ファンタシースターポータブル外伝〜After the tragedy〜   作:烏山

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温泉

地下洞窟での巨大ル・ダッゴとの死闘を征したディーン一行はミッションが完了したかの確認…つまり無事温泉が復活したかの確認をしに村に戻った。

 

~温泉の村~

 

ガラー  「おおっ!ギルドの方々!よくぞやってくれました!見ての通りこの村の温泉は復活し始めましたぞ」

 

村長が一目散に駆け寄ってきた。巨体ゆえにドスドスと音を立てながら走ってくるものだからスグに気が付いた。

 

ディーン 「あぁ…無事ミッションは完了したみたいだな…」

 

ガラー  「えぇ…本当になんとお礼を言ったらいいのか…」

 

ディーン 「まぁ…仕事ですから…報酬をもらえればそれでいいですよ…」

 

ガラー  「そういうわけにはいきませぬ!貴方たちはこの村の英雄なのですぞ!?…そうだ!この村の温泉に入って行ってくだされ!」

 

ディーン 「…あ、せっかくですが早く帰ってギルドに報告を……」

 

断ろうとした瞬間…

 

マナ   「えぇ!?温泉!?いいんですかぁ~!?」

 

ガラー  「もちろんです!」

 

ディーン 「…オイ、マナ…」

 

マナ   「わぁ~!やったー!私、温泉って初めてですぅ!!」

 

ディーン 「…報告を…」

 

マナ   「きゃーっ!楽しみぃ~!」

 

大はしゃぎでディーンの声は全く聞こえていない。

 

ディーン 「・・・・・・・・」

 

ガラー  「では、あの赤い屋根の建物の温泉をご利用ください!ワシが管理している温泉で、ご存じの通りお客はいらっしゃらないので貸切状態でございます。どうぞごゆっくり!」

 

マナ   「ディーンさん!私は先に行ってますね!…あっ!覗いちゃだめですよぉ?」

 

そう言うとすぐさま赤い屋根の建物に入っていった。

そして、ディーンは思うのだった。

 

ディーン 「・・・・・(オレってどういう風に見られてんだ…?)」

 

あっけにとられているディーンの10m後ろ…村の入口あたりでジャンがこそこそとしている。

 

ガラー  「ムッ!?ジャンか!?お前そこで何をしとる!?」

 

こそこそとすると逆に目立ってしまう。皮肉な話だが…

 

村長にこっちに来いと言われ渋々こちらに歩いてきた。

 

ガラー  「服もボロボロだし、怪我もしてるではないか!?…まさかギルドの方々について行ったのか!?」

 

この村長とても勘がいい。

 

ジャンが何か訴えるようなまなざしでディーンを見ている。

 

ディーン 「……あ、いやっ、別についてきた感じはなかったですよ?」

 

ガラー  「そうなのですか!?…ジャンよ?ではその怪我はどうしたんだ?」

 

ジャン  「…ちょっとね…」

 

ガラー  「なんだ言えないことなのか?!また、悪さをしたのか!?」

 

ジャン  「ち、違っ…」

 

ガラー  「問答無用じゃあ!!」

 

村長の拳がジャンのミゾオチに入った。きれいに入ったらしくジャンは気絶してそのまま村長に担がれた。

 

ガラー  「ワシはこいつと少々話をしに行ってまいります…。どうぞ、ご自由に温泉に入ってくだされ」

 

そう言ってジャンを担いだままスタスタと去っていく村長の姿をディーンは何も言わずに見送った。

 

 

~温泉・男湯~

 

かなり広々とした空間に一人ポツンとディーンはお湯に浸かっていた。貸切とは贅沢なもので自然の音しか聞こえてこない。ディーンはこの静かな空間が好きだったりした。

 

ディーン 「(やっぱ入っといてよかったな…)」

 

そう一人でゆったりとしていると垣根の向こうから声がした。

 

マナ   「ディーンさ~ん?入ってますかぁ?」

 

垣根越しの女子の声…とても趣があるものである。

 

ディーン 「あぁ…」

 

マナ   「凄いですね!温泉って!私、こんな広いお風呂初めて入りました!」

 

ディーン 「親父やエレーナには連れて来てもらったことは無いのか?」

 

マナ   「お父さんは仕事が忙しくて…エレーナも私を連れてどこかに行く余裕は無かったんで  す…。…だから、外に出たことも全然なかったんです…」

 

ディーン 「……そうだったのか…」

 

マナ   「で、でもですね!お父さんも私のために一生懸命働いてくれるし、エレーナも優しくしてくれたから全然よかったんです!ただ…仕事でも、どんなに怖い生き物と戦うことになっても…初めてのことがいっぱいなこの仕事が私…好きです…」

 

…やっぱりどこかヴィヴィアンに似ている。よくわからないが、雰囲気がとても似ている。…そんなことを思いながらディーンはマナの話を聞いていた。

 

マナ   「そういえば、ディーンさんってギルドに来る前は何をしていたんですか?」

 

そう言えばマナはディーンが元ガーディアンズと言うことをまだ知らないのだった。

 

ディーンは話した。自分がガーディアンズだった時のこと、HIVEでのこと、四年間のニート生活のこと、そして…ヴィヴィアンのこと…。そして話しているうちに気が付いた。自分が話している内容によって表情や感情が変化していることに…。心を自分の中に感じてることに…

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

ディーン 「…だいぶ長話になっちまったな…。…のぼせる前にでるかな…。…お前もほどほどにしとけよ?」

 

しかし、これに対するマナの返事がない…

 

ディーン 「?…オーイ?どうしたぁ?」

 

マナ   「…ふにゃ~~…頭がぁ~…ブクブク…」

 

ディーン 「おまっ!のぼせたのか!?大丈夫か!?沈んでってねぇか!?…ちょっ…誰かぁあ   あ!!!!!」

 

大慌てで風呂を出て人を呼びに行ったとさ…

 

 

~数日後・ギルド~

 

なにやらロビーが騒がしい。誰かが演説のようなことをしている。

 

ディーン 「なんだぁ?ありゃ?」

 

そこへマナが駆け寄ってきた。

 

マナ   「大変です!ディーンさん!来てください!」

 

ディーン 「えっ?…ちょっ?…どーした?」

 

マナに引っ張られながら演説をしている人物の前まで来た。

 

???  「自分!今日からここのメンバーになったッス!!みなさん!よろしくお願いしま    ッス!」

 

ディーン 「お…お前はっ・・・!」

 

聞き覚えがある口調、ツンツンの茶髪、歪みのない真っ直ぐな瞳…

 

ディーン 「ジャン!!」

 

ジャン  「ウス!ディーンさん!こんちわッス!」

 

ディーン 「いやいや、なんでお前ここにいるわけよ?」

 

ジャン  「自分、ディーンさんやマナさんの戦いにあこがれてここに入ることに決めたッス!研修と訓練があるからすぐには無理ッスが、いつかお仕事手伝わせてほしいッス!!」

 

意気揚々といった言葉がぴったりであった。

 

ディーンは唖然とした顔から少し笑い、そのまま満面の笑みになり、ジャンの頭に手を置いた…

 

 

 

 

ディーン 「オゥ!!頑張れよ!?」

 

 




『温泉クライシス』完結です

次回から新しい章です。あの男を活躍させる予定です!
ぜひとも読んでください!

あと出来たら、感想書いたり、評価していただけるとほんとにうれしいです!

それではまた!

※ キャラクター設定もたぶん復活します。
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