魔法少女リリカルなのは~転生者は魔法剣士~ StrikerS編   作:ピーナ

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今回は、
なのは、ママになる。
ユーノ、パパになる。
なのはとユーノ、初めての共同作業の三本です。
あれ、八雲は?


第十話 金髪オッドアイの少女は恋のキューピッド

さて、クラナガンの一部が終末戦争によって跡形も無くなった翌日、六課で小さな事件が起こった。

当事者は、前出の終末戦争の一端を担い、六課の最高戦力の一人でもあり、前線部隊の教導官でもあるスターズ1、高町なのは一等空尉。

そして、もう一人は昨日保護されて病院で検査をされた少女。名前はヴィヴィオと言う。その子は家族の記憶を失っていた。

簡単に言うと、なのはがヴィヴィオに懐かれた。それで、なのはが彼女の保護責任者を買って出た。そのままなのはとヴィヴィオは一緒に暮らす事になった。

しかし、ヴィヴィオはまだ甘えたがりらしく、なのはが仕事に行こうとするとぐずり出す。様子を見に来たフォワード陣が僕に助けを求めてきたのが今の状況だ。

 

「なのは、今日一日は休みな。僕の権限でそうしておくからゆっくりヴィヴィオと話しな。教導の方はヴィータとフェイトに頼んどくから」

「ゴメンね、八雲君」

「ゴメンより前に言う事があるでしょうよ」

「…ありがとう?」

「正解。っと、ヴィヴィオ」

 

僕はヴィヴィオと目線を合わすためにしゃがむ。

 

「今日は一日、なのはママと一緒に居れる。でも、なのはママはヴィヴィオや皆を守るためのお仕事をしてる。だから、明日からこういうのは無しな?」

「でも…」

「その代わり、君となのはママが一緒に居れる時間を僕達が出来るだけ多く作れるようにする」

「本当?」

「本当。僕は出来る事には嘘つかないよ。後でなのはママに聞いてみな。…さっきの事約束出来る?」

「うん!」

 

元気よく返事をするヴィヴィオ。

 

「よし、良い子だ」

「ありがとう! やくもパパ!」

 

その言葉に僕はずっこける。

 

「あー…ゴメンだけど、僕はヴィヴィオのパパにはなれない。僕にはなのはよりも大事な人が居るからね」

「そうだよ。八雲君にははやてちゃんっていう、とっても大切な人が居るんだ。だから八雲お兄さんって呼んであげて?」

「うん! ありがとう! やくもおにいさん!」

「はい、どういたしまして。…それじゃ、僕らは仕事に行ってくるから、なのはは二人で楽しんで」

 

僕は他の皆を連れてなのはの部屋を後にした。

…しかし、やっぱりママが居るならパパも欲しいよね。ユーノが動いてくれたら良いんだけど…。

お節介焼きますか。まずは…

 

「レティ提督、お久しぶりです」

『あら、どうしたの霧島君』

「無限書庫のユーノ・スクライア司書長の有給を申請したいんですけど」

『また、悪巧み?』

「人聞きの悪い言い方しないで下さいよ。お節介です。僕の親友たちの為の」

『まあ、彼も働きすぎだから良いわよ。一週間確保してあげる』

「ありがとうございます。ではまた」

 

さて、これで、ユーノは大丈夫。次は、

 

「はやて、今時間大丈夫?」

『大丈夫やけどどうしたん?』

「いや、ちょっと六課って今、空いてる部屋ある? 隊員の住居の方なんだけど」

『あるけど、どうしたん?』

「ちょっと、一人の女の子の為に一組のカップルを結ぼうと思ってね」

『ああ、なるほど。分かった。フェイトちゃんには私から話しとく』

「察しが良くて助かるよ。頼むわはやて」

『任せといて。で、何時やんの?』

「今日。鉄は熱いうちに打てって言うでしょ?」

『OK、私も見に行くわ。ふふ、楽しみになって来た』

「僕も」

 

さて、外堀は埋め終わった。ユーノは…直接行くか。僕は六課を後にした。

 

「よう、ユーノ。ホテルぶり」

 

僕は直接無限書庫に出向き、ユーノに会った。

 

「八雲、ここまで来るって暇なの?」

「いや、急ぎの案件で来ただけ」

「急ぎ?」

「そう。ユーノ、それはなのはに関係してるんだ」

「な、なのはに!? ど、どういう事さ!」

「落ち着け、ユーノ。説明を…いや、口で言うより見てもらった方が早いな、六課に来るか? でも、急ぎの案件が…」

「今の所は無いよ。たとえ有ったとしても、誰かに任すよ」

 

言うねえ、ユーノ。その気持ちをなのはの前でも出せれば良いのに。

 

「分かった。有給の方は僕の方からレティ提督に頼んどく。それじゃ行くぞ」

「いや、移動の時間が惜しい。転送魔法を使うよ」

「…ユーノ、本気だね」

 

僕がそう呟くと共に僕たち二人は転送魔法によって六課に飛んだ。

 

「なのはは何処に居るの?」

「はやてに聞いてみるわ」

 

 

はやてサイド

 

 

「おっ、八雲君から連絡や。案外早かったな」

「ほ、本当にユーノ君連れてきたのかな?」

「ちょっと待ってな…うん、今私達は中庭。そこで待ってる。それじゃ。…連れてきたみたいやよ」

 

私の言葉を聞いてなのはちゃんは俯いてしまう。それを下から覗き込むヴィヴィオ。

 

「なのはママ、顔まっかー」

 

ああ、そんなに恥ずかしいんやね。いつもはどんな事でもあんなに全力でいろんなことにぶつかっていくのに。

 

「はやてちゃん…」

「どうしたん?」

「私、怖い…」

 

怖い、か…。なのはちゃんにとっては、闇の書の闇に立ち向かったり、ロストロギアの暴走体と戦ったりするよりも、大好きな人との関係が壊れてしまう方が怖いんやなあ。

その気持ちは分かる。10年前の私もそうやったもん。でも…

 

「怖い怖い言い続けていつまで自分の気持ちから逃げるん?」

 

私はあえてここで厳しめの言葉を掛ける。多分、その方がなのはちゃんの為になると思うから。

 

「私だって、十年前八雲君に想いを言った時、本当に届くんかな? 届かんだら嫌やな、この関係壊れてしまうんかな? って色々考えて怖かったよ。でも、今は言って良かったと思ってる。それは八雲君と恋人になれたからじゃないで」

「…どういう事?」

「もし、今のような関係になれんだとしても後悔はせえへん。泣きはするけど。むしろ、言わずにそのまま何かの拍子で関係が無くなる方が嫌やと思うから。それに、八雲君優しいから、多分それまでの友達関係には戻れてたと思うしな」

 

まあ、こんなIF話は意味ないし、二人の気持ちを知ってる私からしたら、そんな事気にする必要は無いんやけどな。

 

「…はやてちゃん、私頑張ってみるよ。ユーノ君に私の気持ち、全力全開でぶつけてみる!」

「それでこそ、なのはちゃんや」

「ありがとう、はやてちゃん」

「なに、十年前のお礼や。それに感謝の言葉は言い終わってから聞くわ」

 

丁度、話し終わったタイミングで、八雲君とユーノ君が中庭にやって来た。

さて、二人はどうなるか…って分かりきってるけどね。

 

 

 

「…八雲、状況が分かんないんだけど。なのはの急ぎの案件って?」

「見ればわかるだろ? あの子、ヴィヴィオって言うんだけどな、なのはが保護責任者になったんだよ。でヴィヴィオもなのはの事をママって呼んで慕ってる。さて、足りないのは何でしょう?」

「…父親だね」

「正解! そこまで分かって、高町なのはに惚れているユーノ・スクライアはどうする?」

 

結構意地悪い聞き方だけど、これは二人、いやヴィヴィオ含めて三人の為でもあるからあえてこのまま行こう。

 

「…そろそろ、僕も覚悟を決めるべきだね。僕の想いを言う覚悟を」

「覚悟なんて大げさな。そうだな…この前ホテルで、ユーノはなのはのドレス姿褒めただろ?」

「うん。…ってなんで知ってるのさ!?」

「あそこまで前振りして、見本も見せたからそれくらいしてるかなって」

 

まあ、見てたんだけどね、一部始終を。

 

「それと同じさ。難しく考える必要なし。自分の気持ちに素直になって、自分の気持ちを伝えるだけ。簡単な事だろ?」

 

案外物事の本質は分かりやすく簡潔な事が多い。それが複雑になるのは人の主観だったり感情だったりが入ってくるからだと思う。まあ、これは僕がそう思うだけだけど。

 

「まあ、そう言ったけど、その簡単な事をするのが難しいんだよね。僕は僕からそれを言えなかったし」

「八雲の場合だとその前に年齢や闇の書事件がが有ったからね」

 

まあ、僕達はあの頃まだ9歳。そういう事を理解してない可能性もある年齢ではあった。でも、その頃の僕の精神年齢は17歳で、自分の気持ちに気付いてはいた。

それに、あの頃は闇の書の事ばっかり考えていて他の事を考える余裕も無かったし。

「僕から最後に。なのはがどういう事を言っても、ユーノはそれをしっかり受け止めてやれ。それだけ。そんじゃ頑張って」

「…まったく、言いたい事だけ言ってくれるよ。でも、ありがとう、八雲」

「ありがとうは早いんじゃない? それは、全部が済んでから言ってくれ」

 

ユーノがなのはの方に歩いていき、はやてとヴィヴィオが入れ違いでこっちにくる。

 

「はやておねえさん、あのおとこのひとはだあれ?」

「あの人はユーノ君って言ってな、私や八雲君とお友達なんよ。それで、なのはママにとってヴィヴィオと同じくらい大事な人で、ヴィヴィオのパパになるかもしれない人やよ」

「ヴィヴィオのパパ…」

「そうそう、そのための大事なお話中だから、少しだけ僕らと一緒に居ような」

「はーい」

 

良い子だね。本当に。この子を幸せにするためにもあの二人には頑張ってもらわないとね。

 

「はやてに八雲、こんな所で何してるの?」

「フェイトちゃん、ええ所に来た。ちょっと見ていきなよ」

 

フェイトを手招きするはやて。

 

「フェイトおねえさん、こんにちはー」

「はい、こんにちは、ヴィヴィオ。で、何を…って、なのはとユーノ?」

「せや。今日が二人の終わりの日で始まりの日になるはずや」

 

本当、そうなる事を願う。

 

「「………」」

 

また、二人は沈黙から始まる。

 

「「なのは(ユーノ君)!」」

 

…また、同じ事やってるし。

 

「きょ、今日はなのはからどうぞ」

「こ、この前はユーノ君からだったもんね」

 

日和やがったな、ユーノ。

 

「えーっと、この前保護した女の子がいてね、その子に懐かれて私は保護責任者になったんだ」

「その辺は八雲に聞いたよ」

「それでね、その子を守り、育てていくために私は私の事で一つ解決しておきたい事があって…聞いてくれる?」

「いや、その後のは僕から言うよ。なのは、僕は君の事が大好きだ。愛してる。この次元の海で一番。自分の気持ちを知りながら何年も言えなかった臆病者の僕だけど、そんな僕と一緒に居てくれますか?」

 

言うねー、「次元の海で一番」か。良い言葉だね。見てるフェイトなんか頬赤くしてるし。

なのははその言葉を聞いてユーノに抱き着く。

 

「嬉しい。嬉しいよ、ユーノ君」

 

感極まって泣き出すなのは。それを抱きしめるユーノ。

一通り泣いたなのははゆっくりユーノから離れる。その顔は遠くからでも分かるくらい赤い。

 

「私もちゃんと答えるね。私もユーノ君の事が大好き。言い出せたきっかけはヴィヴィオの事だけど、この気持ちに嘘は無い。だから、私は貴方とずっと一緒に居ます」

 

なのはの返事の言葉が終わって、二人の顔がどんどん近付いていく。

 

「「おおー」」

 

…二人とも、声に出てるよ。

そして二人は熱い口づけを交わす。よく考えると僕は他人のキスシーンを生で見るのって初めてだな。普段は見せる側だったから。

 

「話し合い終わったみたいだから、ヴィヴィオはママの所に戻りな。それとパパによろしく」

「うん!」

 

そう言って走っていくヴィヴィオ。転ばないようになー。

 

「ママー、パパー」

「ヴィヴィオ!」

「君がヴィヴィオ? 僕はユーノ、よろしくね」

「うん! ユーノパパ」

「でも、ヴィヴィオ今までどこに居たの?」

「あっちで、はやておねえさんとフェイトおねえさんとやくもおにいさんといっしょにみてたのー」

 

その言葉に固まる、なのはとユーノ。そして僕達三人は命の危機を感じる。これはヤバい。

 

「はやて、フェイト、逃げる…」

「バインド!」

 

ユーノのバインドで僕達は捕まる。バインドぐらい力ずくで…抜けない!?

 

「そう簡単には逃がさないよ…」

「覚悟するの、フェイトちゃん、はやてちゃん、八雲君。レイジングハート、カートリッジフルロード! ディバイン・バスター!」

 

その日、六課の一角が壊れた。被害者は僕達三人。

…初めての共同作業ってか? ハハッ、笑えない…。




さて、一気に書き上げました。ここまで。
また、更新に間が空くと思います。
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