楽しんで読んで貰えると嬉しいにゃー!
……すみません。上のことは忘れてください。
『神に選ばれし男』『天才』この名は昔から嫌いだった。活躍したらやっぱり天才は違うだの、さすがは神に選ばれし男だの、逆にミスをしたら堕ちた神だの、伸び代がないだのメディアから散々言われる。
それがプレッシャーとなり常に上に立つ存在でいなければならないと思ってしまった。野球を心から大好きだと言えなくなったのはいつからだろうか。
それが原因で沙綾に強く当たってしまったこともある。お前に俺のなにが分かるんだと。分かってるような口をするなと。
それでも沙綾は優しく俺を包み込み優しい口調で言ってくれた。
「辛かったよね。苦しいよね。ごめんね?雅紀がここまでなってたなんて知らなかった。幼馴染失格だね。無理しなくていいんだよ?雅紀は天才かもしれないし神様に選ばれたかもしれない。だけど雅紀は野球はすごい選手だけど、普段はどこにでもいる普通の中学生なんだよ。同年代の子に言われても何言ってんだって思われるかもだけど辛い時は辛いってちゃんと言ってね?私でよかったらちゃんと聞くからさ」
この言葉に俺は助けられた。そこから俺は頑張ってみようという気持ちを持てた。
中3の最後の試合の時までは。
あいつらのあの言葉を聞いて今まで俺を支えていた糸のようなものがプツリと切れてしまった。
それ以降俺は普段はなにも無いのに野球関連のことになると発作が起き、胸が苦しくなる。
心が抵抗しているんだ。発作が起きて倒れたある日俺は精神が崩壊したように何も考えられなくなった。
だけどそんな時も沙綾が俺を助けてくれた。救いの手を差し出してくれた。俺はその手を掴み、あの日切れていた心の糸を結び直し、克服したものだと思っていた。
けどそれは勘違いだった。まだ俺の結び直したはずの心の糸はちゃんと結ばれてはいなかったんだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私は雅紀の両親の車に乗り、都内の病院まで駆けつけた。病室に入るとそこには静かにそして辛そうに眠っている雅紀がいた。
「雅紀……まだ治っていなかったんだね……。どうして気づいてあげられなかったのかな」
「沙綾ちゃん、沙綾ちゃんが気にする事はないわ。私たち両親だって気づけなかったんだもの」
「そうだよ。それより雅紀が起きたときにそんな悲しい顔をしてるのを見る方が辛いと思うよ?だから雅紀が起きたときはいつも通りの沙綾ちゃんで接してあげてね?」
「おじ様、おば様……そうだね。こんなの私じゃないよね!」
「うん、それでこそ沙綾ちゃんだ。それより母さん梓はなんて?」
「電話したら部活中だけど顧問の先生に相談した後すぐに来るみたいよ」
「梓は本当に雅紀の事になると手に負えないな」
梓と言うのは雅紀の姉で私たちと同じ学校に通う3年生。部活は陸上部に所属していて、全国大会で金賞を取ってるほどの実力者。そしてすごい美人。…羨ましいくらいに。
私も昔からお世話になっていて、あずねえと呼んでいる。おば様とおじ様の話を聞いての通りあずねえは結構なブラコンで中学の時なんか雅紀に手を出そうなんて女子がいたら全力で阻止をしていた。
ちなみに当時雅紀は学校でかなりの人気を誇っていた。花咲の四天王だなんて言われていたけどそれを言い出したのもあずねえだ。
「………ここは……」
「ま、雅紀!目覚ましたんだ!よかった〜」
「沙綾?それに父さんたちも……俺倒れてから記憶にない…」
「ここは病院よ。救急車に運ばれてここまで来たのよ。お医者さんが言うには精神に負荷が掛かりすぎた結果だと言っていたわ」
「精神……まだ治ってないんだな……」
「大丈夫さ。ゆっくり、そして確実に治していけばいい」
「そうだな。ごめん心配かけた。それに沙綾も」
「え?」
「沙綾は俺に何かあるといつも心配してくれるだろ?今回もそうなんじゃないかなって」
「心配…したよ。でも…雅紀なら大丈夫って思ってる自分もいたんだ。雅紀は弱い子なんかじゃないって」
「…ハハ!弱い子ってガキじゃないんだからさ」
「それもそうだ…「まーくん!!!」…ね」
「ね、姉ちゃん?!どうしたんだよ」
「どうしたじゃないよ!ママからメールがあって部活どころじゃなかったんだから!」
「いや、部活はちゃんと出ろよ。花咲のエースがそんなんじゃ後輩に顔向けできないぞ」
「後輩ちゃんたちは私がまーくん大好きなの知ってるから気にしてないよ?」
「なあ?それってまさかとは思うけど先生たちも把握済みだなんて言わねえよな?」
「ん?把握済みに決まってんじゃん」
「決まってるんかい…」
「決まってるんだ…」
「決まってるのか…」
「決まってるのね…」
通りで雅紀の入学式での挨拶のとき先生たちの反応がちょっとおかしいなと思ったよ。まさかあずねえが絡んでいるとは……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
それから少しして俺はあることを思い出した。
「それより俺はいつ退院なんだ?入学式の次から欠席なんていやだぞ?」
「大丈夫よ、目覚ましたら検査して以上なければ今日中に退院て言ってたわ。今の状況みると大丈夫そうね」
「よかった……あとごめん。ちょっと沙綾と2人にさせてもらえないかな?」
「いいけど手出したらだめよ?」
「出さねえよ!こっちは病み上がりなんだぞ!変なツッコミさせんな!」
「はいはい。じゃあ行きましょ?」
そういっておば様たちは部屋を出て行った。
「どうしたの?私だけ残すなんて」
「沙綾は前に言ったよな?俺に辛いことがあったら我慢しないで言ってくれって」
「う、うん。言ったけど…」
「それって俺から言わせたら沙綾にも当てはまるんだからな?」
「え?」
「さっきまで笑顔だったけど目元腫れてる。…泣いてたろ?」
「…………」
「そして多方父さんか母さんに笑顔見せてやれって言われて無理矢理つくってるだろ」
「なんでわかったの」
「何年幼馴染やってると思ってんだ?沙綾の事なんか見ただけで分かるぞ」
「…………」
「なあ沙綾。俺が心配だったんだよな。あの時みたいになるんじゃないかって怖かったんだよな」
「……うん」
「今すぐにでも泣きたいのを我慢してたんだよな?」
「……うん」グス
「ごめんな、辛い思いさせて。沙綾の言葉じゃないけど辛いときや苦しいときは言ってくれよ?幼馴染なんだからさ。話くらい聞いてやるから」
「……雅紀!!」
沙綾は涙を零しながら俺に抱きついた。俺は何も言わずそれを受けとめた。
「怖かったよ……学校で雅紀が倒れたとき私一瞬、雅紀が帰ってこないんじゃないかって頭を過ぎった。雅紀になにかあったらと思ったら私……私!」
「大丈夫。俺はちゃんとここにいる。絶対沙綾の前からいなくならねえから。安心してくれ」
「うん……うん!」
沙綾は腕の力をさっきより強め俺を抱きしめた。それに答えるように俺も沙綾が潰れないように優しくそして力強く抱きしめ返した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「落ち着いたか?」
「うん、ごめんね。取り乱して」
「いや、それはいいよ。久しぶりに沙綾の泣き顔見れたしな」
「わ、忘れて!!!///」
なんてたわいも無い話してから俺は沙綾に告げた。
「なあ沙綾」
「ん?なあに?」
「俺さ克服するよ。今度こそ」
「………」
「そしてさ、いつかまた野球が出来るようにする。出来たら高校生の間までに克服したいな……甲子園に出たい……」
「雅紀……」
「ま、叶うか分かんねえけどな!」
「叶うよ……雅紀なら叶う!」
「ほんとか〜?沙綾の感あんまり当たんないからな〜」
「ちょ、そんなことないってば!」
「はは!それよりまずは退院からだな」
「そうだね!」
その後外から物音がするなと思い沙綾にドアを開けてもらったら病室の外ではコソッと話を聞いていた萩野一家が堪えきれずポロポロと涙を零していた。あの話を聞かれたと思うと顔から火山が噴火するかように熱くなった。
一度離れた世界。そしてまた踏み込もうとしている世界。まだ俺に残ってる野球へ対しての残り火があるならそれに賭けようと思う。もう一度あの世界に行くために。
はい!ということでなんかいい感じになってきましたね!
どうなるんかな……自分もまだわかんないです(笑)
これからの展開にご期待ください!
次回はなるべく早く、今週中には書き上げるよ〜?……あと2日じゃねえか!!!!就職試験勉強もあるんにできっかな?待っててください。