こいつ陸奥ばっかだな、そう言わずに襲われてくれや
〜〜〜
提督「暁の水平線に、勝利を刻むのだっ!!」バッ
かつて…向かう所敵なしと謳われた指揮官が居た…
そう…かつての話…
………
……
〜現在〜
提督「な、なぁ、頼むよ…」おずおず
大井「誰が言う事なんて聞くもんですか、貴方より駆逐艦の方が良い指揮が執れますから」スタスタ
提督「はぁ…」
提督(やばい…任務が滞りすぎて…このままじゃまた降格させられる…)
榛名「…」てくてく
提督「!」
提督「は、榛名っ」
榛名「…」ピク
提督「榛名、頼みたい任務が…」
榛名「榛名は大丈夫じゃないですよ?他の子にお願いします」
提督「それが誰も…」
榛名「それは残念ですね」にこ
提督「だから頼m」
榛名「では、これで」スタスタ
提督「…」
提督「はぁ…」
かつて英雄と呼ばれた提督は、ある時を境に戦果が振るわなくなり降格…
その後も大小様々なミスが続き…艦娘達からの信頼も同時に地に落ち…気が付けば既に堕ちるところまで墜ちていたのだ…
……
…
提督「はぁ…」
「あら、どうしたの?」
提督「…?」
陸奥「」にこ
提督「陸奥さん…」
陸奥「最近元気無いんじゃない?」
提督「そうかな…いや、そうだろうな…」
陸奥「そんなんじゃまたあの子達にそっぽ向かれちゃうわよ?」
提督「はは…ごめんな…」
提督「陸奥さんも…早く転属するといい…」
陸奥「あらあら…」
提督「今日阿賀野型が出て行ったよ…これで軽巡はもう…球磨や川内達だけになっちまったな…」
陸奥「そう…」
提督「なんでこうなったかなぁ…俺…ちゃんとやってたと思うんだけどなぁ…」
陸奥「そうね…私がここに来た時…貴方はもっと輝いてたわね…」
陸奥「そんな貴方に憧れてわざわざ大本営から来たのに…」
提督「うっ…すまんな…」
陸奥「ふふ…良いのよ」
陸奥「ほらほら、いつまでもこんな所に居ないで、早く作戦立てましょう?私から皆んなに呼びかければ、従ってくれるわよ」にこ
提督「…そうか」
提督「じゃあやるか!」すくっ
陸奥「…」にこ
……
…
〜執務室〜
提督「…ここは恐らく空襲があるだろう、そこで対空を〜…」
陸奥「うん、うん、、」
提督「…よし、陸奥さん、この作戦でいこう!」
提督「陸奥さんのお陰で最適な案が出たよ!」
陸奥「あら、良かった♪」
提督「早速このメンバーに召集をかけて、出撃してもらえるか?」
陸奥「はぁい」にこ
スタスタ…
この時、提督が立案した作戦はまさに完璧であった…
いや、いつも完璧だった…
……
…
〜陸奥の部屋〜
陸奥「…」
陸奥「ふふ…皆んなの疲労度も考えて…配置もまさに適材適所…」
陸奥「本当に無駄のない…素敵な内容ね…」
陸奥「でもダメじゃない…」
陸奥「こんな作戦じゃ…」
陸奥「貴方の好感度が上がっちゃうじゃない…」ビリッ!
ぐしゃぐしゃ…
………
……
〜作戦終了〜
ー結果・失敗ー
提督「そんな…嘘だろ…」
提督「あ、あんなに上手く行くと思って…俺は…」カタカタ
ガチャ
提督「」ビクッ
川内「…」ボロボロ
提督「せ、川内…すまn」
川内「っ!」ぐいっ!
提督「うぐっ…」
川内「あんな作戦でっ!!皆んな沈みかけてっ!!ふざけんじゃないわよっ!!」ぶんっ!
提督「っ…」ガシャァッ
提督「ごめん…川内…」ふら…
提督「何がダメだったか…教えてくれ…」
川内「自分の胸に聞いてよね、そんな事」ギロ
川内「もう、アンタの指示には従わない」
バタンっ
提督「あっ…」
提督「またダメだったのか…」
ガチャっ
提督「…」
陸奥「はぁい、提督♪」
陸奥「あら、大丈夫?」タタタっ
提督「あ、あぁ、良いんだ、俺のせいだから…」
陸奥「そんな事無いわよ…」ぎゅっ
提督「…俺、もう提督向いてないのかな…」
陸奥「…上手くいかなかったのならまた考えましょう?」
陸奥「大丈夫、私も一緒に見てあげるから…」にこ
提督「陸奥さん…」
陸奥「ふふ、お姉さんに任せて?♪」
提督「…いつもすまん」
陸奥「いいのよ、このくらい…」にこにこ
陸奥「それと、報告書は私が預かってから貴方に渡すわね?」
提督「あぁ、頼むよ」
……
…
提督「川内…怒ってたな…」
提督「せめて艦隊のみんなに高速修復材を使って…間宮券も配るか…」カキカキ
提督「入渠中の子は……ん?」
提督「何で…足柄が…?」
提督「摩耶はどうした…?」チラ
報告書「」
提督「陸奥さんの好意には悪いが…今日くらい俺がまとめよう…川内の報告書は…」ペラペラ
提督「これだな…」
提督「…」ヨミヨミ
提督「ん…?」
提督「摩耶は出てない…?そんなバカな…対空戦闘は誰が担当したんだ…?」
提督「!!!」
提督「おかしい…川内以外…編成が違うじゃないか…!?」
提督「それにどの子も練度が低い…こ、こんな編成じゃ…」
ガチャ
提督「」サッ
陸奥「はぁい、提督」にこ
提督「あ、あぁ、お疲れ様」
提督(思わず元に戻してしまった…それにしてもどういう事なんだ…?陸奥さんはしっかりあの作戦を旗艦の川内に伝えてくれたんじゃないのか…?)
陸奥「ん〜っ!」のびー
陸奥「さて、報告書まとめないと…」カキカキ
提督(…いや、疑うのはよそう、もしかしたら俺の作戦という事で…陸奥さんから頼んでも協力してくれなかった子が居たのかもしれない…はは…情けねぇなぁ…)
陸奥「提督、今晩空いてるかしら…?」
提督「ん?あぁ、時間ならあるぞ?」
陸奥「あら♪いいお酒を買ったの、良かったら一杯付き合ってくれない?」にこ
提督「おぉ、それは嬉しい誘いだな」
提督「だが良いのかな?俺なんかとそんな事してると知られたら周りの子から何か言われたり…」
陸奥「なぁに?やましい事なんて無いんだから…それとも…」
陸奥「そんな関係になってみる…?♡」チラ
提督「…!」
提督「ば、バカ言うんじゃ無い、全く…」
陸奥「ふふ…じゃあ今晩部屋で待ってるわね?」
提督「…あぁ」
陸奥「♪」カキカキ
………
……
陸奥「はい、これ報告書よ、目を通しておいてね?」
提督「あぁ、いつも助かるよ…」
陸奥「私はこれで失礼するわね?ちゃんと来るのよ?」
提督「おう」
ドア「」バタン…
提督「はぁ…報告書見たくねぇ…」ペラ
提督「それに今回は川内以外俺の言う事を聞いてくれなかったという悲しい証になっちまって…」よみよみ
提督「…っ!!」
提督「ど、どう言う事だ…!?」
提督「最初に見た川内の報告書とまるっきり違う…!?編成も当初俺が指定した艦娘で…」
提督「陸奥さん…君は一体…」
……
…
〜陸奥の部屋〜
陸奥「あら、来てくれたのね?嬉しい♪」
提督「…」
陸奥「どうしたの?あがってもいいのよ??」
提督「…陸奥さん、君に聞きたい事があるんだ」
陸奥「?」
提督「報告書なんだけど…」
陸奥「…」
提督「君が仕上げてくれる前の…川内の提出した原本を見させてもらったよ」
提督「川内以外はメンバーが変わってて…その…皆んな俺の言う事を聞いてくれなかっただけなんだよな…?」
陸奥「…」
提督「それで陸奥さんは…俺に気を使って当初の作戦が行われたような報告書に改ざんしたんだよな…?」
陸奥「…」
提督「陸奥さん…?」
陸奥「…もういっかぁ」ぼそっ
提督「…?」
陸奥「提督、その事について私からもお話があるの」
陸奥「ちょっとこっちへ来てくれない?」にこ
提督(何だ…?行けばいいじゃないか…俺…)
提督(だけど…行ったらもう…戻れな
陸奥「…」ガシ
提督「っ」ビク
陸奥「大丈夫…ちょっとお話しするだけよ」にこ
提督「…」
陸奥「ほら、座って座って」
陸奥「まずは〜…うーん…私がここに来た時の話からになっちゃうけど、良いかしら?」
提督「…?」
陸奥「あの頃の貴方、すごく優秀だったわね…上からも…艦娘からも信頼されて…正に向かう所敵なしのエリート将校って感じよね?」
陸奥「そんな貴方の艦隊と演習で闘ってたらね…」
陸奥「いつのまにか私…貴方に恋してたの」
提督「ま、待て待てっ、ちょっと話が急すぎて…」
陸奥「聞いて」
陸奥「だけど…貴方は私なんて気にも掛けない…ライバルはきっと他にも居る…こんな私じゃ…」
提督「…」
陸奥「貴方が私を見ないなら、私だけしか見えないようにすれば良い…誰も貴方を見なくなれば良い」
陸奥「ね?」にこ
提督「!!」
陸奥「どう?今の貴方を気に掛けているのなんて…私くらいよねぇ?」ずいっ
提督「ち、ちょっと待て」
陸奥「落ちぶれて艦隊から見放された司令官とその秘書艦…失踪して困るのは誰かしら…?不思議に思うのは誰かしら…?」
提督「…!」
陸奥「ふふ…そんな人誰も…居ないのよ?」
ガシっっ
ガッ…
ドサ…
………
……
〜1週間後・鎮守府〜
ガヤガヤ…
「そういや最近司令見ないね〜」
「あ〜、辞めていったらしいよ」
「えー!拳銃で自殺したって聞いたよー?」
「死体なんてどこにも無いじゃない」
「陸奥さんも居なくなっちゃったじゃない」
ガヤガヤ…
「新しい司令官が来るってー」
「今度は優秀とまでは行かなくても普通の人がいいな〜」
ワイワイ…
一月後…最初の提督が居た痕跡すら無くなり…誰の記憶からも彼は消えて行った…
陸奥の言った通り…彼が失踪した事など…誰が気にかける事でも無かったのだった…
〜おわりんごのうた〜
てゅわぁぁぁ