魔法少女リリカルなのは~転生者は魔法剣士~ StrikerS編   作:ピーナ

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機動六課出張任務スタートです。


第五話 六課IN海鳴市

「派遣任務?」

 

初出動から少し経ったある日、執務室で仕事をしていた僕ははやてに呼び出されたので、彼女の執務室にいた。

 

「そや。カリムに頼まれたんやけど、異世界で発現したロストロギアの捜索、回収の依頼や」

「でも、ウチってレリック専任だろ?」

「レリックの可能性もあるからやって。それにカリムが六課に回したんはもう一個理由が有ってな。そのロストロギアが確認された異世界の名前は、第97管理外世界、現地惑星名地球なんや。しかも、場所は日本の海鳴市」

「…ああ、なるほど」

 

勝手知ったるなんとやら、これほど僕達に適した仕事も無いだろう。

 

「出撃メンバーは前線部隊の全員。留守中はグリフィス君にお任せやね」

「了解。…つーか、新人以外、ただの里帰りじゃねえか」

「ホンマやなあ。じゃあ、一回部屋に戻って、準備しよか」

「そうだな」

 

そこから出発までのおおよそ2時間僕達二人は結構忙しい時間を過ごした。

いや、結構あったんだよ。出発までにやらないといけない事。立場があるってめんどくさい。

 

さて、地球への移動中の事、新人たちは地球の事を話題にしていた。どうやら、少し前に皆の故郷の話をしていたらしい。

 

「魔法文化がないのに、どうして隊長たちみたいなオーバーSランクの魔導師が…」

 

そういうティアナ。たしかに疑問に思うのも分かる。

 

「まあ、突然変異…かな?」

「そうだねー。私達が魔法に出会ったのもたまたまだし」

「だよな。僕なんて、買い物の帰りに事件に巻き込まれたからね」

「そうそう、今思うと、バリアジャケットなのに手にはエコバックっていう面白い恰好だったよね」

「それ、私も八雲君に聞いたわ。確かに考えると面白いよね」

「私はなのはから聞いたよ。切羽詰まった状況なのは分かるけど面白い恰好だよね」

「今でもたまにその事をユーノにからかわれるよ…」

 

当時は結構命懸けだったはずなのに、終わってみれば笑い話。今では良い思い出だ。そのおかげでたくさんの友人が出来た。それでいい。なにせ、自分で選んだ道なのだから。

 

「まあ、昔話はこの辺にして。そろそろじゃないか、はやて」

「ホンマやね。それじゃ私と副隊長たちは寄るとこあるから、後は任せたで」

「はいよ。先に現地入りして進めとくから」

 

こうして僕達の海鳴市への出張任務が始まった。

 

 

僕達が転送ポートから転送された先は海鳴の街のはずれにある静かな湖畔に立っているコテージの前にいた。

捜査員待機所として借りているここについて説明をしていると一台の自動車が来た。その自動車から降りてきたのは金髪ショートの女性。

 

「なのは! フェイト!」

「アリサちゃん!」

「アリサ! どうしてここに?」

「そこに立ってる奴に教えてもらったのよ」

 

アリサは僕の方を指差す。

 

「八雲に?」

「そうよ。『仕事でそっちに行く。待機所借りるよ。あっ、そうそう、みんな一緒だよ』ってね。それを教えて貰ったら来るしかないじゃない」

 

若干僕の声真似を挟みながらそう言うアリサ。

流石に今年一年は今まで程休みを取れないと思う。なら偶然とはいえいい機会なのだから会えるようにしようと思ったのだ。

 

「まあ、忙しくなるだろうから、丁度いいかなって思ってさ。それに許諾されてるにしても、一言断り入れる方が良いでしょ?」

「…アンタ昔から思ってたけど、ホント、レベル高いわね。人間としても、一人の男としてもね。大学の男ども見てると本当にそう思うわ」

「そりゃどうも。でも、僕には…」

「知ってるわよ。何年アンタ達を見てきたと思ってるのよ。ジョークよ、ジョーク」

「うん、知ってる」

 

まあ、このやり取りも割といつもの事だったりする。周りをハラハラさせる系のジョークを僕達が言う事は。

僕とアリサは『冗談を言い合える仲』、すずかは『相談できる仲(主にはやての事で)』、ここにはいないけどアリシアは『難しい事を話し合う仲(魔法技術限定)』だ。ちなみになのはは『戦う仲(模擬戦的な意味合いで)』でフェイトは『相談される仲(主にエリオの事で)』になる。はやてはもちろん『愛し合う仲』だ。

 

「そういや、アリシアは?」

「ちょっと今は手を離せないらしいわ」

「そうなんだ…」

 

少し寂しそうなフェイト。

アリシアの怪我から治った時も嬉しさで凄い泣いていたし、あの銀髪君が手を出そうとしてた時もお互いがお互いを凄いかばってたし、本当に二人の仲は良い。兄弟のいない僕としては羨ましい。

 

「…さて、皆、任務を話をするよ。今回はスターズとライトニングの二手に分かれての捜索任務。細かい事はなのはとフェイトに任せる。後でヴィータとシグナムも合流するから」

「私はどうするですか?」

「そうだな…それじゃあ、ヴィータの代わりにスターズと一緒に行ってくれ。ヴィータにはロングアーチの指示で動いてもらう」

「八雲君はどうするの?」

「僕はとりあえず待機。はやて達がここに来て引き継ぎをしてから単独で探索するよ。それじゃあ、任務開始しようか」

「「「「「「「了解!」」」」」」」

 

スターズ、ライトニングそれぞれが動き出した。

 

「はやてはすずかの所?」

「そうだよ。はやて、働き詰めだからこういう時にリフレッシュさせてあげないとね」

「ホント、八雲って気遣い上手いわね」

「はやて…というより、あの三人はわき目を振らず突っ走るタイプだからな。それをサポートしている内に自然と…ね」

「でも、三人とも一番突っ走っていくのは八雲だって言ってたわよ?」

「僕の場合は自分がやらないとって時だけだから大丈夫。普段は結構サボったりもしてるし」

「社会人として、どうなのそれは…」

 

僕の言葉に呆れるアリサ。

 

「サボるって言っても、やる事やってからだからね。僕としては今、大学ってどんなところか気になってるんだけど?」

「アンタ達は中学卒業してすぐにミッドに行っちゃったからね。まあ、この後すずかと会う約束してたし、それまでの時間つぶしに付き合ってあげる」

「サンキュー、アリサ」

 

僕達二人ははやて達が来るまで他愛のない話で花を咲かせた。

そのせいでここに来たはやてに怒られる羽目になった。

…怒った顔のはやても可愛いと思ったのは僕だけの秘密だ。

 

 

さて、はやてが来たので僕は海鳴の街を散策…もとい探索を始めたのだが…

 

「よお、モブ野郎。久しぶりだな」

 

めんどくさい奴に絡まれた。

 

「はあ…。久しぶりだね、吉野君。それで、何の用? 僕、一応仕事中なんだけど」

 

銀髪君、吉野大和君は僕達と同い年で一応幼馴染なのだが、徹底的にはやて達女の子6人に嫌われている。まあ、彼自身がまいた種なので同情はしないけど。

昔は銀髪君って呼んでたけど、流石に名前を呼ばないのはどうかな? と思ったのである時から名前呼びにしてる。彼自身は僕の名前を呼ばないけど。

 

「なんで、てめえみたいな奴がなのは達の傍にいるんだよ! そこは俺のものだ!」

「…よく分からない理屈だけど、訓練校に入って一週間で辞めたのは君だよね?」

 

実は彼、訓練校に入校していたことがある。

その話を持って行ったのは僕とクロノだった。正確に言うと僕は付いていっただけで、この事を提案したのはクロノ。理由は、「高魔力保有者を管理外世界に置いておくのはもったいない」だった。

それを聞いたはやて、なのは、フェイトは絵にかいたような嫌な顔をしていた。反対にミッドに行かないアリシア、アリサ、すずかは凄い良い顔をしていた。

だが、吉野君は辞めた。いや、正確に言うと逃げ出した。事情を聞きに行った時「俺は天才なんだ。選ばれた人間なんだ。あそこで学ぶ必要は無え。それより、早く仕事させろ!」と言っていた。

…一応、僕達が嘱託魔導師を始めた時ですら、二週間ほど、研修があったし、これで逃げるのなら向いてないのだと思い、そこで誘うのも辞めた。僕にも仕事有るしね。

 

「うるせえ! そんな過去の事はどうでもいいんだよ! それより、俺はお前をここで倒して、その実績で六課に入る! だから俺と戦え!」

「…本当によく分かんない理屈だけど、それに何で六課の事を知ってるのかも分かんないけど、君がそれで納得するのなら、一回だけ相手をするよ」

 

僕はそう言ってから構える。空気の読める僕と彼のデバイスは結界を張る。

 

『ついでに彼女さんに連絡も入れておきました』

『…叢雲、お前本当に空気の読めるデバイスだな』

『まあ、これくらいは』

 

十年経って、凄い人間臭くなってきたな。

まあ、それはそれとして、僕は叢雲を装備していない。

まがりなりに10年間戦い続けていた僕と、一般人の彼との差を考えてのハンデと、それで倒して相手の心をへし折るためだ。

 

「行くぜ!」

 

吉野君はその声の後突っ込んでくる。やっぱり速い。でも、それだけだ。工夫も何もない攻撃は当たらない。

防御する必要もない。全部避ける。

 

「当たっとけ!」

「嫌だよ、痛いし」

「くそっ!」

 

苛立ったのか、大振りになる吉野君。その隙に、

 

「双撞掌底破!」

 

高速で魔力を纏った掌底を胴体に連続で叩き込む。

これで、吹き飛ばされ意識を失う吉野君。…やり過ぎたかな?

 

『デバイス君、後は任せても良い?』

『ええ、いつもの事ですから』

 

彼のデバイス君は本気で苦労人だと思う。

 

『そういや、僕がこの街に居た頃はいつも仕掛けてきてたね。…君にも迷惑をかけるね』

『いいえ、貴方の方が苦労してるんじゃないですか?』

『少しはね。まあ、でも僕と同じ境遇だしね。仲良くはしたいんだけど目の敵にされてるからねえ…』

 

実は彼が転生者と言うのは僕は知っている。彼は知らないと思うけど。

知ったのは小学校の頃、今日と同じ感じになって、彼のデバイスが教えてくれたのだった。

彼のデバイスと話しているとはやてから連絡が入った。

 

『八雲君、今どこ?』

「聞かなくても分かってるだろ」

 

魔法を使ったから何か言われると思ったけど、違ったらしい。

 

『まあね。で、そこの近くにスーパーあるやろ?』

「ああ、あるな。昔よく行ってたからな」

『アリサちゃんとすずかちゃんが夕飯の買い出ししてくれるみたいなんやけど、料理は私が作ろうと思ってな』

「僕も手伝うよ。それじゃ、二人に合流して戻るよ」

『よっしゃ、フォワードの皆に私達の料理をごちそうしたろか!』

「そうだね」

 

はやてとの連絡が終わってから、僕は話に出てきたスーパーに向かった。

…あっ、吉野君放置してきた。まあ、良いか。丈夫だし、風邪引く時期でもないし。




銀髪君の久々の登場でした。相変わらずでしたけど。

術技説明

双撞掌底破

魔力付与の掌底を高速で放つ。
シンプルだが、威力は馬鹿にならない。
「超接近戦だと、剣より使いやすい。後、屋内とか」
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