EVOLTEC LYRYCAL   作:通りすがりの錬金術師

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なのは「前回のEVOLTEC LYRYCAL!」

クロノ「全く……なんで僕がこんなことを……」

なのは「クロノ君!もう本番始まってるよ!」

クロノ「ん゛。ああ、すまない。
次元世界の犯罪を取り締まる僕ら時空管理局が第97管理外世界・地球に着くとそこで魔法を使った戦闘を行おうとしているのを発見、取り締まりに向かったが……」

なのは「暴走した香帆ちゃんにクロノ君が転移してきた瞬間に蹴られて……」

クロノ「あれは酷かった。転移直後の攻撃を予想していなかったわけではないが、魔法ではなく物理で来るのは予想外だった……」

なのは「暴走した香帆ちゃんはクロノ君他、管理局の人たちと戦うけど、最後は魔王なのはの一撃で沈んだのだった………誰が魔王なの!書いたやつ誰!?」

クロノ「ブフッ」

なのは「笑わないでよ!」

クロノ「すまない、それでは第11話の始まりだ」


1-11 宇宙戦艦ヤ○ト?……え、違う!?アースラ?

 目が覚めたら両手を手錠やらなんやらで厳重に拘束されて、ベッドの上だった。拘束されてるのは手だけだから起き上がってなんとか立つことは出来たけど。

 

………え?ちょ、ちょっと落ち着こう。まずは深呼吸。ヒッヒフー、ヒッヒフー……ってこれ違う!スー……ハー……。よし、まずは周囲の確認。

 

 ここはどこかの牢屋とかではなく普通の部屋らしい。アニメで見るような近未来的な雰囲気はそこはかとなくしてるけど。服もバリアジャケット展開前と同じ。ただ、やはりというかブラッドはないみたい。

 

 んー………。これって誘拐されちゃった感じ?そうだ、それならなのはとユーノ、フェイトたちは!?

 

 そんなことを考えていると扉が開いて見覚えのある男の子が入ってきた。……ああ、なのはとフェイトの喧嘩を邪魔しようとしてきた男の子だ。転移してくるのが男の子だと最初からわかってたら間違いなく○○を蹴りあげてたのに……。

 

 

「はぁ……変なことを考えるのは止めてくれ。悪寒がする」

 

「誘拐犯の言葉なんて聞きませーんよだ」

 

「誘拐……違うんだが、今はいい。それよりついてくるんだ、君の姉と友人が待っている」

 

 

 !なのはと……友人ってフェイト?あれ、でもフェイトって逃げてなかったっけ?んー、暴走したからかあんまり覚えてないや。

 まあ、抵抗なんて出来やしないからとりあえずついていく。なのはは無事なんだろうか……。

 

 と、まあ男の子についていって訪れた部屋には艦長室というプレートが。艦ってことはここ、どこかの船の中?

 

 

「艦長。クロノ・ハラオウンです。彼女が目覚めたので連れてきました」

 

「わかったわ。二人とも入ってちょうだい」

 

 

 中に入ると………異境?これまで見てきた廊下や部屋の雰囲気とは180度、いやそれ以上に別世界だった。だって……。

 

 

「なんで和室!?」

 

「日本の文化に惚れ込んじゃって♪」

 

 

 ええ……(困惑)

 本気でどう対応したらいいか、わからないんだけど……。

 

 

「香帆ちゃん!」

 

「香帆!」

 

「なのは!ユーノ………?」

 

 

 横から聞き慣れた声がしたのでそっちを向くと、なのはと……どこかの民族服に身を包んだ男の子が。あれ、ユーノの声がしたんだけど、何処に?

 

 

「……まさか、ユーノ?」

 

「え、うん。そうだけど……」

 

「人間になれたんだね、おめでとう」

 

「いや、だから元から人間だって言ってるよね!?そんな笑顔で言われるとなんか心に来るんだけど!?」

 

 

 まあ、冗談は置いといて。ユーノが人間って本当だったんだ……。

 

 

「あの、香帆ちゃん……」

 

「ん、そういえばなのは大丈夫だった!?何もされてない!?」

 

「君は僕たちをどう思っているんだ……」

 

「誘拐グループとその一味」

 

「即答しないでくれ!あと、それは完全に否定させてもらう!」

 

「ふふふ……クロノ、彼女の拘束を外してあげて」

 

「母さ……艦長!?」

 

「大丈夫よ。貴方と漫才出来るくらいだし、なのはちゃんたちから良い子だって聞いてるから。責任は私が取るわ」

 

「わかりました。あと、漫才などしていません」

 

 

 そんなこんなで腕の拘束が全て解かれ、固まりかけた腕をほぐしながら話を聞くことに。

 艦長と呼ばれた女性はリンディ・ハラオウン提督。時空管理局という組織のそこそこの地位にいるそう。その時空管理局は次元世界での犯罪等を取り締まる、いわば警察みたいな権限を持つらしい。で、ガッツリと公務執行妨害に私の行動が引っ掛かったみたいで……。いや、はい。暴走してたとはいえ、すみませんでした。

 

 無言で土下座して謝意を示す。

 今回は管理局の事を全く知らなかった事、罪もかなり軽かった事、なのはとユーノの取り成しがあった事と色々と重なり、無罪放免となった。

 一応私のデバイスのブラッドも返ってきたけど、システム・ハザードは余程の危機以外では使用しないように、と言われた。見境なく暴れるようではすぐに管理局のお世話になるだろうからの忠告らしい。

 

 そして肝心のジュエルシードの件。

 結果だけ言えば、私たちと管理局で協力してやることになった。これまでに回収したジュエルシードは全て管理局が保有。これには元ジュエルシードのダイヤモンドフルボトルも含まれる。え、コブラフルボトル?ブラッド内部に格納していたけどなんかバレなかったからそのまま持ってます。まあ、一つ言わせてもらうならここまでが少し長かった。

 

 リンディさんに、管理局が回収に全権を持ちます。と言われて一度帰された翌日。なのはが、やっぱり手伝う!フェイトちゃんとお話したい!って言い出して、リンディさんたちと交渉。リンディさんたちの指示に従うという条件で参加が認められた。……なんかやけにすんなりいったけど、気のせい?クロノ――私の戦った男の子――は頭を抱えていたし、リンディさんに誘導でもされた?

 

 

 まあ、いいこともあった。いや、しんどいけどどちらかと言えばいいことのはず。

 

 

「狙いが甘い!よく狙え!」

 

「ハイッ!」

 

「もっと足を動かせ!戦場で止まったら死ぬぞ!」

 

「ハイッ!」

 

 

 鬼教官(クロノ)に魔法戦闘の訓練をつけてもらっている。クロノは私たちより二歳くらい年上で執務官という難しい試験を突破することでなれる役職についている。その実力は折り紙つきで暴走時の私に負けたというのが信じられないくらい強い。

 

 

「よし、これ以上はやめておこう。水分をしっかりとだて休憩するように」

 

「……あ゛ぃ゛」

 

 

 いつか、勝ってみせる……。でも、今は無理、ガクリ。


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