ファンタシースターポータブル外伝〜After the tragedy〜 作:烏山
ディーン「・・・・・・・・・・ヴィヴィアン・・・・・・・」
目前で自分に武器をむける元相棒の姿に、ただ彼女の名前をこぼすしかなかった。
それに応じることなくヴィヴィアンは距離をつめ手に持っている武器を振りかざす。
ディーンは寸でのところで我に返り後退して攻撃を避けようとしたが、一瞬の反応の遅れが仇となりヴィヴィアンの横斬りがディーンの腹を裂いた。
傷口からブワッと鮮血が飛び散った。
ディーン「――!!!!」
シルル「青髪!!」
ディーンが斬られたことでシルルも我に返った。
彼に目を向けると腹部から出血してるものの深い傷では無く、そのまま倒れることは無く体勢を立て直し片手で傷口を抑え、もう一方の手でセイバーを握りヴィヴィアンのニ撃目を防いでいた。
ディーン「………くそ……なんで…なんでお前が……」
ヴィヴィアンは何も述べることなく連撃を続けた。
シルル「…なんなの…!?あのキャストの女、アイツの知り合いか何か…?」
ジョーカー「ロリっ娘ちゃ~ん!!よそ見しちゃっててよろしいのかなぁ~!?」
彼の腕の動きに合わせてマナもシルルに襲い掛かる。
彼女もまた反応が遅れたが、なんとか大剣を使って攻撃を受け止めた。
するとマナはすぐにシルルから距離を取った。面が割れた彼女の顔に表情は無く、目は虚ろであった。
シルル「アンタ……マナ姉に何したのよ!?」
ジョーカー「別にぃ~?オジサンはただラヴカちゃんの依頼で彼女にちょっとした催眠術をかけて君らと殺し合いをさせてるだけよん?ラヴカちゃんにどういう考えがあるかは知らないのよね~ん?」
シルル「(…ラヴカ……やっぱりクーヤの推理通りだ…!)アンタ達・・・許さない!!何が目的か知らないけどマナ姉をこれ以上好きにさせない!!」
ジョーカー「へぇ~…よく分かんないけど彼女は君達にとって大切らしいねぇ~……な~るほど?」
嫌味っぽくそうこぼすと右腕を前に出した。
ジョーカー「じゃあ、こういうのはどう?」
指をパチンと鳴らすと同時にマナの右腕がボキッと言う音を立てて有り得ない方向に曲がった。
シルル「!?」
慌ててマナに駆け寄るが、マナは相変わらず無表情である。
そして、シルルが間合いに入ると同時に、本来動くはずの無い右腕に握ったセイバーで突きを放った。
突然の出来事に反応することができず、肩に浅く受けてしまった。
すぐさまマナから離れ傷口を抑えながらジョーカーを睨む。
シルル「何!?アンタなんなの・・・!?こんなテクニック見たことない!!なんでマナ姉の骨が折れたの!?」
ジョーカー「質問の多いロリっ娘だねぇ~ 僕ちゃんは少し変わった催眠術が使えてね……僕ちゃんのイメージと彼女の肉体をシンクロさせることができるんだよね…」
シルル「…ウソだ!!そんな催眠術あるわけない!!!それに…なんで折れた右腕をつかえたのよ!?」
ジョーカー「記憶の具現化現象とか起きちゃう世の中だよ~?僕ちゃんみたいな超能力者がいてもな~にんもおかしくないと思うけどね~
ヒトっていうのはね、実は自分で骨を折ることができるんだよね~。でも、それをやろうとすると痛みを伴うから脳が勝手に抑えちゃうんだよ。
だけど、僕ちゃんの催眠術ならその、脳の抑えがないからね~簡単にボキッといけちゃうワケなのよ~♪ あと、僕ちゃんの能力だと身体機能を極限まで使うことができるから骨が折れていようが一応は剣が振れるんだよね~♪
相当体に負担はかかるけど、他人の痛みなんて知ったこっちゃないからね~☆ …君バカっぽいけど理解できてる?」
シルル「………アンタを倒せばマナ姉は解放されるんでしょ!?」
そう叫ぶとシルルはジョーカーに向かって走りだした。
シルル「うおおおおおおおおお!!!!!!!!」
ジョーカー「は~い!!ストップ~~~♪」
今度は左腕を前に伸ばしてシルルに静止を促す。
ジョーカー「これ以上、僕に近づくと~~ 今度は首の骨をポキッっとイっちゃうよ~? 首の骨って折れるとどうなっちゃうんだっけ~?バカな君でもわかるよね~?」
シルル「やめて!!!……もうマナ姉を……傷つけないで……」
涙目で力なくその場に膝をつく少女を見て、ジョーカーは仮面の内でニヤリとした。
ジョーカー「却下~☆ これから君たちの大好きなマナ姉の全身ボキボキタイムがはじまりまする~☆」
シルル「!!!そんな!!!ふざけんな!!!!」
ジョーカー「大丈夫~!首は最後にしてあげるから~~ん☆ じゃあ、まずは左腕~~♪」
伸ばした左手の指を鳴らそうとした。―――-その時
ラヴカ「……『凍結(フリーズ)』……」
突如ジョーカーの真後ろの空間が歪み、そこからラヴカが姿を現した。片方の手はジョーカーの左手に添えられている。すると彼の手は時間が止まったように動かなくなった。
ジョーカー「……ラヴカちゃん…?今、いいところなんだけど……な~んで邪魔しちゃうかな?」
腕に謎の力を受けながらもジョーカーはラブカに顔を向け、冷静にそう問う。
ラヴカ「………その子を死に至らしめてはダメ………ごめんなさい……私の目的を明確にしなかったのが原因ね………」
ジョーカー「あらら…ダメなのね~… おーけぃおーけぃ!そういうことなら最初から言ってくれればいいのに~☆ よっし!じゃあ別な方法で行くからこの腕を……」
ラヴカ「その必要はないわ…」
ジョーカー「…ん?オイオイ、それだと僕動けないよん?」
ラヴカ「舞台はととのったわ……ここからは私がやるから………アナタはもう必要ないわ…」
ジョーカー「!?」
ラブカのもう一方の手が白く光るとジョーカーの顔の前に手の平をかざした。
ラヴカ「『選択(セレクト)』」
そう唱えるとジョーカーの頭を囲うように青い半透明の結界が現れた。
ジョーカー「!!!!てめぇええええ!!!!!このクソアマがぁああああああ!!!!!!!!」
ラヴカ「『消去(デリート)』」
青い結界の内側はまるで最初から何もなかったかの用に結界と共に消滅した。
ジョーカーの首から下が力なくその場に崩れ落ち、綺麗に切り取られた切断面からは鮮血が噴水のようにあふれ出している。
彼が絶命するのと同時にマナもその場に倒れた。
シルル「…………アンタ……今何したの……?」
突然の出来事に顔面蒼白のシルル。
対してラヴカは服に飛び散ったジョーカーの血液をふき取っていた。
ラヴカ「……その質問に私が答えるメリットは無いわ…… さて、貴女これから私がすることを邪魔するようだったら彼みたいになってもらうけど……どうする?」
シルル「(……コイツ!!かなりヤバい!!!…ギラ姉が来てくれれば…)」
ラヴカ「増援なら来ないわよ?……彼女のことよね?」
ラヴカの横に空間の歪みが生れ、そこに手を入れて何かを引っ張り出した。
その何かは空間の歪みの中から全て引っ張り出されるとその場に捨てられた。
シルル「…………ウソ………」
ラヴカ「……偽物じゃないわよ?」
捨て置かれた何かは、シルルのよく知っている人物であった。
シルル「……ギラ姉……」
それは全身血まみれギラードであった。
ギラード「・・・・・・・・・・・・うぅ・・・・・・・・」
ラヴカ「……まだ息があったのね…… やっぱり心臓か頭を消さないとダメね……」
そう呟くとラヴカはギラードの頭に手を伸ばした。
ラヴカ「……セレク―――――――――」
シルル「うおおおおおおおお!!!!!!!!!!!」
ブォン!!
ラヴカとの距離を詰めた。そして大剣を振り切ったが、ラヴカはバックステップでそれをかわした。
シルル「……ハァ…ハァ……アンタ…許さない……」
ラブカ「………どうやら、貴女の『処理』が先のようね………『接続(リンク)』」
腕を真横に伸ばすと、そこに空間の歪みが現れた。そしてまたしてもそこに手を入れた。
シルル「!!! またさっきの!?」
ラヴカ「……『凍結(フリーズ)』」
シルル「えっ!?」
突然両足が動かなくなり、シルルはその場に倒れてしまった。
シルル「……何……?これ・・・・?」
後ろを振り向くと、空間の歪みが存在しそこから手が伸びていた。
ラヴカ「……さて……これで貴女は逃げられない………『削除(デリート)』してあげるわ……心臓と頭……どちらがいいかしら?」
シルル「ふざけるな!!!」
ナノトランサーからナイフを取り出し、ラヴカに向かって投げつけるが、ラヴカはそれをかわすように空間の歪みの中へと入りこんだ。
すると同時にシルルの後ろの歪みから姿を現した。
ラヴカ「……さぁ、これで終わりよ…?」
手が光らせシルルに伸ばした。
シルル「あ……あ……(もう…ダメ……誰か……助けて…!!)」
ラヴカ「『セレクt――――――」
ビュンビュン!!!
突如二発の弾丸が飛んで来た。
ラヴカはすぐに反応し、空間の歪みの中へと逃げ込んだ。
シルル「……え?」
振り向くと、そこにはディーンの姿があった。
ディーン「……大丈夫か…?」
シルル「……え?…う、うん………。 あれ?アンタ、あのキャストは?」
ディーンは黙って自分の来た方を指さした。そこにはスタン状態のヴィヴィアンの姿があった。
ディーン「トラップで動きを止めてきた…………まずはコイツをぶっ潰す!!」
凄みをきかせてそう言うと、ラヴカに銃口を向ける。
ディーンの表情は今までにないくらい怒りに満ちていた。
ラヴカ「――全く……思い通りにいかないものね……ホント――――」
ラヴカ「――――――-楽しくなってきちゃうわ……」
今回は紹介するキャラがいないのでキャラクター紹介はお休みです。
今後ともあまり間隔を空けずに投稿できたらな~とか思ってます。
よろしくお願いします!