S666の情報回収作戦   作:ソルジャーODST

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1話で出てきた指揮官の話です。
体のいい時間稼ぎです(笑)本編は少しお待ちくださいな。

時間稼ぎと言いましたが、これを読まれている方の中で「HALO」という作品群を知らない方も居られるかと思いますので(原作をドルフロ扱いにしているため)簡単な解説を幕間で時々していこうかなと。
そのくせ幕間がある意味1番ドルフロ二次創作らしいという。
トンプソンカッコイイ。
後書きで解説及び補足していきます。


幕間ーとある基地にて

S666が降下する数時間前――

とある地区のとあるG&K基地にてとある指揮官が机を睨んでいた。正しくは、机の上にあるタブレット型の端末を睨んでいた。

 

これはE06地区の上空を飛行している光学迷彩搭載型ステルスUAVのカメラから得られている映像をほぼリアルタイムで映していた。

地上で行われている戦闘を見ているその指揮官は、どうしたものかと考えていた。その訳は映像と同じくタブレットに写されている文章が原因である。

 

その内容は、

『E06地区にて偵察中の部隊が鉄血陣営の作戦計画に関する情報を入手。情報媒体の影響でネットワークを使用しての送信不可』

 

『該当部隊は隠密行動にて陸路で撤退予定であったが、部隊のオブザーバーが独断でヘリを派遣』

 

『鉄血警戒部隊がヘリの接近を感知し戦闘に発展。ヘリは撃墜された上で部隊も孤立』

 

『偵察及び潜入が目的であったため継戦能力に問題有り。部隊のみでの突破は困難』

 

『該当戦区にはI.O.P社の支社及び併設された簡易工場があるため、車輌等を発見できた場合は部隊の一部が脱出できる可能性有』

 

『情報回収に関しては別戦力の投入を推奨』

 

「まったく、自分は有能だと思い込んでいる無能ほどはた迷惑なことは無いな」

 

この部屋には彼とその副官であるトンプソンしか居ない。ゆえに彼は自分の副官に向けて問いかけていた。

 

「まぁ、そう言ってやるなよボス。(やっこ)さんも足を引っ張るつもりは無かっただろうさ」

「むしろ、そこで気づかないことが無能だというのだ。主計業務及び基地運用のオブザーバーとしては優秀なのだが」

「戦闘指揮も現指揮官より自分の方が優秀だ、とか周りに愚痴を言っているらしいぜ」

「適材適所で配置されている事に気づけんのか。G&K社(我が社)には人材を遊ばせる余裕など無いというのに」

「はっはっは、ボスは相変わらず手厳しいな!」

 

一見するとどこのギャングなのかと思う見た目と態度のトンプソンと、自分にも他人にも厳しそうで間違いなく堅物だろうと周りから思われているこの指揮官は、周囲から「なぜ相性がいいのかさっぱり分からない」と言われ続けている。

 

実は指揮官本人もよく分かっていないのだが、共にいると気が楽であり、けれども程よい集中力を維持することができるとしてトンプソンを副官にしていた。臆病とも言える程慎重な自分とは真逆とも言える、豪快な性格であることも好相性だったのかもしれない。

トンプソンはトンプソンで、業務をこなしてさえいればソファーに寝転がっていても(あまり)文句は言われないし、トンプソンが言うシャレにも律儀に付き合ってくれるなど見た目や雰囲気とは意外に違うこの指揮官を気に入っていた。それになんだかんだ言っても所属する戦術人形のことを大事にするこの指揮官ならば自分たちのことを無意味に使い潰したりはしないだろうと彼女は思っていた。

 

パッと見は不真面目に思うかもしれないがトンプソンは根が真面目であり、自分がボスと認めた者は徹底的にサポートしていく。

そのトンプソンによって記されたタブレット上の文章を再度見てから、指揮官は自分の机の引き出しを開けた。

 

そこには、電子データでの管理が基本である現在に置いて、紙でまとめられたある報告書がしまわれていた。

 

「ボス、その資料は……」

「トンプソンは一応見ていたな。()を使おう」

「下手すりゃ単独戦闘だぜ。大丈夫なのかボス?鉄血より厄介かもしれない。何せ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

「だが、彼は組織というものの強さを知っている。そしてそこに属した時の利便性と課せられる義務についても知っている。今の彼にとってはG&K(ここ)がその組織だ」

 

紙の資料を捲りつつ指揮官はトンプソンに説明していく。この作戦で()は自分の有用性と自分は裏切らない(逃げない)ことを証明するだろう、そう考えながら。

 

「信用というものは場合によってある程度は度外視した方がいい時もある。まったく信用できん、というのはさすがに無理だがな。今回は()()()()がG&Kによって治療を受けているということもあり、最低限度の信用はできるという事だ。言ってしまえば人質に近いものだがな」

「だとしてもだぜボス。一般的な戦術人形じゃ奴さんは止められないんじゃないのか?強行的に仲間を助けに行けば……」

「行く意味がない。完治していればまだしも現在治療中だ。本人もヒマでしょうがないと言っていたしな。やるつもりならもう既にやっていてこんな基地にはもう居ないだろう」

 

資料を捲るのをやめてトンプソンに向き直った指揮官はこう言った。

 

「単独戦闘は問題ないさ、彼にとってはな。この戦場はまだ彼が経験した地獄ほどじゃないだろうよ」

「ソイツの言ってることを信じればだろ?」

「ならばトンプソンよ。彼のレントゲン図やカルテを見ただろう?アレを見てどう思った?」

「……」

「彼が装着している装甲服もだ。単純な性能でなら正規軍すら相手にならん。アレならE.L.I.Dにも殴り勝てる。私が聞いた限りではアレに匹敵する物はまだ開発できていない」

「そういえば、ソイツらが乗ってたっていうポッドも変わった作りをしてるんだって?」

 

トンプソンは指揮官から資料を受け取って、ペラペラと捲り目的のページを開く。

 

「大気圏を突破できる耐熱性能を持ち、低高度まで降下してから機体下部の…これはブースターか?コレで一気に減速、戦闘中の地表に着いたらハッチを吹き飛ばしてドンパチ開始だぁ?これはなんてSFの装備なんだよ」

「技術部曰く、彼の言う通りの性能を持つそうだ。本人はほとんどの宇宙戦艦に搭載されてる一般的な装備の1つだと言っていたがな」

「性能云々はまだしもだ。()()()()()()()()()()()()ってのが正気じゃない。昔の空挺部隊ももう少しマシな降下をするだろうよ」

「つまり、そんな真似をしなければならない状態にあった訳だ。彼も彼の装備もE.L.I.Dクラスの化け物と戦える物だ。エネルギーシールド何てものも搭載され、いくらかの電子機器にハッキングも可能。もはや()()()()()()()()()と信じざるをえないだろう?」

「……そういえばボスは昔のSF映画が好きだったな」

「むっ!」

 

いつになく饒舌にそして興奮気味に話す指揮官に向かって、ジト目をサングラスの下から覗かせつつ指揮官が周りには秘密にしている趣味についてツッコむトンプソン。

 

「……それとは関係ないぞ?ああ、まったく関係ない」

「ボス?こっちを見ながら言ってくれないか?アレか、このSF世界からやってきました感が半端ないヤツの戦いが見たいだけか?実はそうなんだな?」

 

今までの真面目な雰囲気はどこへやら。夫婦漫才じみたことをしつつ、指揮官が咳払いをして元の話題に戻そうとする。

 

「ともかくだ。彼ならば単独戦力として私が持ちうる最高戦力だ。彼を投入すれば少なくとも情報は回収できる可能性が高い」

「ボス、さっきの話の続きは後でキッチリ聞かせてもらうからな?……まぁ、たしかに戦術人形を投入するよりも可能性は高いかな」

(ちぃ、見逃してくれないか!)

 

指揮官は後でどう言い訳したものかと考えつつ、この話をまとめにかかる。

 

「彼をこの戦場へ投入し情報を回収、その後撤退させる。今回の貧乏くじは彼とこの包囲された部隊の指揮官といったところだな」

「ある意味ボスもだろ?社長直々に情報回収の命令が来たって聞いているけど」

「確かにそうだが私自身の戦力ではないからな。お前たちを失う方が手痛いさ」

「そいつは嬉しいことだが…。で?彼をどうやってここへ送るんだよ」

 

トンプソンは疑問に思っていたことを聞く。包囲されている所に外から入れるならとっくに部隊は撤退できているだろう。

 

「ん?ああ、彼には飛んでもらうよ。ウチの虎の子の一つ、輸送機を使う」

「ああ、空挺降下か」

「いや?どちらかというと紐なしバンジーだな」

「は?」

 

トンプソンは空いた口が塞がらなかった。なんでバンジー?しかも紐なしって…とでも言いたいのだろうが声にならない。

 

「彼の重みをどうやって止めるんだ。それこそ降下ポッドでも使わなければ無理だろう」

「いやいやいや、そんなことすりゃ地面にぶつかってどこのスプラッター映画だってものになるぞ?」

 

高所から安全に降りるためにパラシュートがある。それを使わないということはある意味自殺と同じだろう。

言外にそう言いたいトンプソンに対して指揮官は一言で返す。

 

「大丈夫だろう。あの装甲服で飛び降りたヤツ他にもいるらしいし」

「は?」




説明回と言いながら具体的な名前も設定も出してはいないのですがそこら辺は少しずついきますね。

この物語の導入部分(1話)はさておき、ようやくドルフロ二次創作らしい人物が出ました。トンプソンの尻にひかれる堅物真面目(実は茶目っ気あり)指揮官とかいうのが降臨したので書きました。後半のノリは急に降ってきたので書いた。後悔はしていない。意外にいじりがいがある2人組。スピンオフいける気がする。

で、真面目にいきますとHALOシリーズは「人類とエイリアン連合軍の生存を賭けた戦い」でシンプルに言い表せる世界観です。
んでもってその作品群の本来の主人公であるSPARTAN「マスターチーフ」はSPARTANⅡと呼ばれる存在です。

遺伝的に優れた子供を拉致してきて外科手術して肉体強化(骨格から変えてるとか)。反射神経等も薬剤で強化されており、文字通りのスーパーソルジャーです。生身で200キロ近い物を持ち上げれるとか。
この話の主人公S666はこのSPARTANⅡなのです。なおシエラはSPARTAN達のコールサインです。HALOの主人公はシエラ117(ワンワンセブン)といった感じですね

このSPARTANを支えるのがMJOLNIR(ミョルニル)アーマーです。この話で出てくる「装甲服」ですね。パワーアシストに与圧機能、エイリアン達のエネルギーシールドも搭載というチートなアーマー。これを着けたSPARTANは瞬間的なら60tクラスの戦車も持ち上げれます。

今回の話に出てきた「降下ポッド」は「HEV」と呼ばれる物です。「戦場のド真ん中に降下する」ことが多い部隊「ODST」が使う装備です。「オービタル・ドロップ・ショック・トルーパー」の略称であり、訳すならば「衛星軌道からの降下強襲兵」です(たしか)
戦場のド真ん中(地獄)に降下することから「ヘルジャンパー」とも呼ばれています。
1話の終わりでS666が言っていた「地獄へ降下開始だ」はHALOシリーズの1つ「HALO:ODST」のキャッチコピーをもじってます。
いかん、長すぎる(笑)
後書きが本編の四分の一もあるとかなんの冗談だ(笑)
興味がありましたらHALOシリーズでお調べください。次回はまたS666の視点でお送りします。

誤字脱字、「この解説ちげーよ?」ありましたらよろしくお願いします。情報源的に解説と差異はありますのでご了承ください

追記、感想にてもう少し深く解説をしてもらっています。
よければ皆さん見ていってください。
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