【完結】いちばん小さな大魔王! 作:コントラポストは全てを解決する
Twitterに描いたイラスト載せれば下手でも反応返って来るかなと思ったんだけど、世の中そんなに甘くないね。
「竜介があこと付き合い出してから半年近く経った訳だよね」
「そうだな」
「あこも高一になって、色々出来るようになったわけだよねえ。でさ、竜介──」
「待て。待って美咲。心の準備するから待って」
会う度に毎回下ネタをぶっ込んでくる美咲の事だ。半年経ってもきっと下ネタをぶっ込んでくるだろう。即ち、美咲は俺とあこがえちぃ事をしたか聞いてくる。そうに違いない。
「……よし。OK、カモン」
「あことセックスした?出来れば締まり具合とかも教えて欲しいんだけど」
「うっわ。予想してけどうっわ」
普通に引くわ。心の準備してても引くわ。ほんとなんなんこの子。出会った頃は大人しかったのに……なりを隠していただけか。
「あのさぁ……えっちしたか聞くのはこの際目を瞑るとして、締まり具合ってお前……」
「いやだって、あこったら身体のサイズ変わってなさそうだったし。
「引くわー…………引くわー……」
あこの事そういう目でしか見れない野蛮な人がこんな身近にいたなんて俺はがっかりだよ。ずっと前から分かってた事だけどさ。それにこんな美咲の前にのこのこやって来る俺も俺なんだろうけど。普通にちょっと無理。
「美咲もさ、高二になったじゃん?だったらさ、もうちょっと下ネタ控えようよ。大人になろうぜ?」
「竜介、大人の女子会こそ下ネタが飛び交うものなんだよ?つまりあたしは無事大人の階段登ってるってわけ。竜介が子供過ぎるの」
「加減を知るのも大人への一歩だと思うぞ」
美咲がこのまま社会に羽ばたいたら、きっとえらい事になると思う。部下や同僚にセクハラで訴えられたりしないだろうか。美咲の友達やってる俺は心配やで。こころに頼んで雇って貰おう。それが最適解な気がする。
「まあ、大人大人言ってるけど、社会を知らないあたし達が何言ってるんだって話だけどねー。そもそも大人って何?働いたら大人なの?飲酒喫煙出来たら大人なの?」
「まあ、定義は人それぞれだろうな」
「家にあるビール一本行ってみよっか」
「お酒は二十歳になってからだぞ」
このまま流れでお酒を飲みそうなので俺がしっかりブレーキにならなければ。美咲を本当の意味で危ない子にしてはいけない。頑張れ俺。負けるな俺。美咲の運命は俺が守るのだ。
「大人ってなんだろーね」
「まあ、大人の女には良い恋愛経験が必須って言うけどな」
「良い恋愛経験ねー……」
美咲は窓の外を見てため息をついた。なんとなくだが、美咲は初めてを残したまま生涯を終えそうな気がする。あくまで俺の勘だが。
「あこから竜介寝取れば良いのかなー」
「やめろこら」
「良い恋愛経験ってこういう事じゃないの?」
「ちげーよ」
NTRは悪い文明だってアルテラお姉さんも言っていただろうが。そういえば前に俺を睡姦したとか言う冗談吐いたっけこいつ。美咲の業は重い。
「正直あたしも竜介を狙ってた感はあるよね。お手頃じゃん。チョロいし」
「本人の前で言うか……。俺ってそんなにお手ごろでチョロい?」
「いやーこんな醜態晒してるあたしの前に出てくるのはさすがとしか言い様がないかな」
「自覚あったんだな」
自分が酷い事自覚していたのか。俺はそこに驚いた。
「竜介はいいよねー、あこがいるから大人の階段上り放題じゃん。あーでも、なんかあんたの場合、初めての時から騎乗位であこに搾り取られてそう」
「……………」
「……………………うわー」
引くなよ。泣くぞ。
「ロリボディーに搾取される男。可愛いねー」
「……俺だってさ、正常位でかっこよくリードしてあげたかったよ……!」
「お、語る気になった」
俺の予定では、かっこよく男らしくあこをリードしてあげるはずだったのだ。でも実際は、あこ優位で搾取された。あこはまだ高一になりたてだったと言うのに、俺より優位に立ったのだ。これが魔王のカリスマ性。恐れおののけ。
「普段からみんなに可愛い可愛い言われてる俺だけどさ、ベッドの上でくらい男らしくなれるかなって思ったんだ……。けど、来る日も来る日も女性に負けて、身体にキスマークをつけるだけの日々。いくら回を重ねても、俺のテクニックは上がらないんだ。なんで……なんでなんだよ……なんで俺だけがイカされるんだ……。もっとあこにも気持ち良くなって欲しいのに……。もうヤダ……俺があこの運命の人だと思ってたのに……。ははっ、笑ってくれよ。自惚れてた俺を笑ってくれよ……」
「オレンジジュース飲む?」
「飲む……」
ジュゴゴゴゴと汚い音を立てながら、俺はオレンジジュースを飲んだ。
「せめて、せめてさ、初めての時くらい俺がリードしてもいいじゃん?それなのにさ、あこは初めての出血と痛みに耐えながら 、妖艶に笑って腰振ってたんだよ……。可愛いんだよこんちくしょう……。それになんであんなにえちぃの。あこのプリティーで小柄な印象は何処へ……。わかる?『りゅう兄、気持ちいい?あこが全部してあげるからね』って言われた俺の気持ちわかる?天井のしみ数えてたら全てが終わってた時の気持ちわかる?騎乗位しかして貰えない俺の気持ちわかる?」
「まあまあ、今日は飲みなって」
美咲がオレンジジュースをお酌してくれる。オレンジジュース美味しい。
「あことえっちな事出来るようになったのは嬉しいよ?でも、でもさ、さすがにやられっぱなしなままでいるのはいけないんじゃないかなって思うわけよ」
「まあ、あこも女の子だしね」
「でしょ?だから俺もこの現状をどうにかしなきゃって思うんだよ。こればっかりはどうにかしないと、男としての威厳が……。元々男としての威厳なんてあってないようなものだけどさ」
なんだかあこに男の威厳を奪われてる気がする。
「今日こそは……今日こそは俺が動く……。動いてみせる」
「一応聞きたいんだけどさ、竜介のナニってどれくらいあるの?なんなら今ここで測ってみる?」
「女の子の前で脱ぐのはちょっと……」
「えー今更じゃん。誰に見られてる訳でもないし」
ブーブー言いながら美咲は俺に下を脱げと促す。さすがに美咲と言えどナニを晒すのはちょっと抵抗が……。
「てか、俺のサイズ知ってどうするんだよ」
「いや、仮に竜介のが物凄くちっちゃくて、あこが満足出来てないんじゃないかなーとか思ったりしてさ」
「何それ辛い」
もしかしてそうだったのだろうか。俺のオフィンフィンが小さすぎて、あこは気持ち良くないから暇を持て余し、動く事に徹していたのだろうか。何その悲しみ。俺泣いちゃいそう。
「俺のってそんな小さいのか……。今まで気にした事もなかった……」
「あこの事昔から好きだったのに、なんでそういう事考えてないの?」
「いや、あこと一緒にいることだけを考えてたから……正直性欲思考で考えた事なかった……」
「あんたほんと変わってるねー……。高二なんてヤリたい盛りじゃん」
俺ももっとブイブイ行った方がいいのかもしれない。
「俺じゃなくて周りがおかしいって事はない?」
「じゃあ聞いてみれば?後輩に男の一人や二人いるでしょ」
「まあいるけど」
試しに最近連絡先を交換した越前君に電話して聞いてみたが、俺がおかしいと言われてしまった。俺はおかしいらしい。
「俺がおかしかったのか……」
「まあ、最近やっと普通になって来たぐらいだしね。昔のあんたは異常だったんだよ。エッチを知って初めて人間になったわけ」
「なるほど」
大人の階段を登って、俺は初めて人にレベルアップしたらしい。
「で、結局竜介のサイズはどれくらいなの?試用してもいい?」
「急にぶっ飛んだ話するのやめよーぜ」
「え、今更?いいじゃん別に」
良くないと思う。
「あたしもさすがに処女のままでいるのはちょっとねーって思ってさ。なに?セフレ?そういうの良いんじゃないかなって」
「ちょっと何言ってるか分からない」
えちえちな話が好きなのは知っていたが、実戦好きだとは知らなかった。
「ディルドで処女捨てるのも良いよ?でもなんか虚しくない?あたしやっぱ人で処女辞めたい」
「彼氏作れよ」
「えー面倒臭い」
「お前……」
さすがとしか言いようがない。
「第一、俺にメリットがないだろ」
「え、女とヤレるだけで十分メリットじゃん」
「いや、あこいるし」
「はー、これだから彼女持ちは……」
美咲が呆れている。俺はきっと悪く無いはずだ。
「うーん……そうだなぁ……メリットかぁ……」
「ないだろ?」
思い悩む美咲。セフレはやめとけ、周囲の人の視線が痛いから。それに、俺もあこに何を言われるかわかったもんじゃない。
「あ、じゃあ竜介が好きなだけ動きなよ。あことの練習って事で。竜介だっていきなりあこで動くのは怖いでしょ?あ、当然ゴムありね。なしはシャレになんないし──」
「……」
「お、ちょっと揺らいでる?」
…………………揺らいでなぞいない。ちょっとぼーっとしていただけだ。断じて揺らいでいたわけではない。第一俺にはあこと言う可愛くてかっこいい最高の彼女がいる。それがちょっとあこよりスタイルが良いだけの美咲の提案なんかに、俺が揺さぶられる筈がない。そうだ、そうに決まっている。
──プルルルルル
俺が美咲の提案を断ろうと口を開こうとした瞬間、俺のスマホがなった。試しに出てみると、
『りゅう兄、今すぐ帰って来て』
という何処かキレ気味のあこにそう言われた。
「悪い。あこから呼ばれたから帰るわ」
「あたしの件、考えといてね」
「冗談はほどほどにな」
「冗談じゃないんだけどなー」
俺は荷物を持って美咲の家を飛び出した。
_____
「りゅう兄、正座」
「え、なんでさ」
「良いから正座」
「あ、はい」
帰って来て早々、あこに玄関で正座させられた。なんだかあこが怒っているようだ。どうしたのだろうか。朝のゴミ出しはちゃんとしたはずだし、お昼ご飯の皿洗いもしっかりやったはずだ。俺に落ち度は無いはず。
「りゅう兄、もう美咲の家行くの禁止」
「え、それは困る」
「なんで」
「美咲は気の合う友達なんだ。会えなくなっちゃうと寂しい」
あんなぶっちゃけた話、美咲じゃないと出来ない。それだけ美咲は重要なポジションにいるのだ。それに、シンプルに会えなくなってしまうと寂しいではないか。大切な友達なのだ。
「友達と会うのがダメなのか?」
「……えっちな事する約束してたじゃん」
「なんの事だ?」
「とぼけたって無駄だよ。あこ全部知ってるんだからね」
自分には隠し事なんかできないんだぞと、あこが視線で語って来た。もしかして、盗聴でもしていたのだろうか。こころもしていたし、今更それ如きじゃ驚きはしないけど。盗聴器はどこだ。最近くれたストラップか?それとも、常備をあこに義務付けられている謎の黒いボックスが盗聴器だったりするのだろうか。
「美咲にえっちな事しようって誘われて、りゅう兄しばらく黙ってた。うわきしようとしてたんでしょ」
「いや、あれはただぼーっとしていただけで、別に浮気しようか迷ってたわけでは──」
「りゅう兄うわき者だもん」
これは中々手厳しい。俺は浮気したことなんてないのだが。
めちゃくちゃ怖い目で睨むあこを他所に、俺は何とかしようと言い訳を考えた。どうしたらあこは機嫌を直してくれるだろうか。
「あのな、あこ。俺が好きなのはあこ一人で、愛してるのは……まあこっちは置いといて。そんな俺が浮気なんてすると思うか?」
「あこちゃんと聞いたもん。りゅう兄、美咲のお願い聞こうとしてた」
「だからな、あれは美咲の冗談で……」
「あこ聞いてたもん」
これは時間が掛かりそうだ。あこが話を聞いてくれない。
「じゃあ、あこは俺にどうして欲しいんだ?」
「だから、美咲の家に行かないでって言ってるでしょ」
「えー」
「えー、じゃない!」
ビシッとあこに怒鳴られた。
「そんなに美咲とえっちな事したいの?」
「だから美咲はそういうのじゃなくてだな、ただの友達で……」
「せふれ?になろうって誘われてたじゃん。あこ知ってるよ、せふれってえっちな事する関係なんでしょ。りんりんから教えて貰ったんだから」
燐子と何をどうしていたらそんな話をすることになるのだろうか。俺はそっちの方が気になる。というかあこに余計な知識を吹き込まないで欲しい。おかげで俺がこんな目にあっているではないか。そろそろ足が痺れて来たぞ。
「セフレ自体が美咲の冗談なんだよ」
「冗談じゃないって美咲言ってたよ」
「俺にその気はない」
「でも迷ってたじゃん」
「だからあれはぼーっとしてただけで」
「嘘。絶対迷ってた。あこは騙せないよ」
どうやらあこは俺を疑っているらしい。何をどう頑張っても、俺の容疑は晴れないようだ。
まあ、確かに美咲の提案にはちょっと心揺さぶらたよ?美咲で練習を積んで、あこの時に備えて万全にしとこうかなって一瞬だけ、ほんの一瞬だけ思ったりもしたよ?いやしないけどさ。でも、それもこれも元はと言えばあこが悪いって言っても良いよね。だってあこが男の尊厳踏みにじるのが悪い。俺が九割悪いけど、残りの一割はあこが悪い。
「……あーはいはい。俺が悪かった、俺が悪かったよ。認める。ちょっと美咲の提案も良いかなって思ったよ」
「やっぱりそうじゃん。りゅう兄のばか」
「いやでもさ、聞いて。迷うぐらいに美咲の提案が魅力的だったの」
「なんで。りゅう兄にはあこがいれば良いでしょ」
「でも、あこってえっちの時勝手に動くじゃん……。俺だって動きたいんだよ。てか普通男が動くもんなの。わかる?」
「りゅう兄は動かなくていい」
何故だ。俺も動きたいと言っているだろう。
「なんで俺は動いちゃダメなんだ?」
「……だ、だって、りゅう兄のおっきいから入れるとちょっとだけ痛いんだもん……。だからあこのペースで動きたいの!」
顔を真っ赤に照れさせて、あこが強く言った。どうやら俺は、あこに無理をさせていたらしい。
「そっか、いつの間にか無理させてたんだな……。悪い。全然気づかなくて。それと、あこの気持ち知らなくてごめんな」
「ううん。あこも強く言いすぎた。だからあこもごめんなさい」
「仲直りだな。あ、そうだ、今度美咲の家行く時は一緒に来いよ。それならあこも安心だろ」
「……うん、分かった!」
これからあこ同伴を絶対として、美咲の家に行くことが許可された。そしてこの後幸せなキスをして、あこの説教タイムは幕を閉じたのでした。めでたしめでたし。
R15です(後書きで言う)
あこちゃんはりゅう兄の会話を堂々と盗聴器で盗聴してますが、りゅう兄があまちゃんなのでお咎めなしです。眷属は主に弱いんだよ。これ当然の理。