「フンフフーン♪」
とある日の昼過ぎ。私は上機嫌でケーキを作っていた。なぜなら明日ははやての誕生日。そのお祝いを作っている。スポンジケーキは焼き終わっていて、今はクリームを塗っている。ちなみに誕生日パーティーの参加者は私とはやての二人だからケーキは少し小さめ。
「よし!完成!」
置いてあった箱にケーキを保冷剤と一緒に詰める。日を跨いでのパーティーを予定しているから夕方に家を出るつもり。泊まりの用意も出来てるし。さぁ、楽しみだなぁ!
……なんて思ってた時がありました。
「……なんで私は縛られてるでしょうかね?」
私は今、はやての家で変な四人組にバインドで拘束されています。その四人とは桃色の髪の女剣士、赤チビ、ケモミミお兄さん、そして私を拘束したおっとりとしたお姉さんだ。はやては気絶してるし、この四人は私の話を聞いてくれないし、夜中だから眠いし……。グゥ……。
「全員正座!」
ハッ!寝てません、寝てませんよ!決してはやての怒声が聞こえたせいで起きた訳じゃないですよ!
とりあえず辺りを見ると、車椅子少女のはやての前で正座して怒られている例の四人が。そこから始まるはやての説教。それはとても長かったからカットさせてもらう。
「あの~、はやてさん?」
「ん?あ、香帆ちゃん、目ぇ覚めたんか。……ってそのままやったな、堪忍な。ほら、シャマル」
「はいっ!」
若干涙目になってたシャマルと呼ばれたお姉さんが私の拘束を解除する。
「で、はやて。その人たちは?」
「ふふふ。聞いて驚くがいい!私の騎士……らしい!」
いや、らしいって……。
「我らは闇の書の主に使えるヴォルケンリッター。主の親友とは知らず、この度の無礼をお許しください」
「えっと……はい」
「なんかこの闇の書ってやつの封印が今日解けたらしくてな。そこから出てきたみたいなんよ」
「闇の書?」
「シグナム、説明お願い」
「よろしいのですか?」
「構わへん、香帆ちゃんは私の親友や」
「では。闇の書とは…………」
で、説明された事をものすごく簡単に纏めると。
・魔力を嵬集し、闇の書のページをうめて完成させるとなんでも出来る力が手に入るらしい。
・嵬集にはそこそこの痛みが伴う。
・闇の書の正当な持ち主を主と呼び、支えるヴォルケンリッターがいる。後はまだ目覚めていないが管制人格と呼ばれる存在も。
へー……なんでも……。はやての足を動かせるようになったり?
「ま、私は嵬集なんてするつもりもさせるつもりもないけどな」
「そうなの?」
「だって痛いんやろ?人様に迷惑かけるのは無しや!」
「ま、そうだよね」
笑いあう私とはやて。ヴォルケンリッターの四人はポカーンとしている。何があったかわからないけど、とりあえずやることはひとつ!
「香帆ちゃん」
「わかってるよ、はやて」
「「服を買いに行く で/よ!」」
四人の格好だと凄い目立つしね。あ、でも。
「お金はどうしよう?」
「それなら心配あらへん。グレアム叔父さんから生活費として大量のお金が振り込まれてるからな。私はこんなに要らんって言ってんけど……ここでパーッと使わせてもらおか」
へー、はやての叔父さんって凄いお金持ちなんだ。
「それじゃあ行くで!」
「おー!」
――――――――――――――――――――――
そして、はやてがヴォルケンリッターという家族を得てから時が経つこと半年。
「なあ香帆。お前は本当にいいのか?」
「もちろん。はやては私の親友だし、助けられる命を見捨てたくはない」
「そうか……なら、もう聞かねぇ」
この前、偶然ヴォルケンリッターの四人が話しているのを聞いてしまった。このままでははやての命が危ないと。助けるには書を完成させるしかないと。だから私は四人に手を貸すことにした。
【Cobra……!】
「蒸血」
【Mist mach……!】
【Co.Cobra……Cobra……Fire!】
《夢》で見たのと同じように、コブラフルボトルを
『あー、あー。よし、行こうか』
「はやてに心配させないようにさっさと終わらせるぞ」
私とヴォルケンリッターが一人、鉄槌の騎士ヴィータは結界に閉じ込めた一人の高魔力保持者――なのは――の下へと向かった。私は基本ヴォルケンリッターのサポートが役目。麻痺毒がかなり使えるのなんの。それで今までも嵬集対象の動きを止めて魔力を貰ってきた。
ごめんね、なのは。私、今回はあなたの敵になる。これは決して正義ではない。はやてを助けたいという、私のわがままだ!
ちなみにヴォルケンリッターの四人もエボルテックコーヒーの被害にあっています。