FGO×ウルトラマン 短編まとめ   作:メンツコアラ

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第15節 if 君だけを護りたい

「あなたは何故、そんなに頑張るんですか?」

 

「急にどうしたんだ?」

 

「あなたがウルトラマンと言っても限界があるはずです。なのに何故……」

 

「うーん……限界を超えるため、か? 限界を超えた時、初めて掴み取れるものがある。それを掴み取るため……かな?」

 

「……私にはよく分かりません」

 

「焦ることないぜアナ その内分かるときがくるさ」

 

 そう言って、男は……アスカ・シンはアナの頭を撫でるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

◇━◇━◇━◇━◇

 

 

 

 

 

 

 

 絶対魔獣戦線バビロニア。人類史最後の特異点で立香たちは『金星の女神 イシュタル』、『花の魔術師 マーリン』、『アナ』、『風の風来坊 クレナイ・ガイ』と共に三女神同盟の一柱『ゴルゴーン』討伐のため、彼女が待ち受ける鮮血神殿に乗り込んだ。

 

 対峙するゴルゴーン。彼女の後ろには壁にとらわれた巨大な石像が一つ。

 突撃するアナ。皆が彼女をサポートし、石像に辿り着いた彼女は離さず持っていたあの石を取り出した。

 

「来ましたよ、アスカ……いつまで眠っているんですか……?」

 

 少女の頬に一筋の涙が流れ、それが石像に落ちる。

 

「町の皆も…ギルガメッシュ王も…あなたが帰ってくるのを待ってるッ…!」

 

───目覚めてッ!

 

 

 高く振り上げた石…否。『リーフラッシャー』を石像の胸に叩きつける。次の瞬間、アナの祈りに答えるかのように、リーフラッシャーから石像へ、淡い光が宿る。

 

「させるかぁぁぁぁッ!!!」

 

 石像を目覚めさすまいと、ゴルゴーンが全力で石化の魔眼を使う。

 襲い掛かる石化光線。立香たちは動けず、オーブもゴルゴーンとの戦闘で体力を失っている。

 

 血の如き、赤黒い光がアナを包み込む。

 しかし───

 

『待ってくれッ! 彼女はまだ生きてるッ! しかもこれは新たな魔力反応ッ! ゴルゴーンなんて比べ物にならないッ! 間違いないッ! この波形パターンは

 

 ───()()()()()()だッ!』

 

 次の瞬間、石化光線を押し返し、目映い光がゴルゴーンに命中する。

 

 光の原点、石像があった場所から、アナを手に乗せ、彼が降り立つ。

 銀、蒼、紅に染まった体。胸から肩にかけて走る黄金のプロテクター。胸のカラータイマーの輝きは大空の如し。

 

 彼こそが光の超人、ウルトラマンダイナである。

 

「アスカ…遅いですよ」

 

「わりぃ。でも、もう大丈夫だッ!」

 

「アスカさんッ!」

 

「ガイッ! まだいけるかッ!?」

 

「───はいッ!」

 

 ガイの言葉を受け、立ち上がるオーブ。 

 そんな彼らに、ゴルゴーンは苛立ち、怒りの声で問いかける。

 

「何故だッ! 何故、貴様らは邪魔をするッ! 何故、人間のような下等でつまらない生き物に寄り添うッ!」

 

「別に理由なんかねぇッ! 今まで、そうやってきたッ!ただ、それだけだッ! 行くぞ、ガイッ!」

 

「はいッ!」

 

 二人はその身に光を宿し、自身の宝具を発動する。

 無論、それをゴルゴーンが無視する筈もない。彼女も全力で魔眼を開放し、再びダイナたちを物言わぬ石へ変えようとする。

 

「石となれぇぇぇぇッ!」

 

 放たれる破滅の一撃。

 

 だが、闇が光を容易く飲み込むように、光もまた、闇を切り裂く。

 

「ソルジェント光線ッ!」

 

「オーブスプリームカリバァァァァッ!!!」

 

 僅かな均衡。

 ぶつかり合った闇と光はほんの僅かな時間を競り合い、光が闇を押し返した。

 二つの光は石化光線を打ち破り、ゴルゴーンを呑み込む。

 ゴルゴーンは断末魔の叫びを上げ、爆散するのだった。

 

 


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