op. 12
神峰視点
「あーにしてもつっかれたぁ!練習時間の方が長いはずなのに本番のほうが疲れるの何でだろうな?」
まりなさんは後片付けの為会場へと戻っていった。手伝いましょうかと言ったが「今日の主役達にそんな事はさせられないよ!…十六夜君以外は疲れてるみたいだしゆっくりしてて!」と言って控室を後にした。言っといて情けないが正直ありがたかった
「緊張や、プレッシャーがあったからじゃねぇか?そう言った目に見えない負荷ってのは意識、無意識に関わらず心体共にストレスがかかるもんだ」
「ま、俺は感じた事ねぇけどな」と本当のことに言う十六夜、それを何とも言えない表情でジト目を向ける響也
俺も先程から立っていられなくなりパイプ椅子に腰掛けている。普段視ないようにしている
全てが初めての事過ぎて今思えば反省点が次々に出てくる。目に映るイメージは理想であってそこに辿り着くための道筋は自ら作らないといけない、そこの描き方は経験によって培われていくと思う。けどあの瞬間でできる自分の最高指揮ができたと断言できる、後は今後改善していけばいいだけだ
「あっ!てかさてかさ!演奏中に神っち指揮?してたよな!?あれどう言う事だ!?自然過ぎて気にしてなかったけど!」
「ちょっと響也煩い、こっちは疲れてるのにそんな大声聞きたくない。あんたのどこが疲れてるのよ」
「いやでもさ「何?」いえ、何でもありません!…あれ?何これデジャブ???」
と響也が嘆いているとドアをノックする音が聞こえる響也が「はーい、どーぞー」と応えると『失礼します』と言って扉を開けた先にいたのはアフグロの四人がいた
「先輩方お疲れ様です。ライブ終わりでお疲れのところすみません、せっかくだし感想とか言いたくて来ました」
と上原が言った、1人かけているのを見た響也がアフグロに問いかける
「ありがとな!…ところでつぐっちは?俺神っちのベースの感想聞きたいんだけど」
「そこは私達の感想でしょうが」
「あ〜え〜っとつぐは…ですね、何と言いますか…そ、そう!急にお店の手伝いが入って先に帰っちゃったんですよ!神峰先輩達には最高のライブでしたって伝えておいてって言われました!」
「そんな事言ってないよねー」
「しょうがないだろ、まさかつぐが帰るだなんて思わなかったし。まんま言うのは流石にダメだろ?」
「これモカのせいでもあるんだからね!?」
「………じー」
無言で俺の方を睨むように見てくる美竹、身に覚えのない
羽沢視点
ライブが終わってお客さんが会場を後にする中、私達は。ううん、私は動けないでいた
4人の先輩達が奏でたライブの余韻がまだ残っていて半ば放心状態になってる。そんな私を心配する様にモカちゃんが声をかけて来る
「つぐ〜?大丈夫?ライブ終わってからずっとボーっとしてるけど」
「………」
「つぐ!!」
「…え!?どうしたのひまりちゃん」
「どうしたのじゃなくてライブ終わったし神峰先輩達の所、行くんでしょ?」
「そ、そうだったね!うん、早く行こう!」
少し慌てて神峰さん達がいるところに向かおうとする
「つぐのやつ大丈夫か?」
「本当に体調が悪いんじゃないの?」
「いや、そういうことじゃなくてさ?」
「?」
「!成る程成る程〜」
いつものニヤニヤ顔をしたモカちゃんが私のところに並んで話しかけて来る
「神峰さん達のバンド凄かったねぇ」
「うん」
歩きながらでも頭の中では神峰先輩達のライブが何度も再生されていて簡単な返事しか出来ずにいた
「ステージ姿もカッコよかったよねぇ」
「うん」
「これはますます神峰先輩の事大好きになったんじゃないの〜?」
「うん………え?」
今なんて言われて何で返事したの私?気になってモカちゃんの方を見ると、私以外の皆んなが驚いた表情で私を見てる
どうしたのかわからずさっきの話を思い返すと…
「これはますます神峰先輩の事大好きになったんじゃないの〜?」
「うん」
…うん!?え、私今うんって言ったの!?私が!?は、早く否定しないとモカちゃんに…そんな私の頭の中に浮かんだのは私が初めて神峰先輩と出会った時の光景、神峰先輩の驚きの後に見せた苦しそうな表情、CiRCLEで会う様になってから時々モカちゃんにからかわれた時に見せる少し困った顔、私達の演奏を聞いた時の真剣なそれでいて何もできない自分が嫌で仕方ない顔
そして、今日初めて見た心の底から音楽が楽しくて仕方ないって伝わってくる笑顔
そんな色々な神峰先輩の
「私…神峰先輩の事、好きだったんだ」
少し距離の空いたみんなに聞こえない程小さな声で言った自分の心情に驚くどころかしっくりきて、その直後ボンッ!って音がなりそうなくらい急激に体温が上がった
思えば私初対面で神峰先輩のて、手を握ったよね!?それも突撃気味に!?
「わ」
『わ?』
「私今日帰るね!?神峰先輩達にはよろしく言っておいて〜!!?」
皆んなが引き止める前にCiRCLEから出て行った。今日は皆さんと、もっというなら神峰先輩とまともに会える気がしないし自分の今の表情を誰にも見せたくなかった
うぅ、でもこれ明日絶対モカちゃんに揶揄われちゃうよ!なにより今後どうやって神峰先輩と接していけばいいの!?
そんな事を思って迎えた翌日、皆んなと会った時に温かい目で頑張ってねって励まされた…昨日私がいない間になにがあったの!!?
神峰視点
「…所でさっきから睨まれてるんだが美竹に何かしただろうか?」
部屋に入ってからずっとこちらを睨んでいる美竹に直接は聞けず他のアフグロメンバーに聞いてみる。視える心は同じ様な表情なのでそこから何を考えてるのかがわからない
そうすると当の本人である美竹から話しかけて来た
「神峰さん」
「あぁ、どうかしたか美竹?それとさっきから何で俺の事に「つぐみの事泣かしたら許さないから」…?俺がか?そんな事するわけないだろう?」
「なら…いいんだけど」
そう言って同じギターの十六夜のところへ向かう美竹、なぜかニヤニヤしている十六夜をよそにその質問の意味を三人に聞こうと思ったのだが
「え、これもしかしなくても…」
「そうだね〜つぐも今日自覚したみたいだから仕方ないとはいえ、神峰先輩も気づいてないみたいだよ〜」
「これから大変だなつぐのやつ」
俺に聞こえない声量で心はこちらを見ながら話す三人のアフグロメンバー、最後までその内容は分からないままだった
沙夜視点
神峰さん達のバンドライブが終わり、日菜が神峰さん達に挨拶してくるといい、私はそこまで親睦のない自分が行っても疲れているだろう神峰さん達を困らせるだけだと言って辞退した
ふだんなら「それじゃあ、あたしもお姉ちゃんと一緒に帰る」という日菜は、「…分かった。あたし行ってくるから先に帰っててお姉ちゃん!」っと言って彼等のいるであろう控室に向かった
1人で帰りながら考えるのは、ライブ中に言葉にしてしまった彼に対する負の感情。
今日と日菜と一緒にいた時に一度会っただけでもそう思わせるだけの何かが彼等のライブにはあった。自分のこれまでを否定され、でも不快じゃなくずっと聴いていたくなるライブ
私に出来るだろうか?妹の影に怯えて走り続ける事しかできない私に、彼等の様な演奏を、志を同じくしてくれる仲間を見つける事が
空を見ても雲ばかりで星を見つける事は出来なかった
神峰視点
途中ひなが控室に突入してくる一幕があったが、ライブ後の片付けも終わり各々の帰路に着く、帰り道が同じ響也と2人で帰りながら今日のライブについて話す
「今日のライブ、本っ当に最高だったな神っち!!特に神っちの指揮!あんなのできるなら教えといてくれよな!」
「俺だってあの時初めて知った事だ、曲のイメージを指揮、しかもベースの音や体の動きを使ってできるとは思ってなかった」
「ま、なんにせよライブは大!成!功!みんなも喜んでくれたみたいだしな!」
「あぁ、けど初めてなのもあっておぼつかないところもあった。十六夜との食い違いがいい例だ、けど感覚は掴んだし次からは観客もイメージしながら練習出来る。そうやって慣らしていけばあの音にもより近づける…って、何だよ響也ニヤついて」
「ん〜?いや何でもねぇよ神っち!(神っちから
「飲食店だとそういうのもあるんだろう、今度会った時にでも聞けばいい」
「ま、そうだな」と言って前を歩く響也、その背中を見ながら俺は十六夜に言う
「ありがとな響也」
「え?」
「俺から離れないでいてくれて、俺に手を伸ばし続けてくれて、俺と一緒に音楽をやってくれて。おかげで俺は視れないと思ってた景色を視る事が出来た。これからも迷惑をかけるかもしれないけどよろしくな」
「………そ、そうだな!これからも宜しくな神っち!」
こちらを見ずに言う響也、その心を視ないふりをして、その距離のまま、俺達は並んで帰った
予告 新章
「はっ!お前らのあれが音楽?少なくとも2人、響いてこねぇ音を出してるあれを俺は音楽とは認めねぇ」
「私は日菜を理由にするのは…もう辞めます」
「それでも私は…」
「なら証明して見せろよ。お前らのそれが音楽だって言うのを、否定した俺自身に。お前らのライブでな」
「私は、貴方の事が…」
バンドリ!彼奴のいないこの世界で、新章Roselia【キャンパスに、生きる青薔薇を】
次回から新章が始まります。もう目を逸らさない事を決めた彼がどう向き合っていくのか、それは皆さんの目で確かめてください
ほんと描いて思うのは神峰と響也のコンビが最高!って事です
早く執筆出来るよう頑張りますのでモチベ向上のため感想お待ちしております
ではまた次回で!Σ(゚д゚lll)
バンド編何処からみたいですか(時系列は気にせず)なお最初期からいるバンドに限定します
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ポピパ
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アフグロ
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ロゼリア
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ハロハピ
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パスパレ