青葉「で、司令官、どっちにします??」
大量の写真「」バサっ
目の前に出されたのは身に覚えのない合成写真達
そのどれもが俺が非人道的な事をしている決定的瞬間を捉えた様な物ばかり…
提督「…」ゴクリ
現在、恐らく我が人生において最も重要な決断の時である。
提督を辞め青葉と共に普通の人間として生きるか、この捏造スクープを世間に公表され後ろ指を刺されながら極悪提督として生きて行くか…
青葉「ねぇ司令官、青葉と一緒に軍を抜けましょうよ〜」
青葉「ケッコンだってしたじゃないですか〜!」
提督「け、ケッコンとは言ってもあれはステータス強化の為でお前だけとじゃないし…」
青葉「あー、そんな事言っちゃうんだ」バン
提督「…」ビク
青葉「これが広まったら司令官、もう誰からも相手にされなくなっちゃうって分かってますよねぇ??」ペラ
提督(クソ…!何で俺がこんな捏造写真なんぞに…!)
青葉「分かったら、ね?青葉と一緒に、田舎で農業でもやりながら暮らしましょうよ!」
青葉「子供は3人くらい欲しいですけど、司令官がもっと欲しいなら…//って青葉ったら何を//」ソワソワ
提督「俺が辞めたとして、今ここにいる艦娘達はどうするんだ…」
提督「こう言っては自惚れかもしれないが…皆んな少なからず俺の事を…」
青葉「無いですよ?」
提督「…え?」
青葉「あれ?司令官まさかご存知ないのかしら?」
青葉「皆んな司令官が居ない所では司令官の事を悪く言ってるんですよ??」
提督「…!?」ズキ
提督「う、嘘だろ…?」
青葉「いいえ?本当ですよ?例えばそうですね…」
青葉「榛名さんとか」チラ
提督「!」ドキ
提督「は、榛名が…!?」
青葉「」ニヤ
青葉「えぇ、一番酷い事言ってましたね〜!」
青葉「多分司令官が今思い浮かべた悪口は全部言ってるのでは無いでしょうか!」ケラケラ
提督「そんな…」
青葉「まぁ、榛名さんだけじゃ無いので!」
青葉「青葉以外の艦娘は全員ですかね!」
提督「あ、青葉は…」
青葉「だからずっと言ってるじゃないですかぁ!司令官と添い遂げたいと思う位には想っているつもりですよ!」にこ
提督「ほ、本当か…?」
提督(いや…俺の写真を捏造するような奴だ…全部嘘かもしれん…!)
パリン!!
提督「!?」
青葉「!」
提督(て、敵襲か!?)
ガラガラ!
摩耶「うわーやべぇ!流れ弾が…って提督!ケガはねぇか!?」ダダダ
青葉「…」ピキ
提督(摩耶か…演習中か…?)
摩耶「んだよ!生きてたんだなぁ!」ほっ
提督「!」ドキ
提督(まさか…!)
摩耶「アタシの弾で死んじまったかと思ったぜ!」
摩耶「ま、その方が面白かったかもなぁ!」ケラケラ
摩耶(何でこんな事しか言えねぇんだよ…クソが)
提督(や、やっぱり俺の事なんて…)サー…
青葉「!」ニヤ
青葉「ほら、摩耶さん!演習中なんですよね?司令官は大丈夫なので戻られては?」
摩耶「おう!」スタスタ
バタン
青葉「…ね?」くるっ
提督「」ガタガタ
青葉「彼女達、とうとう命を狙いに来ましたよね?」スタスタ
青葉「こんな所にいたら明日まで命があるかわかりませんねぇ?」にこにこ
提督「でも…!」
青葉「司令官…」ギュ…
提督「…?」
青葉「青葉は…司令官にまだまだ元気で居て欲しいから…」ウルウル
提督「!」
提督(もしかしたら…青葉の言う事は全部本当かもしれない…摩耶が俺の命を狙って来たように…他の子も…)
提督「だ、だけど辞めるにしても…」
青葉「大丈夫ですって!司令官は嫌われてるんですから、急に辞めても喜ばれるだけですよ!」
提督「そ、そうか…」ズキ
青葉「あ、もちろん青葉だけは司令官の事が大好きですけどね!♪」ギュー!
提督「うぐ…//」
提督(確かに…田舎で青葉と暮らすのも…良いかもしれないな…)
青葉「むふ〜♪」スリスリ
提督(明るいし…裏表の無い子だし…何よりたった1人俺の事を…)
提督「…よし、俺、提督辞めるよ」
青葉「!!!」キラキラ
青葉「言いましたね!?もう撤回は出来ませんからね!?」
青葉「青葉もこれから艤装解体して、それから…〜」
…俺が提督を辞めると発表した時、気の毒な程悲しむ者や、泣いて撤回を懇願する者も居た。
…しかしそれらが演技だと知っているからか、不思議な事に心は痛まなかった。
そして俺は今、海から離れた内陸の山中にある集落で青葉とひっそり暮らしている。
…俺はこの村から出る事が出来ない。
…青葉が捏造したあの写真が世間に流出したのだ。青葉が鎮守府を去る前、艦娘達に強奪されたらしい…
青葉は泣いて謝ったが、今の俺には青葉さえ居てくれれば…それで良い…
青葉(思ったより簡単に事が進んで良かったですね。最初からチョロそうな人だと思ってましたが…♪)
青葉(でもここに囲っておけば悪い虫が付く事もなく、ずぅーっと司令官と暮らせますよね!)
ー完ー