【完結】いちばん小さな大魔王! 作:コントラポストは全てを解決する
「竜介ってさ、オ〇ニーどうしてんの?」
「唐突に頭悪い会話するのやめてくれる?」
結局あこに告白出来なかった登山遠足から五日経った土曜日。例の如く俺は美咲の家に訪れ、また嫌な質問を受けていた。以前はあこの生理について聞かれたが、一体このキャラ崩壊はなんなのだろうか。
「いやさ、気になるじゃん。あこがいるのにどうしてるのかなーって。なに?夢精に頼ってるの?」
「教えると思うか?」
「あたしは親がいない時にこっそりしてるよ」
「聞いてねーよ」
美咲の性事情なんか知らない。知ってどうする。
「最近は母さんが仕事のシフト減らしたから家にいる事が多くてねー。ヤりたくても出来ないって言うか」
「だから聞いてねーよ。俺に要らん報告するな」
俺にその相談をしてナニする気だ。襲うのか?俺は襲われるのか?やばい逃げなきゃ。
「そう言えばさ、最近アレが来なくなったんだよね」
「アレ?」
「生理」
「は?」
生理が来ない。それ即ち──いやいやいや。嘘だろ美咲。ゴム無しでやったとかシャレにならんぞ。美咲がそんなびっちな子だったなんて思わなかった。
「お相手は?」
「竜介」
「は?」
は?…………は?
「いつ?」
「竜介がここで寝てる時にこっそりヤったらデキちゃった」
「は?」
純粋に頭おかしいぞこいつ。寝込み襲うとかレイプの常習テクではないか。
「なんで?」
「いやだって、最近指じゃ物足りなくなってきたし、ディ〇ド買うにもバレたら嫌だし。そう思ったら本物持ってる竜介で良いかなって」
「いやいやいやいや」
性欲処理が物足りないからって
「親には?」
「まだ言ってない」
「覚悟は?」
「とっくの昔」
潔すぎないだろうか。俺の覚悟がまだ出来てないのだが。
仮に、美咲を貰った時の事を考えよう。一応料理は出来る。そこは俺が教えてるから大丈夫だ。他の家事は知らん。性格はまあ意気投合してるから良いとして……いやでも寝込みを襲うしな……。
「竜介はあたしじゃ嫌?」
「嫌……ではないんだけどなー。いやそれ以前の問題と言うか……」
「あこの説得手伝うよ?」
「いやそう言う事でもなくて」
あこが荒れる。巴も荒れる。リサ姉もきっと荒れる。皆荒れる。と言うか荒れない方がおかしい。四面楚歌だ。
「まあ冗談なんだけど」
「おい」
しばいたろか我。
「いやー過激な下ネタは女子高の華って言うじゃん。あたしもいっちょやったろーじゃないと思いまして」
確かに女子高は下ネタがキツイ。クラス内で思いっきりセックスしたいって叫んでたの聞いた事あるし。
「なんで男の俺に話すんだよ。花音先輩とかにすれば良いだろ」
「花音さんにそんな話出来ると思う?」
「無理」
花音先輩に下ネタ言うとかどんな罰ゲームだ。俺には到底無理。仮に言ったら舌を噛み切る。
「あたしはね、フツーの女子高生なの。こころみたいにお金持ちでもなければ、はぐみみたいな運動神経もない。薫さんみたいな天才演者でもないし、花音さん程ピュアでもない。フツーなのよ。だからさ、フツーに下ネタも言いたいわけ。でも言う相手がいないんだよ」
「それで俺に白羽の矢がたったと」
「そういう事」
信頼の裏返しと言うか、腐った縁の後遺症と言うか、俺ぐらいしか下ネタを言える相手がいなかったらしい。
「だいたいさー、皆ピュア過ぎるるんだよー。一番耐性ありそうな市ヶ谷さんだってダメだったし」
「待て、有咲に言ったのか。下ネタ」
「試しに軽いのかましたら具合を疑われた」
やめて。教育に悪いからやめて。有咲にそう言う事しないで。
「竜介も市ヶ谷さんの父親名乗るんだったらさー、ちゃんとそういう事も教育しておいて欲しかったよ」
「お前……紗夜先輩が黙ってないぞ……」
「大丈夫。バレないように取り繕ってるから」
先生の前だけいい子ぶる素行不良の生徒みたいだ。美咲はいつからこんな悪い子になってしまったのか。
「下ネタ言い合える友達って結構重要だよね。流行りものだけじゃトークの幅は広がらないよ」
「俺は言った覚えがないんだが」
「こないだあこの生理について語り合ったじゃん」
「語り合った訳ではない」
一方的に語られただけで語り合ったわけではない。そこの所よろしくして欲しい。
「で、話戻すけど竜介ってオ〇ニーどうしてるの?出来ればオカズについても教えて欲しいんだけど」
「絶対教えん」
「えーいいじゃん。減るもんでもないし」
「さっきから俺の精神がマッハですり減ってるんだよ。気づけ」
そろそろ俺のライフがゼロになってしまいそうだ。早くいつもの美咲に戻って……。
ちなみに俺の性欲処理はあこがいない時にこっそり行っている。オカズはスマホの検索でその時々と言った感じだ。エロ本なんて時代遅れ。バレたら終わる。
「あこと生活しててさ、ムラムラしたりすることないの?お風呂上がりとかさ」
「……そう言えばないな」
あこと一緒にいる事が長かったせいか、そう言った感情を抱くことがまるでない。おかしい。恋愛感情はちゃんとあるはずなのに。遠足で一緒にお風呂入った時も、ドキドキはしたがムラムラする事はなかった
「そういえば変だな……あこに性欲が湧かない」
「恋愛感情って、直球で言えばその子とセ〇クスしたいって言う事じゃん?それがないって事は竜介……」
まさか、俺が長年抱いていた感情は恋心ではなかったのだろうか……。
「いやでも、小学生の恋愛感情なんてそんなもんじゃん?だから俺は大丈夫」
「小学生の頃に心の成長が止まったって事?」
「そう言うわけではないと思う」
謎は一層深まるばかり。俺の恋愛感情は一体どうなっているのだろうか。まさか、俺は何か特殊な病気に……。出来れば健康体であることを願う。
「家帰ったらさ、試しにあこの事押し倒してみなよ」
「いやそれ試しでしちゃいけないやつ」
「じゃあ、どうやって確かめるの?」
「ドキドキすれば良いんだろう?だったら手を繋ぐだけで充分だ」
「あんたほんとピュアだねー」
俺はそんなピュアなのだろうか。
「まあ、家帰ったらあこに試してみる」
「それでドキドキしなかったら?」
「まあ、その時はその時?」
もし仮に、あこにドキドキしなかったらどうしよう。俺は新しい恋を探せば良いのだろうか。それとも、もう一度あこに惚れ直せば良いのだろうか。
……もう一度あこに惚れ直そう。俺にはあこしかいないんだ。
◇
「そう言えば遠足でね、りゅう兄と一緒にお風呂入ったんだー」
『へえ……え?』
あこはNFOの音声チャットでりんりんに遠足の事を自慢していた。マップボスを協力プレイで攻撃しながら、りんりんの間に抜けた声を聞く。
『あこちゃん、りゅっ君とお風呂一緒に入ったの……?』
「うん!」
りゅう兄とのお風呂、すごく幸せな時間だった。一緒に入ったのは五年ぶりくらいで、りゅう兄の大きくなった身体を改めて実感出来た。りゅう兄の背中おっきかったなー。また見たい。
『どうやって一緒に入ったの……?』
「りゅう兄と一緒に泊まった部屋がこんよくのお風呂があってね、それで一緒に入れたんだー」
『混浴……』
りゅう兄は、あこと一緒にお風呂入ってドキドキしてくれたかな。元々それが目的で入ったから、ドキドキしてくれないと困る。まあでも、さすがのりゅう兄でも女の子と一緒にお風呂入ったらドキドキするでしょ。ドキドキしないって言われたら、あこはりゅう兄を殴る。魔王の鉄槌だ。
『混浴……その手があった……』
何か、りんりんが怪しげな事を言っている。
「りんりん?」
『……へ?あ、ううん……なんでもないよ……』
嘘だ。今絶対りゅう兄とこんよくのお風呂行こうとか考えてた。
「りゅう兄はあこのだよ。りんりんには渡さないからね。また押し倒したりなんかしたら──」
『だ、大丈夫。分かってるよ……』
「ほんと?」
『信じて欲しいな……』
りんりんは一回りゅう兄を押し倒してる。罪人なのだ。だから油断ならない。
あこはりんりんへの警戒を強めた。りんりん特別警報だ。
『そう言えば、今度のNFOイベント、あこちゃんはどうする……?』
「あこはりゅう兄と行くよ!結婚指輪が欲しいんだー」
『あれって予約購入だよね……?りゅっ君の指のサイズとかお金はどうしたの……?』
「りゅう兄の指は遠足の時にこっそり測っておいたんだ!お金も大丈夫!」
りゅう兄から好きに使って良いよって言われてたお金をずっと貯めてたから、あこはお金いっぱい持ってる。今まで使って良いのか分からなかったけど、今回だけは特別なのだ。りゅう兄も喜んでくれるかな。
あこはイベント日を待ちに待ちながら、りんりんとボスの攻略を進めた。そして倒した。
ボスを倒し終わった所で、りゅう兄が家に帰って来た。あこは一度PCの電源を落とし、玄関にお出迎えに行く。
「ただいまー。あこ、ちょっと手出してくれるか?」
「……?いいよ。はい」
あこが手を出すと、りゅう兄がいきなりその手を握った。ドキッと胸が動く。
「うん。大丈夫だ」
よくわからない……。
次回から竜介が女の子をフッていく神楽冬のフラレ祭りを開催します。ついにハーレムものからヒロイン一途のラブコメになります。ここまで長かった。
竜介君との指輪のための遠足、そして金。抜かりないぜ魔王様。さすまお