魔法少女リリカルなのは~転生者は魔法剣士~ StrikerS編 作:ピーナ
はやての妊娠が発覚して一月。JS事件の後始末も終わって、六課は以前の日常を取り戻した。
そこで僕達六課幹部陣は次の仕事に取り掛かる。
それは『六課解散後のメンバーの進路』だ。
基本的には前所属に戻る事になっているが、何人かは考えないといけない。現在はそれの会議中である。出席メンバーは、ロングアーチ、六課のトップのはやて、六課のナンバー2で前線部隊の指揮官である僕、スターズ分隊の隊長であるなのは、ライトニング分隊の隊長のフェイトの四人だ。
「とりあえず、バックヤードとロングアーチは終わったな。次はスターズ、ライトニング、それに各部隊の隊長陣やね」
「まずはスターズから行くか。ティアナは……」
「まず、執務補佐官試験を受けてもらって通ったら、私の下で補佐官をやってもらうよ。まあ、模擬テストの様子だと受かると思うけどね」
ティアナはここから、彼女の夢へと進めそうだ。
「次はスバルやけど……」
「それは、僕から。レティさんから連絡があったけど、スバルに特救のスカウトがあったってさ」
特救―正式名称は「湾岸特別救助隊」―は災害担当局員の憧れともいうべき部隊で、熟練のメンバーが所属している事でも知られている。
「後で本人に確認しておくよ。でも、特救か~うん、スバルに向いているね」
そう、感想を言うなのは。直属の部下の二人の進路が決まって一安心の様だ。
「次はライトニングやけど、これは二人ともキャロの前所属の自然保護隊への配属を希望しとる。キャロは前所属やし、エリオもここが初所属やし、まだオファーもあらへんからここで決定出して決めてしまおうと思っとるんやけど、良いかな、フェイトちゃん?」
「良いと思うよ。保護隊の人達なら二人を任せられるし、ここで学んだことも役に立つと思う。……少し寂しいけどね」
「そっか…。んじゃ、ライトニングの二人もここで決まり。後は隊長陣の進路やけど……」
「私は航空戦技教導隊に戻るよ」
「私はクロノからの誘いで『クラウディア』所属の執務官になるかな」
「シグナムは前の所属の武装隊に戻るって話なんだけど、ヴィータがなあ。引く手数多なんだよ」
なのはの教導の補佐として、短期間で六課の新人を育て上げた手腕を買われて、ヴィータは色々な所からスカウトの話が来ている。
「それなら、私に考えがあるんだけど」
「何、なのはちゃん?」
「ウチへ誘おうと思うの」
「航空戦技教導隊にか?」
「うん。ヴィータちゃんの教導官としての腕は本物だし、教導隊に古代ベルカの使い手もいないから丁度いいし、前々から考えてた事だからチャンスかなって思っててね」
「良いとは思うけど……」
「最終的にはヴィータ次第やな。その辺はなのはちゃんが聞いといてくれるやろ」
「そのつもりだよ」
案外、ヴィータって教官職に向いてるんだよな。何だかんだ言いながらも面倒見良いし。
「さて、後は私と八雲君やな。……と言っても、私は六課解散の後は産休に入るから、今すぐ考える必要はないんよね。八雲君は?」
「僕の進路もレティさんに話を通してある。僕は……」
そこから数日、僕の将来を決める日がやって来た。
『マスター、本当に良いのですか? レティ提督や三提督の方々なら、この条件無しでも問題ないと思いますけど?』
「そうだね。でも、これは僕のわがままでそれを貫き通すには厳しい条件を置いてそれを超えて行かないと僕の気が済まないんだよ」
『そうですか。……マスターの気持ちはもう変わりないんですね』
「うん。六課解散と同時に僕は管理局を辞める。……薄々思ってはいたんだ。六年前ティーダさんの事件の時から、僕に管理局の仕事は向いていないって。かといって、当時は他の道なんて考え付かなかったからそのままだったけど、JS事件で気付いたんだ。いや、思い出した。僕ははやての笑顔を護りたい。でも、管理局に居ると色んなしがらみでそれが出来ないし、あそこには守護騎士の皆やなのはやフェイトが居る。公で支える人たちはいっぱい居る。でも、はやてを私で支えられるのは僕だけなんだよ。なら、そっちに集中したい。それに、娘も出来たしね。」
管理局の中では色々な仕事を通して、はやてはしっかり人脈を作って来た。はやてを支えてくれる、信頼出来る人たちは沢山いる。
でも、溜め込みがちなはやてに吐き出させて、休ませられて、いつも笑顔でいてくれるようにするのは僕しか出来ない。
普通から見たら変なのかもしれないけど、これが僕の選んだ道だ。
それに…
『そうですね、はやても気付いてらっしゃったみたいですし』
「それが一番びっくりだったよ」
これを切り出した時はやての一言目は「今まで心は無理してきてたもんなあ。うん、分かった。お疲れ様、八雲君。私達の家を護ってください」だったもんなあ。……敵わないよなあ。
「まあ、管理局員、霧島八雲の一世一代の大舞台、最後まで付き合ってもらうよ、叢雲」
『愚問ですね、私はマスターの唯一のパートナーですよ? 最後と言わず何時までもお付き合いいたします』
「……やっぱ、最高の相棒だよ。さあ、行こうか!」
さて、僕が出した条件というのは『魔導師ランクSSSの試験を突破する』というもの。魔導師ランクは空戦、陸戦、総合と分類されて、その中でDから始まって以降、C、B、A、AA、AAA、S、SS、SSSとランク分けされて、さらにその間での能力さを表すために+と-を使っている。
例えばなのはやフェイトは空戦のS+ランク、はやては総合のSSランクとなる。
空戦、陸戦は分かりやすいけど、総合は少し分かりにくいし特殊だ。空でも陸でも取れるが、どちらかというと後衛、支援役の人間が取っている。六課で言うと、はやて、シャマル、後この前キャロも取った。後、取っていないけど、ユーノやアルフもここに分類される。
この魔導師ランクの試験というのは受ける人間の働いている部署によって分かれる。総合が特殊なのはどこの部署でもあんまり変わらないという所だ。
陸戦と空戦魔導師は災害担当なら、突破力や判断力、判断の正確性などの現場で必要な物を図る物を、武装隊なら分かりやすく戦闘試験をと言った具合だ。
僕は六課の人間なので戦闘試験を受ける。その内容は「魔導師ランクAA以上の空戦魔導師50人との同時戦闘」。
こうなったのは今までSSSはカテゴリーとして存在したけど、そこまでの人間が居なかったから、試験内容が決めれなかったのだ。なので、三提督が「これ位こなせれば、SSSを名乗ってもいいのでは?」と思った内容が試験内容になった。
魔導師ランクAAとなれば経験もあるし、一端のエース、ストライカーと呼ばれている人間たちである。その人たちと50対1で戦うなど狂気の沙汰としか言い様がないだろう。
だが……面白い。有終の美を飾るにはこれほどふさわしい場所も無い。やってやるさ。
次はガチ戦闘パート! 頑張ります!