ファンタシースターポータブル外伝〜After the tragedy〜   作:烏山

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ハーメルンでの初投稿です!

少しタイムラインのズレた話&本編に関係ないようでどこかで関係する話です。


また、本編には未登場の新キャラが多くでます。
そしてディーンの隠された(?)過去も少し明らかに!!


それではどうぞ!!


インターストーリー
家族の在り方


ワスプとの戦いから一週間後のギルドのロビー。そこにはラグナが一人誰かと電話しているようだ。

その表情は真剣だがどこか嬉しそうにも見える。

 

ラグナ「…あぁ…… その点だけ注意しておけば問題無いと思うぞ?……んぁ、わかった……… あぁ…またな!」

 

 

ピッ―――

 

 

ラグナ「・・・・・・ふぅ」

 

 

エレーナ「誰ですか?女性では無いようですが?」

 

 

キッチンからエレーナがコーヒーを持ってラグナに歩み寄った。

 

 

ラグナ「おっ!エレーナちゃん!今日もビューティだねぇ♪」

 

 

エレーナ「・・・もう…… そんなことより今の通話は?」

 

 

ラグナ「あぁ、ロークだよ。今度のプロジェクト企画書をまとめたやつを送って来たんでさ、それを見た俺なりの感想を言ってやったんよ」

 

 

少しにやけて話すラグナをほほ笑ましく見つめていた。

 

 

ラグナ「それでアイツの部下が出した企画の一つなんだけど、それがホントにしょーもなく………ん?どした?エレーナちゃん?」

 

 

エレーナ「いえ、ラグナ様の本当の笑顔を見たような感じがして・・・和解できてよかったですね」

 

 

ラグナ「いや、俺が自由気ままなだけだからな…和解も何もないさ……」

 

 

間を空け、少し顔に侘しさを漂わせてから続けた。

 

 

ラグナ「…俺とロークは兄弟で……家族だ……お互い笑って気楽に接することができるのが家族の本来あるべき姿じゃないかな?それができるようになったのは最近かもしれないな……お互いどっかで遠慮してたかもしれないよ……まぁ親父を死に追い込んだオレのセリフじゃないよな……」

 

 

エレーナ「…ラグナ様……」

 

 

無言だが悪くない空気ができた。しかし、ラグナは息苦しくなったのか……

 

 

ラグナ「んん?もしかしてエレーナちゃん、オレのこと惚れ直したぁ?」

 

 

エレーナ「違います」

 

 

ラグナ「即答!?」

 

 

少し裏返った声でそう喚きラグナは近くの椅子に腰を下ろすとエレーナの表情を確認した。

 

 

エレーナ「……家族……ですか……」

 

 

ラグナ「…エレーナちゃんにもいるだろ?自分を生んでくれた親!」

 

 

エレーナ「キャストはヒトから産まれませんが?」

 

 

ラグナ「…そういう事じゃなくて……ようは作ってくれた人だよ!いるだろ?」

 

 

エレーナ「………それがよく思い出せないのです………気付いたら私はここにいて、マナとフォレス様と生活してきました」

 

 

自分の過去が分からないのが不安なのかとても切ない顔をした。

 

 

ラグナ「……まぁ俺から見たら、マナちゃんが娘、フォレスが旦那……んでエレーナちゃんは『お母さん』って感じに見えるけどな…… 十分アーラニヤカ家の一員だと思うぞ?」

 

 

エレーナ「……!!」

 

 

一瞬衝撃を受けたような表情をしたと思ったらすぐに下を向いてしまった。

しかし、口元をやわらげ・・・

 

 

エレーナ「…ありがとうございます………」

 

 

聞こえないくらいの声でそっと呟いた。

 

 

ラグナ「えっ?なんて?『愛してる』?」

 

 

エレーナ「…いえ、『いい加減にしてください、セクハラですよ?』と言いました・・・」

 

 

ラグナ「なんでぇ!?」

 

 

エレーナ「……フフッ………それでは失礼します……コーヒーこちらに置いておきますね?」

 

コーヒーをラグナの目の前のテーブルに置くとキッチンの奥へと消えて行った。その足取りはどこか軽そうに見えた。

 

 

 

エレーナが去った後、すぐにディーンのマイルームのエリアの奥から姿を現した。

 

ディーン「………ん?ラグナ?今、誰かと話してたのか?」

 

 

ラグナ「ん~エレーナちゃんとこの世の愛について語り合ってたとこさ」

 

 

ディーン「ハイハイソーデスカ」

 

 

ラグナ「そういえばディーンって家族はいるのか?」

 

 

ディーン「あ?なんで急に?」

 

 

ラグナ「いや、聞いてなかったなぁって思って」

 

 

ディーン「まぁ過去形でいたよ……親父と御袋が15の時に強盗に殺されて、その後オレがガーディアンズに入隊したのと同時に妹が家を飛び出してそれっきりだ……」

 

 

ラグナ「…………悪いな……いやなこと聞いたな……でも、なんで妹さんは出てったりしたんだ?」

 

 

ディーン「わからない………正直今、生きているのかさえも……」

 

 

ラグナ「………」

 

 

暫しの沈黙・・・それを破ったのはまたしてもラグナだった。

 

 

ラグナ「無責任なことを言ってるのかもしれないが、確かにお前と妹さんは血で繋がった家族だ………お互いがお互いを求めればきっと会えるさ……名前と特徴教えてくれよ?探すなら手伝うぞ?」

 

 

ディーン「……ありがとう…………特徴って言っても六年前だしな………オレと同じ髪の色……名前は―――――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~何処かの訓練施設・射撃場~

 

サングラスをかけた男が椅子に座りながら、射撃訓練をしている二人の男女を眺めている。女性の方はかなりの腕前で全てのターゲットを撃ち落としているが、男性の方は4発に1回当たる程度である。

 

 

サングラスをかけた男「よし!射撃はこんなもんにしとこう!!!!ティナ!!イワノフ!!」

 

 

パンパンと手を叩き立ち上がり二人の名前を呼ぶと、すぐに銃をナノトランスしサングラスの男の近くに走り寄った。

 

 

ティナ「くぅ~~!!つっっかれたぁ~~~~!!集中力もっとつけないとなぁ~~」

 

 

イワノフ「全然ダメだわ……俺ェやっぱ射撃のセンスないんですかね?」

 

 

サングラスをかけた男「ハーハッハ!!ティナ!!お前、遠距離射撃なら俺よりも精度が高いんじゃないか?背中を安心して任せられるな!!」

 

 

ティナ「い、いえそんな!!まだまだですよ!!」

 

 

赤面して大げさに手を振る。彼女、どうやら顔に出やすいタイプのようだ。

 

 

サングラスをかけた男「イワノフ!!まぁ人には得手不得手があるものさ!!さぁ!!次はお前の得意な近距離戦闘の訓練だぞ!?」

 

 

イワノフ「マジすか!?よっしキタァ!!!!」

 

 

ティナ「えぇ~………イワノフに調子こかせないでくださいよぉ~…」

 

 

イワノフ「んだとティナ!?お前、近距離のセンスないからって俺の名前つかって言い訳するなよ!!」

 

 

顔を飛ばしあっている毎度そんな感じであろう二人を微笑ましくサングラスの男は眺めていた。

 

 

サングラスをかけた男「ハーハッハ!!!ティナ!!近距離もしっかりマスターしないと兄さんに顔向けできんぞ?!」

 

 

ティナ「もぅ~…………」

 

 

ポンと肩を諭すようにたたかれつつ、三人は射撃訓練場を後にした。

 

 

三人が廊下を移動していると不意にイワノフが口を開いた。

 

 

イワノフ「そういえば、ティナって兄弟いたんな?兄だけ?」

 

 

ティナ「うん、兄だけ!まぁ、もう6年も会ってないんだけどねぇ……ちょっと会いたいかもなぁ…」

 

 

イワノフ「ふ~ん…なんでまた6年も会ってないんだ?」

 

 

ティナ「べっ…別にいいじゃん!そんなの!!プライバシーの侵害よ!?」

 

 

サングラスをかけた男「んん?聞きたいぞ?確かお兄さんはガーディアンズのエースだった人だよな?そんな立派な兄のいる家庭からなんで飛び出したんだ?」

 

 

二人の話を何気なく聞いていたサングラスの男が突然振り返り話題に入ってきた。

 

 

ティナ「……え……その……それは………お恥ずかしいのですが………ただの家出です………なんかすべてが嫌になって家出して……期間が長すぎて帰るに帰れなくなって………その……そのまま……」

 

 

イワノフ「ハァ!?」

 

 

ティナ「うっさいバカ黙れ!!」

 

 

サングラスをかけた男「ハーハッハ!!なるほどな!!しかし、そのままではいかんな!!しっかりと会えるうちに会っておけよ!!今度のオフにでも会いに行って来い!!これは命令だ!!いいな?」

 

 

ティナ「……はぁ……はい、わかりまし――イタッ!」

 

 

下に向けていた顔を前に向け直した瞬間、すれ違った人と肩をぶつけてしまった。

ぶつかった男は歳は30代後半くらいで細身、黒い軍服を着こなしている。

となりには10代後半の少女で同じく黒い軍服を着ているが少しデザインが違っており、階級は彼女の方がはるかに低いようである。

 

 

男は嫌味そうな目を3人に向けている。

 

 

サングラスをかけた男「すいません!うちの部下が……って貴方、ディオニスさんじゃないですか!?・・・・・・それに君は確か・・・・・・」

 

 

ディオニス「フン!君も軍人ならば、階級で呼ぶべきではないかね?ライチ・ブレッドレイン中佐?」

 

 

ライチ「……………申し訳ありません………ディオニス准将………」

 

 

ディオニス「……それと君はイワノフ・ビレン二等兵かな?接近戦にしか能のないと聞いているが、せいぜい捨て駒にされぬよう精進したまえ………」

 

 

イワノフ「………」

 

 

ディオニス「そして君は………ん~…そうだ!!ティナ・ヴォルス二等兵だろう?確か兄のカイザル・ヴォルスはガーディアンズで『まぁそこそこ有能』だそうじゃないか?接近戦ができないのにここの入れたのはそのコネかね?コネにするには兄の実力では足りてないがね!」

 

 

ティナ「!!!・・・・・・にを・・・・・・るな!!」

 

下を向いて拳を強く握り締めた。

 

 

ライチ「ティナ・・・落ち着け!!」

 

 

ディオニス「ん?何か言ったかね?」

 

 

ティナ「兄を侮辱するな!!」

 

 

握り締めた拳を思い切り振り切った。しかしそれはディオニスの顔面をたたく前にいなされた。そしてーーー

 

 

ボスッ―!

 

 

ティナ「うっ!」

 

 

強い衝撃がティナの腹部に打ち込まれ、彼女はそのままその場に倒れた。

 

 

ティナに一撃入れたのも拳をいなしたのもディオニスではない。

彼の後ろに控えていた蒼い髪の少女だ。

 

 

イワノフ「ティナ!!!・・・・・・オイ!!!アンタ!!何してくれてんだ!!」

 

 

少女は倒れているティナを見下しているだけでイワノフには目もくれていない。

 

 

ディオニス「先に手を出そうとしたのは彼女の方ではないかね?」

 

 

イワノフ「それはアンタがー!!」

 

 

今にも殴りかかりそうなイワノフの前にライチは手を伸ばし彼を抑えた。

 

 

ライチ「・・・・・・・・・部下の比例を御詫びします・・・・・・・・・。それでは・・・私たちはティナを医務室に運ぶので・・・・・・失礼します・・・」

 

 

イワノフ「中佐!!」

 

 

ディオニス「フ・・・イワノフ二等兵・・・・・・そして寝ているティナ二等兵・・・・・・優秀な上司に感謝するんだな・・・・・・ では行くぞ・・・・・・クリス・・」

 

 

クリス「・・・・・・はい」

 

カッカッカ・・・・・・

 

 

 

イワノフ「なんなんですか!?あいつ等!!ー!?ライチさん!?」

 

 

見ると、ライチの拳からは真っ赤な血が垂れていた。強く握りすぎたのだろう。

 

 

ライチ「・・・・・・すまない・・・・・・私に権力が無いばかりに・・・・・・・・・。・・・ディオニスは今は無きSEED技術開発局の元副長で四年前に功績をあげてから一気に昇進した曲者だよ・・・・・・最近不審な行動が多く何か恐ろしいことを考えている気がして・・・・・・」

 

イワノフ「アイツが!?・・・・・・女のほうは?」

 

 

ライチ「・・・・・・・・・『クリス』・・・・・・『クリス・オーシャン』・・・・・・・・・一般には知られていないが、ガーディアンの裏の英雄・・・・・・『蒼い風』ディーン・オーシャンの妹だよ・・・・・・」




新キャラ簡易まとめ(今作中に出るかどうかは作者次第)

ライチ・ブレットレイン…ヒューマン。中佐。部下思いのイケメソ。

ティナ・ヴォルス…ヒューマン。二等兵。ガーディアンズで活躍している兄がいる。元気いっぱいな射撃の名手。

イワノフ・ビレン…ビースト。二等兵。感情的な男。ノリのいい接近戦のエキスパート。

ディオニス…デューマン。准将。嫌味な元SEED研究者のエリート。

クリス・オーシャン…ヒューマン。なんか強いディーンの妹。



今作には登場させる予定はなかったキャラたちです。はい、『今』作中には
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