異星の巫女が何かに似ているな、と。
しかし、その『何か』を思い出せずにいました。
……YouTubeである動画を見つけるまではッ!
という理由で思いつき、投稿します。
一体何に似ていると思ったのか。
それは後書きで……
第21節 IF 大地の赤き巨人
あなたは無いだろうか?
ぎりぎりまで頑張って、どんな状況でも必死に足掻いて、しかし、どうにもならない時を、あなたは経験したことがあるだろうか?
もし有るのなら、その内の多数が願った事があるだろう。
そんなピンチを救ってくれる
◇━◇━◇━◇━◇
その中心地である『ヤガ・モスクワ』ではある一つの戦いが繰り広げられていた。
方や象を思わせる姿をし、山一つを軽々と越える巨体を持った、この異聞帯の王、正史ではイヴァン雷帝と呼ばれていた存在。
目覚めたばかりの彼は怒りに震え、目に入った物すべてを破壊せんと言わんばかりに暴走していた。
対峙するは、かのゴーレムマスター『アヴィケブロン』の宝具、暴走状態にあるイヴァン雷帝に負けない巨体のゴーレム『
戦いはラストスパート。
サーヴァント『アントニオ・サリエリ』の奏でる音色がイヴァン雷帝を弱らせ、戦況はこちらが有利だと、その場にいた誰もが思った。
……しかし、現実は非常だった。
「ナメるなよ、貴様らぁぁぁぁぁッ!」
イヴァン雷帝の渾身の一撃が、ゴーレムの胴体を軽々と貫いた。
牙が突き刺さり、崩壊していくゴーレム。その肩に乗っていた立香の体はいとも簡単に宙に放り出されたのだった。
『マスターッ!』
───マシュの呼ぶ声が聞こえる。
頭の中を駆け巡るのは今までの旅路の記憶。
『立夏くんッ!』
───ダ・ヴィンチちゃんの呼ぶ声が聞こえる。
それは走馬灯と呼ばれるものだろう。
───ホームズや所長、みんなが言う。『死ぬな』、と。
ああ、だがしかし、人生と言うものには、時にどうにもならないときが有るのだ。
アタランテ・オルタが駆ける。
───間に合わない。
アナスタシアがヴィイで受け止めようとする。
───間に合わない。
カドックが魔術で重力を操作しようとする。
───間に合わない。
「───クソオォォォォオォォォォッ!」
立香の悔みの叫びが、吹雪の荒れ狂う大地に響き渡る。
───そのとき、不思議なことが起こった。
「───え?」
地面まであと一秒。
その瞬間、地面が
───何が起こってるんだ……ッ!?
死を覚悟した立香は激しく困惑していた。
しかし、暫くして彼は更に混乱することになる。
何せ、本来なら加速する筈の落下速度がゆっくりと、だが確実に落ちているのだ。
立香の体感時間で五分は落ちていただろうか。
落下速度がゼロになったとき、宙に浮く彼は辿り着いたその光景を目の当たりにする。
マグマのように赤く、しかし、湖畔のような静けさを持った泉。
鍾乳洞のように幻想的で、しかし、鍾乳洞とはまったく別の美しさを持った岩肌。
立香は理解した。
これはこの
立夏は思い知らされた。
これはこの地球が持つ力の一つなのだと。
彼が目の前の光景に見とれるなか、ふいにある声が聞こえてきた。
『藤丸 立香』と自分の名前を呼ぶ声が。
立香は声が聞こえた方向を、自分の後ろに体を向ける。
───そこに居たのは『光』だった。
優しくも猛々しく、力強い、この地球が持つ力を纏った、紅の光をその体に宿した巨人。
立香はその神々しさに圧倒された。そして、巨人に願った。
「頼む……身勝手なのは分かってるッ! でも、お願いだッ! 俺たちの世界を救ってくれッ! 君ならそれが出来る力を持ってるんだろッ!?」
巨人は立香の願いに答えることはなかった。
しかし、そう返ってくるだろうと、立香はなんとなくだが分かっていた。
(こんなのは只の弱音だ……そんなことは分かってる……でも───)
彼は思い浮かべた。
最初は医師兼司令として通信機越しから、最後には自身の存在と引き換えに自分達を救ってくれた魔術王の顔を。
彼は思い浮かべた。
敵でありながら、最後は一人の存在として自分と戦った人王の顔を。
彼は思い浮かべた。
いつも笑顔で自分達をサポートし、最後には己の命を犠牲にして逃がしてくれた大天才の顔を。
彼は思い浮かべた。
共に笑い、共に戦い、家族同然とも言える英霊たちの顔を。
彼は思い浮かべた。
いつも側に居てくれて、今も自分の為に盾を振るってくれた一人の少女の顔を。
彼は思い返した。
そんな彼らと共に歩んできた数々の
「───俺は、否定したくないんだッ! 皆と一緒にいた今までをッ! 皆が残してくれたこれからをッ!
───諦めたくはないんだッ!」
彼の叫びが、心からの想いが響き渡る。
……だからこそ、と言うべきか。
彼の身に不思議なことが起こった。
彼の視界が巨人とは別の所から光をとらえ、その場所を見てみれば、彼の体を巨人から放たれる光と同じものが包み込んでいるのだ。
しかし、立香はすぐに否定した。
「これって……光に包まれているんじゃない……光が俺の中に……俺と一つになっていく……ッ!」
立香と一つになっていくその光は……この地球の赤き光は彼と共に上へ、今も激戦が続いているであろう地上に向かって舞い上がった。
地上。
そこで戦っていたマシュたちは激しく混乱していた。何せ、地面に落下中だった立香が
『ダメだッ! 魔力反応も一切なしッ! 彼を完全に見失ったッ!』
「野郎……まさか、転移魔術で逃げたとかじゃねえだろうな……ッ!?」
カドックが悪態をつくが、それをマシュが、本来なら彼が居なくなって激しく動揺するであろうマシュが否定した。
「マスターは逃げませんッ! いつだってそうでしたッ! ゲーティアとの戦いの時もッ! ティアマトとの戦いの時もッ! どんなにピンチな時でも先輩は逃げなかったッ! だから、私はマスターを……先輩を───」
───そのときだった。
突然、通信機の向こう側からカルデアの職員の一人、ムニエルの慌てた声が聞こえてきたのだ。
『な、なんだこれッ!?』
『ええいッ! 今度はなんだねッ!?』
『強力な魔力反応を感知ッ! なんだよ、これッ!? 神話クラスとか話になんねぇぞッ!?
───来るぞッ!』
その瞬間、まるでムニエルの言葉を合図にしたかのように、雪雲で薄暗く閉ざされた大地に、猛火のように紅く、太陽のように温かく、華々のように優しい光が舞い降りた。
その衝撃で地面を覆っていた雪が高く舞い上がり、その場にいた者たち全ての視線を釘付けにした。
雪煙が収まるに連れ、光が晴れていく。そして、光が完全に消えると、そこには光の中から生まれたとでも言うように、一人の巨人が立っていた。
紅蓮と白銀に染まった巨体。胸から背中に向かって走る金色の輪廓線が刻まれた黒いラインはVの字を思わせ、胸のクリスタルは青空を思わせる光を放っていた。
吹雪に閉ざされた世界に現れた巨人に多くの者が見とれるなか、巨人はマシュを一瞥し、力強く頷いてから顔をイヴァン雷帝に移す。
一方のマシュは巨人の視線を感じた瞬間、はっきりと理解した。
「先、輩……?」
一方、その頃。
突如現れた巨人を見ていたコヤンスカヤは苦虫を噛み潰したような、まるで厄介な者に出くわしたと言いたげな表情を浮かべていた。
「まさか、本当に現れるとは……あの御方が言っていた事は本当だったのですね」
コヤンスカヤは自分が遣える人物が言っていた言葉を思いだし、その人物が言っていた巨人の名前を口にした。
───大地の赤き巨人 ウルトラマンガイア、と。
恐らく、この短編を読んだ方は御気づきだろう。
思ったんですよ、私は。
異星の巫女がなんとなく『ゾグ第一形態』に似ているなとッ!
そう考えてたら止まれませんでした。
宇宙からの侵略者、つまりは根源的破滅招来体ッ!?
てことは、ガイアを出してもよくねッ!?
じゃあ、何時現れるッ!?
二章のアレしかねえだろうッ!
……まあ、設定では根源的破滅招来体の招待は分かっていないし、只の妄想だってことは理解しているんですけどね。
というわけで、読了ありがとうございました。