魔法少女リリカルなのは~転生者は魔法剣士~ StrikerS編   作:ピーナ

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最近思うんですけど、ここまで年齢の低い頃からしていたら、部下や後輩なのに年上ってよくあるんじゃないかなと思います。


第十二話 世間では十九歳は若いかもしれないけど、職歴10年は十分ベテラン

さて、とある日の早朝訓練エリアに僕は来ていた。普段ならまだ寝ている時間なので非常に眠たい。

 

「皆、集まってるね」

「「「「おはようございます、八雲さん!」」」」

 

若い子は朝から元気で良いねー。おじさんは眠くて仕方ないよ。ちゃっちゃと仕事を終わらせて二度寝といきますか。

 

「おはよう、皆。さて、今日僕がここに来たのは…編入生を紹介します!」

「八雲君、ここは学校じゃないの」

「とまあ、冗談はこの辺にして。本当は捜査協力してもらってる陸士108部隊からの出向してきた子の紹介だよ。はい、挨拶どうぞ」

「陸上警備隊第108部隊から来ましたギンガ・ナカジマです。よろしくお願いします」

 

ギンガの挨拶に皆が拍手する。スバルなんかは目を輝かせているし。本当に姉の事が好きなんだね。

 

「そんじゃ皆、訓練頑張って」

「八雲君はどうするの?」

「眠いから、寝る。なんか、昨日まとめて仕事が来たからそれを済ませてたらかなり遅くまで起きる羽目になったし」

「じゃあ、今のうちに伝えておこうかな」

 

一体なんだろ? 大体、連絡なんかは前もって入れてくれるのに。

 

「午後の訓練をお願いするよ」

「はあっ!? 何で?」

「私もよく分かんないけど、はやてちゃんが私とフェイトちゃんに話があるんだって。だから、八雲君とヴィータちゃんが訓練官ね」

「ああ、なるほど」

 

つまり、今日ははやてが、なのはとフェイトに六課設立の真の目的を話すのね。

カリムのレアスキル『預言者の著書』に記されていた、レリックを引き金とした、管理局の崩壊の預言。正直、規模が大きすぎてさっぱりだった。ただ、これでたくさんの人が苦しむ。ならば僕は目の前の敵を倒すだけだ。難しい事はそういうのに慣れた人にでも任せておけばいい。

 

「OK、メニューはヴィータにでも伝えておいて」

「もう決めてあるよ。八雲君対フォワード陣の模擬戦」

「それじゃあ、なおさら今から寝るわ」

 

僕は部屋に戻っていった。

なのはに頼まれた事だし、あの子達のためだ。僕に出来る事ならやろう。後から来る人たちに何か教え導く、それが先達のやる事でしょう?

 

部屋に着くと、まだはやてが寝ていたので10分ほど寝顔を観察していた。

仕事中の大人びた、キリっとした感じのはやても、プライベートのふわってした、優しい感じのはやても、こうやって寝ている時とかたまに見せる歳よりも幼く見えるはやても、はやてのどんな姿も僕は大好きだ。だから、何時間でもはやての顔を見ていられる。流石に色んな事に影響が出るからそれはしないけど。

ちなみに僕とはやての顔立ちはどうやら童顔らしく、年齢より下に見られる。

なので、海鳴に戻った時、平日に出歩いていると、僕達だけ警官に話しかけられる。大体、2~3歳は下に見られる。流石に去年中学生間違えられた時は二人で結構へこんだ。

これは、ミッドチルダでも同じで、しかも、ミッドは成人が18なので付き合いでお酒を飲むようになったのだが、99%年齢を聞かれる。聞かれなかったのはレティ提督の行きつけのお店に行った時だけ。

…なんか思い出したら泣きたくなってきた。寝よ。

ちなみに、その他の地球とミッドの年齢制限の違いはいくつかある。大きい所では二輪と四輪の免許を取れる歳。地球っていうか日本はそれぞれ、16と18だけど、ミッドは14と15。これは地球と比べると若い就業年齢が関係していると思う。説明終わり。じゃあ、お休み。

 

 

しっかり二度寝した僕は昼食をしっかり食べて、ちゃんと食休みも取って、午後の訓練に向かった。

 

「八雲、遅いぞ。もう5人は準備完了してる」

 

若干怒っているヴィータ。食休みにのんびりしすぎて着いたんが少し遅れたからだろう。

 

「ゴメンゴメン。訓練はちゃんとやるからさ」

「それは当たり前だ。あいつらの為にもちゃんとやってやれ」

「もちろん。徹底的にきっちり打ちのめしてくるよ」

 

『徹底的にきっちり打ちのめす。その方が教わる側は学ぶことが多い』これは戦技教導隊の基本的な教導方針になっている。

実際僕もまだ海鳴に居た頃士郎さんやシグナムに剣を教えてもらった時は徹底的に倒された。凄い辛かったけど、それが血となり肉となり今の僕が居る。僕の接近戦のメイン技、「魔王炎撃波」もシグナムの「紫電一閃」を食らって編み出したし。

それ以外にも近接戦に関してはシグナムとヴィータの二人に徹底的にやってもらって覚えた事がたくさんある。

ちなみに距離を取っての魔法戦はなのはやフェイトを含めた模擬戦で創り上げた物だと思う。

 

「まあ、今の本気でアイツらを揉んでやれ」

「分かってる、今の本気でちゃんとやるよ」

 

今の本気というのは僕達隊長陣にはリミッターが掛けられている。部隊の魔力保有制限というのがあって、はやてが現在Aランクまで、僕、なのは、フェイト、ヴィータ、シグナムがAAランクまで魔力リミッターが掛けられている。これは僕の全力の7割くらい。普通に接近戦する分には問題ないが、大規模魔法の連発は難しい。有り余る魔力を込めてごり押しっていう真似も出来ない。

強さ=魔力量ではないけど、いつも通り出来ないって言うのは結構困る。まあ、その辺はなんとかするけどね。

 

『準備は出来てるな? それじゃ、始めるぞ! 新人共は全員で5発直撃させたら、八雲は全員の撃墜で終了だ! 撃墜の判定はこっちでするぞ。開始!』

 

ヴィータの合図で始まる。といっても、最初は結構距離も離れているし、色々障害物もあって視界内には見えない。

 

『まあ、まずは定石通りに行きますか。叢雲』

『分かっています。センサーの散布終わりました』

 

十年来の相棒もよく分かってる。

複数人での戦闘と一人での戦闘の一番の差は『眼』だと思う。自分の眼しかないから相手の位置が掴めない

のだ。複数人だと、広い範囲を探す事も出来るし、索敵専任も作る事が出来る。この場合だと、足の速いエリオが索敵に回るか、ティアナとキャロがセンサーをばら撒いて捜索するかだと思う。いや、前衛三人が扇状に広がって捜索もあるか。

 

『来ました。正面より三人』

 

うわ、一番僕にとってめんどくさい手で来たよ。今までの感じだとこれはティアナの判断だな。…指揮官研修受けないのかな? って、これはなのはも聞いたけど今はいっぱいいっぱいだったんだっけ。レティ提督あたりが目を付けてそうだけど。あそこにティーダさんも居るし。

 

『視界内まで、あと10秒』

 

さて、集中しないと。

見えたのはスバル、エリオ、ギンガの三人。ティアナとキャロの姿は見えない。…さて、どう来るのかな?

三人は結構息の合った連係を見せる。スバル、エリオやスバル、ギンガは分かるんだけど、三人でここまで息の合った攻撃が出来るってのは凄い。この三人で組むのは今日が初めてなのに。

牽制のファイアーボールはことごとく防がれたり避けられたりする。僕も三人の攻撃をいなし回避し防御する。

クリーンヒットの無い状況が続くなあ。でも、こっちも結構ヒヤヒヤだったりする。エリオはともかくナカジマ姉妹の一撃は防御ごと潰す打撃、特にスバルはヴィータ直伝だから、いくら僕でも受けるとヤバい。

しばらく打ち合いが続いた後、三人は距離を取る。そして、三人同時に突っ込んでくる。

まあ、これは予想通りな訳で。

 

「判断は間違ってないけど、残念だったね。守護氷槍陣!」

 

僕の周りが氷の槍で覆われ、突っ込んでくる三人は攻撃を食らってしまう。突撃では急には止まれないってね。…補足しておくと、なんでここまでの戦闘中にしなかったかというと、さっきまでは三人が入れ替わり立ち代わりの攻撃だったから、一網打尽が出来なかからだ。一回使うと警戒されるしね。

追撃を掛けようとしたけどそこに茜色の弾丸が降ってくる。後衛も来たか。

全員が合流して再び攻撃を開始する。

連携もしっかり出来ているけど、それよりも個人のスキルの成長は眼を見張るものがある。これで、Bになって数か月って言ったら確実に詐欺だね。

彼女たちの才能と頑張り、そしてなのはとヴィータの教導の賜物だね。まあ、僕もそう簡単に負けてあげるわけにはいかないんだけど。

 

「さて、そろそろ決めるかな? エンジェルリング!」

 

ティアナを中心に光の輪を発生させる。それを集束させる事で輪の内側に居た五人が一か所に固まる。そして、集束した光の輪はユーノのバインドを参考に簡単には抜け出せないバインドに改良してある。

 

「さて、ちょっとばかし痛いよ。悠久の時を回りし優しき風よ、今のみ僕の前にて牙を剥け! サイクロン!」

 

詠唱と共に巨大な竜巻が五人を襲う。もちろんこれで決まりだ。

 

「本気でやれって言ったけどよ…流石にやりすぎじゃねえか?」

 

終わったので、僕の所に来たヴィータ。

 

「やっぱり? でも、中級クラスの威力だと耐えられる可能性もあったんだよね」

「それだけ、アイツらもレベルが上がってるって事か」

「そゆこと。これも、なのはとヴィータの教導のお蔭だね」

「そ、そうかな?」

「そうだよ。さて、新人たちの治療して反省会だね。治療だけしたら僕は戻るから後はよろしくね」

「おう」

「それじゃ、回復させますかね。…万物に宿りし生命の息吹を此処に。リザレクション!」

 

魔法陣が五人の下に描かれ、五人が光に包まれる。

 

「それじゃ、僕はこれで」

 

回復を終わらせ、僕は立ち去った。

しかし、思った以上に魔力を使っちゃったな。結構疲れたし。リミッター付いた状態じゃ少ししんどくなりそうだな。




さて、十二話目にして初の本格戦闘(模擬戦ですけど)でした。

術技説明

守護氷槍陣

自らの周りに氷の槍を発生させる技。
攻撃よりも迎撃によく使われる。

「分かりにくいならハリネズミを想像すればいいかな? 一対多では凄く有利な技だね」

エンジェルリング

光の輪を発生させ、それを集束する事で相手を一か所に固める光の中級呪文。
こちらも、一対多に有効。しかも、陸戦魔導師にはとても効果的。

「最初の頃はただ集束して一か所に固める技だったんだけど、ユーノのお蔭で捕獲技になったんだよね」

サイクロン

巨大な竜巻を発生させる風の上級呪文。
上級呪文の名に恥じない威力と効果範囲を持つが、やはり扱いが難しい。

「まあ、あの時は何を使っても良かったとは思う」
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