魔法少女リリカルなのは~転生者は魔法剣士~ StrikerS編   作:ピーナ

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いよいよSS編も本格始動です。


第二話 ちびっこ試験官来る

部隊編成をなのはとヴィータの二人と話し合ってから数日後、僕は前線メンバー候補の二人を見るために試験が行われる、クラナガン郊外の整備地区に来ていた。

 

「こうやって、八雲君と一緒に仕事行くのは久しぶりやな」

 

そう言うのは僕の隣を歩くはやて。今日の事を説明した時、「時間あるし私も行く」と言ったので一緒に来ている。

 

「そうだね。僕は遊撃戦力だから、有事の時以外は本局に居るからね」

「私とリインは外回りが多いから、同じ家に住んでても一緒に行くって事はほとんどないよなー」

「中学の時は毎日一緒に登校してたけどね」

「あはは、そやね。あの時はカップルに見られてたやろうけど、今はどうみられるんやろ?」

 

今ね…僕とはやてだけだとまだ、カップルだろう。僕もはやても年齢の割に童顔でよくからかわれる。

ミッドでは成人は18からなのだが、今でも未成年に二人とも間違えられる。

 

「今はリインも居るから、夫婦なんじゃない?」

「ふ、夫婦!?」

「はやてちゃんがお母さんで、八雲君がお父さんです。今日だけ、そう呼ぶですか?」

「それはやめてくれ、リイン。僕がなのはとフェイトに変な目で見られる」

「分かりましたー」

 

そう返事をするリイン。良い子に育ってくれて僕は嬉しいのですよー。…って、これは完全に父親目線だね。

そういやさっきから、はやての反応がない。気になって横を見てみると、だらしなく表情を緩めたはやてがいた。…多分、僕がさっき言った「夫婦なんじゃない?」って言うのを聞いて、妄想が爆発したんだろう。

…できれば早くその妄想を本当にしてあげたい。でも、恥ずかしいし、言い出すタイミングが無い。

 

「はやて、もうすぐ着くぞ」

「ふえっ、八雲君? …ひょっとして、さっきの言葉聞いてた?」

「言葉? いや、聞いてないけど。僕は凄く緩んだ顔してたはやてを見てただけだし」

 

僕の言葉に顔を真っ赤にするはやて。恥ずかしがらなくてもいいのに。

 

「相変わらずだね、はやても八雲も」

「まったく、十年経ってもバカップルなの」

 

そう言うのは黒の執務官服に身を包んだ金髪の女性と白い教導官の服を来た茶髪の女性だった。まあ、こんな面倒な言い回し無しで普通に僕達の幼馴染のフェイトとなのはと言えばいいんだけど。

 

「おはよう二人とも、元気にしてる? っていうか、フェイトとは久しぶりだね」

「そうだね。私は個人での仕事が多いから、あんまり皆と会わないんだよね」

「逆に私はいろんな所に教導に行くから、結構皆と会うんだよね」

「僕もなのはと同じでいろんな所に行くから結構会うね。まあ、一番会うのはユーノなんだけど」

「八雲君とユーノ君は同じ本局やからなー。…そういや、なのはちゃんも本局勤めやけど、ユーノ君とは会わんの?」

 

ぶっこんでくるね、はやて。

 

「わ、私は本局の教導隊って言ってもいろんな所に行くから、本局にだけ居るわけじゃないよ」

「それだけじゃなくて、タイミングが合っても恥ずかしくてユーノを誘えないんだよね」

「フェイトちゃん!」

 

フェイトの言葉に顔を真っ赤にして声を上げるなのは。

しかし、なのはの言ってる事がまんまユーノと同じだよ。ホントにさっさと付き合っちゃえよって思う。

 

「みなさーん、久しぶりに会って同窓会気分になるのは分かりますけど、もうすぐ試験も始まりますからね」

 

おお、家の末っ子リインは凄いしっかりした子に成長してる。僕は嬉しいよ。

そんな父親みたいな事を考えながら僕達はヘリに乗り込む。

 

 

「しかし、この二人の試験がこのパターンとはね」

 

ナカジマとランスターが試験を受けている映像を見ながら僕はそう呟いた。

 

「どういう事なん?」

「いや、Bランク試験の中でタッグのこの試験は一番難しいって評判なんだよ。ウチの部で」

 

ウチの部、つまり本局運用部は人員の管理も仕事の内だ。魔導師ランクを含めた資格の試験の試験官も仕事の内だ。

まあ、試験官はウチ以外の部からも要請される。単純に人手不足で。リインが今回の試験官を務めているのもそのためだ。

そういうのが理由で僕は魔導師ランク試験の内容がどんなのなのか詳しく知っている。基本的に試験は武装隊系の物と災害担当系の物の二つに分かれる。武装隊の場合だと、直接の戦闘で判断するけど、災害担当の部隊だと試験のパターンが結構ある。今回は状況判断と突破能力を測る物だ。

しかしこの試験、いくつかあるBランク試験の中で最も難しい。

他の試験よりも3割ほど合格者が少ない。これをクリアできたら、間違いなくこの二人は才能がある。スカウトする良い指標になるだろう。

 

「何でなん?」

「いくつかあるんだけど、一番の理由はあれ」

 

丁度、画面に出てきた大きなターゲットを指差す。

 

「あれを抜くのが難しいんだよ。抜いたとしても時間切れの場合が多いしで、失敗が多いんだ」

「二人のお手並み拝見ってわけだね」

 

画面ではナカジマが砲撃魔法で巨大ターゲットを撃ち抜いていた。…たしか、あの子近代ベルカだったよな。ベルカで砲撃ってかなりレアだな。しかも、背負われていたランスターの方も魔力制御であの砲撃魔法をしっかり命中させている。言葉にすると簡単だけど、他人の魔法を制御するのはかなりの高等技術だ。少なくともCやBランクの魔導師では出来ない。これは当たりかな。しかも、大当たり。

映像ではそのまま、ゴールに向かっているのだが、時間ギリギリだ。

 

「なあはやて、フェイト」

「「何?」」

「あのままゴール超えても減速しきれずぶつかるんじゃない?」

「「…あっ」」

「まあ、なのはも外に居るし何とかなるだろ」

 

こんな感じで二人の試験は終わった。

 

 

さて、所変わって本局の一室、ここには僕、はやて、なのは、フェイトが居る。

 

「さて、今日の二人を見てあの子達を六課に誘うか、前線の隊長である三人に聞きたいんやけど」

「私は良いと思うよ。伸びしろが有って教導のし甲斐ありそうだし」

「私も」

「八雲君は?」

「僕も賛成。っていうか、あの二人は完全に当たりの人材。スカウトしにいくべきだね」

「これで、前線メンバーも決定やね」

「で、なのは」

「なにかな、八雲君?」

「あの二人の結果どうなるの?」

「…気付いてたんだね」

「まあ、僕の部署の仕事だしね」

「どういう事なん?」

 

僕となのはの会話の意味が分かっていないはやてが聞いてくる。見た感じだとフェイトも分かっていないみたいだ。

 

「えーっと、魔導師ランクって言うのはその魔導師がどこまでの任務をこなせるかの指標だろ?」

「せやな。…ってなんでそんな当たり前の事を言うん?」

「じゃあ聞くけど、最後の最後でミスした人に高難度の任務与えれる?」

「「あっ…」」

 

理解してもらえたらしい。意外と魔導師ランク試験の合否の判断方法って知られていないのね。まあ、直接的に関係する部署か試験官をやらないと知らないか。

 

「で、そこの所どうなのさ」

「うーん、リインとも話してたんだけど、そのまま不合格って言うのは、あの子達的にも管理局的にも無理があるし…」

「仕方ない。裏技を使おう」

「「「裏技?」」」

「こういうパターンはね結構あるんだ。安全を確保せず無鉄砲にクリアしようとする人って。そういう人たちの救済措置として、一週間みっちりと安全講習をして、その後再試験って言うのがあるんだ。といってもこの再試験は簡単な物だからほとんど合格なんだけどね」

 

このやり方は結構昔からやられていたらしく、僕も初めて試験官をした時に先輩局員に教えてもらった。

 

「それじゃあ、その方法を取らせてもらうよ。ありがとう八雲君」

「じゃあ、僕は一足先に本局に戻るよ。この事の根回しをしとくから」

 

そう言って部屋を後にしようとする僕。

 

「八雲君!」

 

後ろのはやてに呼ばれたので振り向いたら

 

キスされた。しかも軽いのじゃなくでディープな奴。

 

「ど、どうしたいきなり!」

「んー、理由なんてあらへんよ。ただ、キスしたくなっただけ。でも、これで八雲君も元気出たやろ?」

「そりゃ、もちろん」

「私も出たし、別に良いやろ?」

「まあ、問題無いな」

 

そこに二人いるけど、まあ、幼馴染の前でキスするのは慣れてしまった。

 

「今日は私はこれで上がりやから、家で夕飯作って待ってるから、お仕事頑張って」

「了解。さっさと仕事終わらせて帰るよ」

 

それだけ言って、僕は部屋を後にした。

あ、そうそう、この後はやてはなのはとフェイトに「相変わらずラブラブだね~」とからかわれたらしい。その時は顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた。

何で知っているのかって? フェイトがその時のはやての顔を撮って僕にメールで送って来たからだ。もちろん保存決定だ。




これで、六課がやっとスタートできます。

次回は六課集結回になります。
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