魔法少女リリカルなのは~転生者は魔法剣士~ StrikerS編   作:ピーナ

18 / 26
またの名をたった二人の最終決戦編です。


第十六話 未来に進むための戦い VS Y.Y

アースラから単独で飛び立った僕は座標の地点に来た。

どれだけ伏せられているかと思いきや、誰も居なかった。戦闘機人もガジェットも。さっぱり目的が分からない。

座標をの地点には洞窟が有った。

 

「とりあえず入ってみるか…」

 

進まないと始まらない。手がかりが無いのなら一番怪しい所を探すだけだ。

その洞窟は何故か明るくて普通に装備無しで入って行っても周りが見える。何かに使ってたのかな?にしては通路は狭い人一人が通れる位だ。

少し歩くと、広い空間に出た。

僕が到着すると同時にそこには明かりが灯された。そして、その奥にはやては居た。どうやら意識は無いらしい。

 

「はやて!」

「心配するな。ケガも無い。ただ、眠っているだけだ」

 

横から現れたのは一度見たら忘れらないとても印象に残る姿をしている男が一人。

 

「久しぶりだね、吉野君。大体、三か月ぶりかな?」

「そんな物だな。…まずは、俺の呼びかけに来てくれてありがとう。霧島八雲」

 

なんか…いつもの感じと違うな。僕の事をモブ野郎って呼ばないし。

 

「どういたしまして。で、君の目的は何? 正直、僕は君を結構バカだと思ってるけど、こんな事をする奴だとは思わなかったし、スカリエッティの味方をしているにしても、一人で待つってよく分からないし」

「これは、ただ単に俺のわがままだ。俺はこの十年間なのは達を追いかけて、お前に挑んでことごとく敗れてきた。この前なんかはついに素手で負けたしな。それで、力を求めた時、ジェイル・スカリエッティに会った。どうやら俺は戦闘機人の素体として適していたらしくて改造を望んでしてもらったよ。それで、その力を扱うためにトレーニングに集中していた時に今までの自分がどれだけ馬鹿な事をしてきたかをやっと理解したんだよ。こりゃ、女の子に嫌われるってな」

「それでも、気付けたのなら良かったんじゃない?」

「ああ、そう思う。でも、まだ吹っ切れねえんだよ。だから、俺はお前と全力で戦いたい。勝ち負けは二の次だ。ちゃんと罪を償って、過去を吹っ切って、次の自分になる為に」

「…分かった。そこまで言うのなら、僕が相手になるよ。ついでに君と戦うなら、こっちの方が良いかな?」

 

僕はいつもの銀のバリアジャケットから漆黒の騎士甲冑に変える。

 

「…やっぱり、あの仮面の騎士もお前だったか」

「そうだよ。元はなのは達にばれない様にするための変装さ」

「全然変装になってないけどな」

「君も知ってるでしょ? 闇の書事件の間、僕は一時留学みたいな形で海鳴に居ない様に思わせてたんだから」

「そもそも、海鳴に居るという発想を無くさせてたのか」

「そういう事。だから、海鳴に居る事を知ってたはやてには一瞬でばれたよ。…話はこれくらいにして始めようか」

「ああ、そうだな」

 

お互いが武器を構える。

 

「一応、形式として名乗っておくか。決闘みたいなものだし。…吉野大和、参る!」

「分かった。時空管理局機動六課副部隊長、霧島八雲、行きます!」

 

こうしてたった二人の決戦が始まった。僕は愛する人を取り戻すため、吉野君は今までの自分にけりを付けるために。

お互いが超高機動の近接戦闘で斬り合っているをしている。今までので吉野君が接近戦ばかりしているからそれが分かってはいたのだけど、今回は洞窟という限られた空間の中での戦闘である事と、なにより、離れての戦い方で僕が勝っても僕も彼も納得がいかないだろう。

 

「このスピードに付いてくるって、お前、本当に人間か?」

「失礼な、ちゃんとした人間だよ」

「戦闘機人の中で一番早いトーレでもやっとなんだぞ!」

「トーレって誰さ!」

「紫のショートカットの奴! 六課防衛の時会ったんじゃないのか?」

「ああ、あの最初二人を助けに来たの片割れな。強そうな雰囲気はあったけど、これくらいのスピードなら容赦ないときのフェイトよりは全然ましだよ」

 

これは事実で真ソニックフォームの試しの時に相手をしたのは僕だった。あんな化物みたいなスピードに比べたらまだましだ。今の速さは普段のフェイトより遅いくらいだ。

 

「六課のメンバーは化物ばっかかよ…」

「隊長陣はそうだね。ヴィータとシグナムがニアSで止まってるのはミッド式に比べると汎用性が無いのが最大の理由だし、あの二人もオーバーSの実力は有るよ。良く集めたものだよね」

 

真剣にそう思う。一般的に一番最初の魔導師ランクの壁はBと言われている。かなりの数の魔導師がBやCで止まる。A以上は管理局全体で2割いるかどうか。AAまで行くと1割を切る。AAA、Sランクとなると総計で二桁、三桁に満たない。

そんな人間が何人もいる六課ははっきり言うと異常なのだが、結果起こった事件の事を考えると正解だったのだ。

 

「こっちもそろそろ本気で行くぜ! ブレード!」

『Unlimited Blade Works』

 

また来たよ、剣が生えてくる魔法。どうするんだろ? 今回は剣をしまってるし。

 

「これの使い方はな、こうするんだよ!」

 

吉野君は近くに有った剣を僕に投げつけてきた。

 

「なんて、原始的な!」

「それだけじゃねえ! IS発動! ブロークン・ファンタズム!」

 

その言葉と共に、剣が爆発した。防御が間に合わず吹き飛ばされてしまう。

 

「面倒な技だねえ…」

「時間を掛けるとどう考えても俺が不利だから、短期決戦で行くぜ! 魔力全開放!」

 

おびただしい量の剣が僕の周りに出現する。これは…

 

「ヤバっ…」

「遅い! これがチンク直伝! ブロークン・ファンタズム・デトネイションシフト!」

 

僕の周囲が爆発に包まれる。

 

「はあ…はあ…やったか?」

「…残念だけど、まだ倒れてないよ」

 

とは言うものの、防御はギリギリだから結構ダメージが有る。魔力爆発だったからヤケドや出血は無いけど衝撃で骨にヒビや骨折くらいは有ると思う。

 

「紙一重の防御だったけどね」

「…ずいぶんと厚い紙一重だよな」

「なら、吉野君も僕の攻撃を耐えれば良いんじゃない? 叢雲!」

『Mode Release Over Limit』

「行くよ!」

 

一気に接近し僕は連続で斬撃を叩き込む。吉野君はデバイスで防ぐけど明らかにさっきの疲労で防げていない。

 

「この一撃で僕が、今までの君を断ち切ってやるよ! 義憐聖霊斬!」

 

魔力付与の一撃で吉野君の防御を吹き飛ばす。

 

「そんでもって、これがこれからの君のための一撃だ! 真神煉獄刹!」

 

全力の魔力を付与した突進突きで、吉野君を吹き飛ばす。

僕は呼吸を整えた後、吉野君の元に歩いていく。

 

「どう? 吹っ切れたかい?」

「ああ、そんなもんぶっ壊すような気持ち良い一撃だったよ」

「吉野君って…ドM?」

「違う!」

 

いやでも、人の大技食らって気持ち良いっていう人間はどう考えてもドMでしょ?

 

「…そういや、一つ聞きたかったんだけどよ」

「ん? 何?」

「お前も転生者なんだよな」

「そうだよ」

「…やけにあっさり答えるな」

「まあ、聞かれたら答えるつもりだったからね」

 

それに、デバイス君には教えてあるし。

 

「ちなみに、僕が転生したのは小三の新学期の前日だよ」

「へえー…って無印の直前じゃねえか!」

「無印? なんの話?」

「ここは『魔法少女リリカルなのはシリーズ』を元とした世界なのは知ってるよな」

「そういや、そんな事言ってたな。忘れてた」

「忘れてたって…で、無印って言うのはジュエルシードの一件を描いた一期シリーズ、その後に闇の書事件の二期A`sと今回のレリックからのスカリエッティ事件の三期StrikerSが有るんだよ。俺も記憶は大分とあやふやになって来てるし、大分と外れてるところもあるしな」

「ふーん。僕は原作を全く知らなかったから、そんな事考えずに自分の出来る事、やりたい事を精一杯やって来ただけだからねー」

「…なまじ、原作を知ってた俺との違いはそこだな。良いカッコつけたくて、主人公っぽさを求めすぎて、ヘマして」

「んな事どうでも良いじゃん。これから先は自分で決めれば。それより、動ける?」

「もう少し休めば何とか。それよりも、八神の所に行ってやれ」

「OK。あっ、それとさ」

「なんだ?」

「今までモブ野郎だったし、さっきもフルネームだったけどさ、僕の事は普通に八雲って呼んでよ。タイマン張ってド突きあったら、友情が芽生えるって少年漫画っぽくて良いじゃん」

「…そうだな、八雲。俺の事も大和で良い」

「分かったよ、大和」

 

そう言って未だ眠っているはやての所に行った。

 

「お寝坊さんですねー。こっちが必死に戦ってたって言うのに。…なあ、大和!」

「何だー?」

「古今東西、眠っているお姫様を起こす方法って一つしかないよな?」

「ああ? …ああ、そうだな。勝手にしろよ、このリア充!」

「勝手にしますよっと」

 

僕ははやてにキスをする。昔から眠っているお姫様を起こすのはキスだと決まっている。まあ、キスの前に王子様って付くけどね。そんでもって僕は王子様って柄じゃない。

あーだこーだ言ってるけれど、単純に一週間はやてに会えなかったのが寂しかっただけだ。

 

「うん…」

「おっ、やっと起きた?」

「八雲…君?」

「そうだよ。久しぶりだね、はやて」

「八雲君!」

 

僕に抱き着いてくるはやて。正直、体はボロボロで抱き着かれると体中が悲鳴を上げるんだけど、そんな事が気にならないほど、僕は嬉しかった。ちゃんとはやてを助け出せた。それだけで、ここまでのしんどい事は帳消しになった。単純だね、僕って。

 

「さて、そろそろ帰るか」

「そやね」

「大和、動けるか?」

「一応な。…っと」

 

立ち上がる大和。

 

「仲直りしたん? 八雲君と吉野君」

 

出口に向かって僕達は歩き出す。順番は前から大和、はやて、僕。

 

「まあ、全面的に俺が悪かったからな」

「そんだけ丸くなったら皆ともそこそこ良い関係になるんじゃない?」

「そうやねー。なのはちゃん辺りやったら、スターライトブレイカー一発食らわして流すんちゃう?」

「ああ、ありそう」

「俺、それ食らわなダメなのか?」

「「多分ね」」

「…それを食らうくらいなら悪いままで良いかも」

「「諦めが肝心」」

「お前ら、ホント息ぴったりだな!」

 

大和、ツッコミとしていい仕事するな。アリサの代役勤まりそうだね。

 

「しかし、あんなに激しくバトルしたのによく、この洞窟壊れんだな」

「怖い事言うなよ、八雲。生き埋めはごめんだ」

「それは誰でもそうやと思うよ」

 

そんな事を言っていると、まるでその話題を待っていたかのように天井が崩れてきた。そして、その岩ははやてに降り注ぐ。僕は咄嗟にはやてを思いっ切り押した。

 

「八雲君!」

 

降って来た岩の向こう側から僕を呼ぶはやての声が聞こえる。

 

「はやて、ケガは無い?」

「私より、八雲君の方やろ!」

「僕は大丈夫。この岩位壊していくから先に出といて。大和」

「なんだよ?」

「はやての事、頼んだよ」

「…分かった。すぐに来いよ」

「もちろんだよ」

 

岩の向こう側でここから離れていく足音が聞こえる。…二人とも外に向かって行ったみたいだな。

本当の事言うとさっきのは完全にただの強がりだ。体は激しい戦闘でボロボロ、魔力もすっからかん普通の時なら何とでも出来たけど、今の状態は何も出来ない。

オーバーリミッツは終了後の疲労が半端じゃない。子供の頃は気絶してしまうくらいだったし。今はそんな事は無いけど、そこから何かする事はほとんど出来ない。

 

「あー、皆との約束破っちまうなあ。…それにはやてを泣かしちゃうよなあ」

 

どうやら、はやてを押したのが僕の残っていた最後の力だったらしく、どんどん体に力が入らなくなってきた。ゴメン…はやて。

 




さて、少年漫画のような展開を迎えましたね。
大和が噛ませ犬からライバルに上がっちゃいました。ギャグキャラだったはずなんですけどね。

言うならば…なんでしょう。ヤム○ャからベジー○へクラスチェンジですかね。偶然ですけど、自ら望んで敵の力を得てますし。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。