ 「…あの、私本当にやったことないんですけど……」
ディーン 「とりあえず今日はアシスタントをしてくれ……基本はオレがやるから見て覚えてくれ!」
自信なさげにキッチンに立つマナをしり目に先ほどテレビでやっていたパエリアのレシピを読んでいた。
ディーン 「…ん~なるほどな!花を使う以外基本的には普通のパエリアだな。」
そう言うと慣れた手つきで材料を並べ始める。洗っていない米4合、鶏もも肉300g、にんにく4片、青ピーマン4個、パプリカ2分の1個、マッシュルーム6個、トマト2個、イカ2杯、貝500g、エビ300g、白ワイン、ローリエ、オリーブオイル…
ディーン 「まぁ、こんなもんか! 流石に食用の花は置いてなかったな… マナ!何か使えそうな花持ってたりしないか?」
マナ 「…え~っと、この前ミッションの途中で見つけて倉庫に入れたんですけど、…名前なんでしたって…?…黄色い奴で………なんとか…え~っ…ルル?ミミィ?え~っと、え~っと…」
ディーン 「テティの花?」
マナ 「あ!多分それです!!」
ディーン 「…テティの花か…。まぁ食用ではないけど、香りや色を付けるのには持って来いかな? オレ、今から下処理するから用意してくれ!」
マナ 「あ、はい!」
マナがキッチンから出ていくと、ディーンは庖丁を握った。
~5分後~
マナ 「持ってきましたよ~!」
キッチンにはすでに下処理が終了した食材が、食材ごとに皿で分けられていた。
鶏もも肉とイカは小さ目の一口サイズに、にんにくはみじん切り、マッシュルームはスライス。トマトとピーマン、パプリカは1cm角に切られ、エビは皮を向かれた状態で、貝は砂抜きを終えた後、水をよくきられていた。
マナ 「早っ!!」
ディーン 「お~、ご苦労! じゃあ洗って、そのあと適当に千切っておいてくれ! そんでオレは今日かったコイツを……っと!」
ナノトランサーからフライパンを取り出した。
マナ 「……あ、はい…(ディーンさん……絶対これを使いたかっただけだ――!!)」
口には出さず、流しで持ってきた花を洗い始めた。
ディーン 「さってと!はじめっか!」
熱したフライパンにオリーブオイルをひき、弱火でにんにくを炒め始めた。
マナ 「(あ、おいしそうな匂い…)」
香りがし始めると、あらかじめ塩こしょうをした鶏もも肉を入れ、弱火から中火に火力を上げた。
そして焼き色が付いたら米を入れてよく炒める。
自分の作業が終わるとマナはディーンの横でフライパンの中をのぞき始めた。
マナ 「(あ、お米が透き通ってきた…!)」
ディーン 「よし!このタイミングでコイツラを投入だ!」
マッシュルーム、青ピーマン、パプリカを一気にフライパンの中に入れると熱が全体に伝わるように木べらで他の素材と混ぜ合わせた。
ディーン 「マナ!そこの白ワインを取ってくれ!」
マナ 「えっ!?白ワイン使うんですか!?…あの、私まだ未成年なんですけど…」
このマナの発言にディーンは呆れたような声を出した。
ディーン 「………アルコールは熱することで吹き飛ぶんだよ…!…つか、料理酒とか知らないのか?」
マナ 「………すいません…」
大さじ3白ワインを加えると、ローリエ、千切った花、トマトの順にフライパンに加え混ぜ込んだ。
ディーン 「(…ん?今の本当にテティの花だったか? なんか微妙に……)」
マナ 「ディーンさん!ディーンさん!パエリアにイカとか並べるのやっていいですか!?」
ニコニコしながら魚介類の乗った皿を持ち上げた。
ディーン 「ん?…あ…あぁ、もう仕上げだから適当に盛ってくれ!」
許可が下りると、何とも楽しげな表情でイカ、貝、エビを一個ずつ丁寧に並べて行った。
並べ終えるとディーンはフライパンに蓋をして20分ほど炊き上げた。そして蓋をあけ、水分が飛んでいることを確認すると日から外して蓋をしたまま5分ほど蒸らした。
マナ 「うわぁ…いい香りぃ!」
ディーン 「じゃあ、蓋とるな…」
むわっと白い煙と香ばしい匂いが湧き上がると、その奥には綺麗な黄色に染まったパエリアがあった。
ディーン 「よし、これにこしょうを少々と、パセリを全体に振りかけて………完成だ!」
ロビーに戻るとギラードもそこにいた。
マナ 「みなさぁん!できましたよー!!」
ワゴンにパエリアを5皿乗っけて運んできた。
そして、テーブルに並べていく。
ラグナ 「おっ!うまそうじゃん!」
ギラード 「マナ……料理覚えたのね…」
ディーン 「まぁ、ほとんどオレが作ったようなもんだけどな…」
キッチンからディーンが出てきて本人も席に着いた。
ディーン 「そいじゃ…いただきますか?」
マナ 「あ、私飲み物取ってきますね!」
席を立ち冷蔵庫のあるキッチンに入って行った。
―――パク――――モグモグ――――――――――――
ディーン、ジャン、ラグナ、ギラードは一斉にパエリアを口にした。
ジャン 「おおーーーっ!!流石ディーンさん!マジでうめぇ!!!」
ギラード 「…料理のできる男……フフ…素敵じゃない?」
しかし、この3秒後、全員が腹痛を訴え始めた…。そこへマナがキッチンから戻ってきて冒頭に繋がるのであった。
ディーン 「………マナ……これに使った花……詳しく教えてくれ………?」
マナ 「……えっと……黄色くて…これは小っちゃいけど、大きくなるとレーザーとか光弾とか出すモンスターになるらしいんですけど……」
倒れている全員が絶句した。
ディーン 「お前……それ…テティの花じゃなくて『オブリリー』の……幼体じゃね…?」
マナ 「あ!そうです!そっちの名前です!」
『オブリリー』…ポイゾナスリリーという強力な毒を持つ植物型のモンスターの変異上位種である。追尾性能のある光弾を発射するとてもやっかいなモンスターだ。
ディーン 「……モンスターって分かってて……出したのか……?」
マナ 「……えっと……コルトバってモンスターいるじゃないですか?アレっておいしいじゃないですか?だから、これもモンスターだけどおいしいかなぁ…って……アレ…?ディーンさん?」
もはやディーンの顔は苦痛の表情というよりも呆れ顔という方がふさわしくなっていた。
ディーン 「……なんか……もういいや……」
ディーンの意識はここで絶えた。
―――――その後マナはギルドのキッチンへ出入り禁止になったことは言うまでもない…
はい。パエリアでした。僕も作りましたがおいしかったですよ!
ちなみに花の代用としては少々値段が高いのですがサフランを使用します。
オブリリーを入れなければディーンたちのようにはならないと思うので安心してください!
次から新章です!張り切っていきますぜ!
それではまた次章!
もし、実際にパエリア作って食べた人がいたら教えてくださいw