【完結】いちばん小さな大魔王!   作:コントラポストは全てを解決する

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久しぶりに評価者欄覗いたけど、今47人か。
話しは変わるけど50っていい数字だよね。ちょうど100の半分だし。

……後はわかるな?

さてと、サブ垢でも作って──おっと、誰か来たようだ。

To be continue……



第27奏 おべんとせんそう

 こころとの一件から二日ほど経ち、俺の日常が返って来た。

 

 朝食をあこと一緒に食べ、途中まであこと一緒に登校し、放課後帰宅してから夕飯の支度をしてあこと夕飯を食べる。

 いつも通りがここにある。

 

 だだ、そんな中で一つだけ変わった事があるのだ。

 

 それは、俺の羽丘への帰還。

 

 お忘れかもしれないが、俺は元々羽丘に通っていたのだ。しかし、今まで不安定だったこころを落ち着かせるために弦巻家が力を行使し、俺を花咲川に編入させていた。

 だが、昨夜状況が一変。こころが両親に頼んで、俺を羽丘に戻す手続きをしてくれたのだ。どうやら、こころなりのケジメだったらしい。

 正直な事を言えばまだ少し心配だったが、こころが胸を張って大丈夫と言っていたので、それを信じる事にする。

 

 そんな訳で、今日の三限目から羽丘にて高校生活を送る事になった。

 羽丘及び花咲川の理事長には頭が上がらない。きっと急な編入のせいで書類処理が大変だった筈だ。あとで菓子折りを持って行こうと思う。

 

 理事長への挨拶を考えながら、羽丘の制服のシワを伸ばして、今日から毎日通う事になる我らの教室の扉を開けた。

 中に入れば担任が俺の名前を黒板に書き終えており、生徒と一緒に期待の眼差しで俺を見ていた。

 時間もないので無難な挨拶で済ませた後、教室内を一望。そうしていると窓際に蘭様を発見。同じクラスなのは知っていたが、蘭の隣の席が空いているのは知らなかった。

 もしやもしやと期待して先生に視線を向けると、案の定蘭の隣に。

 ありがとうお約束展開と心の中で感謝しながら、この教室內ではボッチのツンデレ美少女になっている俺の幼馴染とどう接しようか模索していた。迂闊に幼児退行させられない。

 

 蘭の撫でて欲しそうな視線に耐えながら受けた三限と四限。その二つを乗り越え、待ちに待ちこがれた待望の昼休みが。

 俺は蘭の手を引いて、学校の屋上まで何も考えず駆け抜ける。

 

「あこと!一緒に!学校で!昼飯が、食える!ふぉおおおおぉおッ!夜は焼肉っしょおおおおぉぉッ!!」

「竜介、うっさい……」

 

 屋上からこの世の蒼空に向かって喜びと愛を叫んだら怒られた。

 なんだかんだ俺には甘い蘭でさえこの言い様なのだ。場所が違えば近所迷惑間違いなしだろう。

 なんて馬鹿な事をしている間に、続々とアフグロメンバー+あこが揃っていいく。

 

「りゅう兄がいる!?」

 

 俺を見つけたあこがそんな声をあげた。

 どうやら中等部には俺の情報が回ってなかったらしい。あこの驚いた顔が全てを物語っている。

 

「今日からこっちに通う事になったから。よろしくな」

「う、うん!じゃあもしかして、これから毎日りゅう兄とお昼ご飯食べれるの?」

「ああ、そうなるな」

「やったー!」

 

 万歳をして盛大に喜ぶあこ。可愛い。

 ついでに頭を撫でたら更に喜んだ。尊い。

 あこの様子を微笑ましく見ていたら、周囲から刺すような視線が飛んできた。

 蘭は威嚇体勢を取り、つぐみは堕天しそうで、モカなんかは後ろから抱き着くフリをして首を締めて来る。

 

「モカ、俺死んじゃう」

「……り〜くんは一回転生して、モカちゃんに惚れ直して来るといいよ〜」

「俺、転生先は異世界が良いな」

「じゃあモカちゃんがパンの世界を作ってしんぜよう〜」

 

 あはは、そっかーと呑気に笑い返しながら、飛びそうになる意識を何とか留める。

 その後ひまりと巴に止めてもらい、何とか一命を取り留めた。

 

「死ぬかと思った……。モカ、マジで殺そうとしてなかった?」

「さあ~どうでしょ~う。モカちゃんはパンを食べるのに忙しいので、お答えできませ~ん」

「こいつ……まあ良いか。あ、そうだ蘭、これ渡しとく」

 

 パンを食べるモカは一旦置いておき、蘭のために持ってきた小包を渡す。

 不思議そうにしている蘭が小包の紐を解き、中を見てみると、

 

「……これ、お弁当?」

「おう」

 

 綺麗な三色弁当がその面を覗かせる。

 蘭は更に不思議そうにした。

 

「な、なんで?」

「いや、今から購買行ってもろくなの残ってないだろ?」

「確かにそうだけど……。でも、その原因って竜介じゃ……」

「まあな。だから作って来たんだよ。時間短縮のために」

 

 あことの昼休みはなるべく長く過ごしたい。けれど、蘭を置いて一人屋上で待ってるのもなんだか虚しい。

 そんなパラドクスが脳内で異次元戦争を起こした結果、蘭の分の昼食を作って持って行くと言う結論に至ったのだ。

 

「味見もしたし、ちゃんと食える物になってると思うぞ?」

「竜介が作った物だからそこは大丈夫だと思ってるけど……」

「なんだ?嫌いな物でも入ってたか?」

「ううん。……やっぱり何でもない。ありがと」

 

 蘭が小さく笑ってお礼を言った。不覚にもドキッとしてしまう。ツンデレのデレが出たぞ。オウイェス反骨。

 そんな風に蘭の笑顔に見惚れていると、再びやってきたモカにまた首を締められる。

 

「こ、今度はどうしたモカ」

「明日からパン買ってくるのやめる〜」

「沙綾が泣いちゃうからやめてあげて?」

 

 常連さんが来なくなると沙綾が寂しがるのでやめて欲しい。そう伝えると「ぶ〜」と愚痴を吐きながら引き下がってくれた。

 モカの急襲が落ち着き安堵の息を吐く。しかしそれも束の間の安息。今度はつぐみが視線を向けて来た。

 

「つぐみはつぐみでどうしたの?」

「……別に」

 

 そっぽの向きながら自分の弁当を食べ始めるつぐみ。

 俺は何がなんだか分からず、助けを求めてひまりを見る。

 

「唐揚げもーらい!」

「おいこら」

 

 助けを求めたはずなのに、唐揚げを一個奪われた。

 

「ん〜さすが竜介の手料理。おいひいね〜。はい、つぐも一個」

「え?あ、ありがとう……ってこれ竜介君の分だよね?良いの?」

「お?つぐみも欲しかったのか?別にいいぞ」

 

 唐揚げを貰ったつぐみは目をキラキラさせていた。

 そんなに唐揚げが好きなら早く言ってくれれば良いのにと、心の中で愚痴を吐く。

 なんて事をしていると、モカにまたまた首を締められてしまう。

 

「お前、ほんとは俺の事嫌いだろ」

「……それはどうかな〜」

 

 今の間はなんだろうか。とても恐怖心を煽られる。

 

「それで?モカは何が欲しいんだ?さすがに弁当丸々持っていかれるのは俺も辛いぞ?」

「そんな事しないよ〜。モカちゃんは〜りーくんをお持ち帰りしたいな〜」

「お前はりみか」

 

 モカは俺を持ち帰ったあと何を俺に詰めるのか。

 頭の中でその候補をあげていたが、モカが締める強さを過去最高に上げて来たのでその思考も途切れてしまう。

 助けを求めるが、巴とひまり以外動いてくれそうにない。皆冷たい目を俺に向けて来る。

 

「モカ……マジで苦しい……」

「女の子の家に簡単にお持ち帰りされちゃうり〜くんにおしおき〜」

「いや……おまえ……これ……もう処刑のいき……」

 

 グググと女の子が出しては行けない力が俺の首を襲う。

 そろそろ酸欠を迎えそうだ。

 

「モカ、ストップだ」

「えぇ〜止めないでよ〜」

「お前な、もう少し加減を……」

「冗談だよ〜。可愛いモカちゃんジョ〜ク〜」

 

 お茶目なジョークにしては力が強かったなとモカに呆れつつ、俺は箸に唐揚げを一個指す。

 

「モカ、こっち向いて口開けろ」

「え〜なんで〜」

「良いから」

「仕方ないな〜。あ〜」

 

 大きく開いた口の中に、唐揚げを一個突っ込んでおいた。

 モカが驚いた顔で俺を見てきたので、俺はしてやったり顔で返してやった。

 

「ったく、モカも欲しかったなら言えよな。別に怒ったりはしないからよ」

「……ちょっと違うけど〜特別に許してあげよう〜」

「はいはい。ありがとうございます」

 

 俺が雑に返すとモカはこちらにフラフラっと歩み寄ってくる。

 これはまた締められるなと悟ったが、モカは俺を通り過ぎて隣にいる蘭の背中に寄りかかった。

 

「も、モカ……いきなりなに?」

「なんでもないよ〜。蘭の背中が恋しくなっただけ〜」

「……あっそ」

 

 蘭は素っ気なく返した後、弁当を食べる。耳は赤くなっていた。

 いつも通り蘭をからかったモカを見ると、モカも耳が赤くなっていた。

 

「モカ、なんか赤くなってないか?」

 

 そう聞いてみるが、モカは何も言わずに蘭を盾にして隠れてしまう。

 俺がモカの様子を不思議に思っている中、不意に左隣にいるあこが制服を引っ張って来る。

 

「りゅう兄りゅう兄」

「ん?どうした?」

「はい。あーん」

 

 唐突なイチャラブ展開の幕開けだった。

 一瞬にして胸のエンジンを吹かし始める俺だったが、あこが渡して来た物を見て少しその音を落ち着かせる。

 

「あこ──ピーマン俺に食わすのやめような?」

「りゅ、りゅう兄ピーマン好きかなーって」

「じゃあ、俺の緑パプリカと交換な」

「そ、それ変わらないよ?りゅう兄」

 

 ワナワナしだしたあこに、俺はニッコリ笑顔で緑パプリカを向ける。

 

「はい、あーん」

「うぐっ……あ、あーん」

 

 目をギュっとつむってあこがピーマンを口にいれた。

 

「うぇ……苦い」

「はい。よく食べられました」

 

 口の中に残る苦味と戦闘中のあこの頭をそっと撫でる。自分一人では絶対食べないが、俺が食べさせると我慢して食べてくれる所が本当に可愛い。はよ嫁にしたいと思ってしまう。

 

「あ、あこは食べたんだから次はりゅう兄だよ!」

「おう。どんとこい」

「そ、その余裕もいつまで持つかな!わ、我を苦しめた魔物の力を食らうがいい!」

 

 魔王っぽい笑い声とともに、そう煽って来たあこが向けるピーマンを文字通り食らった。

 

「うん。上手い」

「なんで!?」

「あこの方に入れたのは苦味が少ないやつだからな」

「りゅう兄ずるい!」

 

 あこのために取り寄せた物だったが、これでもダメだったか。

 そろそろピーマンハンバーグ師匠の導入を頭の片隅に入れつつ、目の前でぷりぷり怒る魔王様にほっこりしていた。

 一瞬これは関接キスではと思ったが、今赤面する訳にはいかないので気にしないでおく。

 

 こっそり巴がスマホであこの写真を撮っていたが、黙っておこうと思う。ピーマンを食べるあこの姿が心に響いたようだ。あとでコピーを貰おうと思う。




メインヒロインとのあーんネタ初登場をこんな遅くさせてるのうちだけじゃね?皆なんですぐ遊園地行ってイチャコラ出来るの?早くあこをお化け屋敷で怖がらせたいんだけど。どうしてくれんねん(自業自得)

りぴーとあふたーみー

つぐみ は 堕天 させるもの。

オウイェス反骨。
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