魔法少女リリカルなのは~転生者は魔法剣士~ StrikerS編   作:ピーナ

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タイトルみたいな不幸な事は怒りませんよ。


第十九話 病院で家族の呼び出しが有ったら悪い事しか思い浮かばなよね?

はやてサイド

 

 

私と八雲君が咲耶を正式に養子にしてから一月ほど経った。

日中は私も八雲君もお仕事があるから、ヴィヴィオと一緒に六課の寮母を務めているアイナさんの所に預けている。

咲耶とヴィヴィオは出会ってそんなに経ってないのに、もう凄く仲良し。私達の小学校時代を思い出す。

……小さい頃を思い出すって、私も大人になったんやなあ。その…八雲君とけ、結婚する事も決まったし。

子供に寂しい思いをさせたくない私達は出来る限り就業時間に仕事を終わらせて、早めに部屋に戻るようにしている。それで、咲耶が寝ると私達も一緒にベットで横になる。

完全に娘に合わせた生活リズムになっている。

そんな私だけど、最近体調が悪い。とはいうものの風邪っぽくない。疲れから来るものだろう。今の所体がだるいだけだし。

 

「ふぁ~~」

 

アカン、仕事中にあくびって、気抜けとるなあ。

 

「お疲れですか主はやて」

「ん、いや大丈夫。ちょっと疲れただけ。少し休めば平気やよ」

 

心配そうな表情を浮かべるアインスに笑顔で答える私。

 

「そうですか…。調子が悪かったら私やシャマル、八雲に言ってくださいね」

「うん、分かっとるよ」

 

本格的にこれはまずいなと思ったら、言うけど、まあ、まだ大した事ないから大丈夫やろ。

 

 

 

そう思ってた翌日。しっかり寝たはずなのに眠いし、だるいし、頭は痛いし、吐き気はするしで体調は最悪。それでもまだ大丈夫と隠そうとしたら、

 

「ママ、顔色悪いけど大丈夫?」

 

と、咲耶に言われ、八雲君には

 

「今日はシャマルの所行って、休むのがはやての仕事だ。アインスには僕から言っておく」

 

と言われてしまった。

二人とも不安そうな顔。

…あかんなあ、奥さんとしても、お母さんとしてもやっちゃアカン事したかもしれん。

とりあえず、咲耶に支えてもらって、私はシャマルの居る医務室に向かった。

六課の医務室は病院並みとまではいかないけど、大体の検査は受けられる設備がある。前線部隊には体調管理する設備は必須なので、六課が特別という訳ではない。

 

「シャマル、ゴメンやけど診察してほしいんよ」

「はやてちゃん⁉ 大丈夫なの?」

「あはは…大丈夫やと思ってたんやけどな、今朝ついに八雲君からNG出された」

「もう! 笑い事じゃないわよ! これからはもっと早く言ってね」

「はい、ごめんなさい」

 

さっきのに加えて主としてもダメダメやった。

 

「それで、症状はどんな感じなの?」

「うーん、最初はだるさとちょっとした眠気やったから、疲れからかなって思ってたんやけど、今朝になってそれにプラスで頭痛と吐き気がして来た」

「ふむふむ、それじゃ、検査するから、制服の上脱いで、そこに寝て」

 

私はシャマルの指示通り処置台に横になる。

 

「色々調べるから、少し時間が掛かるし、寝ちゃってもいいわよはやてちゃん」

「うん、分かった」

 

少し気持ちが落ち着いたか、私はあっという間に眠ってしまった。

 

 

 

はやてをシャマルの所に送り出してから僕は彼女の執務室に向かった。

そして、そこでアインスと今日の分のはやての仕事の分担をして、仕事に取り掛かった。

僕の執務室でも良かったんだけど、最終的にはやてのサインが居るものも多いので、僕は普段はやてが使っている席で仕事を始めた。

…しかし、普段はやてが使っている席で仕事するって言うのはなんか少し変な感じだな。若干違和感を感じる。

僕の執務室は一人だけど、ここにはアインスもいるし。

だから……サボれない。

そんな事を考えていると、ドアがノックされた。

 

「開いてますよ」

 

アインスがそう言うとドアが開かれた。そこに居たのは管理局員……ではなく、僕達の愛娘、咲耶だった。

 

「どうしたの、咲耶?」

「シャマルがパパを呼んできてほしいって」

「僕を?」

「うん。なんでも、ママの体の事で話が有るんだって」

 

はやての体の事で? ……ま、まさか、何か凄い重い病が見つかったとかか? 普通の風邪だったりしたら、わざわざ僕を呼び出す必要ないし、呼び出す必要があるって事はそう言う事じゃないのか? こうしちゃいられない。

 

「すぐ行く! アインス、仕事は任せた」

 

アインスの返事を聞かず、咲耶を抱えて、僕は医務室に向かって走り出した。

 

 

 

僕が全力で走れば、一分位で医務室に着く。

 

「シャマル!」

「あら、八雲君、早いわね」

「そりゃ、はやての体の事だからさ。…んで、はやての体の事って?」

「まあ、お茶でも飲んで落ち着いて」

 

そう言ってシャマルに出された、温かいお茶を飲む。…料理は下手だけど、お茶は普通に美味しい。

 

「う、ううん…あっ、八雲君やん」

「さて、はやてちゃんが起きた所で、説明しましょうか」

 

…こういう時って、普通本人の目の前で言わないんじゃ? もしかしてこの文化って地球だけ?

 

「おめでとう」

「「「へっ?」」」

 

シャマルの「おめでとう」の意味が分からず、抜けた声が出る僕達。

 

「単刀直入に言うとはやてちゃんのお腹の中には、新しい命が宿っています。体調不良はつわりね」

「つまり、はやての体調不良は僕達の子供が出来たから。って事?」

「そういう事。二人にとっては二人目の子供が、咲耶ちゃんにとっては妹が出来たって事」

「はあ~、良かった。僕はシャマルが呼び出すから、てっきり重い病気かと思ったよ。まあ、なにはともあれ良かった。なあ、はやて……ってどうしたんだ⁉」

 

僕が驚きの声を上げたのも仕方ないと思う。何故かはやてが泣いていたから。

 

「ど、どうしたのママ? ど、どこか痛いの?」

「お、おおお落着け咲耶」

「いや、落ち着くのは二人ともだと思うわよ」

 

これでもかって言うほど、動揺する僕と咲耶にツッコミを入れるシャマル。

はやては落ち着いてから話し始める。

 

「大丈夫やよ。あのな、私って小さい頃に体の事で色々あったやん? お医者さんからは健康になったって言われたけど、少し不安やった所もあったんよ。特に子供が出来るのかが。ちょっと前に咲耶がウチの子になってくれて、正直『ああ、これで私がもしも子供を産めない体でも大丈夫やな』って思ってた。八雲君との家族は増えへんし、咲耶の妹や弟を作れんのは、ちょっと辛いけど、って思ってた。でも、今日で私はホントに普通に子供が作れる。それが分かって、嬉しさやらなんやらの感情がごっちゃになって、それで…」

 

言いながらもはやての目にはまた涙が溜まっていた。見ていられなくなった僕ははやてをそっと抱き寄せる。

 

「そんな事気にすんな…って言いたいけど、それは無理があるか。でも、そこまではやてが不安になってた事に気付かんで、ゴメン。でもさ、そういうのは今度から誰かに相談しよ? 僕じゃ役に立たない事とか、家族だからこそ言いにくい事もあるだろうけど、はやての力になってくれそうな人は沢山いるだろ?」

 

具体的には、桃子さんとか、プレシアさんとか、リンディ提督とか、レティ提督とか。体の事なら石田先生っていうのもある。

 

「そうやね。…でも、溜め込むのは私だけとちゃうやろ? 八雲君もそうやし」

「はは、そうだね。僕も気を付けるよ。もう、僕一人の体じゃないしね」

 

とっくの昔からそうだった気がするけど、正真正銘の夫婦となるから、はやての旦那さんとして、咲耶と生まれてくる子供のお父さんとして、僕はこれから生きていく。大切な人を悲しませないためにも、簡単には倒れられない。悩んだら誰かに相談しよう。家族の皆でもいい。頼りになる人生の先輩たちもいる。

 

「とりあえず、はやてちゃんは容態が落ち着くまで、無理はしない事。良い?」

「分かりました、シャマル先生」

「八雲君と咲耶ちゃんははやてちゃんが無理しない様に見張っててね」

「分かった!」

「分かってるよ。はやてに無理はさせない」

「八雲君には言われたくないかな~」

「そうね~、八雲君も無理や無茶をする方だから」

 

はやてもシャマルも酷くね? まあ、自覚があるから言い返せないけど。

一瞬黙った後、皆は笑い出す。

 

「さて、問題はこれをどうやって報告するかだな…」

「あ~、そやねえ…」

「どうしたの、パパ、ママ? 普通に皆に言えば良いんじゃないの?」

「多分、皆にからかわれる」

 

この後、幼馴染や騎士の皆、お世話になっている方々に報告を入れたら僕の予想通りの内容の言葉をいただいた。それは『忙しいのに、やる事はやってたんだね』。

……まあ、この後ちゃんと祝福されたから良いんだけどね。




はやての心境などはあくまで僕の想像です。でも、子供の頃(外的要因とはいえ)重い病気だったのは事実ですから、そういう心配があるのでは? とは思います。

次は…どうしましょうかね?
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