〜とある夏〜
〜夜・提督私室〜
提督「…」イライラ
蚊「」プゥ〜ン…ブブ
提督「!!」パチッ!!
蚊「」プゥ〜ン…
提督「んぎぃぃぃっ!!」イライラ!
提督「はっ!いかんいかん!俺ともあろうものが獣のような声を…」
提督「蚊取り線香炊くか…あれ臭いんだよなぁ…」
シュボッ…
……
…
〜朝・食堂〜
五十鈴「あら、おはよう」
提督「あぁ、おはよう」もぐもぐ
五十鈴「私達も隣いいかしら?」かちゃ
提督「構わんよ」
由良「ふふ、ありがとうございますね」にこ
五十鈴「あら?貴方どうしたの?首の所赤くなってるわよ?」
提督「?」サス…
提督「あぁ、これは…」
提督「」ハッ
提督(五十鈴の事だ…蚊に刺されたなんて言った後には…)
五十鈴『ほんとダラシないわねぇ!?私の歴代艦長の誰1人とて就寝中に蚊に刺された男は居なかったわ!!』くわっ
提督(こうなるに違いない…!)
提督「な、何でもないぞ」サッ
五十鈴「?」
五十鈴「ま、いいわ?」
由良「…!」じーっ
提督「…」もぐもぐ
由良「姉さん、ちょっと…」コソッ
五十鈴「んー?」もぐもぐ
提督「…」カクシカクシ
由良「…ね?」
五十鈴「…」
五十鈴「提督、もう一度聞くわよ?その首…」じっ
提督「だ、だから何でもないって!」
提督「お前達も早く飯食っちまえよ!冷めるぞ!」カチャッ
提督「ごちそうさま!」スタスタ
五十鈴「怪しいわね…」
由良「あれって…キスマークよね…ねぇ?」
五十鈴「アイツにそんな相手居るなんて思えないけど…」
由良「で、でも提督さんいざという時頼りになるし…好きになる子も多いかもしれないし…ね?」
五十鈴「なに?あんたまさか提督の事好きなわけ?」にやにや
由良「ち、ちち違うよぅ!」
五十鈴「ふぅーん」にやにや
五十鈴「そんなに心配なら今度一日貼り付いて提督の様子を見たらどう?」
由良「…!」
五十鈴「ま、どうせあんたの思い過ごしよ」
由良「だといいのだけれど…」
……
…
〜後日〜
提督「…」イライラ
由良「ね、姉さん…?やっぱりおかしわよ、ね?」
五十鈴「…」
提督(ここの所蚊が増殖して無いか…!?あちこち刺されて痒い痒いなんだが!!)怒
由良「提督…?」
提督「!」
提督「おう、どうした由良?」
由良「最近、変わった事…無いですか?」
提督「ん?変わった事…」
五十鈴「何も無いわよ、こんな鈍チンには…」
提督「ちょっ…まぁ…最近全然寝れなくてさぁ…」
由良&五十鈴「!!」
由良「そ、それは寝かせてもらえない…とか…?」
提督「ん〜…まぁ…そうなるなぁ…」
提督(蚊の猛攻に耐えて…奴ら寝かせてくれんからなぁ…)
五十鈴「い、いつの間にそんな…いつから居たのよ…?」ふるふる
提督「いつからって…すげえ昔からじゃないのか?」
由良(て、提督さんも覚えてない程昔…!?そんな…)
五十鈴「…ふ、ふぅん…そう…」ズーン…
由良(あぁっ…姉さんが目に見えて落ち込んでる…!)
提督「あ〜…どうせ今日も何処からとも無く入ってくるんだろうなぁ…」
五十鈴「…!」
由良(えぇっ!?不法侵入なの…!?ねぇっ!?)
五十鈴「い、五十鈴に任せれば追い払ってやるわよっ!?」くわっ
由良(姉さん…流石に幼馴染さん相手にそれは…)
提督「それは本当か!」
由良(いいのっ!?)
五十鈴「ほ、本当は自分でケリをつけて欲しいけど…し、しょうがないからこの五十鈴が代わりにバシッと…」
提督「いやぁ助かる!最近数が増えて厄介なんだなぁこれが!」
提督「もう数なんて数えてらんないんだよ!」
由良(えぇ〜っ!1人じゃないのぉっ!?)
由良(じ、じゃあ提督さんは毎夜毎晩何人もの女の人とっ…!?//)カァ〜ッ
五十鈴「ちょっ…嘘みたいな話ね…まぁいいわっ!任せなさいっ!」エッヘン
提督「あぁっ!頼むよ!」
由良(そんなにいっぱいなら…私が行ってもバレないわよ…ね?)
〜その夜〜
〜提督寝室〜
提督「な、なぁ」
五十鈴「…なに」
提督「そんなくっついて寝る必要は…」
五十鈴「し、しょうがないじゃない!こんな狭いベッドで離れろって言うわけっ!?」
提督「わ、わかったから大きい声は…」
五十鈴「」ピク
提督「ったくただでさえ暑いのn
五十鈴「」しっ
提督「…!」
五十鈴「…」ぴこぴこっ
五十鈴「電探に影が一つ…来てるわよ…」ボソボソ
提督「す、すげえな…あんな小さな標的(蚊)も…」
五十鈴「っ窓から!来るわっ!!」ジャキ
提督「おぉいっ!そんな物騒なもん出すなっ!?」
「っひぃっ!?」ドサッ
提督「へ…?」
五十鈴「貴女!!ここは横須賀第4鎮守府司令官の寝室よっ!毎晩毎晩不法侵入してくれちゃって一体どう…いう…」
由良「ご、ごめんなさぁい…」カタカタ
五十鈴「ゆ、由良ぁ!?一体あんた何して…」ハッ
五十鈴「まさか由良が一連の犯人なのねっ…!?」サーッ
提督「ちょっとちょっと!一体何なんだよ!」
提督「俺にはサッパリ訳が分からんぞ」
五十鈴「はぁ?貴方夜な夜な夜這いされてるって言ってたじゃない」
提督「言ってねぇよ!」
由良「ふえぇ…」
五十鈴「ていうか由良、何で貴女がここに忍び込もうとしたわけ?」
由良「だって人数もわからない程相手してるなら…私が1人混ざってもバレないと思って…ね…?」
五十鈴「!!!」
五十鈴(なるほどその手が…)
提督「おいおい、さっきから本当に何の話ししてるんだよ」
提督「俺が健やかに眠るために蚊を駆除してくれるんじゃないのか?」
由良&五十鈴「え?」
提督「そんな不思議そうな顔しても…五十鈴だって追い払ってくれるって息巻いてたじゃないか?」
五十鈴「…」
提督「由良も居るなら2人で追い払ってくれよ?対空戦闘は得意だろ?あっははは!」
由良「…」
提督「じゃ、俺は寝るから、2人とも頑張ってくれ?おやすみ」がばっ
五十鈴「…」チラ
由良「…」チラ
提督「…zz」すやぁ
〜次の日〜
鏡「」
提督「うわっ…」
提督「なぁ五十鈴!由良っ!」ゆさゆさ
五十鈴「何よ…まだラッパ鳴ってないわよ…z」
由良「提督さんどうしたんですかぁ…z」
提督「どうしたじゃないだろう!?何だよこれ!体中刺されてるんだが!」バッ
五十鈴「全く情けないわねぇ…私の歴代艦長の誰一人として就寝中に蚊に刺された男は…zz」
提督「くっ…!」
提督「おい由良っ!由良っ!」ゆさゆさ
由良「〜っ///」
提督「えぇっ…照れるところじゃないだろっ!?」
由良(昨日あんなことしたからまともに顔見れない…!//)
五十鈴「もう煩いわね…今日こそはちゃんと駆除してあげるから…」
提督「本当だな?本当に頼むぞ」
由良「ゆ、由良も…」
提督「ありがてぇ…」
〜数日後〜
〜就寝中〜
五十鈴「…zz」すやすや
由良「…zz」ぎゅ…
提督「…」ぼーっ
提督(…気付いたことがいくつかある…)
提督(一つ、蚊なんてとっくに居なくなってる。二つ、なのに虫刺されのような痕は日に日に増える一方。三つ、それは全く痒みがない。そして四つ…)
五十鈴「…」むくっ
提督「!」
提督「…zz」
提督(今日もか…)
五十鈴「はむっ…」ちゅうちゅう
提督「…っzz」
由良「ずるい…」もぞっ
由良「っ」ちゅっ
由良「…」ちゅうちゅう
提督「」ぞくぞくっ
提督(虫刺され等存在せず、この痕はこいつらに付けられていたものだったのだ…)
提督(プライドの高い五十鈴の事だ…この事がバレていると知ったら口封じのために俺を滅多打ちにするか自主解体の道を選ぶだろう…)
提督(俺は泣き寝入りするしか無いのだ…)
〜朝〜
〜食堂〜
提督「…」もぐもぐ
長良「わっ、どうしたのその首」
提督「あぁ…蚊に刺されてな…」
長良「うわ〜痒いねぇ?それ…」
提督「あぁ…まったくだ…」
五十鈴「…」じーっ 由良「…」じーっ
提督「…お前も気をつけろよ?」
長良「うん!キンカン塗っとくから!」
提督(キンカンは予防薬じゃねぇよ…)
提督(今は蚊に刺されるだけだが…いつかエスカレートしない事を願うばかりである…)
五十鈴「ねぇ由良…今日から…」ボソボソ
由良「えぇっ!?…それは流石に…」もじ
五十鈴「大丈夫…バレないわよ…」ぼそっ
由良「う、うん…」ドキドキ
〜間〜
提督ならムヒは持っとこうね