【艦これ】色んな鎮守府の日常【SS】   作:大キャバクラ

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ぱわーおぶらぶ


56話・諜報部員提督の居た鎮守府(時雨) ☆

〜ある日の執務室〜

 

時雨「提督、頑張って敵を倒したんだ」

 

時雨「うんと褒めてほしいな」スリ…

 

提督「あぁ、偉いぞ時雨、次もこの調子で頼む」なでなで

 

時雨「〜♪」スリスリ

 

提督「…」

 

 

提督(…全く海の連中は腑抜けている)

 

提督(こんな女やガキみたいな奴らを餌にしなきゃ志願する者がいない時点で察するがな)

 

提督(艦娘だかなんだか知らんが…貴様らの情報、我が陸軍に持ち帰らせてもらうぞ…)ニヤ

 

時雨「?」

 

時雨「提督、何か良い事でもあったのかい?」にこ

 

提督「いや、時雨は可愛いなと思ってな…」

 

時雨「!」パアァ

 

時雨「そ、そんな事言われたら照れるじゃないかっ//」ソワソワ

 

提督(…フン、本当にこんな奴らにこの国を任せて良いのか甚だ疑問だな)

 

時雨「…♪」

 

提督「…時雨、そろそろ執務をするから部屋に戻らないか?」

 

時雨「うぅん…名残惜しいけど、そうするね」

 

時雨「じゃあね、提督」にこ

 

ぱたぱた

 

パタン…

 

 

提督「…ふぅ…ここに居ると根性が腐る…」

 

提督「俺もアイツらの様な腑抜けになってしまわないか心配だ…」

 

提督「…」カチャカチャ

 

通信機「」ジジ…

 

提督(今日も特筆して新たな発見無し…艦娘との関係良好、諜報継続と…)パチ…パチ…

 

提督「…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時雨「…」

 

……

 

 

〜別の日〜

 

提督「…」ナデナデ

 

時雨「ふふ…くすぐったいよ…♪」すりすり

 

提督(…マズイ…そろそろ進展した報告を送らないと…何されるか…)

 

提督(それに早くここから離脱しないと…いくら俺でも情ってもんが…)

 

時雨「…」

 

時雨「…提督」

 

提督「ん?なんだ?」にこ

 

時雨「提督、僕達艦娘の力の秘密…知りたい?」

 

提督「…!!」

 

提督(…これはまさか…好機なのでは…?)

 

提督「…急に何を言い出すんだ?」

 

時雨「へへ…提督には僕達の秘密を知ってほしくて…」もじもじ

 

提督「…成る程、聞かせて貰えるのならば是非頼みたいな」

 

時雨「それはね…」によによ

 

 

時雨「…愛の力だよ」にこ

 

提督「…そうか」にこ

 

時雨「〜♪」すりすり

 

提督「…」

 

提督(クソ!クソ!!何を言い出すかと思えば愛だと!?)

 

提督(そんな物で戦争に勝てるのか!?そんな物で腹が膨れるのか!!)

 

提督(はっ…こいつら女に期待した俺がバカだったな…)

 

時雨「…」

 

提督「ありがとう時雨…大切な事を教えてくれて…」にこ

 

時雨「うん、いいんだ」ぎゅ…

 

時雨「提督、愛の力って言うのはね…とても不思議なモノなんだ」

 

時雨「ダイヤモンドよりも頑丈で…クリームみたいにフワフワで…」

 

時雨「それは強力で…突然で…」

 

 

時雨「時々残酷なんだ」スゥ

 

提督「…?」

 

 

時雨「っ」ドンッ

 

提督「!?」ドサッ

 

ガバッ…

 

提督「し、時雨…?どうした突然…」

 

時雨「提督…いや…陸軍少佐の方が、君にとっては聞き馴染みがあるのかな」

 

提督「…!!!」ビク

 

時雨「ねぇ、君はこの任務が終わったらここから出て行ってしまうのかい?」

 

提督「な、何の事だ…さっきから、俺は陸軍でもなけりゃここから出るつもりは…」

 

時雨「っ…!」ぶんっ

 

ばきっ…

 

提督「ぅっ…!?」

 

時雨「嘘は困るな、僕を困らせないでよ…提督…」スッ…

 

提督「ち、ちょっと待ってくれ…!」ガクガク

 

提督「嘘なんて一言もっ…っ!?」

 

時雨「…」ぐぐぐ…!!

 

提督「ぁぐ…がはっ…!!」バタバタ

 

時雨「…」ぎゅうぅぅ…!!!

 

提督(まずい…死…)

 

時雨「…いつか消えてしまうなら…僕の手の中で消えてよ…」ぐぐっ…

 

提督「っ!?」

 

提督(こ、こいつ…っ、目がマジだ…っ!)

 

時雨「…」ぎゅうぅ

 

提督「や、やべで…っ!ほ、ほんとの…事…言う…っ!」ブクブク

 

時雨「…」

 

提督「た、たの…む…っ!」

 

時雨「へぇ…スパイってもっとしぶといかと思ってた…」

 

時雨「…」パッ

 

提督「げほっ!!ごほっ!!」ケホケホ

 

提督「ひゅーっ…ひゅーっ…」ガタガタ

 

時雨「早く言ってよ…」スッ…

 

提督「わ、分かったっ!待ってくれ!」

 

時雨「…」

 

提督「…お前の言う通り、俺は陸の者だ…」

 

時雨「…」

 

提督「…俺はお前達の情報を陸軍に流してたんだよ…海軍にばかり目立たれてはこちらとしても護国に務める身としてメンツが立たないからな…」

 

提督「だから俺はここで…」

 

時雨「ねぇ」

 

提督「…?」

 

時雨「僕が知りたいのはそこじゃ無いんだよ、分かんないかなぁ?」

 

時雨「君がここから居なくなるのかどうなのかって事なんだけど…」

 

提督「…」

 

提督「誰か一人にでもバレた時点で引き返すよう言われている」

 

提督「まぁ…戻っても消されるのだろうがな…」

 

提督「…」

 

 

時雨「ふぅん」

 

時雨「なら…今ここで僕が君を殺すよ」ガシャ…

 

提督「っ!」

 

時雨「君が誰かに殺されてしまうくらいなら…僕の手で…」

 

提督「ま、待ってくれ…!!」

 

提督(しまった…!こいつはそういう艦娘だったなっ!?)

 

提督「じ、冗談冗談っ…」アセアセ

 

時雨「…大丈夫、君の居ない世界なんて…僕だってまっぴらさ」

 

時雨「すぐに追いかけるから」にこ

 

提督「っ…」

 

 

 

 

 

 

ズドォン…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜半年後〜

 

 

 

 

 

〜とある海沿いの村〜

 

 

 

時雨「提督…会いたいよ…」ぐす

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

提督「帰ったぞ」

 

時雨「!!」

 

時雨「提督っ!!」てててっ

 

ぎゅっ!

 

提督「おっと…」

 

提督「ただいま、時雨」にこ

 

時雨「うんっ」すりすり

 

時雨「おかえりっ」にこ

 

 

あの後…俺は時雨により砲撃され死んだ…

 

事になった

 

当の時雨は司令官を爆殺したのち錯乱、解体処分された…

 

事になった

 

あの鎮守府の連中が上手く手を回したらしい

海軍め…貴様らはいつもそうして不祥事を隠蔽しているのだな…

国家の恥晒しも良いところだ…

まぁ…一番の恥晒しは…

 

提督「…」なでなで

 

時雨「〜♪」

 

情に流されて軍も階級も捨てた俺かもしれないな…

 

〜感〜




ほぉん!

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