魔法少女リリカルなのは~転生者は魔法剣士~ StrikerS編   作:ピーナ

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第十五話 決戦直前

「あー…すげー疲れた」

「…君はこんな所で一体何をしているんだ」

 

本局で少し休んでいた所にクロノが来た。

 

「ようクロノ、久しぶり。何って…息抜き。地上の奴らは本局の介入を拒むし、捜査資料も見せてくれない。こっちはこっちで動いてるけど、捜査は108や六課の専門のスタッフがやってくれてる。僕がやるべき事は皆が動きやすいようにする事。まあ、今は無いけど。後は有事に備えてゆっくり休む事位だろ」

「それはそうだが、僕としてはなぜ君が本局にいるかを聞いているんだが」

「クロノも六課の仮隊舎の話知ってるだろ?」

「アースラの事か。レティ提督から聞いた。…アースラにとって最後の仕事になるだろうな」

「多分ね。中々無いんじゃない? 一隻の船が三つも大きなロストロギアの事件に関わるなんて」

「確かにな。しかも、そんな事件を経ながら艦の寿命を全うできたら、まさに奇跡だな」

「縁起が良い名前なんだよ。次の主力艦船にアースラ級って名前にすれば?」

「具申はしておこう。…それよりも、アインへリアルの事は聞いたか?」

 

アインへリアル。地上本部がミッド郊外の高台に設置した大型の魔力砲。僕が見た感想がデカい三連装砲という事で「…大和?」だった。

 

「あのデカブツがどうしたん?」

「今、戦闘機人に襲撃されてる」

「そうか…それじゃ、僕はアースラに戻るよ」

 

僕は本局を後にした。ここから事態は大きく動くかな?

 

僕がアースラに戻った時、アインへリアルは全機、沈黙していた。

戦闘機人たちは着実に成長している。早いうちに何とかしないと。

そんな事を考えている内に事態は進む。戦闘機人の一団とヴィータを落とした騎士と融合騎が地上本部に向かう。

そんな時に通信が、相手は…ロッサ。

 

「何?」

「108やフェイト執務官の調査から割り出された所を調査していてスカリエッティのアジトを発見した。教会騎士団からも戦力が来るけど、六課からも戦力を送れるかい?」

「分かった。今、事態が動きすぎて今すぐは無理だけど出来るだけ早く送る」

「頼んだよ、八雲」

 

ロッサの通信が終わった時、事態はとんでもない方向に進む。

地中から蘇った古代ベルカの英知と破壊の結晶『聖王のゆりかご』。そして、そこで痛みで苦しみ母親と父親を、なのはとユーノを呼ぶヴィヴィオ。

 

『八雲さんすみません、教会の不手際で…』

「いやいや、騎士カリム。未来は分からない物、そこを責めても仕方ない事ですよ。それより今はあれを止める事を考えないと」

『そうだな、八雲』

「クロノ、どうしたの?」

『本局はあの船、聖王のゆりかごを危険なロストロギアとして次元航行艦隊に事態の鎮圧を命じた。地上部隊も同様だ。六課は行けるか?』

「大丈夫。ただ、他にもやらないといけない事があるから、全戦力を傾ける事は出来ないけど」

『戦闘機人の方だろう? 分かってる』

「ありがとう。こっちも配置を決めるから作戦が決まり次第連絡よろしく」

『分かった』

 

クロノとの連絡を終える。

 

「ルキノ、アースラは現空域で待機。次の指示を待て」

「了解!」

「グリフィス、フォワードに召集を掛けて。さっさと配置を決めて任務に掛かる」

 

それだけ言って僕はブリッジを後にした。

 

 

「さて、いまクラナガンの上空にはゆりかご、地上には大量のガジェットと戦闘機人が来てる。何かいろんな人の思惑が絡まっていて面倒な事になってるけど、一つだけ言えるのは、今、街で普通に過ごしている人の平和は脅かされてるって事。それを何とかしようと地上本部、本局関係無く事態に当たってるけど。高いAMFの中で戦闘できる魔導師はそう多くないから、僕らも部隊を分けて当たらないといけない。で、配置だけど、まず首都防衛。ここにはスバル、ティアナ、エリオ、キャロ、シグナム、リインに行ってもらう。フォワード四人は戦闘機人がメインになると思うけどやれる?」

「「「「はい!」」」」

「それに、スバル。君のお姉さんを取り返してきな」

「はい!」

「シグナムとリインはゼスト・グランガイツの相手を。強敵だけど、よろしくね」

「分かった」

「任せるです!」

「アルトには皆を市街地まで運んであげて。いきなりできつい事だけど、任せたよ」

「了解!」

「次、ロッサに頼まれたスカリエッティのアジトへの突入は、悪いけどフェイト一人に任せる事になる。シスターシャッハやロッサも居るけど、厳しい戦いになると思う」

「ううん、大丈夫だよ」

「最後に、ゆりかごには僕となのは、ヴィータ、アインスで向かう。僕は現場の魔導師の指揮に専念しないとだから、そこまで戦力になれない。なのは」

「どうしたの、八雲君?」

「本当を言うなら、突入は僕がするべき事だった。でも、今の立場だとそう簡単には動けない。…ゴメン。厄介事を全部押し付ける形になって」

 

僕は頭を下げる。

 

「謝らないで。私は八雲君にありがとうって言いたいくらいだよ。ヴィヴィオを助け出す。それが母親として私の役目だから」

 

『母は強し』。正にその通りだね。

 

「心配すんな八雲。なのはが無茶しねーかは私が見てるからよ」

「任せたよ、ヴィータ」

「二人とも酷いの!」

 

何とか、これで重くなっていた空気も少しは和らぐ。緊張しすぎは良くない。すると再びロッサからの通信が入って来た。

 

「ロッサ、そっちにはフェイトを送るから」

『そうか…。それよりも一つ報告だ。はやての場所が分かった。座標を送る』

 

ロッサから送られてきたのは彼らの居る地点からほど近い洞窟だった。

…どうすれば良い? 一個人としての僕は今すぐにでも助けに行きたい。

でも、今のこの状況ではそんな事が許されるはずもない。機動六課を、一つの部隊を預かる身としてはなおさらだ。

それに、どう考えても僕を切り離すための作戦に決まっている。

 

『ついでに、この座標が書かれていたのは手紙でね。全文は「霧島八雲三等空佐、八神はやて二等陸佐を返してほしくば、この座標の地点に一人で来られたし。 Y.Y』と書かれているよ。八雲、イニシャルに心当たりは?』

 

Y.Yねえ…一人だけいるな。でも、アイツはそんな手を取るとは思えないし。

 

「有るには有るけど…。僕にはやらないといけない事が…」

「八雲君! 八雲君が一番にやらないといけないのははやてちゃんの所に行く事だよ!」

「そうだよ! 後の事は私達に任せて、八雲は行って!」

 

なのはとフェイトはそう言った。彼女たちが代表で言っただけでここに居る皆の眼がそう言っている。…ホント、皆バカばっかだよ。でも、凄く嬉しい。

 

「…ありがとう、行ってくるよ。アインス、現場の指揮は全部任せる」

「分かった。…主の事頼む」

「分かってる。最後に一つ。皆次にここに帰ってくるときははやてとヴィヴィオも一緒で笑顔で会おう!」

「「「「「「「「「「「了解!」」」」」」」」」」」

 

こうして、機動六課最大の作戦が始まった。

 




そういや、クロノがこの作品で喋ったのがこの話が最初な気がします。
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