【艦これ】色んな鎮守府の日常【SS】   作:大キャバクラ

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ろおぉ…



10話・幻を見た提督の居る鎮守府(ヲ級)

この季節が来るたびに思い出す。

とても儚く、泡沫の夢と消えたあの夏の出来事を。

とても優しい瞳をした、彼女の事を。

 

 

 

 

 

 

〜提督・少年時代〜

 

提督「ばあちゃん!海行ってくるー!」

 

婆「気をつけるんだよ」

 

提督「うん!行こう!妖精さん!」

 

妖精「」オウ!

 

バタバタバタ

 

 

婆「はて…?妖精とはなんじゃ?まぁ、ええか…」お茶ズズ

 

 

俺はある日突然、妖精が見えるようになった。村の者に話しても誰も信じてはくれない。だから俺はそのうち、その事を話す事は無くなった。だけど見えてしまうのはしょうがない…俺は常にくっついてくる妖精と、行動を共にしていた。

 

 

 

 

〜婆宅・近くの浜辺〜

 

ザザーン…

 

提督「お、おばけ…?」ツンツン

 

ヲ級「…ヲ…」ピクっ

 

提督「ひっ!」

 

提督「妖精さん、見える…?」

 

妖精「」コクリ

 

提督「じゃあ…おばけじゃ…無いのかな…?」ツンツン

 

 

ヲ級「ヲッ!!」ガバッ!

 

提督「ひぃぃぃ!」ズダダダ

 

 

 

ヲ級「…っ…」ヨロ…ヨロ…

 

 

 

提督「…」ひょこっ

 

提督(怪我してるの…?)

 

提督「妖精さん…治せる…?」コソコソ

 

妖精「」コクリ

 

提督「な、治してあげてっ!」

 

妖精「」イヤ、アレニハチカヅイチャダメダ

 

提督「何で…?」

 

妖精「」アレハマボロシダ、ワスレロ

 

提督「そんなっ!とっても痛そうだよ!妖精さん!」

 

 

 

ヲ級「っ…ヲ…っ…」ツーツツー…

 

 

妖精「」マズイ!ナカマヲヨンダ!ニゲルゾ!

 

提督「ダメだよ!」ピタ

 

 

提督「困ってる人は助けなさいって、ばあちゃん言ってた!」タッタッタッ

 

妖精「」ショウネン!?

 

 

「ねぇ!大丈夫!?怪我してるの!?」

 

「!?…っヲッっ…!!ヲッっ!」

 

「大丈夫だからね!ほら!」

 

 

 

妖精「」…ヤレヤレ

スィーっ…

 

「あっ!ありがとう妖精さん!」

 

「ヲッ…ヲ…」

 

 

俺と妖精さんは、浜辺に打ち上げられたヲ級の手当てをした。自分のことながら、命知らずなガキだったよ…

 

………

……

 

 

ヲ級「ヲッキュ!」

 

提督「ヲッキュ?変わった名前だね!」

 

ヲ級「」ブンブン

 

 

ヲ級「ヲッキュ!!」

 

 

提督「?ヲッキュでしょ?どうしたの?ヲッキュ!」

 

ヲ級「っ」バシバシ

 

提督「あはは!痛いってば!」

 

 

妖精「」ダ、ダイジョウブカ

 

 

ヲ級は日に日に状態が良くなっていた。それからも俺と妖精さんはヲ級に会いに行った。ヲ級は喋る事こそ出来なかったが、俺には何となく、彼女が何を言っているのか分かる…気がした。

 

 

 

 

〜釣り場〜

 

ヲ級「ヲーッ!」ブンブン

 

巨大魚「」

 

 

提督「あっ!すごーい!でかい魚だねー!」

 

ヲ級「ヲッ!」エッヘン

 

 

提督「あ!かかった!」

 

提督「俺も負けてられないな!とりゃっ!」ヒュッ!

 

 

提督「ちぇー、今時長靴かよー」

 

ヲ級「♪」クスクス

 

 

巨大魚「」ツンツン

 

妖精「」コレクッテイイノ?

 

ヲ級「!ヲッ」ダメっ

 

 

 

〜裏山〜

 

提督「へっへーん!こっちでは負けないもんね!」

 

カブトムシ「」ワサワサ

 

 

ヲ級「ヲ…ヲォ…」ビクビク

 

提督「?どうしたの?カブトムシだよっ」ず

いっ

 

 

ヲ級「ヲーっ!!」ピュー

 

妖精「」ハヤイ、サスガクウボ

 

 

提督「あっ!ヲッキュ!」

 

提督「?クウボって?」

 

妖精「」イヤ、ナンデモナイ

 

提督「?」

 

 

提督「あ!待ってよヲッキュー!」パタパタ

 

 

妖精「」…

 

 

 

ヲ級と会った日から俺たちは毎日のように遊んだ。海で、山で…

自分に姉が出来たようで、俺自身もはしゃいでいたんだろう。とにかく、それは楽しい日々を過ごしたよ。

 

 

〜浜辺・夕方〜

 

提督「はぁ〜…疲れたー!」ノビー

 

ヲ級「ヲッ!」グイグイ

 

提督「なぁに?ヲッキュ?」

 

ヲ級「ヲッ!ヲッ!」

 

提督「わ、分かんないよー…」

 

 

提督「ヲッキュともお話し出来たら良いのにな…」

 

ヲ級「ヲ…」しゅん…

 

提督「ご、ごめん!」

 

ヲ級「…」

 

 

ヲ級「ヲッ!」アゲル

 

提督「?」ウケトリ

 

提督「わぁ!綺麗だねー!」

 

 

貝殻のペンダント「」キラキラ

 

 

提督「大切にするよ!」

 

 

ヲ級「ヲッ!」ニコ

 

提督「っ」///

 

ヲ級「?」

 

 

妖精「」ワタシノハー?

 

ヲ級「ヲッ」ナイ

 

妖精「」ガーン

 

……

 

 

提督「あっいた!ヲッキュ!」タッタッタッ

 

 

ヲ級「?」

 

提督「はい!この前のお返し!」

 

ヲ級「ヲッ!」

 

提督「髪につけてあげるね!」ヨイショ

 

ヲ級「ヲ?」

 

提督「ほら!」

 

鏡ジャーン

 

ヲ級「ヲヲ!」キラキラ

 

提督「ばあちゃんに教えてもらったんだ!コチョウソウって言うんだって!」

 

ヲ級「ヲ?」

 

提督「あなたと一緒にって花言葉だってさ!」

 

 

提督「俺たち、いつまでも一緒にいようね!」

 

提督「約束っ!」にこっ

 

ヲ級「ヲっ…」

 

 

ヲ級「ヲーっ!///」バシバシ

 

提督「痛いって!あはは!」

 

妖精「」ショウライガタノシミダナ! ヤレヤレ

 

 

 

俺は、この楽しい日々はいつまでも続くと思っていた。

妖精がいて、ヲ級がいて…

しかし現実はそうもいかなかったらしい。

忘れもしない…あの日が来た時、俺達の永遠は幻となって消えた。

 

 

 

 

〜浜辺〜

 

提督「じゃあね!ヲッキュ!また明日!」

 

ヲ級「ヲー♪」フリフリ

 

 

 

 

 

 

ブーン…

 

 

 

ヲ級「?」

 

 

 

 

 

ヲ級「!?」

 

妖精「っ!?」

 

 

 

ヲ級「ヲッ!!」ガバッ!

 

提督「うへっ!」ドサ

 

妖精「」マズイ!

 

 

深海艦戦「」ババババババ!

 

 

ヲ級「ヲッ!」キッ!

 

妖精「」オイ!アレ…

 

 

ヲ級「っ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

南方棲戦姫「迎えに来たわよ…ヲ級…」ニヤ…

 

 

 

………

……

 

妖精「」オキロ! パチパチ

 

提督「う〜ん…」

 

 

提督「はっ!」

 

提督「ヲッキュ!?」キョロキョロ

 

妖精「」ココカラニゲルゾ!

 

提督「ヲッキュは!?」

 

 

妖精「」アッチ!

 

 

 

 

 

 

 

 

〜海上〜

 

南方「ごめんなさいね…貴女からの信号に気付かなくて…」

 

ヲ級「…」

 

南方「でも何日も音沙汰の無かった貴女も貴女よ?全く…」

 

南方「それにしてもちょうど良かったわぁ…」

 

ヲ級「…?」

 

 

 

 

 

南方「ここの島…私達の新しい棲地にぴったりねぇ…」ニヤァ…

 

 

ヲ級「…!?」

 

 

ヲ級「ヲッ!ヲッ!」グイ

 

南方「あら、そんな事無いわ?周りは山に囲まれているし…岬も見張り台にちょうど良いわ…」

 

 

ヲ級「ヲー!ヲー!」ブンブン

 

 

南方「どうしたの?そんなにここが嫌かしら?あら…?」

 

南方「…その髪飾り…とっても素敵ねぇ…」

 

 

ヲ級「ヲ!?」ササッ

 

 

 

南方「まさか貴女、あの人間に手懐けられでもしたのかしら?」

 

ヲ級「っ…」

 

 

南方「やめなさい?あの子もいずれ、この海を汚しても平気な顔をするのよ?」

 

 

 

 

 

南方「今の内に処分する方がいいわ…」

 

 

 

ヲ級「ヲッ!っー!」ゴン!!

 

 

 

南方「痛っ…」イラ

 

ヲ級「ヲ…」オロ…

 

 

 

 

南方「貴女…そんな物を付けて…人間にでもなったつもりかしら…!?」ギロッ

 

 

 

ヲ級「っ…!」ゾワ

 

南方「良いわ…目を覚まさせてあげる…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

南方「こんなもの…」スッ

 

 

髪飾り「」ブチっ…

 

ヲ級「ヲ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

南方「穢らわしい…」ポイッ

 

ぽちゃん…

 

 

 

ヲ級「ヲー!っヲッっ…」バシャバシャ

 

 

 

 

 

南方「そんな物、探すのはやめなさい?」ゲシっ

 

 

 

 

 

 

ヲ級「ヲっ」バシャン!

 

 

ヲ級「っ!!」キッ

 

 

 

 

南方「何…その目は…?」

 

 

 

 

 

ヲ級「ユル…サナイ…!」ワナワナ

 

 

 

 

 

 

ヲ級「コ…ロス…!」ギロッ

 

 

 

南方(この子、体が黄色く…?)

 

 

 

南方「へぇ…面白いじゃない…」ニヤ

 

 

 

 

南方「近頃、しょぼい奴らばかりで退屈してたのよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

南方「イラッシャイ…カンゲイスルワネェ…?」ゴゴゴ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜浜辺〜

 

提督「妖精さん!ヲッキュが!ヲッキュが!」

 

 

 

妖精(南方相手じゃ、エリートになってもキツイだろうな…)

 

 

 

 

 

提督「ねぇ!ヲッキュが撃たれて…あぁ!助けてあげてよ!誰かっ!!」

 

 

 

妖精「」…

 

 

 

〜海上〜

 

 

南方「諦めなさい?私の砲撃はホンモノよ?」ユラァ

 

 

 

 

 

ヲ級「ヲッっ…」ヨロ…

 

 

 

 

南方「私相手に制空権も取れないないなんて…貴女空母として失格ね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

南方「もう、要らないわ」ガシャン

 

 

 

ヲ級「ヲ…」

 

 

 

 

 

 

 

ヲ級(サヨナラ…ショウネン…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妖精「おりゃー!」ドシーン

 

南方「っ…」ヨロ

 

 

ヲ級「っ!」

 

妖精「」ワタシヲツカエ!

 

 

 

 

南方「…」

 

南方「あらぁ?貴女艦娘の仲間じゃないの?良いのかしら?そんな事して…」

 

 

 

妖精「」コマケェコタァイインダヨ!

 

 

ヲ級「ヲ…」ヨロ

 

 

妖精「」カンサイキヲミセロ!

 

 

ヲ級「ヲ…?」ホイ

 

 

 

 

妖精(相変わらず趣味の悪いデザイン…だが基本的な構造は変わらないな、コクピットは…ここか!)

 

妖精「」ヨイショ

 

ヲ級艦戦&艦攻&艦爆「」パァァ…

 

シュウゥ…

 

ヲ級航空隊(熟練)≫ キラキラ

 

 

 

 

 

 

 

 

ヲ級「っ…!?」ドクン

 

 

 

 

ヲ級「ヲヲ!…!」メラメラ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

南方(この子…目が青くなったわ…!?)

 

 

 

 

南方「…あ!」

 

 

 

 

南方「貴女はっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

妖精「」ダイイチジコウゲキタイ!ハッカンハジメ!

 

ヲ級艦戦&艦攻&艦爆(熟練)「」バラバラバラバラ

シュッ!シュッ!シュッ!

 

 

 

 

 

critical!ドゴォン!

 

 

 

 

 

南方「い、痛っ!?」

 

南方(まさか…熟練搭乗員…!?)

 

 

 

 

 

 

 

妖精「」ヤロウドモ!メニモノミセテヤレ!

 

ヲ級観戦&艦攻(熟練)ウォオォオォ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妖精(すまない少年…私は自分の使命を果たす事に決めたよ…)

 

 

 

ヲ級「ヲッ!ヲッ!」シュっ

 

 

 

妖精「了解!雷撃隊!派手にキメるぜッ!!」

 

ヲ級艦攻隊「」ババババババ

シュボッ

 

ボボボボボ…

 

スーーーー…

 

 

 

南方「まずっ!?とりかz」

 

 

 

 

チュドーーーン!!!

 

 

 

 

 

 

 

〜浜辺〜

 

提督「妖精さんまで…いなくなっちゃった…」

 

 

提督「!?」

 

 

 

 

提督「ヲッキュ!?妖精さん!?い、行かなきゃっ…」ジャバジャバ

 

 

 

爺さん「これボウズ!服のまま海へ行ったらいかん!」

 

提督「あっ!隣のおっちゃん!あれ!ヲッキュがっ妖精さんがぁっ!」

 

 

爺さん「あぁん?」

 

 

 

爺さん「!?これは大変じゃ!!」

 

爺さん「ボウズ!家へ戻ってろ!」

 

 

爺さん「くそっ何で鎮守府は辺境には無いんじゃっ…!!」タッタッタッ

 

 

 

 

提督「ヲッキュ…妖精さん…!」ポロポロ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜海上〜

 

南方「ちょこまかと…」

 

 

南方「仰角最大…全主砲、薙ぎ払え…!」ドドォン

 

妖精「」マズイ!アッチハ…!

 

 

三式弾「」バッ!

 

 

ヲ級艦爆隊「グォォ…」ヒュウゥゥ…ボチャン!

 

 

妖精(爆撃隊…全滅か…!)

 

 

妖精「」ライゲキタイ!キメロ!ミチハヒラク!

 

 

 

ヲ級艦攻隊「」ブゥゥゥゥ…シュッ…

 

三式弾「」ババッ

 

 

 

ヲ級艦攻隊「ギ…」 ボチャン

 

 

 

 

妖精(全滅…)

 

 

スーー…

 

妖精(…!!)

 

 

妖精(あの雷跡は…そうか…よくやった…!)

 

 

ボボボボボ…

 

スーーーー

 

 

 

 

 

ドオォオォン!!

 

南方「っ!?」ぐらっ…

 

 

南方(マズイ…傾斜復元…不能…!)

 

スーー…

 

ドン…ドガァアァン!!!

 

 

 

南方「…」モクモク

 

 

妖精「」マダ…!?

 

 

 

南方(大破)「ふふ…ふふふ…」

 

 

 

 

 

 

南方「私が…ここまでやられるとはね…」

 

 

 

南方「…」ドオン!

 

 

 

 

 

ヲ級「ッ!!」

 

 

ヲ級(大破)「ヲッ…」ボロッ

 

 

 

妖精「!」

 

妖精(マズイな…ヲ級ももう発着艦は無理か…今出ている私達で最後…)ブーン…

 

 

 

 

南方「ふふ…今ので主砲は弾切れよ…私も…貴女達も…もう無力に等しいわぁ…」

 

 

ヲ級・妖精「っ…」

 

 

 

 

南方「だけど…これ…知ってるかしらぁ…?」シュ…

 

ボボボボボ…

 

 

 

妖精(魚雷っ…!?)

 

 

 

スーーーー…

 

ヲ級「ヲ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズドン…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーヲ級 撃沈ー

 

 

 

 

 

〜海底〜

 

 

 

ゴボ…

 

 

 

 

ヲ級(マタ…シズンダ…)

 

 

 

 

 

ヲ級(アレハ…カミカザリ…?)

 

 

 

ヲ級(トドケ…)ぐぐ…

 

 

パシ…

 

 

ヲ級(ヨカッタ…)ギュっ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヲ級(ゴメンナサイ…ヤクソク…ダメ…ミタイ…)

 

 

ヲ級(ショウネン…アリガトウ…)にこ…

 

 

 

ドカァン!!!

 

 

 

 

〜海上〜

 

バシャァン…

 

 

妖精(ヲ級っ!…)

 

 

妖精(私達も還る艦を喪った…か…)

 

 

妖精(こうなったら…やる事はただ一つ…)

 

 

妖精(熟練搭乗員の誇りを見せてやる…!)

 

 

妖精(少年…君と過ごした日々は…忘れないぞ…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヲ級艦戦隊「」バラバラバラバラ!!

ギュウゥゥゥゥゥゥゥッ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

南方「逆巻きに急降下…ねぇ…お前達はいつもそう…」

 

 

南方「勝ち目がないと分かると、自らの命を捨ててでも一矢報いようとする…馬鹿ねぇ…あの日だって…そんな事しなくても…生きていれば…」

 

 

 

 

 

 

南方「流石の私も…これじゃあ…防ぎきれないわ…」クスッ

 

 

 

 

 

 

南方「はぁ…私達も…あんな時代に生まれていなければ…こんな姿に…」

 

 

 

 

 

 

ヒュウウウゥゥゥゥ…

 

 

南方「総員…退去…速やかに…艦を離れるのよ…」

 

 

チュドーーーン!!!

 

……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜浜辺〜

 

提督「うそ…ヲッキュ…?妖精さん…?」ボーゼン

 

 

 

 

 

「大丈夫か!?」スイーっ

 

「扶桑!山城!第二支援艦隊は近海の警備にあたれ!」

 

「少年、もう大丈夫だ!この長門が来たいじょ 提督「ヲッキュがぁっ!!」ポロポロ

 

 

「ヲッキュ…?あぁ、ヲ級か、安心しろ!ヲ級だろうが何だろうが、我々が蹴散らしてくれる!」

 

 

提督「ちがう…違うよ…」ポロポロ

 

「な、泣くな…」アセアセ

 

「あらあら、どうしたの?ボク?」

 

 

提督「ヲッキュも…妖精さんも…いなくなっちゃった…」ポロポロ

 

 

「妖精…?な、長門、この子まさか…」

 

「なに…?」

 

「長門さーん、南方棲戦姫なんて何処にも居ないっぽい?」

 

「おかしいな…確かに連絡があったのだが…」

 

「ねぇ長門、この子、保護した方が良いのかしら?」

 

 

「あぁ、適性を持った者だ、大本営へ連絡するぞ」

 

「はぁい」

 

……………

………

……

 

 

こうして、誰も知らない戦いは、誰も知らないうちに幕を下ろした。

誰に話しても、この話は爺さんしか信じてはくれない。

俺は熱中症で幻覚でも見ていたんだろうということになった。

俺もこの夏の出来事は、夢だったんだと思うようになった。

 

そしてどうやら妖精が見えるというのは、ごく稀にいる提督の資質を持つ者に限られた能力らしく、俺はこの後大本営の養成所へ半ば強制的に入所する事になった。

勉強する事は妖精さんやヲ級と遊んでいた経験もあってか、殆どすんなりと頭に入ってきた。

士官学校入学後は意見の対立で教官や同期と衝突する事もあったけど、俺は今現在まで自分の信念は変えていない。

 

「深海棲艦も艦娘も人間も、皆が笑って暮らせる世界」

 

俺はそんな世界に憧れる。

あの日の幻がもし本当の事だったなら、深海棲艦も悪い奴ばかりでは無いと思うんだ。

 

 

…………

……

 

 

 

 

〜現在〜

 

提督「あっづ〜…」

 

漣「しっかりして下さいご主人さま!」ユサユサ

 

提督「クーラー…」

 

漣「欲しければ戦果を上げましょう、新米少佐殿?」ニコッ

 

提督「くそ…」ポロっ

 

 

漣「あっ、何か落ちましたよ?」ハイ

 

提督「おぉすまんな」

 

漣「綺麗なペンダントですねー!」

 

提督「そうだろ?」

 

漣「どこで買ったんです?」

 

 

提督「いや、昔大切な人にもらった…そんな気がするんだ」

 

漣「ふぅん…」

 

 

コンコンコン

 

 

提督「どうぞー」

 

龍驤「艦隊が帰投したでー!」

 

龍驤「敵の空母も撃沈して、任務も達成や!これで正規空母の保有許可も下りたなぁ!」

 

漣「さすがです!」パチパチ

 

提督「…そうか」

 

龍驤「何やきみぃ、あんまり喜んでないなぁ?」

 

提督「…そうかな?」

 

龍驤「元気出し!そろそろ大本営から赤城が来るはずやで!」

 

提督「えぇ…今は資材が厳しいんじゃ…?」

 

 

コンコンコン

 

龍驤「お、来たで」

 

提督「くっ…ど、どうぞ」

 

ガチャ

 

「失礼します」

 

 

赤城「一航戦、赤城!本日より当鎮守府に着任致します!」ビシッ

 

 

提督「おぉ、本当だ」

 

龍驤「な?ウチの言った通りや」

 

赤城「空母機動部隊を編成するなら、私にお任せくださいませ。」ぺこり

 

 

提督「龍驤もこんな感じでだな…」

 

 

龍驤「おぉ!赤城!」

 

提督「聞けよ…」ガク

 

 

 

 

龍驤「可愛い髪飾りやなぁ!どこで買うたん?」

 

 

 

 

提督「…!?」

 

 

 

 

赤城「あぁ…これですか…」

 

 

赤城「ふふ…昔、大切な人に貰った…そんな気がするんです」ニコ

 

 

龍驤「ほぇー」

 

 

提督「っ…そうか…」

 

 

赤城「はい」にこ

 

赤城「あ、この花、コチョウソウって言うらしいんですよ。 花言葉は確か…」

 

 

 

 

 

 

提督・赤城「「あなたと一緒に…」」

 

提督「…かな?」

 

赤城「…えぇ」ニコ

 

 

 

龍驤「んー?」

 

 

龍驤「おぉ!!流石大本営から来た空母やで!艦載機の熟練度もバッチリやね!」

 

赤城「そうでしょうか?」クスッ

 

 

 

 

 

 

艦載機妖精「」ヨウ!

 

提督「…」

 

 

 

妖精「」ワスレタトハイワセン! ドヤ

 

 

提督「…」

 

 

 

赤城「提督、どうしたのですか?」フフ

 

 

 

 

提督「いや、何でも無いさ…」

 

 

 

 

ただ…

 

 

 

 

「なんだか、君と話すのは、とっても久しぶりな気がするよ…」

 

 

 

 

「…いいえ、私がこうして貴方とお喋りできるのは、今日が初めてですよ?」

 

 

 

 

「…そうか」

 

 

 

 

「そうだったな…」クス

 

 

「これからもよろしくな、赤城」にこ

 

 

 

 

「はい」ニコ

 

 

誰も信じてはくれなかったけど

あの日、

彼女が守った島があった。

彼女が守った誇りがあった。

彼女達に守られた、俺が居た。

それらは決して、幻では無かった。

 

あの夏、海に消えていった彼女は

思い出と変わらない優しい瞳で、再び僕に微笑んだ。




ツ級に艦載機全滅させられては育て…
うぅん、奥が深いゲームだ…でも髪の毛は持って行かないで…
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