半年以上空けてすみません
op.9
響也サイド
すげぇ!すげぇよ神っち!!
あの時聞いた、いいやそれ以上の音が会場全体に広がってる!てか位置が後ろだから直接見れないけどさ。今、神っち笑ってんだろ?音からそれが伝わって来る!
だってこの感じは前と一緒だから、神っちは笑ってないって言ってたけど一緒に演奏したあの時と同じ、楽しさを前面に出した神っちの音が、そしてあの時はわからなかった音や動きから伝わってくる神っちの指揮が!
「なぁ神っち!」
「…どうした響也?」
「俺とセッションしてくれないか!?」
中学に上がる前俺は神っちにそう切り出した、今までこういう風に誘った事はなかったから神っちは少し驚いた顔してる
「突然なのはいつもの事としてどうして俺と?」
「いやぁ神っちと音楽したいなってのは思ってたんだよ前から、でもいかんせん俺が自分で納得できるくらい上手くなってから誘おうって考えてたからさ。それでそれが今日ってわけ!」
「成る程な、別にやるのは構わないがどこでする?場所は気にしないと周りに迷惑だろ」
ふっふっふっ!そこは抜かりねぇぜ神っち!!
「それなら大丈夫!俺んち地下がちょっとしたガレージになってるのは神っちもしってんだろ?あそこなら防音対策もされてるし音響機材も親父が使ってるのがあるし、たまに仲間と一緒にやってんだよバンド」
神っちとやってみたくて親父にしばかれ…教えて貰ってたのはちょい恥ずかしいからいえねぇ、てか本当はCiRCLEでやりたいんだけど今日は休みなんだよなぁ。日を改めればいい話だけど今日したいと思ったらそれを抑えられなかった
「そうなのか、響也の家には何度か行った事あったけど初めて知ったぞ」
「まぁ親父も別に隠しちゃいねぇけど知られたいとも思ってないからな〜、んじゃ俺んち集合って事で!」
そこで別れた俺と神っち、いやぁたのしみだな!神っちの歌声言葉じゃどう言えばわかんねぇけど凄い!って思うし、そこに自分の音がどう重なるのかワクワクが止まらない!
家に帰って速攻でガレージに行って機器の準備をする、つっても殆ど親父達が使ってそのままだからたいして準備する必要ないけど
よっし準備完了!【ピンポーン】お!神っちもきたみたいだな!玄関まで猛ダッシュした俺は神っちを出迎えた
「おっす神っち!」
「あぁお邪魔します、後これ来る途中で買った菓子だ、よかったら食べてくれ」
「気にしなくていいのに毎回買ってきてくれるよな〜ま!ありがたいし全部美味しいから俺としては大歓迎だけどな!」
「喜んでくれてるみたいで何よりだ。それで場所は地下だよな?」
「おう!んじゃ早速いくかぁ!」
神っちをつれてガレージについた俺達は楽器の準備に取り掛かった
「にしても神っちベースやってたんだな。なんかたこ出来てたから弦楽器やってんだろうなとは思ってたけどさ」
ピアノのイメージしかなかった俺は神っちがケースを持ってきていた事に少し驚いていた
「誰かに聞かせるのは…初めてだな。どうせなら違う楽器で合わせてみたいと思ったんだがドラムとベースじゃ味気ないか?」
「ん〜音響機材あるし歌詞なしの曲流しながらやればいいんじゃねぇか?」
早く演奏したくてうずうずしている俺は急いで準備を終わらせた
「んじゃやるか!先ずは【Rising Hope】やろうぜ」
「わかった」
スマホをスピーカーに繋げてネットで歌無しの音源を探してそれを流し始める。曲が始める前神っちを見ると雰囲気いつもと違う様な気がした
少し気になったけど演奏に意識を向ける、てか神っちベースうめぇ!!ピアノが上手いのは知ってたけどベースもできたんだな!!
神っちに負けないように夢中になって俺も演奏する、自分が何かに引っぱれる様な感覚を覚えてふと神っちの方を見ると普段あまり見せない笑顔で音を楽しむ、文字通り【音楽】をしている神っちの姿があった
神っちも一緒に楽しんでいるのが嬉しくてよりいっそう演奏に集中する、自分が何かに引っぱられる様に上達していく感覚を覚えながら夢中にやっていたらいつの間にか曲が終わってて俺は興奮が収まらないまま神っちに話しかけた
「すっっっっっっっっっっっっっげぇ良かったし楽しかったぜ神っち!!つか神っちも笑ってたって事は俺と同じで楽しんでたって事だよな!??」
そう言うと神っちはそっぽを向いて少し恥ずかしそうにしながら
「…別に笑ってない、それより他にもやるんだろ?」
って言った、もっともっと演奏したいと思った俺は演奏中に感じたものについて考えるのをやめて
「おう勿論!!次はさ…」
と言ってまた次の曲を探し始めた
あの後もう一回やりたくて神っちを誘おうとしたけど、その後すぐ神っちは通ってたピアノ教室を辞めてなんだか音楽自体から距離を置こうとしてた、いや実際離れてたな
でも離れても辞めるって選択はしなかった。ベースを続けてたのは手にできたタコを見れば分かったし、あんなに楽しそうに演奏してた神っちがやめれるわけがないって。まぁ半分そうあって欲しい俺の願望も入ってるけど思ってた
そんな神っちとまたこうして音楽が出来る、もうなんか今にも叫び出したい気分だけどそんなことしちゃだめだよな。だからこの想いは全部楽器に演奏にぶつけよう
「〜〜〜♪♪♪」
!十六夜のやつもっとできるだろ?って挑発してんな?音から伝わってくるぞ、神っちもそうだけどどうやって音で指示とかできるんだ?まいっか、てか当たり前だ!まだまだこんなもんじゃない俺が思い描いてた演奏は!
さぁもっと響け俺たちの音!!このステージ全体に、もっと高く、もっと遠くの果てまで!!
神峰サイド
一曲目が終わり二曲目に入ると十六夜が自身の音を全面に奏で始めた
十六夜の音は彼奴自身の口癖にもなっている「ビリッとくる」にもある通り電気や雷を模した音だ。常に上へ上へと周囲を巻き込み轟かせるそれは十六夜の貪欲なまでの向上心の現れだろう、そしてその輝きで周りを霞ませてしまう危うさすら孕んでいる、実際一瞬でも気を抜けば音を持っていかれそうになる
音から伝わってくる「お前らの音はまだまだそんなもんじゃないだろ?」という純粋で脅迫性まである感情(音)それに負けじと響也や鈴原の音質が上がっていく
俺だって負けてはいられない、3人の音を束ね導く、そのためには…
【全体を見て全員の音を包み込むように】
鈴原に指示を出す、彼女の音は周りの音を包こみ束ねることができる。それによって音を届けたい相手へと導きやすくなる、彼女自身全体を見る力が優れているからこそ奏でられる音だ
まだ彼女と関わる様になって数ヶ月だがそれでも彼女が音楽に対し真摯に、そして直向きに努力をし続けているのは音から伝わってきた
鈴原によって束ね纏めた音を客へ届けるためには…
【音を押し出せ!全体に響きわたる様に!】
響也にそう指示を出す、彼奴自身の心を表し爆発する様に響きわたるその音はただ周囲に撒き散らすわけじゃない
一歩を踏み出せずにいた俺を背中から押してくれた様に、俺達の音を観客へと届けてくれる
いや、響也だと押すというより引っ叩いてくれるの方が正しいな
俺はそれに救われた、響也がバンドに誘ってくれなければ俺は未だに視たくないものから目を逸らし続ける毎日を送っていた。だからこそ響也の想いに応えたい、それにこのメンバーなら会場だけじゃ無い、もっと遠く、果ての向こうまで音を響き渡らせられる。そう確信出来る
次でラストの曲、響かせよう今の俺達が出来る最高の演奏を
響也描くの本当に楽しいです
次回は羽沢とAfterglow、日菜視点を描こうと思ってます
バンドストーリーも考察練っていかねば
ではまた次回で!Σ(゚д゚lll)
コラボ先は風夏!
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あり
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