夢を追うあなたのそばで   作:夜助

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投稿ペース落ち気味の私ですが頑張ります。

今忙しい時期なのでそれを乗り越えたらどんどんあげていきます!

心の声を入れていきます。『』のセリフは心の声となります。


お立ち台

ジャンケンの結果、先攻は俺たち1年生。後攻は先輩たちになった。俺は6番投手だ。クリーンナップから外されたのは小学校以来だ。

 

審判は顧問の先生、怪我などでメンバーから外れた先輩たちがすることになった。

 

「ではお互い悔いが残らない試合をするように。双方礼!」

 

「お願いします!」 「お願いします!」

 

ついにゲームが始まった。先発のエース新田さんはピッチング練習から気合いが入っている。こういう選手を打ち崩すのは大変だ。でもこっちには秘策があるんだ。

 

「1回の表。1年生チームの攻撃は、1番ショート 浜口君」

 

「プレイ!」

 

マネージャーのアナウンスと当時に球審のコールが響いた。

 

「浜口!まずは累に出るぞ!」

 

「しっかりボール見てけ!」

 

チームメイトは応援をしっかりしていき、チームに活気を溢れさせる。

 

初球はど真ん中にストレート。浜口はセーフティバントの構えだけをして見送った。

 

「ストライーク!」

 

「はは!ど真ん中かよ!」

 

「おい雅紀。キャッチボールしとかなくていいのかよ?」

 

「ん?ああ、大丈夫。100%俺まで回ってくるから」

 

「その根拠は?」

 

「試合前にスコアブックをマネージャーに見せてもらったんだ。新田さん。尻上がりみたいだな。序盤は結構荒れてるんだ」

 

「お前…抜かりないな」

 

「当たり前だろ?勝ちに来てんだから」

 

「ボールフォア」

 

俺の予想通り、新田さんは初球以外ストライクが入らなくランナーを出してしまった。

 

「2番レフト 中村君」

 

「続けよ!中村!」

 

中村はセオリー通りバントの構えをする。新田さんはランナーが気になるようで牽制を何球か投げる。

 

「そんなに牽制要らねえだろ。ランナーリード小さいぞ」

 

「でも浜口のファーストベースからのあの威圧やばいな。本当に同級生かよ」

 

新田が投げたボールはカーブ。しかしキレが悪くバントは1発で成功した。バントを1発で決めれたのはでかい。ピッチャーに余裕を持たせる前に打ち崩したい。

 

3番4番に連続フォアボールを与え、いきなり1アウト満塁のチャンス。

 

「5番ライト 鈴村君」

 

満塁のチャンスここはなんとか1点欲しいところだ。

 

しかし願い叶わず鈴村の打球はショート正面。前進していたショートは迷わずホームに送球。ホームアウトのあと一塁に投げ運悪くダブルプレーとなった。

 

「2アウト二三塁。な?まわってきたろ?」

 

「分かったから。早く行ってこいよ」

 

「6番ピッチャー 萩野君」

 

「ぶちかませ萩野!」 「狙ってけ!」

 

2アウト二三塁。若干こっち有利だが、油断はできない。

 

新田さんは3回首を振り4回目で頷く。自信があるボールなんだろう。新田さんは自信満々にボールを投げる。

 

俺は知っている。1番自信があるボールを投げた時……

 

カキーーン!

 

簡単にホームランにされたら悔しくてたまんねえよな!

 

俺の打球はライトスタンドへ吸い込まれていった。

 

「うおー!ナイス萩野!」

 

「今のはやばい!完璧だろ!」

 

一塁ベースを回ってから俺が打ったライトスタンドへ向かって拳を掲げる。俺が昔からしている所謂、ルーティンってやつだ。初回いきなり3点差となった。

 

ホームベースを踏み、3塁ベンチへと帰る途中、賑やかな声が外部から聞こえた。

 

「きゃー!まーくんがホームラン打ったよ!」

 

「あず姉分かったから落ち着いて。うるさくしたらダメだよ」

 

試合を見に来た姉ちゃんと沙綾だ。恥ずかしくて仕方ない。

 

「ハーレム状態だな雅紀」

 

「やめろ。姉と幼馴染だぞ」

 

快斗とハイタッチをする。1年生側は盛り上がりを辞めない。新田さんを見ると俺を睨んでいる。よっぽど悔しかったんだろう。

 

その後ランナーは溜まったが残塁で攻撃が終わった。

 

俺は快斗とキャッチボールをしてマウンドへとあがる。

 

懐かしいな、この場所。緊張感。戻ってきたんだと実感した。

 

投球練習は軽く流す。キャッチャーが捕れるボールだ。先輩たちが、円陣を組み作戦をたてている。一塁ベンチで指揮を執っている監督に目をやった。監督はずっと俺を見ている。監督は俺を知っているのか?

 

「プレイ!」

 

球審がコールをし俺は投球モーションに入る。ごめんな、今バッテリーを組みたいのはお前じゃないんだ。ちょっと力入れるぞ!

 

俺が投げたボールはキャッチャーのミットに収まらず、キャッチャーマスクにぶち当たりキャッチャーは後ろに倒れた。

 

「お、おい!大丈夫か!」

 

「松田!気を失ってる。なんちゅうボールを投げるんだよあいつ」

 

「悪い悪い、捕れないと思わなくてな。快斗!キャッチャー頼むわ」

 

「………」

 

快斗は無言で防具を着けて球審に交代を告げ、マウンドへと来る。

 

「お前…考えがあるってこういう事かよ」

 

「こうでもしなきゃお前とバッテリー組めないじゃん。ていうかこのチームに俺のボール捕れるのはお前くらいだよ」

 

「…まあいいや試合に出れるし。松田には悪いけど」

 

「快斗」

 

「あ?」

 

「頼りにしてるぞ」

 

「…任せろ!」

 

快斗と拳を合わせる。一塁ベンチを見ると先輩たちの顔は引きつっていた。

 

「球速は?」 「149キロです」

 

監督はスコアを付けているマネージャーにスピードガンを見せてもらっていた。

 

そうだ。目を焼き付けろ。俺を見ろ!

 

「プレイ!」

 

再度コールされ、俺は投球モーションに入る。1番左打者。足を活かすような構えだ。俺はアウトローにストレートを投げる。

 

『低い、ボールだ』

 

しかしボールはボールゾーンからストライクゾーンへと入れこまれた。

 

「ストライーク!」

 

『は?なんだ今のボールは……浮いた?』

 

「松永!見送るようなボールじゃないぞ!」

 

激を飛ばされた松永さんはイラッとしていた。

 

『そんなんじゃねえんだよ。ボール球だと思ったボールが……』

 

「ストライクツー!」

 

『浮いてくるんだよ!』

 

動揺してるなあ、まあそうだよな。こんなボール見たことないだろう。次はストライクコースから高めの釣り玉で三振させてやる!

 

「ストライーク!バッターアウト!」

 

まずは1つ目。

 

「おいおい4球で終わってんじゃねえよ。確かに速いけどよ」

 

「速いだけじゃねえよ」

 

「は?」

 

「あの真っ直ぐは真っ直ぐじゃない」

 

「どういうことだ?」

 

「浮くんだよ。ライズボールみたいに」

 

「な、なんだよそれ」

 

「…………」

 

「球速は?」 「152キロです」

 

『萩野…まさかとは思っていたがお前があの萩野雅紀なのか?』

 

次の2番3番打者にも全部ストレートで三振。この回は三者連続三振で終わった。

 

「松永の言う通りだ。ボールゾーンだと思ったボールがストライクゾーンに浮かんでくる。捉えたと思ってもボールに当たらない」

 

「それに加えてあのスピード…本当に1年生かよ」

 

「新田さん。力みは取れましたか?」

 

「ああ、さっきは済まなかった」

 

「いえ、自分のリードミスでもありますし」

 

「牧田、お前はあいつのボール捕れるか?」

 

「……わからないです。実際に受けてみない限りは」

 

「そうか…よし行くか」

 

「はい!」

 

 

『萩野…萩野雅紀、あの神に選ばれし男。確かにお前は凄い。だけどな……エースは俺だ!だから俺は負けられないんだよ!』

 

 

試合はまだ始まったばかりだ。

 




やっとやりたかった野球物語になってきました。

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