ソンチョーがいく 作:すとーぶ
ガタンゴトン......
毎朝、電車にゆられ、学校へと向かう。ICカードを改札でタッチして、駅のホームの階段を下りる。向かってくる人の波をかき分け、肩がぶつからないようにそっと反らす。
今日は少し時間に余裕を持ったおかげで、席を確保できた。イヤホンを耳にかけ、肩を窓に預ける。目の前に立つ疲れた顔をしたサラリーマンを直視しないように、目を閉じた。
***
ゆっくり眼を開けると、目の前には不気味な猫が座っていた。寝惚けた目で辺りを見回すと、疲れた顔をしたサラリーマンも、キャピキャピした女子高生も、誰も
体を乗り出してみると、お猿が運転している。キョロキョロとしていると、蒼い毛並みにギョロッとした紅い眼が僕をじっと見ていた。目の前の不気味な猫が口を開く。
「キミはこれからどこへ行くの?」
どこって、僕は高校に向かってる途中だよ。猫の声色は日本語ではない。でも、何故か頭の中で勝手にというか、自動的に日本語に変換されている。
「ふぅん......コウコウ村か。あ!そうだ。地図、地図......この路線だとこれかな?」
あれ......?話が通じていない?
不気味なしゃべる猫はガバッと地図を開き、僕に見せて、ひとり......いや、1匹で納得している。
それから、猫の「村にはよく行くの?」やら、「引っ越しなのかな?」と質問責めにあった。投げやりにわからない、覚えてないと返していく。猫はクスクスと笑い、話に区切りがついた頃。
「まもなくゥ~、コウコウ村ァ~、コウコウ村ァ~、ウッキー」
お猿のアナウンスが車内に流れた。
「そろそろ着くみたいだね」
不気味なしゃべる猫に見送られ、僕はそのホームへ降り立った。
***
改札を抜けて、外へ踏み出すと、どうぶつたちが出迎えていた。二足歩行で立ち、やはり彼らの不思議な声色は日本語に変換されている。リス、猫、ネズミ、ウシ......種族関係なく、わいわいと僕を囲んだ。「ようこそ~」と声を揃えて、ニコニコと歓迎され、正直、戸惑った。
黄色いフワフワした頭のどうぶつが一歩前に出て、話しかけてきた。
「村長! お待ちしていましたよ~」
そんちょう......?はて、何のことだ?
「とりあえず詳しいことは役場の中で」と黄色いフワフワしたどうぶつ改め、しずえさんにドナドナ連れていかれた。
周囲のどうぶつたちも「わぁ、村長だ!」とか「これで村も安心だな」と言い合い、僕たちを見送った。
あれ?もしかして、もう一時間目が始まってるんじゃ......ってことは、遅刻、いや、僕は無断欠席したのか......?