夢を追うあなたのそばで   作:夜助

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ふう〜。


神に選ばれし男

学校は昼で終わり、放課後となった。本来なら家へ直帰するかどこかへぶらつきながら帰るところだが今日はそういう訳にもいかない。

 

小坂雅人と勝負することになっている。ていうか1年の分際で部活中に勝手にグランド使っていいのか?なんてことは考えないのが定義だ。

 

「んで?ルールはどうすんの?なんでもいいけどさ」

 

「そうだな。僕は投手を務めさせてもらっている。そこで僕と君の3打席対決といこうじゃないか。僕のボールを1球でもヒットを打てたら君の勝ちでどうだい?」

 

「んじゃあそれで。キャッチャーは?」

 

「こんなことで先輩に頼むのは申し訳ない。誠に遺憾だが下手っぴ君、僕のボールを受けさせてやる。光栄に思え」

 

「はあ?なんで俺が!」

 

「快斗、頼めねえか?」

 

「ま、雅紀が言うなら……ちょっと待ってろ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「準備出来たぜ」

 

「じゃあ投球練習に10球だけ投げさせてもらうよ」

 

小坂はそういうとキレのあるいいボールを投げる。天才とほざくだけはあるな。

 

10球のうちに投げた球種はストレート、カーブ、スライダー、フォーク、そして極めつけはサイドスローから繰り出すシンカー。

 

恐らく技巧派投手なのだろう。急速もまずまずだ。

 

「あ、そうだ。球種は小坂お前が決めろよ?快斗のサインで打たれたなんて言い訳されても困るしな」

 

「ふ、まるで君が勝つような言い方だね。いいだろう!下手っぴ君も、それでいいね?」

 

「お、おい雅紀!そんなの正確に補給出来るわけねえじゃねえか」

 

「大丈夫、お前があいつのボールを捕ることはないからさ」

 

「は?どういう…」

 

「じゃあやろうか!」

 

小坂雅人、こいつをぶちのめす3打席勝負の開始だ!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

打席に入る雅紀を見てるとあの頃の雅紀を思い出した。雅紀まだ野球が楽しくないんだね。

 

「さ、沙綾ちゃん!萩野君大丈夫なの?」

 

「真希ちゃん心配しなくていいよ。雅紀はどのスポーツも得意だけど……」

 

「野球に関しては天才だから」

 

「え?」

 

ただ問題は雅紀が野球にちゃんと向き合えるのか。だけど1番心配なのは………

 

 

 

 

 

 

雅紀の精神が崩壊しないかどうか

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あいつの球筋は投球練習で分かった。確かにいいピッチャーだがいいピッチャー止まりだ。それ以外でもなんでもない。俺がこんな投手に負けるわけが無い。

 

「なんだ?その顔は?僕に勝てると思ってるか!その生意気な顔を絶望に変えてやるよ!」

 

『雅紀、左打席に入った…野球経験者か?小坂は右投手。もし雅紀が野球をやってたなら有利だな』

 

小坂は雅紀に対しど真ん中ストレートを投げた。自分のボールを打てるわけが無い。そういう自信の現れだ。もちろん俺はは見逃ない。

 

カキーーーーン!!!

 

打球はものすごい勢いで小坂に向かってくる。

 

「うわっ!!」

 

「「危ない!!」」

 

ったく、沙綾たちはどっち応援してんだ?ん?危ないって誰でも言うか?でも大丈夫だよ。あいつの行動も打球も把握済みだからよ。

 

「くっ!!」

 

小坂はグローブの裏面でで顔を隠す。ボールは運良くそこに入った。

 

「良かったな。ワンアウトだ」

 

「う、打ち返された?しかも僕の顔面を狙った?」

 

「ほらどんどん投げろよ……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「だ、大丈夫かな?萩野君。あと2回しかチャンスないよ?」

 

「心配ないよ。雅紀小坂君で遊んでるから余裕なんだと思うよ」

 

「……ねえ、萩野君ってなんなの?いや、なんなのって失礼かな?萩野君って何者なの?」

 

「雅紀は…当時中学生でありながら140キロ後半を投げる投手で打者としても怪物。日本代表に3年連続で選ばれ、彼のおかけで日本は3連覇した。雅紀は当時メディアでこう呼ばれていた。『神に選ばれし男萩野雅紀』真希ちゃんも知ってるんじゃない?野球したことない人でも有名だから」

 

「か、神に選ばれし男ってあの天才少年?!あれ萩野君なの?!」

 

「そう、そして野球界から姿を消した男でもあるの」

 

「そんな人だったなんて…なんで辞めちゃったの?」

 

「それ以上先は言えないかな?聞きたかったら雅紀の許可を得てからだね」

 

 

次の打席はピッチャーゴロ。雅紀は遊んでるんだろう。あんな打球今まで、見た事がないから。

 

「はは!ツーアウトだ!次の打席で捉えられるのかい!無理だ!なぜなら僕は天才だからだ!」

 

「それもそうだな。少し真面目にするか」

 

「ま、真面目にだと〜?本気を出したところで僕に勝てるわけがない!」

 

「いいから、こいよ!」

 

「くそ!生意気なこといいやがって!」

 

小坂君の投げたボールはインコース胸元普通に見逃せばボールだ。

 

だけど………

 

「こんな狙いやすいボールは他にねえんだよ!」

 

捉えたボールはライトスタンドを軽く超えて行った。ホームランさっきまでの打球とは訳が違う威力だった。

 

「はい、これで終わり。沙綾は諦めな?」

 

「くそ、こんなやつがいたなんて……おい、貴様!なま…え…は……?」

 

小坂は雅紀に名を聞こうとした。しかし目の前には地面倒れる雅紀がいた。

 

「お、おい!雅紀?!大丈夫か!」

 

「くっ!くそ!こんな事で動機なんかきやがって……!」

 

「雅紀!!」

 

「…さ…あや」

 

「雅紀!大丈夫!?きゅ、救急車!!」

 

「今電話してる!」

 

「ありがとう真希ちゃん!雅紀?大丈夫?私だよ?分かる?」

 

「だ、大丈夫…ちょ…と胸が苦…しいだけ…だか…ら」

 

「ま、雅紀!雅紀!」

 

「どうなってんだこりゃ」

 

「救急車10分でつくって!って萩野君気失ってんの?」

 

「まずいよ、前と一緒だ……雅紀の精神が崩壊しちゃう」

 

「どういうことだ?」

 

「ちょっと大丈夫?」

 

飛鳥先生が慌ただしいグランドに気づいてこっちに来てくれた。

 

「飛鳥先生、雅紀が…雅紀があ……」

 

その時救急車のサイレンが聞こえこちらにやってくる。

 

雅紀は救急車に運ばれ、病院へと運ばれた。私は雅紀の両親に電話すると、大至急こっちに来てくれるようだ。

 

私は空に祈ることしか出来ない。

 

 

ああ、神様……貴方が選んだ彼をどうか、雅紀を救ってください。

 

 

 

 




文章めちゃくちゃやな(笑)
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