魔法少女リリカルなのは~転生者は魔法剣士~ StrikerS編 作:ピーナ
さて、海鳴でのロストロギア捜索の一件は風呂上がってすぐ解決した。
ちなみに僕達隊長陣は出番なし。ロストロギアの完全封印まで新人たちがやった。
…ホント、若い子の伸びって凄いね。まあ、そのおかげで僕ものんびりできるんだけど。
そこから、数日は普通に業務を行っていたんだけど、再び全員が出る任務が舞い込んできた。
で、現在はヴァイスの操縦するヘリで僕達はそこへ移動中である。
「警備任務…ですか?」
そう聞くのはティアナ。新人たちの中で一番年上でしっかり者なので、いつの間にか皆のまとめ役になっていた。
「そうだ。今回はロストロギアも出品されるオークション会場のホテル・アグスタの警備任務。副隊長以下スターズ、ライトニング全員でホテル外部の警備。指揮は僕が…」
「ちょい、待ち」
説明をしていたらはやてに遮られる。
「何? はやて」
「今回の前線の指揮はアインスに任せる。サポートにリインとシャマル。八雲君にはやってもらう仕事があるんや」
「了解」
やってもらう事ねえ…。前線の指揮以外あるんかね?
「あの…八神隊長」
「ん? どうしたん、スバル? 後、私の事ははやてでええよ」
「じゃあ、はやてさん。あそこにある荷物は何ですか?」
スバルはパイロット席の裏側に置かれている物を指差してそう言った。
僕も詳しい事は知らされていない。たしか、シャマルが運び込んできていたような記憶がある。
「ふふ、あれは隊長さん達のお仕事の為の物よ」
「お仕事…ですか?」
スバルの、というよりこのヘリに乗っている結構な人数の人間の頭に?マークが見える気がする。浮かんでいないのははやてと守護騎士の皆位。
その中でも二つの感じに分かれている。はやてとシャマルとリインは楽しそうで、シグナム、ヴィータ、アインスは苦笑い? を浮かべている。
そんな話をしているとヘリはホテルの屋上に着いた。
「僕にやってもらう事ってねえ…」
僕ははやて達とホテルの内部の警備をする事になった。それは必要な事だから別に良いんだけど、何故か僕はかなりかっちりした礼服を着させられた。犯人はシャマル。
普段は管理局の制服だしこういうのは着慣れていない。
「あれ? 八雲。どうしてここに?」
僕の名前を呼ぶ人の声がしたので、その方向を見ると、スーツを着た男性が居た。
「ユーノじゃん。久しぶり。どうしてって言われても、ここには仕事で来たんだよ。ユーノは?」
「僕もだよ。今回のオークションに出される物品の紹介する事を依頼されてね」
「流石は無限書庫の司書長で、有能な若手考古学者。僕らは警備の仕事。僕はこんな格好で、ホテル内部の警備だって。似合わないだろ?」
「着慣れてない感はあるけれど、似合わないって事は無いよ。…それより、さっき八雲は『僕ら』って言ったよね?」
「言ったよ。それが…ってなるほどね」
ユーノはユーノの想い人のなのはに会いたいのね。
「隊長陣はホテルの中の警備だからなのはもいるよ。今は僕みたいにこの場にふさわしい恰好するためにおめかし中。はやてとフェイトの二人もね。だから、褒め言葉考えとけよ」
「それは、無茶ぶりだよ!」
そんな深く考える必要は無いのにね。好きな人に褒められるだけで良いんだよ。面白そうだからユーノに言わないけどね。
「八雲君、おまたせや。っと、久しぶりやなユーノ君」
「本当、久しぶりだねユーノ」
「久しぶりはやて、フェイト」
ユーノと話していたらしっかりめかしこんできた、はやてとフェイトが来た。
「八雲君、どうやこれ?」
「似合ってる。凄い綺麗だから、僕が独り占めしたいね。もう、このままここのホテルの部屋借りて一泊しない?」
「嬉しいお誘いやけど、お仕事はせなあかんよ」
「分かってるよ」
割と本気だったんだけどね。僕にとっては仕事より、はやてといる時間の方が大事だ。
「っていうか、なのはは?」
「私の後ろだよ」
「ユーノ君が見えたから、急にフェイトちゃんの後ろに隠れたんや」
僕の近くで小声でそう言うはやて。
もうね、傍から見ていると、さっさと付き合っちゃえよと思う訳で。僕らがそれとなく動いているんだけど、お互いがお互いの気持ちに気付かないし、それでいて二人とも恋愛に初心で奥手だから進まない。
荒治療といきますか。
「そんじゃ、僕とはやては警備の打ち合わせするから、ちょっとフェイト借りてくよ」
「ど、どうしてさ!」
「いや、なんとなく」
「私も行くの!」
「いやいや、なのはちゃんは大丈夫やで。最近教導とかでお疲れやろ? それにユーノ君とも久しぶりやろうから、積もる話もあるんちゃう? 時間になったら呼ぶからゆっくりしてて。打ち合わせは私らがやっとくから」
流石ははやて、ナイスアドリブだね。
「で、でも…」
「なら、隊長命令や。高町隊長、ゆっくり休養するように。スクライア司書長、よろしくお願いします」
必殺技『強権発動』。これは勝てない。
僕達は立ち去って行く。そして、壁に隠れる。
「さて、どうなるかなー」
「はやて、楽しそうだね」
「楽しいよ。そういう、フェイトちゃんもやろ?」
「まあね」
女子二人はそう言い合っている。やっぱり幼馴染たちの恋路は気になる。僕達は二人が上手く言って欲しいと思っているし、そうなるように動いているつもりだ。余計なお世話かもだけど。
さて、そんな二人だけど…
「「…………」」
何も喋らない。と言うよりお互いがお互いを見れていない。顔赤いし。なんで、あれで気付かんのかな?
「こういう、恥らってる時のなのはって可愛いよね…」
「ああ、それは分かるわ。普段しっかりしてる分な。ギャップ萌えって奴やな」
まあ、確かに。はやても仕事中はしっかりしてるけど、二人きりだとかなり甘えてくるし。
いうなら仕事の時は「大人」で恋する時は「乙女」って感じ。
そんな事を考えていると、二人の間に動きが。
「「あ、あの!」」
「な、なのはからどうぞ!」
「ううん、ユーノ君の方から!」
おお、テンプレ。『お互い同じタイミングで話し始めようとする→お互いが譲り合う』。
「じゃ、じゃあ僕から。えーっと…その、久しぶりだねなのは」
「そ、そうだね。えーっと、この前皆と一緒に遊んだ以来だから、3か月ぶりくらい?」
「そうだと思うよ」
…あいつら、そんなに会って無かったのかよ。「会えない時間が愛を育む」とは言うかもだけど、それにも限度って物がある。
お互いがお互いを意識しすぎるがゆえにすれ違ってる。それが今のあの二人の関係。…面倒だな、オイ。
「それに…そのドレス、なのはによく似合ってる。凄く。…やっぱり八雲みたいに上手く言えないね」
そこで僕を引き合いに出すなよ。後、僕は思った事をそのまま口にしてるだけだから決してうまくは無いよ。
「うん、ありがとう、ユーノ君!」
笑顔でそういうなのは。その笑顔を見て顔を真っ赤にしてそっぽを向いてしまうユーノ。
分かるよ、ユーノ。好きな女の子の笑顔って凄く良いよね。自分の言葉でそうなってくれたんだからなおさらね。
「な、なんかいい雰囲気だよ、あの二人」
「ホンマやな。これはついに告白行くか?」
「これで、肩の荷が降ろせるよ」
僕達見守り組はそう言いながら見ている。ついでにデバイスに録画中でもある。他の皆にも見せないとね。
「あの…なの「ユーノ、もうすぐ出番だよ」…分かったよロッサ」
…良い所で邪魔が入る。これも見慣れた光景。ただ今回は許せないかな。
「フェイト、なのはの回収よろしく。はやて、行くぞ」
「分かってる。ロッサにO・HA・NA・SHI死に逝くんやな」
「分かってるねー」
「…二人ともほどほどにね」
この後、ホテルにはとある監査官の断末魔が響いたとか響かなかったとか。
海鳴篇の事件の解決をすっ飛ばしたのは、八雲の仕事が無くて書く必要を感じなかったから。解決は原作と同じです。
そして、この後ホテルの外で行われる戦闘もスキップになるでしょう。
という事は…『管理局の白い悪魔』がやってくる訳ですよ。ある意味STSの山場の一つです。