魔剣士がダンジョンに行くのは間違っているだろうか 作:夜と月と星を愛する者
エルフにしたけど、リヴェリア達と旧知の仲にするかしないか悩みましたが、結局する事にした、立場的にはフィン達より後だけど、すぐに入ったって感じなので、フィン達を除くと1番の古参
世界の中心『オラリオ』
ここには多くの人が訪れる。商人はもちろんのこと、多くの人はある目的でここを訪れる。
『冒険者』
このオラリオを支える重要な職業である。
このオラリオでは他には無いものがある。
それは『ダンジョン』1000年以上前からあるこれは何故あるのかいつからあるのか、最深部には何があるのか、それはまだ誰も知らない。
そして今日オラリオに久しぶりに帰ってくる人物がいた
大通りを歩く1人の人物
道行く人たちが歩みを止めてその人物を見る。ある者は畏怖。ある者は尊敬、ある者はその顔に見惚れる。そして全員に共通するのは驚愕
長い銀色の髪、長い耳、赤いハチマキを頭に巻き、黒いコートに黒い服、腰に挿した無骨な剣、一切表情が動かない無表情だが端正な顔立ち
ロキ・ファミリア所属。『魔剣士』ピサロ
約4年ぶりにオラリオに帰還した
いやぁぁぁぁぁ!!!!めっちゃこっち見てる!さっきからすれ違う人達がすんごい見てくる!あ、そんな怯えた顔しないでください。何にもしませんから。もしかして、俺がオラリオにいた時になんかやらかしたかな?昔の事は良く覚えてないんだよなぁ。流れに流れてこのオラリオに来て、何となくでロキ・ファミリアに入って、我武者羅に強くなる為にダンジョンに篭った事しか記憶にない。そしたら外の国がある問題を抱えていてそれを解決してほしいというクエストを受けて、そして久しぶりに帰ってきたんだよ。
フィンさん達元気にしてるかなぁ
あれから4年。まだ少女だったアイズちゃん達はどんな子に成長したのかなぁ結構可愛いかったし……おっとそう考えるとワクワクしてきた…え?バトルジャンキーだろって?可愛いければいいじゃないか
期待に胸を膨らませながらワクワクしてロキ・ファミリアのホームに帰る(尚、表情は一切動かない)
そして現在
「止まれ!貴様何者だ!」
門番に睨まれております。こんな強面の奴いたっけ?ちびりそう
「………ロキ・ファミリア所属、ピサロだ」
俺の表情筋動けよ!そしてもうちょい喋れよ!無口キャラかよ!…いや、この場合コミュ障か
「え?……ピピピピサロ様ぁ!?」
そんな驚かんでも。それと様?何で俺にそんなもんが付いてんの?そんな大層なもんじゃないでごわす。オラ何処にでもおるエルフでさぁ
あ、ホームから誰か出てきた……あ、あの緑髪、リヴェリアの姉御!
「どうしt…ピサロ!?お前いつ帰ってきた!」
「先程」
「そうか…そうか……」
あ、門番君がリヴェリアと俺を見てオロオロしてるそんなでかい図体してるならもっとシャキッとせんかい!
「ピサロ」
「……」
なんだって言おうとしたら口が開かなかったでござる。まぁ!反抗期なのね!口が反抗期なのね!……自分の口が反抗期ってなんだよ
「みんなが会いたがっていたぞ、それとお前の事だ、ギルドにクエストの達成報告まだ済んでいないだろう。クエストの報告は後にして、今はロキのところに行こう」
「……あぁ」
みんな俺に会いたがっていた!?やったぜ!ファミリア内では俺はそんなに嫌われていないんだ!
よーし、お兄さん頑張っちゃうゾォ
何を頑張るって?それは料理だよ料理。これでもボッチの長旅してきたからそれなりに料理できるぞ。まぁオラリオにいた時もしてたけどさ
アイズちゃんには中々好評だったぞ、何故か他の人たちは食べなかったけど……はっ!まさか俺の料理は特定の人物の口にしか合わない料理なのか!?だがそれなら大丈夫だ!この4年でレパートリーは増えた、極東の料理だろうが、甘味系だろうが、なんだってできるぞい
これで女の子の多いこのファミリアで女の子達の胃袋をキャッチしてやるぜ
最近はスポンジケーキに凝ってます
………食べたくなってきた、夜中に食べよう
そうと決まればこの後クエスト報告を終えた後に材料買いに行こう
ホームに入ると中は殆ど変わっていなかった、道中すれ違う人達は見かけた事ない人が殆どだったので今は主力とそのサポート達は何処かに出かけているのだろう
リヴェリアの後ろについて行くと1つの部屋の前に止まった
「ロキ、いるか」
『へいへーい、おるでー」
「入るぞ」
ドアを開けると中はソファにテーブル、左側に執務用の机の上には空の酒瓶と重ねられている紙
「おーママどうしたん?」
「ママと言うな。本題なんだがロキ、嬉しい報告だ」
「ん?嬉しい報告?なんかあったんか?」
「ふふ、ロキもきっと驚く、入ってきてくれ」
さぁ!4年ぶりの再会。ドカーンと決めてやるぜ!いざぁ!
ドアをくぐる
「……今帰った」
オウマイガー!!そこはロキ母さんとか叫んで入るところだろ!いい加減にしろよこのコミュ障!!
俺が!!コミュ障だ!!
何処の象の神だよ!
「………」
ほらロキ母さん手に持ってた酒瓶落としてる。勿体ない。床に酒が溢れていってるけど、拾わないの?あの酒好きの神が
「ピ、ピサロなんやな?ピサロなんやろ?」
YES!!
「あぁ、変わりないようで良かった」
「〜〜〜!!ピサロォォォォ!!!」
ロキ母さんが涙を流しながら飛んできた、勢いを流す為に抱きしめながら回る
「もう!帰ってくるなら手紙くらいよこさんかい!帰って来ることがわかってたなら盛大なパーティー開こうかおもってたんに」
「……あまり大きなものは好かん」
俺は大人数でやるパーティより少人数でやるパーティが好きだ、俺がロキ・ファミリアに入って俺やフィン達がレベル上がったり嬉しいことがあったらロキ、フィン、ガレス、リヴェリア、俺でやってた5人だけの小さなパーティが俺には何より嬉しかった
「そうやったなピサロはあまり盛大なもんは好かんかったな」
「さて、それならファミリアのみんなにピサロが帰ってきた事を伝えるのはいつが良いだろうか」
「……勝手に広がると思うが」
あの門番とか大通りですれ違った人達が勝手に広めると思うんだよ
「だとしてもだ、4年ぶりに帰ってきた同じファミリアの幹部なんだ、初めて会うものもいるが、お前の事を知ってるもの達からすれば嬉しいだろう」
「……フィン達はいないのか?」
「フィン達ならクエストの報告や消費した武器を補充に動いている」
「?…何かあったのか?」
「…それが」
リヴェリアの口から語られたのは遠征に出かけた50階層で新種の魔物が現れてそいつの吐いた液体や体液には強力な融解液で不壊属性がついた以外の武器は殆どを溶かされて団員も何人もやられたようだ。
まじかぁ、そんな奴がダンジョンに……俺の剣不壊属性付いてないから溶かされるな。ヘファイストス様に不壊属性の剣作ってもらおう。なぁに金なら滅多に使わないからギルドの銀行にたんまりある
「…そうか…」
「……せ、せや!ピサロ久しぶりにステータス見せてや!もしかしたら昇華できるかもしれへんし!」
重くなった空気をあからさまに変えようとするロキに少し可笑しかった
「…ピ、ピサロが笑った」
「あ、あぁ」
え?もしかして笑ってた?……そういえば最近笑ってなかったな。やっぱりここは居心地がいいのだろう
「…フン」
少し恥ずかしくて顔を背けてしまう
それからロキとリヴェリアに笑われた。服を脱いで背中を出す。
「ほな刻むで」
背中が少し発光するとステータスが変動する……そして
「なぁ!!」
「どうした?」
「…れ、レベルが」
「ん?」
も、もしかして
「レベルが上がれる!やったやないかピサロ!これであんたは前人未到のレベル8や!!」
よっしゃぁぁああぁぁぁあ!!!これで俺がナンバーワン!foooooo!!!
「良かったじゃないか!ピサロ!!」
「あぁありがとう。リヴェリア、ロキ」
「勿論昇華させるやろ?」
「あぁ、頼む」
うーん、やはり慣れんなこの自分の体が急に鍛えられたような引き締まったような感覚
「発展アビリティは2つあるで、自己回復と闘志やな。どっちも聞いた事ないけど、大体はわかるな。で、どっちにするん?」
自己回復はポーションを用いずに回復できるものど闘志は恐らく戦闘に対して何かしらの補正がかかるものだな。……よし
「自己回復を頼む」
「ほいほい……よし、できた、ほなまだ時間あるからギルドに報告してき」
「そうする」
ギルドにはリヴェリアも同行することになった
久しぶりのギルドは内装も外装も変わった所はなく受付の人達が何人か変わっているくらいだろう
「エイナはいるか?」
リヴェリアがそう言うと、奥から茶髪のエルフ……いや、少し短いからハーフエルフの受付嬢が来た……うーむ…91点!!これで髪が金髪か白髪だったら告白不可避だった
え?アイズ達?アイズ95点バトルジャンキーを無くせば告白不可避。天然もポイント高いよ!リヴェリアの姉御は堂々の100点!!付き合ってください!え?無理ですかそうですか……
なんで脳内で断られなあかんねん。この世は不条理だぁ!!
「リヴェリア様!?ど、どうされたのですか?」
「ファミリアの者がクエストの報告とレベルが上がったのでな。それを報告しに来たのだ」
「そうなのですか。えっと、その後ろの方ですか?」
はいはーい俺でーす。
「あぁ、4年ぶりに帰ってきたらレベルが上がっていたのだ」
「え?4年も?……あれ?確か4年前にクエストに行った幹部がいたって………は!もしかして!」
「ピサロだ、クエストの報告とレベルが上がった報告に来た」
「ピサロさん!!?確か貴方、レベル7じゃ!」
「先程レベルが上がった、8になった」
「……え…うそぉ……」
……おっと、エイナ君が呆然としてる。周りにいた冒険者達もコソコソと何か話してるし
「……リヴェリア、どうする?」
どうすんのこれ?俺こういう時ってどうしたらいいかわかんない
「……日を改めよう。確か不壊属性の剣を作って貰うんだったよな?」
「あぁ、あの魔物相手だとこの剣だと相性が悪いからな」
まぁ、魔法で攻撃するっていう手もあるんですけどね
でまぁ何だかんだしながらヘファイストス・ファミリアの本拠地に行き椿に頼んでヘファイストス様の部屋に案内された
「あら、ピサロじゃない。久しぶり…って言えばいいのかしら?私達神からすると4年なんてあっという間だから」
「あぁ、久しいな神ヘファイストス。今回は依頼があってきた」
「…何かしら?」
「剣を作って欲しい。不壊属性の剣を」
「……何か理由があるのかしら?貴方は不壊属性が付いた剣は切れ味が落ちるから断っていたわよね?」
「……あまり大袈裟にしたくないのだが、深層で不壊属性が付いた武器以外を何でも溶かす溶解液を出す魔物が現れたようだ、更にそいつの体液も溶解液だからな。そいつとあった場合攻撃手段が魔法しか無くなる。魔力は温存したいから不壊属性の剣を作って欲しい」
「…そんな魔物が……分かったわ。どんな剣が良いかしら?」
「…それなんだが、この剣をベースとしてくれないか?」
腰に挿していた長年の相棒をヘファイストスに渡す
「…これって」
「貴方が俺にレベル5へのランクアップ祝いでくれた剣だ。今まで俺はそれを使ってきた、もはや体の一部と言って良いほどそれと共にした、だからこそその相棒でこれからも一緒に戦いたいのだ」
「……分かった、そこまで言われたら断れないわね。1週間後に取りに来て、その時には出来てると思うから」
「了解した」
俺は外で待ってるリヴェリアと共にヘファイストスファミリアをでた
「………ふふ」
『その相棒でこれからも戦いたいのだ」
「いつぶりかしらね。剣を道具じゃなくて友、相棒って言うのは」
「嬉しそうですな」
部屋に入ってきた椿が楽しげに話しかけてきた
「えぇ、だって鍛治師としてはこれ以上ないほど作ってあげたい相手だもの。」
「それなら手前が打ちたいのだが」
「ダメよ。彼は私に依頼してきたのよ?私が打ちたいの」
「狡いであるなぁ。ところでピサロ相変わらずに無表情であったな。」
「えぇ、でも昔に比べると喋るようになったわ。昔は全てが憎いといった感じで憎悪で動いていたもの。あの剣姫以上の濃密な殺意と人を寄せ付けないオーラ。ロキの所の『勇者』や『九魔姫』と『剣姫』以外はあまり彼に近寄らなかったからね。それに比べると今はとても落ち着いていて、雰囲気が柔らかくなったわ。この4年で何かあったのかもね……例えば…好きな人が出来たとか」
「な!例え主神でも言って良いことと悪いことがあるぞ!」
ふふ、良い反応してくれるわね椿は。彼のことになると人が変わったようにあたふたするからね。
「椿」
「…なんでござるか?」
「ライバルは多いわよ?」
「……そんなものは百も承知。それでも見事勝利してやるだけよ」
殆どがロキの所の子だけどね。あの2人の姫も……そういえば聖女もそうだったかしら?あとあの黒髪のエルフも……全く一体いつ女を吹っかけるのかしら。前に何気なしに聞いたら『俺なんかを好きになる女はいないだろう』よ?椿やリヴェリアは一目瞭然じゃない!他の人に対してとピサロに対してじゃ全く反応がちがうわよ!剣姫もそう!あの戦闘とジャガ丸君にしか興味がないあの子が貴方の後ろをついて回ってたじゃない!12歳の子が既に恋に目覚めてると思うと、少し複雑だけど
「そう言えばリヴェリアが言ってあったのだが、彼レベル8になったそうだぞ?」
「………え?」
「えええええぇぇぇぇえええ?!!??」
この日ヘファイストスファミリアのホームで主神の叫び声が聞こえたとか
「へくしょん!……む?」
誰か俺の噂をしてるのか?……女の子が俺の噂してると良いなぁ
あ、そう言えば良い忘れていたけど…俺『転生者』だぞい!!
勘違いが上手く描けないので手探りでやっていきます
それとピサロが使えるスキルと魔法は原作ピサロが使えていた全てを使えるかどうか悩む