ファンタシースターポータブル外伝〜After the tragedy〜   作:烏山

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助っ人

~???~

 

 

壁の一部がガラス張りで、その向こうは海中が映っている。そのガラスに映る自分の姿眺めている男がいた。

 

 

赤いストレートヘア、メガネ、そして以前ディーンに付けられた顔の傷………ガーディアンズにスパイとして暗躍していた男・マルコだ。

 

 

マルコ   「……ついに……ついに…蒼い風にあの時の借りを返す時が…………フフフ…傷が疼くってもんですよ……」

 

 

顔面の刀傷をそっと撫でると不気味な表情で顔を歪めた。

 

 

ジョーカー 「おっとっと~?マ~ルコちゃ~ん?カッコつけちゃってるところ申し訳ないけど、その蒼いなんとかっての担当するのは俺みたいなのよねぇ?」

 

 

部屋の奥の暗がりから姿を現したのはジョーカーと言うコードネームの男。その顔にはコードネームのジョーカーの通り、道化師のような人を小馬鹿にした顔が描かれた仮面をつけていた。

 

 

マルコ   「!! …貴様…!それはどういうことだ!!」

 

 

ジョーカー 「アレアレェ?聞いてないのぉ?」

 

 

マルコ   「……誰がそんなことを……」

 

 

ジョーカー 「決まってるでしょう?僕らのアイドル・ラヴカちゃんよぉ? てゆーか今回はただ蒼いなんとかを殺すだけじゃダメなのよねぇ? 俺みたいに『選ばれた者』にしかできないようなお仕事なのよぉ? つーか単に殺す任務でも、一回負けたマルコちゃんが選ばれるわけないでしょお?」

 

 

ヒャハハと腹を抱えて笑う動作がこの態度を悪化させる。

堪えきれなくなったマルコは拳をジョーカーに向かって振りぬいた。

 

 

 

 

 

 

 

――――――――ガッ

 

 

 

 

 

マルコ   「何っ!」

 

 

ジョーカーはその場を一歩も動いていない。しかし、マルコの拳は彼には届かなかった。

 

 

拳を受け止めた第三者がいたのだ。

 

 

ジョーカー 「おぅ~ありがとねぇ ハートちゃん?」

 

 

さっきジョーカーと一緒にマナの拷問を見ていたハートマークの仮面がマルコの拳を受け止め、そのままマルコの体を倒し押さえつけた。

 

 

マルコ   「!!!……な、なんだコイツは……?」

 

 

床に顔を押し付けられながらもジョーカーを睨みつける。

 

 

ジョーカー 「オイオイぃ、ハートちゃん?そこまでしなくていいのよぉ?」

 

 

ハート   「……了解いたしました……」

 

 

ハートの仮面の内側から聞こえた声は機械音的な女性のものだった。

すぐにマルコから離れ、ジョーカーの横に着いた。

 

 

ジョーカー 「この娘は今回ラヴカちゃんが用意してくれた俺のビジネスパートナーだぁ…。 俺は意外と非力だからさぁ ボディガードが必要なのよ? まぁ、つーわけで蒼いなんとかは俺とハートちゃんでやっちゃうからぁ マルコちゃんはオマケが来ると思うからそっちの相手でもしててちょ~うだい♪」

 

 

そう言い残すとハートをつれて部屋から出て行った。

残されたマルコは床に倒れたままその背中を睨みつけていた。

 

 

マルコ   「……ただの雇われの分際で……… 貴様などにあの男が倒せるものか………あの男を殺すのは……私だ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ギルド~

 

 

 

ウィーン

 

 

 

エントランスの扉が開くと、そこには身長さの激しい男女がいた。

 

 

背の高い優男「やぁマスター、今帰ったよ?ギラードさん、ヤマトさん、エレーナさんも久しぶり」

 

 

女小ビースト「ワァ―――!!ねぇねぇクーヤぁ♪久しぶりのギルドだよ!!きゃー!!ギラ姉!エレーナぁ!ヤマさん!ひっさしぶりぃ!!!」

 

 

入ってくるや否や小ビーストの女性はギラードに飛びついた。

 

 

ギラード  「…シルル………相変わらず元気ね?……身長、少し伸びた?」

 

 

シルル   「えっ!ギラ姉分かるの!?うん!0.09cm伸びたよ!!ね、クーヤ?」

 

 

小ビーストの女性は『シルル』。優男の方が『クーヤ』のようだ。

 

 

クーヤ   「あ、うん、そうだね……(それは伸びたうちに入らないね…) ん?そこの青髪のヒトはもしかしてガーディアンズの蒼い風のディーン・オーシャンさん?現在はマナちゃんのパートナーでしたっけ?」

 

 

ディーン  「…んあ? …あ、あぁそうだが、なんでその名前を知ってるんだ?」

 

 

フォレス  「あぁ、彼、クーヤ・シャルデンはかなりの情報通でしてね……… 貴方ほどの人物の個人情報など手に入れるのは彼にとって造作もないことですよ…」

 

 

ディーン  「(それって普通に犯罪レベルじゃね? …この男顔の割にやることがえぐいな…)」

 

 

クーヤの穏やかな表情がとても邪悪なものに見えてきたが、あえて声に出すことはなかった。

 

 

するとシルルがキョロキョロと辺りを見渡し始めた。

 

 

ギラード  「…シルル?…どうしたの?」

 

 

シルル   「…ねぇギラ姉、マナ姉はいないの?」

 

 

マナ『姉』と言うことは彼女の方が年下であるのだろう。シルルは首を傾げてギラードの顔を見つめる。

 

 

ギラードは目線を下に向け答えずらそうに俯いていた。

 

 

クーヤ   「……やっぱり、マナちゃんは拉致られてしまったんだね?」

 

 

不意に聞こえたクーヤのセリフに誰もが耳を傾けた。

 

 

ディーン  「なんでわかるんだ……?」

 

 

シルル   「フッフーン!クーヤは凄いんだよ?わかって当たり前だし! …で、クーヤぁ?なんでわかったの?」

 

 

ディーン  「(はっ!?)」

 

 

クーヤ   「……僕がこの一年調べたことから推測するに彼女を連れ去ったのは、おそらく五芒星(ペンタクル)…」

 

 

!!!???

 

 

その場にいた全員が表情を急変させるが、フォレスだけは先ほどと変わらない表情をしていた。何か知っているのだろうか?やはりそうか…といった具合だ。

 

 

クーヤ   「理由はわからないが、ここ最近マナちゃんの周辺をペンタクルの一人が付け回していたみたいなんだ…… ただ、そいつは僕以上に情報に特化しているみたいでね…ペンタクルの一角であること以外は一切わからないんだ………」

 

 

ディーン  「…なんでペンタクルであるとはわかったんだ?!」

 

 

クーヤ   「それは簡単だよ。 そいつの生体反応を感知した時、SEEDのそれと同じだったからさ…… しかし、僕なりに推理してみた結果、もしかしたらと言える人物が挙げられた……」

 

 

そういうとクーヤは小型端末を取り出し、その端末をテーブルの中央に置いた。

すると画像が表示された。

 

背ビレの部分が女性の上半身になっている鮫のようだ。

 

 

ギラード  「…これは?」

 

 

クーヤ   「『ステルスシャーク』………通称『ラヴカ』と呼ばれているかなり一部の者にしかその存在が知られていないハッカーです…… 『この世の全てを知る者』と言われていて有力者と裏でつながっていたり、彼らに情報を高値で流したり、同盟軍のメインサーバーをいつでも制圧できる技術を持っていて、いつでも戦争を起こせるなどと噂されていますが、詳細は結局不明です…。 でも、このペンタクルのメンバーには一番イメージが近いと思われます…」

 

 

ギラード  「なるほどね………で…なんでマナが連れて行かれたって分かったの?」

 

 

クーヤ   「…一応、マナちゃんのことを見張っている人物を捜索していたのですが、そこのディーンさんと別れた後、その人物と接触して、そのままパルムの海底施設に移動していたので………」

 

 

その場にいた全員がディーンに冷たい視線を当てた。

 

 

ディーン  「…な、なんだよ…?」

 

 

シルル   「ちょっとぉーーー!!アンタ、マナ姉のパートナーじゃないのぉお!?なぁんで、単独行動させちゃったのよぉ!!!」

 

 

ディーン  「…ちょっと待て!アレはアイツが勝手にいなくなっただけで……」

 

 

ジャン   「………ディーンさんがボロクソ嫌味を言ったからね…」

 

 

ディーン  「ジャン!…てめっ!」

 

 

シルル   「何よー!!アンタのせいじゃない!!サイテー!!マジサイテー!!死ねばいいのに!!」

 

 

ポンッ

 

 

ディーンに罵声を浴びせるシルルの頭にクーヤが手を置いた。

 

 

シルル   「クーヤぁ?」

 

 

クーヤ   「こらこら、ダメだよ?シルル?マナちゃんを狙う人物がいることを把握していたのに、この事態を阻止できなかった僕たちにだって責任はあるんだ……」

 

 

シルル   「違う違う!!クーヤは悪くないよ!? このキモ青髪がマナ姉をいじめたからなんだよ?」

 

 

ディーン  「(キモっ…!?)」

 

 

クーヤ   「……そんなことはないよ… 現に彼は今日までずっとマナちゃんを守って来たんだ。  それよりも今はマナちゃんを助けることが最優先だろ?」

 

 

シルル   「……クーヤ……。…うん……確かにそうだね…… キモ青髪!クーヤに感謝するんだね!べーっ!!」

 

 

舌をディーンに向けてだしているとまたクーヤがこつんと頭を叩いた。

 

 

フォレス  「……では、クーヤ君… マナはどこに連れて行かれたのかはわかっているのでしょうか?」

 

 

クーヤ   「はい… パルムの現在は使われていない海底カジノ跡地です… ですが、二点ほど気になることが……」

 

 

フォレス  「なんでしょう?」

 

 

クーヤ   「一つは、犯人を『ラヴカ』と仮定した場合、こうも簡単に情報がこちらに伝わるとは思えないんですよ…」

 

 

ギラード  「……罠ってこと?」

 

 

クーヤ   「えぇ……でも、犯人がまだ『ラヴカ』と決まったワケではありませんし、僕の過大評価と言う場合もあります…… 問題は2点目です…」

 

 

真剣な表情を作ると数秒を間をあけた。そして口をひらいた。

 

 

クーヤ   「……マナちゃんが連れて行かれた時の反応の移動がパルムの街中から一瞬で海底に移動したんですよ……… まるでワープでもしたかのように…… 恐らくはOSの能力だと考えられるのですが、ここまでの長距離移動を可能とする能力は少々厄介かと……」

 

 

罠の可能性大、強力なOSの能力… どちらも確定ではないが不安要素としては十分に機能している。

 

 

クーヤ   「……敵の狙いが分からない以上、早めにマナちゃんを救出したほうがいいと思うのですが…… やはり危険かと……」

 

 

 

 

暫し沈黙が続いた。だが…

 

 

 

 

ディーン  「行くよ……場所が分かってるんだろ?」

 

 

クーヤ   「ディーンさん……ですが、これは罠の可能性が…」

 

 

ディーン  「オレの責任だ……ちゃっちゃと連れて帰ってくるさ…」

 

 

 

 

 

ギラード  「…そうね…でも、彼だけじゃ心配だから私たちも行こうかしら?ヤマト?」

 

 

ヤマト   「うむ!ディーン殿の武士道!しかとこの眼に焼き付けさせていただこくでござる!!」

 

 

クーヤ   「お二人まで………しょうがないなぁ…シルル…君も行ってくれるかい?」

 

 

シルル   「キモ青髪がいるのはやだけど…クーヤのお願いだし、マナ姉も心配だから行く! 感謝しなさいよ?キモ青髪!」

 

 

ディーン  「さっきからキモキモうるせぇんだよ!!チビ助が!!」

 

 

このセリフを聞いた途端、シルルの表所が豹変した。

 

 

シルル   「はぁー!?誰がチビよ!!死ね!死ね死ね死ね!! てゆーか、私小ビーストだから、この身長普通だし!つーか小ビーストも知らないの!?バカじゃないの!?死んじゃえば?」

 

 

この二人どうやら水と油らしい。

この流れを眺めながらクーヤはため息をつくとまとめに入った。

 

 

クーヤ   「はいはい、その辺にしとこう!……じゃあ今から、現在僕が思いつく最善の策を伝えるよ…」

 




キャラクター設定
クーヤ・シャルデン
種族:ヒューマン(♂)
年齢:21歳
身長:185cm
体重:64kg
ICV:宮野真守
詳細:ギルド所属の情報通でシルルのパートナー。しかし、戦闘能力はほぼ皆無である。また、フォレスからの信用も高く、あらかじめペンタクルのことは教えられていた。
さわやかな笑顔を常に絶やさないが、腹の中は意外と黒い。何食わぬ顔で人の個人情報を取得している。
彼のことが大好きなシルルのことをどう思っているかは不明。
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