【艦これ】色んな鎮守府の日常【SS】   作:大キャバクラ

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オリジナル設定てんこ盛りです。


18話・誰も知らない鎮守府

〜某鎮守府・執務室〜

 

提督「あぁー!忙しい忙しい!」ガシガシ

 

矢矧「そうかしら?」

 

提督「あたぼうよ!こんな陸のど真ん中で出撃も遠征も無し」

 

提督「なのに何でこんな仕事があるんだ!?」

 

矢矧「しょうがないじゃない」ペラ

 

矢矧「私達にも他とは違う役割ってものがあるんだから」

 

提督「そうだけどさぁ…」

 

 

ガチャ!

 

島風「たっだいまー!」テテテ

 

提督「おう!お疲れー」

 

矢矧「どうだった?」

 

島風「うーん、グレーかなぁ?」

 

提督「じゃ、引き続き様子見って事で」カリカリ

 

島風「はーい!」

 

矢矧「何かされなかった?」

 

島風「何にもー?あ、向こうの長門さんにいやらしい目で見られたかも」

 

矢矧「ちょっと怪しいかしら…?」カキカキ

 

島風「でね、今度間宮の特上羊羹と新型のタービンくれるんだって!」

 

島風「長門さんの部屋に行くの楽しみー!」

 

提督「はい、艦娘までグレーと…」カキカキ

 

提督「島風?行っちゃダメだぞ?」

 

島風「えー!なんでー!」

 

提督「お前が食われちまうぞ」

 

島風「?」

 

矢矧「今度からは高雄でも行かせましょうか」

 

提督「そうだな」

 

提督「はぁ…バカが減らねぇなぁ…」

 

 

 

ここは内陸に存在する大本営直轄の鎮守府である。

多くの提督及び艦娘はその存在を知らず、大本営においても知る者は極僅かである。

数年前、突如として海底より姿を現した深海棲艦。彼女達に対し現代兵器は全く通用せず、人類は資源を、海を、島を、次々に奪われた。

そんな中、同じくして突如姿を現した艦娘達。過去の大戦において没した軍艦の力を宿す彼女達は、唯一深海棲艦に対抗出来る存在として人類に貢献してきた。

しかし戦いの中で新たに浮上した問題がある。

提督と艦娘の軍の風紀を乱すような行動の数々である。

それは提督達の男としての性が引き起こすものか、艦娘達の美しさが引き起こすものかは、当事者達にしか分からぬ事であるが、多くの憲兵隊が動員され海軍は陸軍に醜態を晒す結果となってしまったのだ。

海軍としてもこの様な事態を放置しておく事は沽券にかかわると判断したのだろう。

故に、彼らの様な特殊任務を請け負う鎮守府が設立された。

特にここでは提督によるセクハラ問題や艦娘による売春行為等が示唆された鎮守府へ、高練度の艦娘を身分を隠し新人研修といった名目で派遣し内情を探るのだ。

ここは憲兵が動く前に動く鎮守府。必要であれば海軍内での問題は身内で揉み消す、そんな仕事をこなす彼らの話である。

 

 

 

ーある日ー

 

提督「う〜ん…高雄を派遣させたのは良いけど今度は提督からものすごいアプローチを受けていると…」

 

矢矧「もう黒じゃない?さっさと報告しましょ?」

 

提督「そうだなぁ…」

 

提督「士官学校時代はそんな女好きな奴じゃ無かったんだけどなぁ…」

 

矢矧「あら、同期なの?」

 

提督「まぁね」

 

矢矧「…嫌な仕事ね」

 

提督「…」カリカリ

 

 

コンコンコン

 

提督「いいぞー」

 

ガチャ

 

最上「提督!」

 

提督「どうしたー?」カリカリ

 

最上「僕の行ってる鎮守府だけど!」

 

提督「あぁ、白か?白だな」カキカキ

 

最上「違うよ!真っ黒だよ!」バン

 

提督「また仕事増やしやがって…」

 

提督「何のためにお前を派遣したと…」ケシケシ

 

最上「ちょっと!どういう意味さ!」

 

提督「いいから、何された?」

 

最上「うん、もう大変!艦娘という艦娘に手を出しまくってるんだよ!」

 

最上「艦娘達も元気が無いっていうか…嫌がってるみたいなんだ」

 

提督「ほう…」

 

矢矧「…」カキカキ

 

最上「それで僕も昨日寝てる途中に襲われかけたのさ!」

 

提督「…」ピタ

 

提督「そうか…」カキカキ

 

最上「もう!それだけー!?」

 

提督「まさかお前を襲う男がいるとはな」ケラケラ

 

最上「ちょっと!酷いじゃないか!」ぷんぷん

 

提督「はは…それで、大丈夫だったか?」

 

最上「うん、びっくりして蹴り飛ばしたら肩が外れたみたいで逃げてったよ」

 

提督「やりすぎじゃないか?」カキカキ

 

最上「そうかなぁ…?」

 

提督「ま、ご苦労だったな。ほら、間宮でアイスでも食ってこい」

 

最上「!」キラキラ

 

最上「やったー!」

 

提督「ありがとうな、次の任務まで休んでくれ」

 

最上「うん!じゃあね!」

 

 

バタン

 

提督「…」カキカキ

 

提督「矢矧、これ報告書」ペラ

 

矢矧「預かります」

 

矢矧「…」ペラペラ

 

矢矧「ふふ…やりすぎなのはどちらかしら?」

 

提督「俺の艦娘に手を出そうとしたんだ」

 

提督「少し誇張するくらいいいだろ?」

 

矢矧「少し…ね?」クス

 

 

コンコン

 

提督「次は何だ…」ハァ

 

提督「入ってくれ〜」

 

ガチャ

 

加賀「提督…」ゲッソリ

 

提督「!」

 

矢矧「ど、どうしたの!」

 

ダダダ

 

提督「何かされたのか!?」ギュ

 

加賀「いえ…でもとても疲れたわ…」

 

提督「っ…話してくれるか?」

 

加賀「えぇ…横須賀は酷い有様よ…」

 

 

〜〜〜

〜〜

 

加賀『正規空母加賀です。ご指導よろしくお願いします』

 

横提督『あぁ、よろしくな』にこ

 

赤城『!?』

 

赤城『ちょっと貴女!』ツカツカ

 

ガシ

 

加賀『へ?』

 

赤城『私の提督に色目使わないでくれる!?』グイッ!

 

加賀『ひっ…』ビク

 

横提督『お、おい赤城!』パシ

 

赤城『っ』

 

横提督『すまないな…いきなり…』

 

加賀『だ、大丈夫です…』

 

 

赤城『…』ブツブツ

 

 

赤城『加賀さん』ギロ

 

加賀『は、はい…』

 

 

赤城『これからよろしくね?』ニコォ

 

加賀『』

 

〜〜

〜〜〜

 

 

加賀「赤城さんだけじゃなく他の子達も同じよ…」

 

提督「そ、そうか」

 

加賀「酷く疲れたわ…」

 

提督「ありがとうな…」

 

加賀「いえ…少し休みますね…」トボ…トボ…

 

バタン

 

 

提督「そっちかー…」

 

矢矧「どうするの?」

 

提督「艦娘側からじゃ手を出しにくいなぁ…」

 

提督「問題は…無い…?」

 

矢矧「グレーかしらね?」

 

提督「うーん…」

 

提督「艦娘の提督に対する感情が高まり任務への支障、及び提督への実害が発生するリスクありとでも書いといて」

 

矢矧「そんな所ね…」カキカキ

 

提督「そうだな…経過観察で」

 

矢矧「分かったわ」

 

 

ジリリリリン!

 

提督「うわ…」

 

提督「矢矧ぃ…」チラ

 

矢矧「ダメよ?自分で出なさい」カキカキ

 

提督「くそ…」

 

 

 

ガチャ

提督「はい、特務三課です」

 

元帥『こちら元帥である』

 

提督「…どういったご連絡で?」

 

元帥『困るよ君ぃ…呉の鎮守府で憲兵沙汰になったそうじゃ無いか?』

 

提督「え?呉ですか?」

 

元帥『そうだ。提督による艦娘への非人道的な労働環境を

 

提督「あ、それうちじゃ無いですね」

 

元帥『へ?』

 

提督「鎮守府のブラック運営担当は特務一課です」

 

元帥『そうじゃったか?』

 

提督「はい、うちら三課は淫行取り締まりですね」

 

元帥『もう年じゃからなぁ』

 

提督「いえいえ、まだまだお若いですよ」

 

提督(急にジジイぶりやがって…!)

 

元帥『そうかね?まぁすまんの』

 

提督「あ、一課の番号わかります?」

 

元帥『そんなもんわかるぞ!』

 

元帥『まぁ君らも頑張ってくれたまえ』ガチャン

 

 

提督「あのジジイ…!」

 

矢矧「どうしたの?」

 

提督「はぁ…」

 

提督「一課が取りこぼして憲兵が動いたらしい」

 

矢矧「人ごとじゃ無いわね」

 

提督「あぁ、うちも気を引き締めないと」

 

 

ジリリリリン!

 

提督「今度は誰だ?」ガチャ

 

提督「はいこちら特務三課」

 

元帥『あ、すまんの、また三課じゃったか』ガチャン

 

 

提督「…」プルプル

 

矢矧「ふふ…」

 

 

………

……

 

 

〜月初め〜

 

ガチャ

 

矢矧「ほら、持ってきたわよ」ドッサリ

 

提督「は?」

 

矢矧「は?じゃないわ」

 

矢矧「怪しい所のリストよ」

 

提督「これ全部の泊地じゃなくて?」パラパラ

 

矢矧「男と女がいれば疑惑も出てくるわ」

 

提督「つまり全部と…」ヨミヨミ

 

矢矧「そうなるわね」

 

提督「大体は白だから、目につくもんだけピックアップして…ん?」ペラ

 

提督「また岩川基地だなぁ?」

 

矢矧「今度はどうしたのかしら?」

 

提督「岩川の瑞鶴が執務室を爆撃したと…」

 

提督「ま、いつもの事か」ポイ

 

矢矧「目を逸らさないで?ちゃんとした問題よ」拾い

 

提督「最早マンスリーと化してるが…」

 

矢矧「でもちゃんと確認しないとダメよ?」

 

提督「はぁ…うーちゃんを呼んでくれ」

 

矢矧「分かったわ」ツーツツー…

 

……

 

バタン!

 

卯月「出たぴょん!」ぴょん!

 

提督「わぁ!」

 

矢矧「はいはい」

 

提督「ノリがわるいなぁ」

 

提督「じゃあうーちゃん、岩川へGOだ!」

 

卯月「え〜またですかぁ〜?」

 

提督「すまないな、これも任務だ」

 

卯月「う〜…分かったぴょん」てくてく

 

提督「帰ったら遊んでやるから」カリカリ

 

卯月「!」パァ

 

卯月「卯月出撃で〜す!」タタタ!

 

バタン

 

 

………

……

 

 

〜岩川基地〜

 

卯月「研修生の駆逐艦、卯月ですぴょん!」ビシ

 

岩提督「む…また君か」

 

卯月「卯月だって好きで来てるわけじゃないぴょん!」

 

岩提督「何だか瑞鶴の爆撃は君が来る前兆ではないか?」

 

卯月「そうですか〜?」

 

 

瑞鶴「あ!提督さん!そんな子供にまで手を出す気!?」

 

岩提督「!!」

 

岩提督「そんなわけ無かろうが!いい加減にせぇよ瑞鶴!」

 

瑞鶴「散々私を弄んでおいて…」プルプル

 

卯月「」ピク

 

卯月「そうなのですかぴょん?」ジ…

 

岩提督「そんなわけ無いだろう!」

 

瑞鶴「はぁ!?何言ってんのよ!大体この前のデートだってねぇ!〜…」

 

岩提督「それはお前が店員の男に〜…!」

 

ギャーギャー

 

 

 

卯月(また始まったぴょん)

 

卯月(爆撃の原因は痴話喧嘩…っと)カキカキ

 

……

 

 

 

〜鎮守府〜

 

卯月「戻ったぴょん!」

 

提督「おう、痴話喧嘩か?」

 

卯月「そうだぴょん!」

 

卯月「はい!これ!」ペラ

 

提督「ありがとな」

 

卯月「しれいか〜ん、何して遊ぶぴょん!?」

 

提督「うーちゃんが決めていいぞー」ナデナデ

 

卯月「えーっとね〜」ワクワク

 

 

ドタドタドタ!

 

バタァン!

 

矢矧「提督!」

 

提督「!?」

 

提督「どうした?」

 

 

矢矧「舞鶴に行ってる榛名から救助信号が出たわ!」

 

提督「何!?」ガタ

 

卯月「!」

 

提督「内容は!?」

 

矢矧「『助けてください』…それだけよ!」

 

提督「くそ!うーちゃん、すまないがまた今度だ!」

 

卯月「ぴょん!」

 

提督「矢矧!ここから舞鶴までどの位だ!?」

 

矢矧「私だと大体1時間半ね」

 

 

ガチャ!

 

島風「私が曳航すれば1時間で着くよ!」

 

提督「本当か!?」

 

島風「うん!」

 

提督「よし!曵いてくれ!」

 

矢矧「私は引き続き信号が無いか確認するわ!」

 

提督「頼んだ!」

 

島風「じゃあ港で待ってるよ!」タタタ!

 

 

提督「一体何が…!?」タッタッタッ

 

………

……

 

 

 

 

 

〜舞鶴鎮守府・1時間前〜

 

 

榛名「流石お姉様です!」

 

金剛「当然ネー!」

 

榛名(ここもいつも通り提督がグレーですね…)

 

 

榛名「あ、榛名そろそろ自分の鎮守府に戻らないと…」

 

金剛「oh!最後に紅茶でもどうデスカー?」

 

榛名「…そうですね!頂きます!」

 

金剛「じゃあ少し待ってるネ!すぐ用意するネ!」

 

カチャカチャ

 

……

 

金剛「おまたせしマシタ!」カチャ

 

榛名「わぁ!いい匂いです!」

 

金剛「そうでショ!茶葉が違うネ!」

 

榛名「ではいただきます!」コクコク

 

金剛「…」

 

榛名「?」

 

榛名「お姉さまは飲まないのれ…す…か…?」ビク

 

榛名(っ!?呂律が回らない!?)

 

金剛「sorryネ…榛名…」

 

榛名「お姉…さま…?」

 

榛名(ぁ…榛名…すごく眠いです…)

 

榛名「」パタン

 

 

金剛「榛名…」

 

ガチャ

 

 

舞提督「上手くいったみたいだな?」

 

金剛「っ」キッ!

 

舞提督「そう怖い顔するな」

 

舞提督「ほら、お前とはまた違って…」

 

榛名「…zz」

 

 

舞提督「随分可愛い顔だよなぁ?」ニヤ

 

金剛「…他の鎮守府の子に手を出したら捕まるネ…」

 

舞提督「ふん…相手は新米少佐だろ?」

 

舞提督「そんなもん幾らでも揉み消せるさ」

 

 

グイッ

 

榛名「…ん…」

 

 

舞提督「…」

 

舞提督「金剛、私の部屋に運んでおけ」

 

金剛「…」

 

舞提督「余計な事はするなよ?」スタスタ

 

バタン

 

 

金剛「…」

 

榛名「…zz」

 

金剛「やっぱりこんな事間違ってるネ…」

 

ゴソゴソ

 

金剛「あった…大体ワタシと同じネ…」

 

ピピ…

 

ツーツツー…

 

金剛「これで榛名の提督に連絡が行ったはずネ…」

 

 

金剛「早く来ないと…貴方の榛名が危ないネ…」

 

 

………

……

 

 

 

 

〜移動中〜

 

ザザザ!

 

ガン!

 

島風「っ!」

 

島風(水深が浅くて石があたるなぁ…)

 

ゴン!

 

 

提督「お、おい!島風大丈夫か!?」

 

島風「うん!頑張ればもっと出せるよ!」

 

提督「いや、狭いから危ないぞ!」

 

島風「平気平気!慣れてるから!」キュイィィィン…

 

グン!

 

 

提督「うぉ!く、首が持ってかれるうぅぅ!」

 

島風「あははは!!」バシャシャシャシャ!!

 

 

人々(艦娘が川走ってる…)

 

 

 

………

……

 

 

 

〜舞鶴〜

 

舞提督「お前に似ていい体だよなぁ?」サワサワ

 

榛名「ん…zz」

 

金剛「提督…」

 

金剛「これが最期デス、本当にするんですカ?」

 

 

舞提督「当たり前だろ?何のために新人を受け入れてると思ったんだお前は」

 

金剛「…っ」

 

舞提督「服もお前と同じで脱がしやすいなぁ?」スルスル

 

 

榛名「…」パチ

 

舞提督「お、流石に起きたか」ニヤニヤ

 

金剛「…」

 

榛名「え…?え…!?」キョロキョロ

 

 

舞提督「ほら、金剛は出てけ」シッシッ

 

金剛「ごめんなさい…榛名…」バタン

 

 

榛名「お姉様!?どういう事ですか!?」

 

榛名「!?」

 

榛名(縛られてる!?)

 

榛名(提督に連絡を………え…?)

 

舞提督「お、アンテナも外してくれたみたいだな」

 

舞提督「じゃあこれから楽しもうや」

 

 

舞提督「一生ここに居たくなるぜ?」ニヤ

 

榛名「いや…」ガクガク

 

 

 

 

 

 

〜舞鶴鎮守府・正面海域〜

 

提督「!」

 

提督「島風!3時の方向にイ級が一隻!」

 

島風「もう魚雷撃ってるよー!」

 

スーッ…

 

ドン!

 

イ級「ほげえぇ!!」critical! 124!

 

 

提督「ったく…イ級が野放しって…」

 

島風「ロクな哨戒もしてないんだね!」

 

ザザザ!

 

……

 

 

 

〜舞鶴鎮守府〜

 

島風「とうちゃーく!!」

 

提督「げほっ!」

 

提督「お前の煤で喉がいてぇぞ!」

 

島風「しょうがないよ!だって速いもん!」

 

 

提督「ま、ありがとな!」

 

提督「じゃあ行くぞ!」タッタッタッ!

 

島風「うん!」タタタ!

 

 

 

 

 

〜舞鎮・提督私室〜

 

舞提督「どうだ?」モミモミ

 

榛名「いや!やめてぇ!」バタバタ

 

舞提督「チッ…」

 

舞提督「静かにしろ!」バキ!

 

榛名「うぐっ!?」

 

舞提督「また食らいたいか?」スッ…

 

榛名「…」フルフル

 

舞提督「そうだよ、大人しくしてりゃいいんだよ」グイッ

 

榛名「やだぁ…」

 

舞提督「くく…」

 

榛名「…提督っ…」グス

 

舞提督「そんな奴の事なんかすぐに忘れるだろうよ」

 

 

 

バタァン!!

 

舞提督「っ」

 

榛名「!?」

 

舞提督「金剛か?」

 

舞提督「てめぇ…何してんだ?」くるっ

 

 

 

提督「はぁ…はぁ…」プルプル

 

 

舞提督「…」

 

舞提督「貴様、誰だ?」

 

舞提督「まぁいい、処罰は後で下すから、今は出て行け」

 

 

榛名「て、提督っ!」ジワ

 

提督「榛名!無事か!」タタ!

 

 

舞提督「!」

 

榛名「榛名…怖かったです…」グス

 

提督「今解いてやるからな!」

 

 

舞提督「ふ…」

 

舞提督「これはこれは、榛名の提督だったのか」

 

舞提督「金剛、なぜこんな奴を入れた?」

 

 

金剛「…っ」ボロ

 

島風「陸で私に勝てるわけ無いのにー!」キラキラ

 

 

舞提督「え…?」

 

提督「ロクに演習も出撃もせず艦娘と酒色にふけってばかり…」

 

提督「そんな奴の艦娘にはうちの島風は負けんぞ」

 

 

金剛「」ドサ

 

舞提督「ふん、こんな新人にすら負けるとは…使えん女だ」

 

 

ツカツカ

 

舞提督「貴様、上官に逆らってタダで済むと思うなよ?」

 

提督「…」

 

舞提督「貴様の出世は無いと思うんだな」

 

 

提督「ふふ…」

 

島風「提督ぅ、この人目がおかしいの?」

 

 

舞提督「…なに?」

 

 

提督「いやぁ、怖いですなぁ」ケラケラ

 

舞提督「っ貴様!」イラ

 

 

提督「この制服に付いてる階級章が見えないか?」ズイ

 

舞提督「!?」

 

 

提督「あ、俺の榛名にしか目が行ってないか?」

 

榛名(俺の榛名…//)

 

 

舞提督「ぁ…」タラ…

 

舞提督(桜が3つ…!?)ガクガク

 

 

提督「上官に逆らうと出世は無いか…」

 

提督「いい事言うじゃない?」

 

 

島風「人の艦娘を盗ったらどろぼう!」ゲシ

 

舞提督「がはっ!」ドサ

 

 

提督「こら!足が汚れるぞ?」

 

島風「ごめーん!」

 

 

舞提督「も、申し訳ありませんでした大将殿!」ドゲザ

 

提督「…」

 

舞提督「す、全てはそこの金剛に唆された事なのです!」

 

提督「ほほう」

 

金剛「…っ」

 

金剛(そんな…)

 

提督「そうなのかな?」ズイ

 

金剛(榛名を危険な目に合わせたのはワタシデス…) フルフル

 

 

金剛「…」コク

 

舞提督「…」ほっ

 

 

提督「分かった、二人とも連行する」

 

舞提督「!?」

 

提督「島風、拘束せよ」

 

島風「もうしたよー!」

 

提督「流石速い!」ナデナデ

 

島風「ふふーん」

 

 

舞提督「ま、待ってください!」

 

提督「言い訳なら大本営で聞こう」

 

提督「まぁ、お前のしている事は以前から榛名の報告書で分かってるからな」

 

提督「それに榛名に手を出そうとした時点で許す気は無いから」

 

舞提督「」ゾ…

 

 

提督「多分君クビだよ」

 

提督「その後は特高に可愛がってもらえ」にこ

 

舞提督「」

 

 

金剛「…」

 

提督「そこの金剛もこいつに加担したとして解体だから」

 

島風「ほらほら!さっさと行くよ!」グイッ!

 

舞提督「うぅ…」トボトボ

 

金剛「…」トボトボ

 

 

榛名「お姉様…本当なのですか…?」

 

金剛「…そうネ」

 

金剛「榛名と榛名の提督、ごめんなさいデス」ペコ

 

 

金剛「榛名、ダメな姉でsorryネ」ニコ

 

島風「金剛さっさと歩いて!」グイッ!

 

スタスタ…

 

榛名「お姉様…」

 

………

……

 

 

 

〜大本営〜

 

提督「いやぁ済まないな榛名、こんな仕事ばっかり」

 

榛名「いえ、榛名は大丈夫です…」

 

島風「でもあんな風になってよく救助信号出せましたねー!」

 

榛名「?」

 

榛名「榛名は出してないですよ?」

 

提督「え?」

 

榛名「そういえば提督はどうして榛名が危ないと分かったのですか?」

 

提督「そりゃお前から…」

 

 

提督「!」

 

提督「まさか…!」

 

タタタ!

 

榛名「提督っ!?」

 

 

 

 

 

 

 

………

……

 

〜大本営・解体工廠〜

 

 

 

 

カーン!カーン!カーン!

 

 

 

 

 

 

 

整備兵「よし次ー!」

 

 

金剛「…」

 

金剛(これで最後ネ…)

 

 

金剛「お願いしマス…」スッ

 

 

整備兵「…まぁ…」

 

整備兵「何があったかは知らんが殺す訳じゃ無いからな」

 

金剛「…」

 

整備兵「艤装を解体すれば何も分からん内に君は消えるさ」

 

整備兵「ほら、ここに艤装を置いて」

 

金剛「はい…」

 

 

 

扉「」バァン!

 

 

提督「おい!そこの金剛!」

 

金剛「…?」

 

整備兵「げ、またあんたか」

 

提督「済まんな、ちょっと聞きたい事があるからよ!」

 

整備兵「早くして下さいよ?」

 

提督「分かった分かった」

 

 

提督「なぁお前、榛名のアンテナで俺らに信号打っただろ?」

 

金剛「…」

 

提督「榛名が自分じゃ出してないって言ってたからな」

 

金剛「…」

 

提督「…」

 

提督「ありがとうな、金剛」

 

 

金剛「…直接薬を盛ったのはワタシデス」

 

提督「…」

 

 

金剛「でもやっぱり…」

 

金剛「榛名という艦娘はワタシにとって大切な妹デス…」

 

金剛「それに榛名から貴方の事は聞いてマシタ…」

 

金剛「貴方が榛名をどれだけ大切にしているかも、榛名がどれだけ貴方を想っているかも…」

 

金剛「そんな榛名をあのクズに好きにさせたく無かったのデス」

 

提督「…」

 

金剛「だから…貴方に信号を出しマシタ」

 

提督「そうか…」

 

 

金剛「あの、榛名の提督」

 

提督「…なんだ?」

 

金剛「あの子をこれからも大切にしてあげて下さいネ!」

 

提督「…もちろんさ」

 

提督「榛名は俺の大切な艦娘だから」

 

金剛「…」にこ

 

提督「ところで…」

 

提督「お前、あの提督をどう思う?」

 

金剛「…」

 

 

金剛「あんなの、死ねばいいと思ってマス」

 

金剛「確かにワタシ達は…提督の道具デス…」

 

金剛「でも感情も感覚もありマス。そんな艦娘に嫌な事を強要する奴はアイツに限らず死んで欲しいと思ってマス」

 

提督「なるほど…」

 

 

整備兵「…もう時間無いですよ?」

 

提督「分かった…」

 

金剛「では…ご迷惑をお掛けしマシタ…」ペコ

 

 

提督「…なぁ金剛」

 

金剛「…?」

 

提督「うちの鎮守府に来てみないか?」

 

金剛「!?」

 

整備兵「!」

 

金剛「だ、ダメデス!ワタシは罰を受けるべきデス!」

 

 

提督「そうか…」

 

提督「じゃあ俺の鎮守府で1年、働いてくれ」

 

金剛「!」

 

提督「そこから残るか解体されるかは自分で決めろ」グイッ

 

金剛「っ…!」

 

提督「懲役1年、しっかり働いてもらうぞ」

 

金剛「うぅ…」

 

 

整備兵「ちょっと!」ツカツカ

 

整備兵「大将さん!」

 

整備兵「最初からそうして下さいよ!こっちにも予定があるんですからね!」

 

提督「すまんすまん!」

 

整備兵「ったく…」

 

整備兵「矢矧さんに島風ちゃんに…これで貸しが10ですよ」

 

提督「まぁまぁ、上に給料上げるよう言っとくからさ!」

 

整備兵「!」

 

 

整備兵「一生ついて行きます!!」ビシ

 

提督「男に言われても嬉しくねぇぞ」

 

 

提督「ほら、金剛行くぞ」

 

金剛「…」トボトボ

 

 

 

 

 

〜外〜

 

島風「あ!提督ぅー!」

 

 

島風「あれー!」

 

榛名「お姉様!?」

 

 

提督「仲間が加わったぞ!仲良くしてやってくれ!」

 

金剛「…」

 

提督「榛名のアンテナで信号を出してくれたそうだ」ナデナデ

 

金剛「ぁ…」ビク

 

榛名「お姉様!やっぱり信号を出したのは貴女なのですね!」ギュ

 

金剛「っ…ワタシは…」

 

榛名「ありがとうございます!」

 

金剛「そんな…お礼なんて…」ジワ

 

提督「ほら、皆んな帰るぞ」

 

 

提督「金剛も、これからよろしくな」にこ

 

金剛「ぁぅ…//」

 

榛名「…」じーっ…

 

榛名(はっ!)

 

榛名(いくらお姉様でも…譲れません!)

 

島風「ねぇお腹すいたー!」

 

………

……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー1年後ー

 

 

 

 

 

バタン!

 

金剛「帰ったネー!」

 

提督「おう、ご苦労!」

 

提督「大丈夫だったか?」

 

金剛「酷いセクハラ親父だったネ!」

 

金剛「もう心がボロボロネ!」

 

提督「よし、黒と…」カキカキ

 

 

提督「辛かったな、おいで」

 

金剛「て、提督ぅー!」スリスリ

 

榛名「お姉様!榛名は大丈夫じゃありません!」

 

矢矧「提督、岩川基地に行ってる卯月から報告よ?」

 

 

ガチャ

提督「うーちゃんどうしたー?」

 

卯月『司令官、もうここに来る必要は無さそうだぴょん!』

 

提督「お、本当か!」

 

卯月『あの2人やっとケッコンしたぴょん!そしたら瑞鶴さんもかなり丸くなったぴょん!』

 

提督「よっしゃ!もうほぼ問題なしだな!」

 

提督「よくやったうーちゃん!早く帰っておいで!」

 

卯月『はいぴょん!』

ガチャ

 

 

提督「ふぅ…」

 

矢矧「良かったわね」

 

提督「おう」

 

 

提督「あ、そういえば」

 

矢矧「?」

 

提督「金剛がウチに来てもう1年か」

 

 

金剛「…」ピク

 

提督「どうする金剛?残るか?解t 金剛「残るに決まってるネー!」

 

提督「そ、そうか」

 

金剛「あの…提督、これからも…」

 

 

金剛「ワタシを置いてくれマスカ…?」

 

提督「何だ、そんなの…」

 

提督「当たり前だろ?」にこ

 

提督「お前も大切なうちの艦娘だからな」

 

金剛「!」パァ

 

金剛「提督ぅー!大好きネー!」ギュッ!

 

提督「うぉっ!」

 

榛名「!お姉様!くっつきすぎです!」

 

ワイワイ…

 

 

島風「…矢矧さん」

 

矢矧「ふふ…ここの鎮守府もマークされてるのかしらね?」クス

 

 

……

 

ここは憲兵にも他鎮守府にも知られず密かに行動する、特殊任務を請け負った鎮守府である。

 

貴方が今日も艦娘達と戯れたり、つついたり、中破状態で放置すると新人研修としてどこからとも無く正義の艦娘がやって来るかもしれない。

 

私情を挟まないだけ、憲兵に捕まった方がマシかもしれない。

 

奴らが来るぞ…

 

 

 

ー完ー

 




艦娘って川もいけるんですかね

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