ファンタシースターポータブル外伝〜After the tragedy〜   作:烏山

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消失

~パルム・町はずれの洋館~

 

 

マナ    「わ~!立派ぁ!!ミタリーさん!ここでパーティがあるんですか?」

 

 

いかにもと言った雰囲気の門の前ではしゃいでいるマナをミタリーは仮面をつけたまま眺め、問いに対して無言で頷いた。

そして、マナ顔の前に手を伸ばした。

 

 

マナ    「? ミタリーさん?」

 

 

ミタリー  「…………ごめんなさい………   ……凍結(フリーズ)……」

 

 

マナ    「(――――エッ―――?)」

 

 

ミタリーの手が光ると、マナはまるで時間が止まったかのように動かなくなった。

 

 

ミタリー  「…………やっぱりこの娘を捕まえること自体は造作もないわね………問題はどうやって『覚醒』させるか……ね…… とりあえず戻りましょうか?」

 

 

仮面の奥で不気味に微笑むと傘をたたんだ。そして今度は天にむかって手を伸ばした。

 

 

ミタリー  「…接続(リンク)……」

 

 

彼女の頭上の空間が歪みワープホールのようなものが形成され、それはマナとミタリーを吸い込むとすぐに消滅した。

 

 

 

 

 

 

 

誰もいなくなったこの場にただ雨の音だけが淋しく続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

~ギルド~

 

 

 

ディーン  「――――――――というワケだ……」

 

 

結局マナを発見することができず、仕方がないので戻ってきた次第を簡潔に述べた。

そして、この話を聞いていたジャン、ギラード、ヤマトは軽蔑するような表情でディーンを見つめた。

 

 

ジャン   「……うわ…女泣かせ……ディーンさん最悪ッスね……」

 

 

ディーン  「オイ待てジャン!!」

 

 

ギラード  「…………死んだら?」

 

 

ディーン  「死っ!?ギラードさん、キツくないか!?」

 

 

ヤマト   「うむ、介錯は拙者が仰せつかまつろう! …ディーン殿…ここは武士らしく腹を……」

 

 

ディーン  「切らねぇし武士でもないから!! …つーか、しかた無ないだろ!!アイツが勝手にどっか行ったワケだし、いくら探しても見つからないし、連絡もつかないし………」

 

 

ひたすら弁解を続けるも3人の軽蔑の眼差しが消えることはなかった。それどころか、弁解を続けることでどんどんディーンの惨めになっている。

 

 

ディーン  「……でも、アレだろ?アイツのことだから明日になれば淋しくなって向こうから連絡してくるだろ?」

 

 

エレーナ  「――――残念ながらその可能性は低いと思われます…」

 

 

奥の部屋の扉が空き、ロビーにエレーナとフォレスが入ってきた。何やら二人とも険しい顔つきだ。

 

 

ディーン  「……どういう意味だ?」

 

 

フォレス  「……先ほど、マナのナノトランサーに装備してある発信機の反応が消滅しました………」

 

 

!!??

 

 

 

その場にいた全員の表情が一変した。

 

 

ジャン   「………それってつまり……」

 

 

エレーナ  「いえ、まだそうと決まったワケではありません…。むしろ、本人が死亡したからと言って反応が消失するわけではありませんので、その可能性は極めて低いです。 最善の考えは装置の故障ですが、恐らく衛星電波が届きにくいような場所へ連れて行かれたのではないかと考えます。」

 

 

ディーン  「場所は?わからないのか!?」

 

 

責任を感じているのか必死にエレーナに問い掛ける。

 

 

エレーナ  「落ち着いてください… 場所はまだ特定できていないのですが……いえ、恐らくここまでの広域捜査を我々だけでは行えないでしょう……」

 

 

ディーン  「じゃあ、どうすんだよ!?」

 

 

 

フォレス  「……不幸中の幸いと言うのでしょうか?長期間OSやペンタクルの情報収集に出していたギルドのメンバーがそろそろ帰ってくるはずなのですよね?」

 

 

ヤマト   「!!まさか、シルル殿とクーヤ殿のことか!?」

 

 

フォレスは無言で頷いた。その名前を聞くとギラードはうっすらと笑みを浮かべた。

 

 

ギラード  「…なるほどね……『彼』なら特定できるかもしれない……… それにしてもそんな任務に就いていたのね……」

 

 

ディーン  「ちょっと待て!!誰なんだ!?そいつらは!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギラード  「頼もしい子たちよ?」

 

 

 

 

 

 

~どこかの施設の一室~

 

 

 

薄暗い部屋の中央に拘束された状態で椅子に座らせられたマナがおり、それを囲むように仮面をつけた者が3人いた。一人はスペードのマークが描かれている仮面をしたミタリー。もう一人はハートマークが描かれたローブを着ている人物。性別・種族は断定できない。そして最後の一人はアロハシャツを粋に着こなした奇妙な顔が描かれた仮面をしている男だ。

 

 

マナ    「……えっ!?……ここ…どこ?……み、ミタリーさん…?」

 

 

状況が呑み込めず消えるような声を漏らす。

次に声を発したのはアロハシャツの男だった。

 

 

アロハ   「ミタリー?誰だ?そりゃ?」

 

 

ミタリー? 「私の偽名の事よ……」

 

 

アロハ   「偽名って……アンタの本当の名前知ってる奴なんているのかい?『ラヴカ』ちゃん?」

 

 

この問いをミタリー改め、五芒星の一角であるラヴカは返答せず、マナの首元に手を伸ばした。アロハシャツの男の口ぶりから『ラヴカ』と言うのも偽名なのだろう。

 

 

マナ    「!!ひぃ!!」

 

 

ラヴカ   「そそる表情ね…… …さて、貴女はどうしたら『覚醒』してくれるのかしら?」

 

 

マナ    「…かく…せい……?」

 

 

ラヴカ   「……フフ……まぁ色々と試してみましょうか? ………凍結(フリーズ)……」

 

 

首に当てた手を光らせた。しかし、今度は別にマナの体には一見何の変化もないように見える。

 

 

マナ    「………!!!(声が!!…違う!!息ができない…!!)」

 

 

苦しみの表情を浮かべ悶絶するマナを満足げに見下ろしながら仮面の奥でまた薄気味悪く微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~2分後~

 

 

アロハ   「オイオイ~?その娘、死ぬんじゃない? それとも、覚醒ってのは死んだらするものなのか?」

 

 

ラヴカは涙をボロボロ流し泡を吹いているマナの首元に手を当てると、今度は『解凍(フリーズアウト)』とささやくとマナの呼吸は戻り必死に息をし始めた。

 

 

ラヴカ   「……死に直面することで『覚醒』する可能性があったから試しただけよ? 本命は本人が激しく絶望することだと私は考えているわ………。…貴方達の仕事にかかっているわ……ジョーカー…」

 

 

そう指で差されたのはアロハシャツの男だった。

 

 

ジョーカー 「……ん、あぁ俺のことか!慣れないねぇ、コードネームってやつは! まぁ、任せなさいよ! この娘に極上の絶望を与えてやるさ…」

 

 

 

ラヴカ   「……期待しているわ………」

 

 

 

 

 

 

 

~ギルド・マイシップ発着所~

 

 

今、到着したマイシップから一組の男女が降りてきた。

男の方は身長が180cmを超えるであろう長身で顔は優男なヒューマン。一方女性の方は幼児かと思わせるほどの低身長だがこれは小ビーストと呼ばれる身長が一定以上伸びないビーストのようだ。

 

 

小ビースト女「ねぇねぇクーヤぁ!ここに戻ってくのも久しぶりだね!クーヤぁ♪」

 

 

クーヤ   「そーだね……さて、みんな元気にしてるかな?」

 

 

 




後書きキャラクター設定
ラヴカ(偽名)
種族:おそらくヒューマン(SEEDフォーム)(女性)
年齢:??
身長:164cm
体重:49kg
ICV:今井麻美
詳細:五芒星の情報担当をしている、ひたすら知識を求める謎の人物(ドS)。ちなみにファングに止めを刺したのも彼女。包帯男とつながった経緯、死亡理由などすべてが不明。つまり秘密主義者。
なぜこのタイミングでキャラ紹介があったかも不明。
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