ファンタシースターポータブル外伝〜After the tragedy〜 作:烏山
~海底カジノ跡地~
ラヴカ 「…………来たわ………」
ジョーカー 「んは?もうかい?早いねぇ」
前面が複数のモニターに囲まれている部屋の中央に二人はいた。少し離れたところでハートの仮面をしたキャストの女性とその隣に黒いローブを被ったクローバーのマークが描かれた仮面をした人物が呆然としていた。
複数のモニターのうちの入口の様子を監視しているカメラに、ディーン、ギラード、ヤマト、シルルの姿が映った。
ジョーカー 「え~っと?俺達が殺るのはこの青髪の兄ちゃんでよろしいのよね~?」
ラヴカ 「…ええ……」
ジョーカー 「おーけぃ♪それにしておまけが……ひぃ、ふぅ、みぃ……3人ねぇ~。マルコちゃんとマシナリー共で何とかなるかねぇ?…まぁ、マルコちゃんはともかく、マシナリーの方にはデッカいのも数体用意から問題ないかねぇ?」
ラヴカ 「………そろそろ行ってもらっていい?」
ジョーカー 「おーけぃおーけぃ♪ラヴカちゃ~ん♪………それじゃあ、二人とも?お仕事開始しちゃいましょうか?」
上機嫌でモニタールームから出ていくジョーカーと、その後ろに続く二人が立ち去ったのを確認すると、ラヴカは仮面を外してモニターに映るディーンの顔を見つめた。
ラヴカ 「………貴方の死が私の長年の祈願を叶えるトリガーとなる……… それほどのことだから、軽い引き金でないことを祈るわ………ふふ……」
~カジノ入口付近~
人の気配が全くせず、明かりも途切れ途切れな道を四人は無言で進んでいた。そう、無言だった。
シルル 「・・・・・・・ジ――――」
シルルの刺すような視線がディーンに長時間向けられている。それは明らかに殺意を感じさせるものだった。
ディーン 「……オイ…なんだよ?」
シルル 「はぁ?何だよって何よ?」
ディーン 「お前、ずっとオレのこと見てんだろ?すっげぇ目つきで・・・」
シルル 「はぁ?何言ってんの?アンタのこととか見てないし!自意識過剰なんじゃないの?キモいんですけど?」
ディーン 「・・・このクソガキャ・・・!!!」
ギラード 「黙って・・・!!」
ディーンがシルルの方へ勢いよく振り返ると同時にギラードが声を荒げた。
シルル 「ギラ姉・・・」
ヤマト 「ホレ、ギラード殿もご立腹だ!ディーン殿もシルル殿もいい加減にしなs・・・・」
ギラード 「・・・違う・・・前から何かくる・・・それも大勢・・・」
確かに耳を澄ますと機械の動く音がたくさん暗闇の中から聞こえてきた。
ディーン 「・・・ちぃ・・ガードマシナリーか・・・!それにかなりの台数だ・・・」
その後すぐに通路の奥からグリナビートCが10体、それに群がるように小型密集系のモノや四足型のマシナリーが次々と姿を現した。
ギラード 「・・・恐らく足止めね・・・。・・・ヤマト・・・頼める?」
ヤマト 「合点承知でござる」
刀を構え前に出るヤマト。
ディーン 「おし!迎え撃つぞ!!」
ギラード 「・・・いや、私たちは先に進むのよ・・・?」
ヤマトに続いて武器を構えるディーンに冷めた声で告げた。
ディーン 「はっ!?」
ギラード 「・・・どう考えて、これは敵の時間稼ぎ・・・・・・マナの身に何が起きているか分からない以上、一刻も早く行かなくてはいけない・・・」
ディーン 「でも、ヤマトさん一人じゃ・・・」
ギラードに訴えかけるディーンの肩にポンと手が置かれた。
ディーン 「ヤマト・・・さん?」
ヤマト 「心配ご無用でござる・・・ なぁにすぐ追いつくでござる・・・」
そう言うと両手を天井に向かって掲げた。
ヤマト 「拙者がサブウエポンで道を開く!そこを進まれよ!!」
凄まじい轟音と供にヤマトの頭上に巨大な剣が現れた。サブウエポン『エクスシア・エスパダ』。そのヤマトの身長の何倍もあろう刀剣がマシナリーの軍団目掛けて振り下ろされた。
――――――――――ゴォオオオオオ!!!!!!!!
剣に触れたマシナリーはもちろん、その剣圧に触れたものも粉々に砕けった。
そして、ちょうど中央に道が開けた。
ギラード 「・・・行くわよ・・・青髪クン、シルル・・・」
すぐにギラードは走りだし、少し遅れてシルルも後を追った。
シルル 「ちょっとおお!?何してんのよ!?アンタも早くきなさいよぉお!?」
ディーン 「・・・・ヤマトさん・・・」
ヤマトの方を振り返り動けないでいるディーンの姿があった。
ヤマト 「・・・ディーン殿・・・我々の主とする目的をもうお忘れか?」
ディーン 「でも、あんな数のマシナリー一人で倒すなんて無茶だ!!」
ヤマト 「うむ・・・イマイチ信用されていないでござるな・・・武士は果たせぬ約束はしないものでござるよ? 行けっ!!!ディーン殿!!」
ディーン 「・・・・・・すまない・・・」
ヤマトの作った道を振り返り、全速力で走り出した。
ヤマト 「・・・行ったか・・・さてと・・・スクラップになりたいものから前に出よ!!!」
――――――――
マシナリーの群れを抜けた3人は透明なガラスでできた細いトンネルのような通路を進んでいた。
通路の外には海底を泳いでいる魚やその他の原生生物の姿が覗えた。
シルル 「うっはぁ~いいなぁ~その辺の水族館よりも凄いよコレ!!」
ガラスの壁に手を付けて夢中にはしゃぐシルルの後ろを暗い顔でディーンは通り越した。
ギラード 「・・・青髪クン・・・」
シルル 「つーかアンタいつまで暗い顔してんの?元々根暗っぽいけどさぁ?別にヤマさん死んだわけじゃないじゃん?なんでそんな落ち込んでんの?キモインですけど?」
ディーン 「・・・・・」
ギラード 「・・・彼なら大丈夫よ・・・相当強いのは貴女も知ってるんじゃないの?」
ディーン 「・・・それは・・・そうだが・・・」
俯くディーンに背を向けギラードは通路の奥に目を向けた。
ギラード 「・・・それよりお客さんよ?」
シルル 「うっへ~ またキモいヒト来た~・・・」
ディーン 「アイツは!」
通路の奥から、不敵に笑いながらゆっくりと赤髪の男が歩いてくる。
髪をかき上げ、顔の傷を舌でなめるように撫でる。
マルコ 「・・・お久しぶりです・・・『蒼い風』・・・ふふふ・・・やはり傷が疼きますね・・・」
ディーン 「・・・マルコ・・・」
以前ニューデイズのレリクスにて死闘を繰り広げた相手の姿をみると、すかさずセイバーを出現させ身構えた。
マルコ 「ふふ・・・ふははは!!良いですね!やる気ですね!!・・・あの時の私と同じと思わない方がいいですよ――――」
逆手持ちの刀身の長いダガーを握り、床を強く蹴ると凄まじい勢いで距離を詰めてようとした。
ディーン 「(―――速い!)」
―――――――――キンッ!!
勢いにのりながらディーンを間合いに入れるとダガーを振り切った。
しかし、その一撃は受け止められた。
マルコ 「・・・・・なんなんですか?貴女は?私のリターンマッチの邪魔をしないでいただきたいのですが?」
マルコのダガーはギラードのウォンドによって受け止められた。
ギラード 「青髪クン・・・シルル・・・先に行って・・・」
シルル 「りょうかーい♪ ギラ姉ボコボコにしちゃえ~!」
ディーン 「・・・オレは一度コイツと戦ったことがある!オレが相手をした方が・・・」
ギラード 「行け!!!ディーン・オーシャン!!!!」
ディーン 「!!」
いつもはボソボソと喋るギラードからは想像することも出来なかった大声で、うろたえるディーンに一括をいれた。それと同時にウォンドが激しく光りマルコを吹き飛ばした。
マルコ 「ぬわっ!??」
ギラード 「・・・・貴方は早くマナのところへ行きなさい・・・大丈夫・・・私・・・これでもギルド最強だから・・・こんなやつ・・・すぐに片付けるわ・・・」
ディーン 「・・・・・・」
ギラードの眼をみるとそのまま黙ってシルルの後を追って走って行った。
―――――
マルコ 「・・・やれやれ・・・全く無粋な女性ですね・・・・・」
ギラード 「・・・ごめんなさい・・・あまりそういうことには気が回らないの・・・」
サラサラの長髪をかき上げ不機嫌な表情を浮かべるマルコに対して、無表情なギラード。彼女の顔をよく見るとマルコはあることに気付いた。
マルコ 「・・・おや?貴女、もしかして『朱い魔女』ではございませんか?」
ギラード 「・・・えぇ・・・そう呼ぶヒトもいるわ・・・」
マルコ 「くふ・・・ふふふ・・・ふわはははは!!!!」
不気味に笑うと、ダガーの刃をペロリと舐め、再び戦闘の構えに入る。
マルコ 「・・・本来は『蒼い風』(かれ)を倒して名誉挽回を図ろうとしたのですが、貴女のような大物を仕留めたとなれば・・・・あんな雇われの奇術師など不用!!・・・申し訳ありませんが、貴女は私の踏み台になっていただきましょうか?」
―――――――――――
シルル 「・・・何ココ?暗くない?・・・アンタみたい!」
ディーン 「・・・・・・」
シルル 「ちょ・・・いつまでしょげてんのよ!?」
ディーン 「・・・・・・」
俯いたままのディーンにシルルは駆け寄るが、なんの反応も示さない。それが頭に来たのか、もともとそのつもりだったかは不明だが、シルルの拳がディーンの顎にクリティカルヒットした。
ディーン 「ごはぁあ!!」
間抜けな声が出た。 意識が上の空で、そのうえシルルの死角(身長的な意味で)の攻撃に対して全く備えが無かった彼はそのまま後ろに倒れた。
ディーン 「・・・痛・・・テメェ・・・何しやがる!?」
シルル 「アンタいい加減にしなよ!そんな気持ちでマナ姉助けられると思ってんの!?」
先ほどまでの軽蔑した表情ではなく、必死な表情で訴えかけている少女の顔が起き上がってまず一番にディーンの瞳に飛び込んできた。
シルル 「ギラ姉やヤマさんもアンタにならできるって任せてくれたんだよ!?アンタに自分の責任を取らせるチャンスをくれたんだよ!?」
ディーン 「・・・シルル・・・」
ジョーカー 「あっれぇ?何々?仲間割れしちゃってる感じかなぁ?」
ディーン 「!?」
無粋にもしわがれているが、妙に頭に響く声が仄暗い部屋の奥から聞こえてきた。
声のする方向に目をやると、不気味な仮面をしたアロハシャツの男と、その後ろに控えるように立っている同じく妙な仮面をつけ紺と紅のローブを着て、フードを被っている二人の姿が見える。
シルル 「・・・ったく、もう・・・また気持ち悪い奴らが来ちゃったじゃん・・・!」
ジョーカー 「えぇ~?気持ち悪いとか言われた~ おじさんショックゥ~♪」
シルル 「・・・アンタ、一人で先に行かせてもダメそうだから、ここは二人で突破するよ!?」
ディーン 「・・・わかった・・・」
ディーンはセイバーとハンドガンを、シルルは身長の倍はあるであろう大剣をとりだし構えた。
ジョーカー 「・・・おうおう、恐いね~…最近の若い子はこれだから苦手だよ~…つーわけで、お二人さん?ヨロシク頼みますわ~?」
ジョーカーの言葉を聞くと、後ろで控えていた二人が突然、武器を取り出し飛び出してきた。
ディーン 「なっ!?」
ジョーカー 「さてさて~ 楽しいパーティーの始まりよ~ん♪」
キャラクター設定
シルル・カリバー
種族:(小)ビースト (女性)
年齢:16歳
身長:130cm
体重:29kg
CV:竹達彩奈
詳細:ギルド所属の大剣使い。小さいながらビーストならでは怪力で身長の二倍ほどの得物を軽々と振り回す。ギルドには2年前から所属しており、学校にはまともに通っていないため頭はあまりよくない。また、マナや他のメンバーとは仲が良く、あだ名を付けたがる。パートナーのクーヤのことが大好き。現在組んでいるディーンのことが大嫌い。