【艦これ】色んな鎮守府の日常【SS】   作:大キャバクラ

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悪役艦娘注意


36話・左遷艦娘の居る鎮守府(島風)

 

島風「…」てくてく

 

「やっと出てくんだってね…」

 

島風「…」てくてく

 

「居なくなって清々するわね」

 

島風「っ…」てくてく

 

「なんであんな子がウチにいたのかしら」

 

 

島風「…」

 

島風「…お世話になりました」ぺこ

 

シーン…

 

島風「…」うるっ

 

島風「っ」ごしごし

 

島風「…っ」ダッ

 

 

 

ワイワイ…

 

 

〜とある浜辺〜

 

島風「はぁ…とうとう追い出されちゃったー…」

 

島風「新しい鎮守府でも厄介者になっちゃうのかな…」ウル

 

島風「私はただ…」

 

「ちょっと独り言が多くないかなぁ?」

 

島風「!」びくぅ!

 

島風「お、おじさん誰っ」

 

男「おじさんか…もうそんな歳かぁ…」しみじみ

 

島風「…不審者はつーほーしますよ」じと

 

男「そ、それは勘弁だな」

 

男「だがそっちにも問題があるぞ?人が気持ち良く寝てたのにブツブツと…」

 

島風「お、おじさんには関係なーい!」

 

男「…そりゃ悪かったなぁ」

 

男「じゃ、おじさんは家に帰るから、紐パンツのお嬢ちゃんも気を付けて帰りな」てくてく

 

島風「!?」バッ

 

男「」ケラケラ

 

島風「へ、変態!///」プンプン

 

島風(もう…何で私だけこんな制服っ…!)

 

………

……

 

〜鎮守府…?〜

 

島風「え…ここで会ってるよね…?」

 

小屋「」

 

島風「これ少し大きい倉庫とかじゃないの…?」キョロキョロ

 

「おや?道に迷ったのかな?」

 

島風「い、いえ、そんなことは…」チラ

 

島風「あ、あぁーーっ!!」

 

男「相変わらず元気だねぇ」

 

島風「不審者の変態おじさんじゃん!」サッ

 

男「何も隠れなくてもいいだろ?」

 

島風「何でこんな所にいるのっ!」

 

男「何でって言われても…ここが俺の家だから…かな?」

 

島風「うわぁ」

 

男「そんな乞食を見るような目を向けないでくれ」

 

男「これでも住みやすいんだぜ?」

 

島風「ふーん…」しらー

 

男「…嘘じゃねぇぞ」

 

島風「どうでもいいや」

 

島風「おじさん、ここら辺に詳しい?」

 

男「まぁ、それなりにはな」

 

島風「じゃあさ、舞鶴の第8…」

 

「ちょっと!!どこをほっつき歩いてたのっ!!」バタァン!!

 

島風「!?」

 

男「あぁ、すまんすまん」

 

 

ビスマルク「すまんで済んだら警察は要らないのよっ!」

 

天津風「あら、もしかして島風?」

 

島風(か、艦娘…!?)

 

ビスマルク「!!」ハッ

 

ビスマルク「あ、貴方ねぇ…!!」ワナワナ

 

ビスマルク「子供誘拐してくるってどういう事よ!?」

 

男「誘拐してないよ、何か居ただけ」

 

ビスマルク「嘘おっしゃい!何よ!?少し相手してあげないだけで子供に手出そうって事!?言っておくけどね!〜」ギャーギャー

 

男「…」チラ

 

島風「な、何ですか」

 

天津風「…」ヤレヤレ

 

男「…」ヤレヤレ

 

男「…」てくてく

 

ぎゅっ…

 

ビスマルク「大体貴方はねぇ!ってちょっと!や、やめなさっ…」

 

男「ビスマルク、済まなかったな」

 

男「何も言わずに朝から居なくなって…」

 

ビスマルク「…それだけ?」

 

男「…愛してるよ、ビスマルク」ぎゅっ…

 

ビスマルク「ふ、ふん!」ぎゅうぅ…

 

ビスマルク「〜♪」

 

島風「」ポカーン

 

天津風「よくやるわよね…」

 

島風「何あれ…」

 

島風「あ、あのっ!」

 

男「あぁ、すまんな、何だい?」

 

島風「何で艦娘が…?」

 

男「あぁ…だってここは…」

 

 

この見るからに倉庫な小さな建物は、私の新しい鎮守府でした。

 

 

提督「と言っても艦娘はビスマルクと天津風と君だけなんだけどさ」

 

天津風「よろしくね」

 

ビスマルク「貴女、若いからってこの人を奪おうとしても私がゆるさ

 

島風「こんなおじさん好きじゃないもんっ!」

 

ビスマルク「」カチン

 

提督「ビスマルク」スッ

 

ビスマルク「…覚えときなさい」

 

島風「…ふんっ!」

 

天津風「島風もビスマルクさんを挑発しないの」

 

島風「だ、だって…」

 

提督「困ったもんよのう」

 

提督「でもこれで艦娘も増えたし、任務も楽になるだろう」

 

ビスマルク「楽…楽ですって!?こんなガキンチョ1人に何が出来るって言うのよ!!貴方楽天的過ぎるのよっ!!いい!?よく聞きなさいな!ただでさえこの鎮守府はねぇ〜…」ギャーギャー

 

天津風「あぁもううるさいっ!」

 

ビスマルク&天津風「」ぎゃーぎゃー

 

提督「ま、気楽にいこうな、島風ちゃん?」

 

島風「…」

 

ビスマルク「ちょっと!ちゃんと聞きなさいっ!!」バシッ

 

提督「あっ」ドサ

 

……

 

ー夜ー

 

提督「すまん島風ちゃん、狭くて…」

 

島風「おじさんくさーい」

 

天津風「もう歳なのよ」

 

島風「確かにー!」

 

提督「それは流石に傷つくかな」

 

ビスマルク「ちょっと!ガキンチョ達により過ぎよ!もっとこっち来なさい!」ぐいっ

 

提督「暑いだろうが」

 

島風「私島風!ガキンチョじゃなーい!」

 

ビスマルク「どうでもいいわよそんなの!」

 

天津風「もう!いい加減にしなさいっ!貴方も黙ってないで止めなさいよっ!」

 

提督「そうだぞ、暑いぞビスマルク」

 

ビスマルク「暑くないわよ!」

 

島風「〜zz」

 

天津風「〜zz」

 

提督「寝るの速いなこの子達」

 

ビスマルク「!」

 

ビスマルク「…」

 

提督「じゃ、俺も寝るかな」

 

提督「お休みビスマルク…」

 

ビスマルク「待ちなさい」

 

提督「?」

 

ビスマルク「今日…貴方が居ない間…すごく寂しかったのよ」

 

提督「あぁ…本当にごめんな…」

 

ビスマルク「それだけで済ますつもり…?」

 

提督「…」

 

ビスマルク「ねぇ…」サワ…

 

提督「…もう2人だけじゃ無いんだぞ」

 

ビスマルク「いいじゃない…お願い…」キュ…

 

提督「…静かにな…?」ちゅっ

 

ビスマルク「〜♡」

 

イチャイチャ…

 

島風(起きてるしっ!)

 

天津風「///」

 

……

 

 

ー次の日ー

 

ビスマルク「よく寝たわ!」

 

ビスマルク「何よ貴方達、朝から辛気臭いわね?どうしたのよ」

 

提督「ううん…何でもないさ」

 

島風(ビスマルクうるさすぎ…)

 

天津風「…」ぼーっ

 

提督「今日は…うん、予定は無いな」

 

提督「一応近海警備って事で」

 

天津風「はーい」

 

ビスマルク「つまんないわね」

 

島風(はぁ…前は常に前戦に居たのになぁ…)

 

ビスマルク「警備しながら訓練でもしようかしら」

 

天津風「あら、相手するわよ?」

 

ビスマルク「当然よ!」

 

島風「わ、私も…」

 

ビスマルク「…しょうがないわね」

 

ビスマルク「水雷戦のやり方でも教えてあげようかしら?」

 

島風「え?」

 

島風「び、ビスマルク戦艦でしょ?」くすくす

 

島風「戦艦が水雷戦なんて出来るわけないじゃーん!」ケラケラ

 

天津風「島風、あのね…」

 

ビスマルク「このガキ本当に生意気ね」

 

天津風「もう!遮らないでよ!」

 

ビスマルク「悪いわね天津風、黙っていられなかったの」

 

ビスマルク「提督、今日の予定は変更よ」

 

ビスマルク「この子と演習するわ」ガシ

 

島風「えっ!?」

 

提督「ちゃんと警備もしろよー?」

 

島風「もう!本当に大人げなーい!」

 

ビスマルク「大人げなくて結構、舐めるんじゃ無いわよ」

 

島風「…」ムカ

 

ビスマルク「天津風は手を出さないで頂戴?お願いよ?」

 

天津風「大丈夫かしら…」

 

 

〜演習場〜

 

ビスマルク「さて…何をして痛めつけてやろうかしら」

 

島風「ふん!おばさんは悩んでればいいじゃん!どんどん攻撃してくよー!」

 

ビスマルク「は、はぁぁ!?おばさん!?よくもこの私に向かっておばさんなんて言ってくれたわね!?言っておくけどね!貴女みたいなまだ毛も生え揃ってないガキより私の方が…っ!?」

 

ドォン

 

ビスマルク「きゃっ!?」hit!9!

 

島風「うーん…やっぱ戦艦は硬いなぁ…」

 

島風「5連装酸素魚雷!行っ↑ちゃっ↓てー↑っ!」ボシッ…

 

ビスマルク「や、やってくれたわね…!!」プルプル

 

ビスマルク「舐めんじゃ無いわよっ!!」ボシッ

 

島風「?」

 

島風(今何したの…?)

 

スゥーっ…

 

島風「あ、あれ?何で魚雷が返ってきて…」

 

島風「!?」

 

島風(…違うっ!これ酸素魚雷じゃないっ!!)

 

島風「ま、待って

 

ドオォン

 

 

島風「ひゃんっ!?」中破

 

ビスマルク「ぷふっ…何よその格好…」

 

島風「…」プルプル

 

ビスマルク「まるで痴女じゃない!おまけに魚雷も撃てなくなっちゃって…あー可哀想!」

 

ビスマルク「それに比べて私はまだまだ魚雷も主砲も使えるわよ?」

 

ビスマルク「ねぇ、どんな気分かしら!」にやにや

 

天津風「っ!」シャーッ!

 

天津風「ビスマルク!そこまでよ!」

 

ビスマルク「ふんっ!」ぷいっ

 

天津風「島風も何で挑発するような事…」

 

島風「うわぁーん!くそばばぁが虐めるーっ!」

 

ビスマルク「」

 

島風「ばーか!あほ!死んじゃえっ!」ばしゃっばしゃっ

 

ビスマルク「ち、ちょっと!水かけるのはやめなさい!」

 

天津風「きゃっ!?やめなさいっ!」

 

島風「天津風もばーかばーか!」ばしゃっばしゃっ

 

天津風「島風っ!」

 

ビスマルク「ちょ、いい加減に」

 

島風「うわぁ!また怒った!」ギュイィン…キリ…キリ…!!

 

ビスマルク(この音…何…?)

 

天津風「!!」

 

島風「捕まえたければどうぞ!おばさんは追いつけないと思うけど!」にこ

 

天津風「し、島風ダメっ!タービン止めて…っ」

 

 

島風「…?」

 

ドシュッ…

 

 

 

ボン…!!プス…

 

島風「…」ぼしゅっ!…ぼしゅっ…キュウゥン…カラカラカラ…

 

ビスマルク「…」

 

天津風「あぁ…もう!」

 

島風「…」

 

ビスマルク「…」ガシ

 

島風「…じ、じゃあ…先に港に戻ってるね…?」カタカタ

 

ビスマルク「あら、良いのよ?おばさんと一緒に帰りましょ?」にこ

 

島風「」

 

………

……

 

提督「そりゃあ災難だったなぁ」

 

島風「ごべんなさい…」

 

ビスマルク「ふん!」

 

天津風「ちょっと…」

 

提督「でも島風ちゃんもおばさんを虐めちゃあいけないよ?」

 

ビスマルク「貴方どういうつもりよ!」ぷんぷん

 

島風「ふぁい…」

 

艦本式タービン「」ボロっ

 

島風「…」ジワ

 

島風「…ぐすっ…わだじの…タービン…っ…」ボロボロ

 

天津風「…」

 

ビスマルク「…」

 

 

……

 

ー次の日ー

 

ビスマルク「さ、今日も警備に出るわよ」

 

島風「うん…」

 

ビスマルク「ちょっと、随伴艦がそんなんじゃ士気が下がるわ」

 

島風「ごめんなさい…」

 

ビスマルク「全く…」

 

天津風「無理も無いわよ…」

 

次の日、その次の日も島風は落ち込む一方であった。

 

 

ビスマルク(確かに…島風という艦娘の命、アイデンティティーとも言えるタービンがオシャカになったんじゃあ、無理もないわね)

 

ビスマルク(ふん!いい気味じゃない、散々私を馬鹿にしたんだから)チラ

 

島風「…」いじいじ

 

島風「…」

 

天津風「大丈夫…?」なでなで

 

島風「っ…」うるっ

 

ビスマルク(はぁ…見てるだけで気が滅入っちゃうわね)

 

ビスマルク(…これは艦隊の士気の為よ、島風の為なんかじゃないわよ…)ぐっ…

 

 

ー次の日ー

 

提督「どうしたビスマルク、急に炉に火を入れて…」

 

ビスマルク「良いから、黙って戦艦一隻分の資源寄越しなさい」

 

提督「これはまた随分と急だな…」

 

ビスマルク「うるさいわね!早く持って来なさい!」

 

提督「…はいはい」

 

 

〜〜〜

 

ビスマルク「さぁ、開けるわよ」プシュウ…

 

提督「…」ワクワク

 

 

霧島「マイク音量大丈夫?」

 

ビスマルク「…」ほっ

 

ビスマルク(とりあえず戦艦ね…良かった…)

 

提督「えー、霧島かぁ…」

 

提督「どうせなら長門とかさぁ…」

 

霧島「ひ、酷い方ですねぇ」

 

ビスマルク「貴方がちょっとケチるからよ」

 

提督「くっ…」

 

ビスマルク「突然だけど霧島、沖ノ島に行く準備をしなさい」

 

霧島「え!?」

 

ビスマルク「提督、天津風にも声をかけておいて頂戴」

 

提督「いいけど…」

 

ビスマルク「やらなきゃいけない任務があるの、早く行くわよ」

 

霧島「ま、待って下さい!突然言われてもまだそこの海域の戦況分析も何も…」

 

ビスマルク「早くしなさい」ギロ

 

霧島「ど、どうなっても知りませんよ…」

 

提督「ビスマルク、どうしたんだ急に」

 

ビスマルク「貴方はこの書類に達成済みのサインでもしておきなさい」ペラ

 

提督「…主力戦艦戦隊抜錨せよ…?」

 

ビスマルク「じゃ、行って来るわね」

 

霧島「ひ、引っ張らないで下さい歩けます!」

 

バタン

 

 

提督「急に任務をやり出すなんて…何かアイツにメリットあるのか?」ヨミヨミ

 

提督「報酬あるのか…あっ…」

 

提督「…なるほど」チラ

 

島風「…」ぼー…

 

提督「…そういうところが好きなんだよなぁ…」にこにこ

 

 

………

……

 

ー半日後ー

 

ビスマルク「提督、帰ったわ」大破

 

霧島「か、帰りました…」小破

 

天津風「久々に仕事したわね…」小破

 

島風「!?」

 

提督「!?大丈夫か!?」

 

ビスマルク「作戦は成功よ」

 

ビスマルク「さっさと書類提出しなさい、私はドックに行くから、早く書類出すのよ、分かったわね」ヨロヨロ

 

提督「わ、分かった」

 

ビスマルク「…danke」にこ

 

ガチャ…

 

 

提督「天津風?ビスマルクは一体…」

 

天津風「全く…もう少しで轟沈よ!」

 

提督「そんなにか…霧島さんは何か見たかい?」

 

霧島「わ、分かりません…私もこの身体になってなにぶん初めての戦闘でして…」カタカタ

 

霧島「私の至近距離で爆発していた時もあったのでビスマルクさんが代わりに攻撃を受けていた可能性も…」

 

天津風「ほんと…昔から変わらないわよ…」

 

提督「…バカだなぁ…もう少し理由を言ってくれれば戦力も補充したのに…」

 

霧島「自分だってもう…ギリギリなのに…私達を庇ってくれて…」

 

霧島「私達が被弾した時なんて…彼女すごく…」

 

提督「そうか…実はな…」

 

〜〜〜

〜〜

 

霧島「…それでビスマルクさんは…」

 

提督「…あぁ」

 

提督「すごく、佳い女だろ?」にこ

 

……

 

ー3日後ー

 

ビスマルク「ほら、今日は他鎮守府との演習よ」

 

島風「はい…」

 

天津風「…」

 

霧島「はい!」

 

ビスマルク「ちゃんと装備も確認してね」

 

島風「…」ガチャガチャ

 

島風「!!!」

 

島風「こ、これ…」

 

強化型艦本式缶「」キラキラ

 

霧島「まぁ!」

 

天津風「あっ!」

 

ビスマルク「さっさと装備なさい、日が暮れるわよ」

 

島風「い、いいの…?」

 

ビスマルク「貴女バカかしら?それを装備出来るのは天津風以外だと現状貴女しか居ないじゃない!天津風はもう持ってるのよ!なに?それとも解体してうちの資源に…」

 

島風「ありがとう!ビスマルクさん!」にこ

 

島風「大事に使うからっ!」キラキラ

 

ビスマルク「!」

 

ビスマルク「…」

 

ビスマルク「っ…//」くいっ

 

天津風「照れてるの?」じろじろ

 

ビスマルク「や、やめてっ//」ぷいっ

 

霧島「ふふ…」

 

提督「ビスマルク、そんなに帽子深く被ったら前見えないぞ」にや

 

ビスマルク「う、うるさい!先に行ってるわ!ガキ共とメガネはさっさと付いて来なさいっ!!」シューッ…

 

島風「うん!」

 

天津風「〜♪」ガチャ

 

霧島「め、メガネ…」

 

キュイィン!!ゴォー…

 

天津風「あら、いい音ね…」しみじみ

 

島風「機関ばっちり…!」

 

ドシュウン…!!

 

島風「は、はやーい!!」

 

 

ビスマルク「ちょっと先行し過ぎよ!」

 

島風「ふふーん、着いて来れるー?」にこ

 

天津風「望むところよっ!」キュイィン…!!

 

ビスマルク「…伊達に高速戦艦やってないわよ!」ニヤ

 

霧島「私達では流石に無理では?」

 

 

〜鎮守府〜

 

提督「そろそろ着いたかな?」

 

……

 

ザザー…

 

天津風「はぁっ…身体が火照って…//」ぱたぱた

 

ビスマルク「調子に乗って飛ばすからよ」

 

天津風「しょうがないじゃないっ、やっとスピードで張り合える相手が…」

 

島風(何か見覚えのある…)

 

島風「!」

 

島風「ここ…まさか…」

 

ビスマルク「?」

 

霧島「どうしたのかしら?」

 

島風「わ、私が前…居た、ところ…」

 

天津風「こんな事あるのね…」

 

ビスマルク「ふぅん…随分立派ね」

 

霧島「格が違くないですか?」メガネくいっ

 

天津風「赤煉瓦が素敵ね…」

 

ビスマルク「あの男にも作らせようかしら」

 

ビスマルク「あぁそう、霧島、貴女練度が1番低いのだから意味深に笑っていなさい」

 

霧島「え…?」

 

ビスマルク「貴女ガタイが良いからそれだけで相手は怖がって近づかないわ」

 

霧島「…」

 

霧島「くく…」メガネくいっ

 

天津風「えぇ…」

 

………

……

 

 

島風「あっ…」

 

島風(や、やっぱり…)

 

鹿島「あら?どこかで見た事のある駆逐艦ですね?」

 

満潮「あぁ、何?まさかそいつまたうちで世話するの?」

 

島風「…!」

 

漣「お荷物キタコレ!」

 

吹雪「まぁまぁ、その子だってここよりいい鎮守府に行ったのでしょうからこんな所には帰らないと思いますよ、何たって速くて優秀なんですから」

 

鹿島「ふふ…そうでしたね…その子もやっと

 

ビスマルク「島風よ」

 

島風「っ…」

 

満潮「はぁ?」

 

ビスマルク「この子、島風って言う名前があるのよ」

 

吹雪「は?そうだったんですか??」

 

漣「酷すぎ〜」ケラケラ

 

島風「…」じわ

 

天津風「このっ…!」

 

ビスマルク「…」スッ

 

天津風「…この手を退けなさい」ギロ

 

ビスマルク「今はダメよ」

 

天津風「…」

 

島風「…」

 

ビスマルク「この子の名前、思い出したからしら?」

 

吹雪「あぁっ!そういえばそんな名前でしたね、大丈夫です!思い出しましたから!」ニヤニヤ

 

ビスマルク「あらそう、良かったわ?てっきり名前すら覚えられない人達ばかりかと思ったわ?」

 

吹雪「いえいえ、ご心配なさらず」にこ

 

ビスマルク「心配なんてしてないわ?磯波さん?」にこ

 

吹雪「」カチン

 

島風「ぷっ…」

 

漣「…」ぷるぷる

 

吹雪「ふ、吹雪…です…」プルプル

 

ビスマルク「えぇ?聞こえないわ磯波さん、もう一度言ってくださる?」

 

吹雪「吹雪です!吹雪型1番艦の吹雪です!!」

 

ビスマルク「あら!ごめんなさい!顔が似てるからつい!」ハッ

 

吹雪「あんな芋と一緒にすんなぁぁっ!!」

 

漣「ぎゃははははっ!」ゲラゲラ

 

吹雪「笑うなぁぁっ!!」

 

ビスマルク「私達から見れば貴女も充分芋よ、ねぇ?」

 

鹿島「えっ!?」

 

吹雪「…!」ジロ

 

鹿島「あ、あはは…」

 

満潮「さっきから何よアンタは!落ちこぼれ艦隊の癖して!」

 

天津風「」カチン

 

ビスマルク「あら、それはどうかしらねぇ?」

 

ビスマルク「ここには貴女達を除いて超優秀な艦娘しか居ないはずだけど…」キョロキョロ

 

ビスマルク「そうでしょ?島風?天津風?霧島?」

 

天津風「えぇ、そうね」

 

島風「…」

 

霧島「くく…」

 

ビスマルク「どうなのかしら、島風?」

 

島風「…本当ですよ」

 

霧島「…」

 

島風「この鎮守府に居る奴全員おそーい!誰も付いて来れなかったもんねー!」

 

吹雪「…!!」

 

鹿島「…」イラ

 

満潮「アンタねぇ…!」ワナワナ

 

漣「…」ピク

 

ビスマルク「あら、やっぱり優秀なのは私達だけなのね」

 

ビスマルク「という事で早速始めましょうか、演習」

 

霧島「何で煽るだけ煽るんですかねぇ…」

 

天津風「これくらいがちょうどいいのよ」

 

島風「…ふふ」

 

……

 

ビスマルク「何だ…やっぱり弱いじゃない」

 

吹雪「戦艦2隻は…反則…!」ズシャ

 

霧島「ふふ…」メガネくいっ

 

ビスマルク「果たして練度3の霧島の砲撃が、最大練度の貴女達に当たってたのかしら?」

 

鹿島「くっ…」ボロっ…

 

霧島「ふふふ…」くいっ

 

ビスマルク「私に至っては攻撃してないし、私達戦艦は数に入れなくて良いわよ?」

 

ビスマルク「貴女達はね、島風と天津風にやられたのよ」

 

満潮「うぐ…」

 

島風「…」

 

島風「私が…」

 

天津風「はぁ…はぁ…っ」ぽたぽた

 

ビスマルク「天津風、これで汗拭きなさい」つハンカチ

 

天津風「ありがとう…」

 

ビスマルク「良くやったじゃない島風、帰りにグミ買ってあげるわ」

 

島風「私グミきらーい」

 

満潮「ありえないわよ!」

 

島風「!」

 

満潮「そんな左遷された奴にっ!私達が負けるなんてありえないんだから!!」

 

島風「っ…」

 

ビスマルク「…」

 

満潮「何なのよ…速い速いって…皆んなも相当ウザがってたわよね!?」

 

満潮「速いってだけで司令官から可愛がられて…どうせそんな格好して司令官の愛人にでもなってたんでしょ!新しい鎮守府でもどうせ愛人してるんじゃないの!?」

 

満潮「スピード以外取り柄の無いアンタなんて…誰も相手にしちゃいなかったのよ!!早く居なくなれって思ってたのよ!!」

 

島風「うぐっ…!」ポロポロ

 

天津風「ちょっと貴女っ!!言い掛かりも…」

 

 

ビスマルク「ねぇ、満潮さん」

 

満潮「何よ…」ビク

 

ビスマルク「貴女、40ノット出せるかしら」

 

満潮「だ、出せるわけ無いじゃない」

 

ビスマルク「貴女は?」

 

鹿島「…」ふるふる

 

ビスマルク「吹雪さんは?」

 

吹雪「…無理です」

 

ビスマルク「あな

 

漣「無理ですな…」

 

 

ビスマルク「…誰も出せないじゃない、40ノット」

 

満潮「だ、だから何よ…」

 

満潮「そんなに速度出したって…意味ないじゃない…ただのバカよ!」

 

満潮「そこにいるアンタにも言ってるのよ!」

 

天津風「っ…」

 

ビスマルク「…いい?この島風って子はね、40ノット出せるのよ」

 

島風「…」

 

ビスマルク「天津風もそれに近い速度が出せるのよ」

 

ビスマルク「高速で走れるのよ!回避出来るのよ!」

 

ビスマルク「それしか取り柄が無い…?」

 

ビスマルク「それで良いじゃない!誰か島風に砲撃を当てられたかしら!?」

 

満潮「!」

 

ビスマルク「誰か天津風に魚雷でも当てる事が出来たかしら!」

 

吹雪「…」

 

ビスマルク「覚えておきなさい、貴女達が何と言おうと、決して島風には追いつけない」

 

ビスマルク「貴女達じゃ、島風1人にだって勝てやしないわよ」

 

ビスマルク「この子に文句言いたいなら、この子に追いついてから言いなさい」

 

島風「…」ぐすぐす

 

ビスマルク「…行くわよ、島風、天津風、霧島」

 

……

 

ザザー…

 

島風「ありがとう…っ…」

 

天津風「ふぅ…久々に目一杯機関を回したわね…」

 

ビスマルク「良いのよ、あんな所もう忘れなさい」

 

ビスマルク「今の貴女の居場所は、あそこよ」にこ

 

島風「…うん!」

 

 

〜〜〜

〜〜

 

提督「おう、戻ったか」

 

提督「どうだった?」

 

ビスマルク「疲れたわよ!何で急に演習の予定なんて入れるわけ!?」

 

提督「いやぁ…ギリギリ鎮守府として活動するためのノルマがさぁ…」

 

ビスマルク「ふん!早くお風呂作りなさい!」

 

提督「はいはい…」

 

提督「あ、島風」

 

島風「なぁに?」

 

提督「お前達島風向けに大本営から新型タービンの試験依頼が来てるんだが…」

 

提督「参加すればそのまま新型高温高圧缶もらえるらしいぞー」

 

島風「ふーん」

 

提督「どうする?」

 

島風「いらなーい」

 

ビスマルク「!?」

 

天津風「!?」

 

提督「本当かー?」

 

ビスマルク「ちょっと!何考えてるのよ!新兵装よ!しかも貴女の大好きなタービンよ!?」

 

島風「いいもん、私にはこれがあるから」ぎゅっ…

 

ビスマルク「っ…」

 

島風「私はこのタービンが1番好きだもん」にこ

 

提督「ひゅーっ」

 

ビスマルク「…後悔だけはするんじゃ無いわよ」ツカツカ

 

天津風「あら、嬉しいくせに」ててて

 

 

提督「…」

 

提督「見た!?ビスマルクのあの嬉しそうな顔…」

 

島風「?」

 

「うるさいっ!」

 

提督「ふふ…」

 

「島風ー!早く来ないと冷めるわよ!」

 

島風「はーい!」ててて

 

提督「よく休むんだぞ」

 

提督「はぁ、今日も平和で何より…」

 

霧島「…」ガサガサ

 

霧島「司令、任務が滞ってるようですね」

 

霧島「今まで何をしていたのですか?」メガネくいっ

 

提督「え?いや…海見たり…散歩したり…」

 

霧島「はぁ…これからはビスマルクさんに代わって私が管理しますね」

 

提督「そんな…」

 

霧島「さ、まずひとつ、行くわよ〜!」

 

提督「お手柔らかに頼む…」

 

「霧島!貴女秘書艦気取ってんじゃ無いわよ!」

 

霧島「!」

 

ザバァ!ヒタヒタ!

 

ビスマルク「そいつの秘書艦はねぇ!〜」全裸

 

天津風「ち、ちょっといい加減に…」びしゃびしゃ

 

提督&霧島「!?」

 

島風「うわぁ!床びちょびちょ!」

 

ビスマルク「…」ハッ

 

提督「風呂上がったら掃除な」

 

ビスマルク「天津風、貴女やっときなさい」

 

天津風「冗談じゃないわよっ!」

 

ぎゃーぎゃー…

 

 

提督「今日も賑やかだな…」

 

島風「うん…でも…」

 

提督「良いところだろ?」

 

島風「…うん!」にこ

【挿絵表示】

 

 

ー缶ー




ビスコ本当好き

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