【艦これ】色んな鎮守府の日常【SS】   作:大キャバクラ

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アケイベで天龍が頑張ってくれたので記念に


16話・怖い艦娘の居る鎮守府(天龍)

〜工廠〜

 

提督「確か吹雪は全部30で良いって言ってたよな…」かちゃかちゃ

 

提督「これでいいのか?」

 

ゴンゴンゴン…

 

 

 

船渠「」プシュウゥゥン…

 

妖精「」デキタヨ!

 

ガシャン…

 

天龍「…」ぱち

 

天龍「オレの名は天龍…ふふふ、怖いか?」ニヤ

 

 

 

提督「…」

 

提督「こ、こえぇ!」ブルブル

 

 

天龍「くくっ…そうかぁ?」ニヤニヤ

 

提督(何だあの鋭い眼光!携えた刀!眼帯!怖っ…!)

 

提督「ど、どうも…この鎮守府の提督ですっ…新米ですがよろしくお願いします!」ドキドキ

 

天龍「ふぅん…、ま、オレも今生まれたばっかだからよ」

 

天龍「仲良くしようぜぇ?」ニヤ

 

提督「は、はい!」ブルッ

 

提督「て、天龍さんは艦種は何ですか…?巡洋艦?まさか…戦艦…?」

 

天龍(おいおい、オレの艦種も知らねぇほどのルーキーか?…いっちょかましてやるか♪)

 

天龍「お前…」ギロ

 

提督「ひっ!」

 

天龍「オレを巡洋艦だとか戦艦だとか、お前たちの枠組みで語るんじゃねぇよ…今お前の目の前に居るのは…」

 

 

 

天龍「この天龍様、だぜ?」ドヤ

 

提督「ひゃあぁ…」ガクガク

 

天龍(ふっ…決まったな…)

 

 

吹雪「いたいた!司令官!初めての建造達成しましたねー!」テテテ

 

天龍「ん?」

 

吹雪「あ、初めまして!特型駆逐艦の吹雪です!」ペコ

 

天龍「ふ…よろしくな」ニヤ

 

吹雪「?」

 

吹雪「はいっ!よろしくお願いします!」

 

 

提督「吹雪〜…艦娘ってお前みたいなのばっかじゃないんだな…」

 

吹雪「もう!どういう事ですか司令官!」

 

提督「だってほら…」チラ

 

 

天龍「くくく…」ニヤニヤ

 

 

提督「あんなに刀を舐めるように見て…怖い人も居るんだなって…」

 

吹雪「そうですかね〜…?」

 

吹雪「まぁでもこれで正面海域に行けますね!」

 

提督「そ、そうだな!じゃあ準備してもらえるか!」

 

吹雪「はい!」

 

提督「て、天龍さん…」

 

天龍「何だ?」

 

提督「あ、あの、出撃を…」

 

天龍「やっとオレの出番か…!いいぜ…」

 

天龍「天龍!水雷戦隊、出撃するぜ!」バッ!

 

 

提督「…」

 

提督「か、かっこいい…」キラキラ

 

天龍「ふっ…おい、そこのちっこいのも行くぜ?」スタスタ

 

吹雪「あ!ちょっと待ってくださいよ〜!」テテテ

 

 

 

提督「これで勝てる…!とんでもないレア艦を建造してしまった…!!」

 

 

 

 

ー30分後ー

 

吹雪「司令官!天龍さん凄いですよ!MVPですよ!」ボロっ

 

天龍「当たり前だろ!オレが1番つえーんだからよ!」ドヤ!

 

提督「は、はいっ!」キラキラ

 

 

提督「ってその前に吹雪は補給と入渠な!」

 

吹雪「うぅ…派手にやられちゃいました…」テクテク

 

提督「天龍さんも補給を済ませてください!」

 

天龍「おう、いただくぜ」スタスタ

 

 

提督「やっぱり俺の見込んだ通り…!」

 

 

 

 

 

 

ー5分後ー

 

〜執務室〜

 

ダダダダ!!!

 

提督「…?」カキカキ

 

 

バタァン!!

 

天龍「おい提督!どうなっていやがる!!」グイッ!

 

提督「ひっ!」

 

天龍「石炭が何処にもねぇじゃねーか!!」

 

提督「せ、石炭…?」

 

天龍「そうだよ!オレの艤装は石炭と重油の混燃式だろーがよ!!」バン

 

提督「そ、そうなんですか…!?」ビクビク

 

天龍「あぁん?まさかお前、知らずにこのオレ様を運用したのか?」

 

提督「ご、ごめんなさい!」

 

天龍「ったくしょーがねぇなー!」

 

天龍「補給できねぇと次の出撃も危ういしなぁ…」

 

 

提督「あっ!」ガサガサ

 

天龍「?」

 

提督「天龍さん!ありましたよ!天龍型の燃料補給の手順書!」ペラ

 

天龍「お?ふむふむ」ヨミヨミ

 

提督「どうですか…?」

 

天龍「大体分かったぜ…」

 

天龍「妖精さん!」

 

妖精「」ナンダー

 

天龍「俺の艤装に石炭入れてくんねーか?」

 

妖精「」イイゼー

 

コーン…コーン…コーン…

 

……

 

天龍「助かるぜ!」

 

提督「出来ました!?」

 

天龍「おう!これでまた出撃出来るぜ!」

 

提督「よ、よかった…」ほっ

 

提督「それにしても石炭が必要だなんて…初めて知りました…」

 

天龍「ま、それがオレ達天龍型の強さの秘訣だからよ」ニヤ

 

提督「ほぇー…」

 

 

コンコンコン

 

提督「どうぞ!」

 

吹雪「司令官!入渠が完了しました!」

 

提督「そうか!」

 

提督「!」ヒラメキ

 

提督「吹雪、補給は済んだか?」

 

吹雪「あっ!まだでした!」

 

吹雪「ちょっと行ってきますね!」

 

提督「大丈夫!ここで済ませちゃいな!」

 

 

 

 

 

提督「妖精さん!吹雪にも石炭お願いします!」

 

 

天龍&吹雪&妖精「!?」

 

吹雪「ち、ちょっと待ってください司令官!」ワタワタ

 

吹雪「私石炭なんて燃やせませんよ!」

 

提督「え…?パワーアップ的なやつじゃ…?」

 

妖精「」デキネー

 

提督「ど、どういう…」

 

 

吹雪「そんなもの入れたら機関が爆発しちゃいます!」プンプン

 

提督「そ、そんな危険なものだったのか…」

 

 

天龍「だから言ったろ?」ポン

 

提督「…?」

 

 

 

天龍「あれはオレ達天龍型しか扱えない代物…ってな」ニヤ

 

提督「そんな危険なものを敢えて…」

 

提督「やっぱり凄いですよ天龍さん!」

 

天龍「ふふん」ドヤ

 

吹雪「…」

 

吹雪(単に缶の構造が古いんじゃ…)

 

 

 

………

……

 

 

〜執務室〜

 

提督「天龍型って言いますと、天龍さんの他にも姉妹が居るんです?」カキカキ

 

天龍「そうだなぁ…あの時は妹の龍田も居たが…オレの方が先に沈んじまったからなぁ…」シミジミ

 

提督「そ、そうなんですね…」

 

提督(天龍さんになんて事を!俺の馬鹿っ!)

 

天龍「ま、今度は沈まねぇよ!」

 

天龍「龍田が来たら姉妹共よろしくな!」ニカッ

 

提督「はい!」

 

吹雪「司令官、次の作戦はどうしますか?」

 

提督「そうだなぁ…鎮守府近海の制海権も完璧にしたいしなぁ…」ペラ

 

天龍「ま、次もこのオレ様に任せな」ドヤ

 

提督「はい!」

 

吹雪「じゃあまた出撃しますね!」

 

提督「あ、見送るよ!」

 

 

 

〜鎮守府・港〜

 

提督「では、出航用意!」ビシ!

 

天龍「おう!水雷戦隊!出撃するぜ!」

 

吹雪「行って来まーす!」フリフリ

 

提督「行ってらっしゃい!」

 

スイーっ…

 

 

 

提督「ふぅ…それにしても龍田さんってどんな人なんだろう…天龍さんの妹って事は…」

 

 

龍田『おうおうおうおう!龍田様のお通りだ!』ヅカヅカ

 

龍田『あ?何だおめー!ブン殴るぞ!!』ドカッ

 

 

提督「っ」ブルッ

 

提督「こ、怖い人じゃないといいなぁ…」

 

提督「あ!建造の報告書まとめないと!」タタッ

 

 

 

 

〜執務室〜

 

提督「これをここに書いて…あっ間違えた…」ケシケシ

 

妖精「」ヨクミロー

 

提督「…?」

 

提督「えっ!?」

 

提督「これそもそも用紙違うの!?まさか全部やり直し…!?」

 

妖精「」ガンバレー

 

提督「はぁ…提督って大変だなぁ…」

 

………

……

 

提督「…」カキカキ

 

提督「一度書いたものをまた書くのは辛いなぁ…」

 

提督「あっ、そろそろ天龍さん達帰って来るかな?」

 

提督「出迎えしよ」テクテク

 

 

 

 

〜港〜

 

天龍「おう!艦隊が帰投したぜ!」

 

吹雪「司令官!今度は上手くやりましたよ!」小破

 

提督「そうか!よくやった!」ナデナデ

 

 

 

提督「ところで…天龍さんの持ってるそれは…?」

 

天龍「ん?あぁこれか」ガシャン

 

天龍「戦闘の後に海に浮かんできたんだよ」

 

天龍「オレの艤装と形は似てるが電探と武器の形が違うからなぁ…」

 

吹雪「工廠で艦娘を呼べば良いんじゃないですか?」

 

天龍「ま、そうだよな」

 

提督「じゃあ行きましょう!」

 

吹雪「はい!あ、私入渠してもいいですか?」

 

提督「そうだったね、妖精さん、吹雪についてもらえるかな?」

 

妖精「」イイゾー

 

提督「じゃ、ゆっくり体を休めてね!」

 

吹雪「はい!」テテテ

 

 

提督「じゃあ…?」

 

 

 

天龍「…」ジロジロ

 

提督(天龍さん…あんなに艤装を見つめて…は!まさかあの薙刀を分捕って二刀流…!?)

 

天龍「なぁ提督…」

 

提督「は、はい!」

 

 

天龍「これ、龍田かもしれねぇ」

 

提督「!!」

 

天龍「何となくな…そんな気がするんだよ」

 

 

提督(はわわ!ま、まさか龍田さんまでこんなにすぐに…っ!!)

 

 

龍田『おらぁ!!』バキッ

 

 

提督(でも怖い…けど…俺だけこんなに最初からレア艦ばかり出して…周りから恨まれないかな…?)

 

天龍「ま、工廠に行ってみようぜ」スタスタ

 

提督「は、はい…」

 

 

 

〜工廠〜

 

船渠「」プシュウゥゥン…

 

妖精「」ドウ?

 

龍田「…」ぱちっ

 

龍田「初めまして、龍田だよ〜天龍ちゃんがご迷惑かけてないかな〜?」

 

 

天龍「龍田!!」ダキッ

 

龍田「あら〜!天龍ちゃん久しぶりね〜」

 

天龍「やっぱりお前だったんだな!」

 

龍田「うふふ…また会えるなんて…」

 

提督(な、何だ…天龍さんの妹っていうから怖い人かと思ったら…優しそうなお姉さんじゃないか!)ほっ

 

龍田「あら?貴方が提督かしら〜?」

 

提督「はい!よろしくお願いします!」ペコ

 

天龍「こいつ新人だからよ!」ヘッドロック!

 

提督「うわぁ!?」

 

天龍「仲良くしてやろうぜ?」グリグリ

 

提督「あわわ!」

 

提督(天龍さん!む、胸がっ…!//)

 

 

 

龍田「…」

 

 

 

提督「…?」

 

 

龍田「よろしくね〜♪」

 

天龍「じゃあ俺はまた補給済ませるぜ!」

 

提督「はいっ!」

 

天龍「次の作戦も考えとけよ〜!」タッタッタッ

 

提督「はーい!」

 

 

提督「さて、龍田さん!」くるっ

 

 

 

 

シャキ…

 

 

 

提督「ひぃっ!!」ピタ

 

提督(く、首に刃が…!?)

 

 

 

龍田「提督、随分天龍ちゃんと仲良しさんみたいですね〜」チャキ

 

提督「は、はいぃ…」ブルブル

 

龍田「でも天龍ちゃんに手を出しちゃダメよ〜?」

 

龍田「あ、もちろん私にもお触りは禁止ですよ〜?」

 

提督「っ」コクコク

 

 

龍田「良い子ですね〜♪」スッ…

 

提督「はぁ…っ…!」ヘタリ…

 

龍田「じゃあ私は天龍ちゃんと、この施設を見て回るわね〜?」

 

龍田「提督、これからよろしくお願いするわぁ〜♪」ニヤァ…

 

テクテクテク…

 

 

 

提督「はぁっ…はぁっ…」ブルブル

 

 

提督「こ、怖かったよぉ…」ポロポロ

 

 

吹雪「あっ!司令官…って何泣いてるんですか!?」

 

提督「吹雪…」

 

吹雪「は、はい?」

 

提督「天龍さんに手を出したり、龍田さんに触ったりしたらダメだぞ…?」

 

吹雪「えぇ…」

 

………

……

 

 

 

 

〜数ヵ月後〜

 

天龍「なぁ提督、この鎮守府も最初に比べたら大所帯になったよなぁ?」

 

提督「え?まぁそうですね〜」

 

天龍「でもなぁ〜…」

 

「わぁ!如月ちゃんの髪サラサラ〜!」「ボクと将棋でやり合うの?」「この靴ちょっときついっぽい〜」

ワイワイ

 

天龍「オレと龍田以外全員駆逐艦じゃあよ〜」

 

提督「そうですよね…バシー島ギリギリでしたもんね…」

 

天龍「あぁ!?オレ様が肉を切らせて骨を断ったんだよ!ギリギリじゃねぇっつうの!」グリグリ

 

提督「ちょ、やめてくださいよ!//」チラ

 

 

龍田「…♪」ゴゴゴ

 

提督「て、天龍さんそろそろ…」

 

天龍「何だよ!ひ弱だなぁ!」ケラケラ

 

吹雪「でも司令官、そろそろ大型艦の人も必要じゃないんですか?」

 

提督「重巡とか戦艦って事…?でも天龍さんと龍田さんが居るし…」

 

龍田「あら〜、随分と信頼してくださるのね〜」

 

提督「そ、そりゃまぁ…」

 

天龍「だけどオレ達だけじゃ最近厳しいのも事実だぜ?」

 

提督「て、天龍さんで厳しいとはこの先いったい…」

 

天龍「ま、お前とオレと龍田が居れば怖いもの無しだけどな!」ガシッ!

 

提督「天龍さん…」ぽー

 

龍田「…提督?」

 

提督「あ、な、何でもないです!」

 

吹雪「もう!私達も居るんですからね!」

 

………

……

 

 

ー工廠ー

 

提督「天龍さんはあぁ言ってくれたけど…」

 

提督「天龍さん達に頼りすぎだよなぁ…今日の建造任務、ちょっと奮発するか!」

 

提督「えーと…」 250/30/200/30

 

提督「い、意外と使うなぁ…でもこれで!」ガシャン!

 

船渠「カチカチカチカチ」

 

 

提督「1時間半か…長いなぁ…よし!」

 

提督「妖精さん!これ使えます?」つ高速建造材

 

妖精「」オウヨ!

 

提督「じゃあお願いします!」

 

 

船渠「」プシュウゥゥン

 

提督「ど、どんな子かな…」

 

妖精「」アケルヨー

 

艤装「」ガシャン…

 

提督「これは…天龍さんより少し大きい…?」

 

 

天龍「おう!提督!何したんだー?」ツカツカ

 

提督「あ!天龍さん!新しい艦を作ってみようかと…」

 

天龍「この!オレという奴が居ながらよー!」ガシッ

 

提督「天龍さぁん!ちょっと!」ムギュムギュ

 

天龍「で、どんな奴なんだ?新入りは」パッ

 

提督「っとと…」ヨロ

 

提督「何か天龍さんより大きいかもしれないんですよねー」

 

天龍「て事は重巡か戦艦か?もしかすると空母かもしんねーな!」

 

天龍「呼んでみようぜ!」ワクワク

 

提督「っはい!妖精さん!お願いします。」

 

妖精「」ウオォ!

 

 

 

パアァァァ…

 

 

摩耶「…」ぱち

 

摩耶「よ!あたし摩耶ってんだ!よろしくな!」ピッ

 

提督「よろしく!」

 

提督(元気そうで可愛い子じゃ無いか!)

 

天龍「おぉ、名前は聞いたことあるぜ」

 

 

天龍「確かハリネズミって聞いたが…意外と大したことなさそうだなぁおい」ニヤ

 

 

摩耶「」ピク

 

摩耶「今何て言った…?」

 

天龍「弱そうだって言ったんだ、何だ?通信室まで貧弱か?」

 

 

 

摩耶「あぁん!?お前、あたしを怒らせちまったな!」ズイ

 

 

提督「っ!?」ビク

 

天龍「おぉ、怖いねぇ…」ニヤニヤ

 

摩耶「お前…その余裕そうな顔涙で歪めてやるぜ!かかってきな!」

 

天龍「望むところだ!」ガッ

 

龍田「天龍ちゃん?あんまりはしゃぐのはだめよ〜?」ガシッ

 

 

天龍「ったくよ…おい新入り、命拾いしたな」

 

摩耶「それはお前だろ?」

 

天龍「…」

 

摩耶「何だよ?図星でビビってんのか?」

 

 

天龍「そんだけ言えりゃ十分だなぁ!」

 

摩耶「なに…?」

 

天龍「提督!こいつを第1艦隊に…っておい、何してんだ?」

 

 

 

 

提督「」ブルブル

 

龍田「あら〜そんなに隅っこで小さくなって…」よしよし

 

提督(ま、まさか摩耶さんがこんな人だったなんて…!)

 

摩耶「何か頼りなさそうな野郎だなー!あはは!」バシッ

 

提督「うぐっ!」

 

提督(い、いてぇ!)

 

 

天龍「提督、こいつをオレの第1艦隊の随伴艦にしてえ!」

 

提督「っ」コクコク

 

摩耶「はぁ!?軽巡のお前よりあたしが旗艦の方がいいだろ!?」

 

天龍「お前は練度が俺より低いだろ?色々教えてやんぜ〜?」ニヤニヤ

 

摩耶「チッ!クソが!」

 

提督「じ、じゃあ摩耶さんも近海で天龍さんについて…」

 

天龍「ほらほら、提督も言ってる事だしよ?仲良くしようぜ?」

 

摩耶「…」

 

摩耶「…けっ、旧式が…」ボソっ

 

天龍「!!」

 

天龍「てめぇ!」

 

摩耶「悔しかったらついて来やがれってんだ!」ピュー

 

摩耶「あ、お前の缶じゃここまで速度出ねぇなぁ!」ケラケラ

 

摩耶「先に港行ってるぜー!」

 

タッタッタッ

 

 

天龍「…」プルプル

 

龍田「天龍ちゃんダメよ〜?仲間は大切にしないと、ね?」

 

天龍「で、でもよ…」

 

龍田「だーめ♪」めっ

 

天龍「くっ…!おい!提督!」

 

提督「」ビク!

 

提督「は、はい!」

 

 

天龍「あいつの練習航海終わったらツラ貸せよ?」ギロ

 

提督「」

 

龍田「天龍ちゃんあんまり提督を虐めちゃ嫌よ?」

 

天龍「ふん…じゃあ行ってくるぜ」スタスタ

 

 

提督「こ、殺される…!天龍さんに殺されちゃいますよぉ!」

 

龍田「そんなことは無いと思いますよ〜?」

 

龍田「天龍ちゃん提督の事すごい気に入ってますから〜♪」ニコニコ

 

提督「た、龍田さん笑顔が怖いです…」

 

龍田「あら〜♪」ニコニコ

 

提督「ひっ」

 

………

……

 

 

 

 

〜鎮守府・港〜

 

 

 

提督「そろそろかなぁ…」

 

提督「また喧嘩して大変な事になってなきゃ良いけど…」

 

 

 

「そんでよ〜…」「そいつは傑作だなぁ!」

「あっはっは!」「お前話がわかるやつだなぁ!」

 

 

 

提督「…?」

 

 

天龍「お、提督早いなぁ!艦隊が帰投したぜー!」

 

摩耶「どうだ!あたしがMVPだぜ!」ビシ

 

天龍「今回は自信つけさせるためにお前に譲ってやったぜ」ヤレヤレ

 

摩耶「そういう事にしといてやるかー」ケラケラ

 

 

提督「おかえり!随分仲良くなりましたね!」

 

天龍「だろ〜?こいつ意外と良いやつだぜ?」

 

摩耶「ったりめーだろ!あたしは摩耶様だぜ!」ドヤ

 

 

提督「無事なようで良かったです!では2人とも補給を済ませてくださいね!」

 

提督「じゃあ俺はこれで!」スタスタ

 

 

天龍「おっと提督、約束忘れてねぇか?」ガシッ!

 

提督「っ」ギク

 

摩耶「なんだなんだー?」

 

天龍「お前は向こう行ってな?ちょっと話す事があるからよ」

 

摩耶「ケチくせーなー!先行ってるぜー?」スタスタ

 

 

 

 

天龍「…行ったか」

 

天龍「なぁ提督」

 

提督「な、なんでしょう…?」フルフル

 

 

天龍「オレと龍田を第1艦隊から外さねぇか?」

 

 

提督「…え?」

 

提督「ど、どういう事ですか天龍さん!」

 

天龍「そのままの意味だ、改装する前に外した方がいい」

 

提督「ちょっと待ってくださいよ!天龍さん達を外したら…」

 

天龍「まぁ聞けよ」ビシ

 

提督「あたっ…」

 

 

天龍「オレ達天龍型はな?進水した当時は世界水準を超えた新鋭艦だったんだ」

 

提督「…?」

 

天龍「だがその後に出てきた特型駆逐艦…例えば吹雪や漣だな?そいつらや球磨型にあっという間に追い越され、気付けば旧式になっていたんだ」

 

天龍「それは艦娘になった今でも変わらねぇときた」

 

天龍「吹雪達はどんどん力をつけて来やがる」

 

天龍「それにさっき摩耶と海に出て実感したよ、あいつはオレより火力も速力も何倍もある。あいつは強い!流石は高雄型巡洋艦だってな!」ニッ

 

提督「…」

 

天龍「だけどな、オレと龍田だってあいつらより燃費と航続距離は良いんだぜ?他の鎮守府じゃあオレ達は遠征に使われてるんだよ」

 

天龍「だがそれも改装するとメリットが消えちまう」

 

天龍「だからよ、提督」ポン

 

 

天龍「その前にオレ達を外せ」

 

 

提督「…」

 

 

天龍「どうした?旧型を使わずに済んでせいせいするだろ?」ケラケラ

 

 

提督「い、嫌です!」キッ!

 

天龍「はぁ!?」

 

提督「天龍さん達は外したくありません!」

 

 

天龍「おい!オレ達を使ってたんじゃこれから先苦しくなるんだぞ!?分かってんのか!?」グイッ!

 

提督「ぐっ…!ぜ、絶対にやですっ!」ブルブル

 

 

天龍「このっ…!」スッ

 

提督「天龍さんはそれでいいんですか!?」

 

天龍「っ!」ピタ

 

提督「天龍さんは自分が前線に出る事をいつでも望んでいたじゃないですか!」

 

 

提督「なのに自分から外せだなんて…そんなの俺の好きな天龍さんじゃないですよ!!」

 

 

天龍「は、はぁ!?」

 

提督「俺の好きな天龍さんは!強くて、カッコよくて、怒ると怖くて!でも皆んなには意外と優しくて…」

 

提督「そんな天龍さんが大好きだったんですよ!!」ガシッ

 

天龍「な、なに言ってんだお前!!//」

 

 

提督「それに天龍さんに出てもらわないと…まだまだ不安ですよ!だから…天龍さんを外すのは…嫌です!」ウルウル

 

天龍「て、提督…」

 

天龍「…」

 

 

提督「お願いしますよぉ…天龍さんじゃないと…怖いんですよ…」ギュ…

 

天龍「…」

 

 

天龍「ったく弱虫だなぁお前は!!」グリグリ

 

提督「…っ」

 

天龍「そんなにオレの力が必要かぁ!?」

 

提督「は、はい!」

 

天龍「ふ…お前がそんなんじゃまだまだ前線から引けねぇなぁ!おい!」

 

 

天龍「良いぜ…お前もこの艦隊も、天龍様に任せろ!死ぬまで戦わせてもらうからなぁ!」ニヤ

 

提督「天龍さん!」ダキッ

 

天龍「っ」ドキ

 

天龍「おいおい、今日は随分積極的だなぁ?」

 

提督「あ、す、すみません!」パッ

 

天龍「ま、良いぜ?あんな熱い告白されちゃあオレも黙ってる訳にはいかねぇからよ!」

 

提督「こ、告白?」

 

天龍「あ?散々好きだなんだ言ってただろうが!」

 

 

天龍「望み通りお前の女になってやるよ!」ニカッ

 

提督「え」

 

天龍「まだまだケッコンには遠いけどよ!ま、頑張ろうぜ!お前とオレが居りゃあ練度99なんてすぐだろうよ!」ガシッ!

 

提督「ぇ?」

 

天龍「じゃ、オレは補給行ってくるぜ!お、龍田何してんだ?ま、いっか」

 

 

提督「え」くるっ

 

 

 

龍田「うふふ」ゴゴゴ

 

 

 

天龍「オレの男に手ぇ出すんじゃねぇぞー?」ケラケラ

 

スタスタスタ…

 

 

 

提督「た、龍田さん…」ブルブル

 

龍田「あら〜、なぁに?提督?」

 

提督「あ、あの!こんなつもりじゃ…」

 

龍田「そんな事言って…天龍ちゃんを悲しませちゃダメよ〜?」スチャ

 

提督「ひっ…!」

 

龍田「これから楽しくなりそうね〜…」

 

 

 

 

 

 

龍田「お義兄ちゃん?」ゴゴゴ…

 

 

 

提督「あっ…」

 

 

…………

……

 

 

…その後、艦隊は規模も練度も上昇し、制海権は着実に拡大していった。旧式のレッテルを物ともしない天龍型の活躍は、いつしか他の艦娘達の憧れとなっていた…

 

 

〜鎮守府・港〜

 

天龍「うぉー!北方はさみーなおい!」

 

天龍「お前らちゃんと風呂入れよー?」

 

吹雪「っくしょん!!ゔ〜…ほら行くよみんな〜」

 

「はーい!」「あー寒かったー」 ゾロゾロ

 

 

天龍「?提督が居ねぇなぁ」キョロキョロ

 

天龍「ったく婚約者が帰ったってのによー…」とぼとぼ

 

 

提督「おーい!」タッタッタッ

 

天龍「!」

 

天龍「お、遅ぇぞ!」ぷんぷん

 

提督「ごめんなさい!」

 

天龍「ふん!」

 

 

提督「て、天龍さん!遂に改二計画書が出ましたよ!」

 

天龍「あぁ?誰だ?長良か?名取か?」

 

提督「天龍さんですよ!ほら!」ペラ

 

天龍「…」まじまじ

 

 

天龍「つ、遂にオレが…本気を出す時が来たみてぇだなぁ」ニヤ

 

天龍「提督、ちょっとドック借りるぜ」スタスタ

 

 

提督「あ!待ってくださいよー!」

 

 

 

 

〜工廠〜

 

天龍改二「どうだ!」ぷるん

 

提督「す、すごい…」ごくり

 

提督(め、目のやり場に困るなぁ…)

 

天龍「ちょっと胸部装甲が邪魔くせぇよな?」たぷたぷ

 

天龍「ん?おい、何見てんだ?」にやにや

 

提督「あ、ご、ごめんなさい!」そらし

 

天龍「おいおい、オレとお前の仲じゃねぇか、触っても良いんだぜ?ほらほら!」ズイズイ

 

提督「や、やめてくださいよぉ!///」アセアセ

 

 

天龍「何だ…お前の好みじゃねぇのか…」しゅん

 

提督「いや…その…」

 

提督「今の天龍さんも…凄く良いですっ!」

 

天龍「!」

 

天龍「そうかー!そうだよなぁ〜!」にこにこ

 

 

摩耶改二「お!お前やっと改二かよ!」スタスタ

 

摩耶「ってお前!高角砲すげーな!くれよ!」キラキラ

 

天龍「誰がやるか!」

 

木曾改二「今頃改二とは…遅ぇな、ちゃっちゃとやれよ!ってか?」ケラケラ

 

天龍「木曾お前…!」

 

天龍「まぁ、お前らに遅れとっちまったけどよ!これで主力だって胸張れるだろ!」

 

摩耶「うぉ!お前胸まででっかくなったなぁ!愛宕姉よりデカくねぇか!」

 

木曾「大井姉よりもデカイな」

 

天龍「提督はこれが好きみてぇでよ、な?」ダキ

 

提督「うわぁっ!//」

 

摩耶「あ!提督に何してんだお前!そ、そういう事はだな!//」

 

木曾「やれやれ…」

 

 

龍田「あら〜天龍ちゃんカッコよくなったわね〜」

 

提督「あ!龍田さんも改装計画書出てますよ!」ギュムギュム

 

龍田「まぁ!それは嬉しいですね〜」

 

龍田「ところで、私の前でその格好は何のつもりですか〜♪」にこ

 

提督「!!天龍さん、あ、あの!」

 

天龍「んだよ?もっとしてほしいのか〜?」ニヤニヤ

 

提督「そ、そういう事じゃなくて…!」

 

龍田「うふふ…♪」

 

 

摩耶「クソ…天龍のやつ!いい気になりやがって…!あたしだって提督と…!」

 

木曾「まぁ落ち着け、チャンスはそのうちあるさ」ポン

 

天龍「チャンスなんてねぇぞー?」ニヤ

 

摩耶「ふん!言ってろってんだ!」

 

摩耶「クソが!あたしのパクリが!」スタスタ

 

木曾「提督、俺達はこれで失礼するぜ?」

 

提督「あぁ、じゃあな!」

 

 

提督「天龍さん…そろそろ…あの…」

 

天龍「ん?あぁ」パッ

 

天龍「またして欲しくなったら頼めよな?」ニヤ

 

提督「か、からかわないで下さいよ!」

 

天龍「じゃ、俺は少し休むぜ、またな!」

 

提督「はい!」

 

スタスタ…

 

 

 

龍田「天龍ちゃんに抱きしめられて嬉しかったですか〜?お義兄ちゃん?」

 

提督「た、龍田さん!いい加減その呼び方はやめてくださいよー!」

 

龍田「あら〜何でかしらお義兄ちゃん?」

 

提督「も、もういいです!」

 

龍田「いやだ〜お義兄ちゃん怖〜い♪」

 

提督「もう!」

 

龍田「うふふ♪」

 

………

……

 

 

 

ーそして遂に…ー

 

 

天龍「おい提督!サブ島突破したぜ!」

 

提督「やったーー!!」

 

木曾「お前が大破しまくるから永遠に無理だと思ってたがな」

 

天龍「何だと!?」

 

摩耶「ほんとだぜ全く」

 

天龍「お前まで!」

 

吹雪「まぁまぁ、何はともあれ良かったじゃないですかー!」

 

龍田「天龍ちゃんも途中で練度が最高になって…喜んでたわね〜」

 

天龍「まぁな、ずっと待ってたからよ!」

 

摩耶「何の事だ?」

 

天龍「何だ?知らなかったのか?」

 

 

天龍「オレとこいつは将来を誓い合ってんだぜ!」ガシッ!

 

天龍「ケッコンカッコカリもすぐだな!」

 

提督「えっと…」

 

摩耶「はぁ!?おい!どういう事だよ!」

 

提督「あ、いや、その…」オロオロ

 

龍田「どうしたの、お義兄ちゃん?」ニコ

 

提督「た、龍田さん!それはみんなの前では…!」

 

木曾「ま、まぁ俺はとっくに気付いていたけどな」

 

摩耶「んだよ!あたしだけかよ!知らなかったのは!」ぷんぷん

 

吹雪「」ポカーン

 

吹雪「いや、初耳ですよ!?」

 

天龍「そういうわけでみんなこれからも俺達夫婦をよろしくな!」ニッ

 

摩耶「納得いかねーぞ!おい提督!」

 

提督「ふ、不束者ですがよろしくお願いします…」

 

木曾「天龍お前、それ以上燃費良くなってどうすんだ?」ニヤニヤ

 

 

天龍「あぁ?うーん…こいつとの夜戦が長くなっちまうな!」ケラケラ

 

摩耶「て、てめぇ!///」

 

提督「///」

 

摩耶「お前も嬉しそうな顔すんな!畜生!」ダダダ

 

提督「あっ、摩耶…」

 

木曾「今はそっとしておいてやれ?」

 

木曾「今日は飲むか、吹雪、お前もどうだ?」

 

吹雪「わ、私飲めませんよぉ!」

 

木曾「まぁまぁ、2人にしてやろうぜ?」ガシッ

 

吹雪「えぇ〜!!」ズルズル

 

龍田「じゃあ私も失礼するわね〜」テクテク

 

 

 

 

 

天龍「…」

 

提督「…」

 

天龍「なぁ提督…」

 

提督「な、何ですか…?」

 

天龍「こんなオレをずっと使ってくれてありがとな!」

 

提督「!」

 

提督「はい!これからもよろしくお願いしますよ!」

 

天龍「おいおい、もう夫婦なんだからよ、敬語は無しにしようぜ?」

 

提督「え、でも…」

 

天龍「妻のオレの言う事が聞けねぇのかー!?」グリグリ

 

提督「て、天龍さん!//」

 

天龍「ほら、言ってくれよ!」

 

提督「う、じゃあ…」

 

提督「こ、これからもよろしくな!天龍!//」

 

天龍「!」

 

 

 

 

 

 

天龍「おう!任せろ!何たってオレが1番つえーんだからよ!」にこ

 

 

………

……

 

ー物陰ー

 

木曾「早々に尻に敷かれてるな」やれやれ

 

龍田「あら〜昔からよ?」

 

摩耶「…」

 

吹雪「ま、摩耶さんも元気出してください!」

 

木曾「ほら、球磨姉達の部屋で愚痴くらい聞いてやるぜ?な?」

 

摩耶「…今夜は寝かさねぇからな!覚悟しろよ!」

 

木曾「俺にそっちの気はねぇぞ?大井姉に頼んでくれ」

 

摩耶「そ、そういう意味じゃねぇよ!」

 

龍田「私は良いわよ〜?」ポン

 

摩耶「…へ…?」

 

吹雪「あはは…」

 

 

 

怖いけど怖くないちょっと怖い軽巡洋艦と、怖がりな提督のお話でした…

 

ー完ー




天龍大好きです。

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