元提督(以下提督)「ふぅ、こんなもんかな」
提督「そろそろ引き上げるか…」スクッ
提督「…?家の前に…人…?」
提督「こ、こんにちは」
女「!」
女(以下記者)「こんな時間に失礼します、〇〇新聞の記者ですが少しお話を…」
提督「記者さんが俺に何を…」
記者「昨今の海軍の風紀に関する問題についてお話を伺いたくて…」
提督「俺はもう軍属では無いですが…?」
記者「しかし以前提督をされていたのですよね?艦娘と一番近く接するという事は〜…」
提督(艦娘と一番近い…か…)
…俺は以前、提督だった。
今は実家のある田舎に戻り、両親も亡くなってしまった為俺が家を、農家を継いだ。
辞めた理由ですか?そうだな…何かやらかしたとか、クビになったとかでは無い。
俺はあいつから逃げたんだ…
〜3年前〜
提督「頼むっ!俺とケッコンして下さい!」ゲザァ
山城「ふ、ふん!何回来ても無駄ですよ!」
山城「私には姉様が居るんですからね!」
提督「頼むっ…!」ずりずり
扶桑「山城…提督がここまで頼んでるのだから…ほら、頭が削れそうよ…」オロオロ
山城「ね、姉様!?どうしてここに…!?」
扶桑「貴女が素直になれるようにと思って…」
山城「なっ!?」カァー
山城「ほ、本心ですっ!こんな男の事なんて何とも思っていません!!」
提督「そんな!?」ガーン
提督「や、山城ぉ…」ジワ
山城「あっ…」しゅん
扶桑「提督、山城は本心で言ったのではありませんから、許してあげて下さい」にこ
山城「…」
提督「そ、そうなのか山城…?」
山城「…知りませんっ」ぷいっ
提督「扶桑ぉ…」
扶桑「山城っ、そんな山城は、嫌いよ?」めっ
山城「」絶句
こんなやりとりが数回続き、遂に俺と山城は結ばれた。
今思えば、山城とケッコンするまでの時が一番幸せだったのかもしれないな…
山城はケッコンしてから日を追うごとに俺への態度が変わっていったんだ。
最初は少しおかしいなと思うくらいだった。その時に気付いていれば、少しは変わっていたのかもしれないな…
ん?どんな事があったかって?そうだな…
山城「て、提督…これは何ですか?」 つチョコ
提督「あぁ、榛名が俺にって」
提督「今日はバレンタインだろ?だから…」
山城「っ…わ……す…」
提督「?どうした?山し…」
山城「そんなことは分かってますっ!!」ダン
提督「」ビク
山城「良いですか!?貴方は私の夫ですよ!?」グイッ
山城「なのに何でっ!!こんな!!ものをっ!!」ぐしゃぐしゃ
提督「お、おい…」
山城「貴方…まさか榛名さんと…浮気してないでしょうねぇ…!?」ワナワナ
提督「す、するわけ無いだろ!?俺は山城一筋で…」
山城「っ!」
提督「!?」ぐらっ
山城「本当でしょうね…?その言葉…」
山城「嘘だったら許さないんだから…!」ぎゅうぅっ!
提督「あ、当たり前だろ?」ビクビク
提督(痛い痛い痛いっ!力入れすぎだろ!?)
山城「…♪」ぎゅうぅ
俺は確かに山城を愛していた。だが山城は、俺が山城を愛する以上に俺を愛していたのだと思う。そんな山城の愛は、俺にとっては重すぎたんだ…
バレンタインの一件以来、山城は四六時中俺にくっ付いて歩くようになった。俺が他の艦娘に目を向けようものなら繋いだ手に力を込める。止むを得ず話しをしようものならその場で怒声を上げる…
俺達夫婦は、鎮守府で腫れ物のように扱われるようになってしまった…
そのような状態では艦隊指揮はおろか簡単な任務すらままならなくなってしまい、俺は提督を辞めようと心に決めた。
勿論山城にはこの事は伝えられる訳もない。
水面下で辞職の準備をしながら、山城を無理矢理説得し出撃させた後、後の事は扶桑に引き継ぎ、俺は鎮守府を後にした…
扶桑に全てを押し付けるようにして逃げ出した事は…本当に申し訳無いと思っている…
〜現在〜
提督「情け無い話だろう…軍人ともあろうものが…妻が怖くて軍から逃げたんだからな」
記者「…そうですね」
提督「俺から出来る話はこれくらいかな」
提督「何かの参考になれば良いが…」
記者「その山城さんは今どうされてると思いますか?」
提督「…知らないな…まぁ、3年も前の事だ…こんな男の事なんて忘れてるだろうよ」
記者「そうですかね…話を聞く限りそう簡単に忘れるような人では無いと思いますが…」
記者「自分を捨てた事に激しく憤りを感じているかもしれませんよ?今も貴方を探しているのでは?」
記者「きっと見つかったら何処かへ監禁されてもおかしく無いですよね」
記者「こんな誰も来ないような場所で見つかったら、山城さんはタガが外れてしまうでしょうね」
提督「こ、怖い事言うな…」
記者「同じ女だから分かるんです」
提督「そ、そうですか…」
記者「…それと最後に良いですか?」
提督「何でしょう?」
記者「山城さんは貴方が山城さん以外の他の女性、艦娘と接する事を禁止していましたよね?私と話しても良かったのですか?」
提督「いやぁ、流石にもう関係無いからね…」
記者「別の女と話すなと言っていませんでしたか?どうなんですか?きっと言っていた筈では?」
提督「い、いやぁ、どうなんでしょう」
提督「でももう昔の話ですから、良いんじゃないかな…」
記者「…」
提督「?」
提督「どうかしました?」
記者「…良くないですよ」ボソ
提督「…?」
記者「か…」
記者「、関係ない…っですって…?」プルプル
提督「あ、あの…」
机「」バンッ!!
提督「」ビク
記者「はぁ…っ!はぁ…っ!」ギロ
提督「っ…」ゾク
提督(…まさかな)
記者「私が…あれからどんな気持ちで…!!!」ワナワナ
提督「…」
記者「姉様も振り切って…!!艤装も捨てて…!!」
記者「貴方への想いだけで…ここまで来たのに…!!」ブルブル
記者「…なのに貴方は私に気付きもしない…!一体どれだけ私をバカにしているの…!?答えなさい…!!!答えるのよッ!!!」ギリ…!
提督(あぁ…)
提督「…」
気付かないようにしてた…
この女に会った時、そんな訳無いと思い込みたかった…
この声を聞いた時、絶対に違うと思いたかった…
記者「ねぇ」ギロ
この目を見た時、山城じゃないと思えなかった
山城「貴方はどうして私から逃げたの…?」
山城「ねぇ」
山城「ねぇ」スッ
提督「っ…」ゴク…
提督(逃げなくては…)タタッ
山城「…」カチン
山城「ふふ…ふ…ふふふ…くふふ…」ニヤニヤ
山城「ふふふ…待って、提督」ツカツカ
提督「っ…」ササッ
提督In押し入れ(や、やばい…咄嗟に隠れたけどこんな所すぐに…)
山城「ふふ…不幸だわぁ…」
山城「3年かけて見つけたのに…また見失っちゃったぁ…」
山城「提督〜、どこにいるんですか〜?」ガンッ!!
提督(ひっ…襖を叩いてる…!?)ブルブル
山城「まさかこんな所には居ないわよね?」ドカッ!バンッ!!
山城「提督ぅ…もう私の負けですからぁ…ねぇ」ゴンッ!ドゴッ
提督(…)ガタガタ
ドンっ…ドカッ…ボゴッ…
提督(っ…)
シーン…
提督(…?)チラ
提督(あ、穴が……)
提督(…!!!)ゾッ
山城「みぃつけたぁ」にたぁ
提督「ひっ…」ガタガタ
襖「」バキッ
山城「ふふ…今度はすぐに見つけたぁ…」ガシッ
提督「うぐっ…!」
山城「…」ずりずり
山城「ねぇ…提督…っ…」
ぶんっ
提督「ぐあっ!」バキッ
ドサ…
提督「はぁ…はぁ…」
提督(足が…動かねぇ…っ!)
山城「…」
山城「っ!」ガバッ
提督「うっ…」どっ
山城「…」じーっ
山城「ねぇ…貴方はこの3年間…どう過ごしてたの…?」ユラァ
山城「貴方はこの3年間…私がどんな思いで過ごしてたか想像出来るかしら…?」グイッ!
提督「ほ、本当にすまないと思って…」ビク
山城「ふーっ…ふーっ…」ギラギラ
提督(こ、この目の時はやばい…!)ずりずり
山城「もう…絶対に逃がさないんだからっ…」ガシィ
提督「ひっ」
山城「ごく、っ、…はぁ…はぁ…」たらー…
提督「うくっ…」
提督(涎が顔に…っ!)ブンブン
山城「っ…」ぎゅっ
山城「う、動くなぁ…!」ガシ
提督「や、やめ…!?」
山城「じっとしてなさい…!!」ズイッ
山城「んっ!」ちゅうぅ
提督「!?」
山城「ふぅ…!はむ…!」ぐぐぐ…
提督(やばい…頭抑え込まられて…!)
山城「んふーっ…んふーっ…!」ぐちゅぐちゅ
提督(い、息が出来ん…!)ばたばた
山城「くふふっ…はむっ…ぷちゅ…」にたにた
提督「…」ぞっ…
山城「っ…」ちゅぱっ
山城「はぁ…はぁ…」ギロ
提督「すまない…山城…」
提督「お前から逃げた事…本当に…」
山城「そんな言葉信じないわ…」ギロ
提督「…」
山城「二度と逃がさない…!貴方だけ幸せになるなんて絶対に許さない…!!」ボソボソ
提督「…っ」
山城「貴方の隣に私が居ないなんて絶対に許さない…私から離れるなんて絶対に許さない…」ブツブツ
山城「貴方の目に私が映らないなんて耐えられない…っ!」ジワ…
提督「山城…」
山城「どこに行っても捕まえてやる…どこに逃げたって引き摺り出してやる…!」ぎゅうぅっ!
提督「ぐぅっ…!」
山城「私以外を見るなんて絶対に許さないんだから…!!!」ポロポロ
………
……
提督「はぁっ!」ガバ
提督「はぁっ…はぁっ…夢か…?」
「ねぇ、誰と話してるのよ…」もぞ…
提督「」ビク
「…また私以外に目を向けてたの…!?」
提督「ち、違っ…んむっ」
「んっ…いいわ…今日もその身にたっぷりと刻んであげる…」ギュッ
山城「今の私がどれだけ幸せなのか…」にこ
今日も俺達のケッコン生活は続いてゆく…
俺は山城とケッコンして幸せだったのだろうか…
答えは分からない…
山城の暴力的な愛を受け止めきれるその日が訪れるまで…
ー完ー
なか卯コラボの時の山城が一番好きなんだ