これは一般の艦娘が体験した
実話を再現したものです
ただし、登場する地名、団体名、
個人名などは、架空もしくは仮名であり
事実とは一切関係ありません
凍りつくほど恐ろしい体験が、突然あなたを襲います。
鎮守府の宿舎で、古びた寮で、毎日走る演習場で…
そんな恐怖体験を皆に伝えるのが、提督が率いる通称かん娘クラブ。
提督「イワコデジマイワコデジマかん娘五字切り!」
浜風「か、皆!」
浦風「祷っ!」シャッ
谷風「怖〜♪」
磯風「無ッ!!」カッ
提督「弱気!退散!!」ヒュンヒュンヒュン
シャリンシャリン!
皆「カーーーツ!!!」
…
ここが、かん娘クラブ秘密の隠れ家。
艦娘寮だったところを改造したちょっぴり怖い場所です…
この隠れ家に、鎮守府中から寄せられる沢山の手紙…
そこに綴られた、ほんとにあった怖い話の数々…
そんな恐怖郵幽便の中から一体どんな怖い話が飛び出すのでしょうか
提督「…では、始めよう」キリッ
皆んな「「「「はいっ!提督さん!」」」」
提督「先生、お願いします」チラ
扉「」ガララッ
青葉「…」スッ
恐怖の心霊体験を読み解くのは、舞鶴第八鎮守府専属記者の重巡洋艦、青葉先生。自ら艦娘として戦闘を行いながら、スクープやゴシップなどをかき集めるプロフェッショナルである…
提督「では、今宵一通目の恐怖幽便を読んでみよう」
提督「浜風くん」
浜風「はい、提督」スッ
浜風「これは、私がドックで入渠していた時の出来事です」
……
…
『のぞく瞳』
体験者 浜風(仮名)
これは、私がドックで入渠していた時の出来事です…
浜風「ふぅ…」
その日は、3日間にわたる遠征から帰還した事で疲れも溜まっており、ドックでゆっくりしてから寝ようと思っていました…
浜風「そろそろ出ましょうか…」チャポ
浜風「ん…肩もだいぶ楽になって…」ふるん…
浜風「っ!?」バッ!!
浜風「…?」
突然、脱衣所の方から何者かの視線を感じました。
ですがもう夜も更け、誰も来る筈はありません。
きっと疲れているだけだろう…そう自分に言い聞かせて、ドックから出る事にしました…
〜脱衣所〜
浜風「…え」
浜風「し、下着が…どこに…?」ガサガサ
入渠する前に用意したはずの新しい下着どころか、着用してきた下着すら無いのです。
すると…再びどこからか視線を感じます…
その視線は、故障して使用禁止となっているロッカーから感じ取ることが出来ました…
浜風「っ…!」ゴクリ
てく…てく…
浜風「だ、誰か居るんですか…?卯月ちゃん…?時津風ちゃん…?い、イタズラしてるなら今のうちに…」
ガチャ
ロッカー「」キィ…
浜風「…!」
ロッカーの中の提督「…」つブラジャー
浜風「いやぁぁぁあああああ!!?!?」バタァン!!
ダダダ…
…あれは、一体なんだったのでしょうか…
疲れすぎて幻覚を見てしまったのか…それとも…
…
…
浜風「いやぁぁああ!!」
浦風「げぇ…」
谷風「ひぇっ…」ヒキッ
磯風「う…」
谷風「ちょっと提督これは流石に…」チラ
浜風「…」ギロ
提督「諸君静かに!」
提督「では、心霊研究を始めよう!」
提督「磯風くん」
磯風「うむ、アレは浜風の入浴を見ながら浜風の下着を用いて一人でナニをしていた司令だと思うのだが、いかがだろうか?」
提督「うん、浜風は、駆逐艦とは思えない程発育した体の持ち主だからな。俺が欲情するのも無理は無いだろう」
浜風「ひっ」
磯風「先生、この男は、いや私達は一体何をやらされているのか?」
青葉「う〜ん、青葉もちょっとこれはドン引きと言うか、明日の新聞のネタを探しに来たのに初っ端から本物の犯罪は予想してなかったですね…」カキカキ
提督「では、まとめよう!」
浜風「…え?」
提督「闇を照らす霊訓!」
提督「駆逐艦だからと言って、俺が欲情しないとは限らない。浜風のようないやらしい艦娘は俺に覗かれてしまうだろう。もう、諦めよう!」
皆んな「…」
提督「…はい!提督さん!」
谷風「なぁ提督、疲れてるん?」
提督「俺は至って健康だぞ」にこ
谷風「…」
提督「…今宵は、恐怖幽便に同封された不吉な心霊写真を鑑定しよう」
提督「先生、お願いします」
ガララッ
瑞鳳「え、なになに?なんか急に呼ばれたんだけど…」
不可思議な心霊写真の謎を読み解くのは、瑞鳳先生。強い癒しの力を持つ、卵焼き軽空母。写真に宿る霊体を見抜く…
果たして、写真には何が…
提督「どうでしょうか、先生」
瑞鳳「えっ?うーん…この写真を見ればいいの?もう…」カサカサ
瑞鳳「別に普通の写真…へ…?」
瑞鳳「いや…ちょっと…え…?」
瑞鳳「提督…これちょっとマズくない…?」カタカタ
提督「では先生、心霊写真鑑定房の方へどうぞ」
瑞鳳「う、うん…?」
霊能力者でさえ恐怖を抱いた写真…
そこには、どんな霊が映し出されているのか…
心霊写真鑑定房。かん娘クラブの2階から階段でつながる特別な場所である。
極度に霊感が研ぎ澄まされるこの空間で、霊能研究家は鑑定に集中する。果たして、どんな結果が出るのだろうか…
…
カンカンカン!
浦風「うわなんじゃ」
浜風「早いですね」
提督「早くも心霊写真鑑定房から連絡が入った、瑞鳳先生!どうされましたか?」
瑞鳳『今鑑定が終わったところなんだけどぉ…あの…恐ろしい写真です…』ヒキッ
瑞鳳『ちょっと手紙読んでみて…?』
提督「はい」がさっ
…手紙には、こう綴られている。
〜投稿者〜
青葉さん(仮名)
とある艦娘の部屋で撮った写真です。
部屋の持ち主には何も無いのですが、この写真を撮ってから気が気でありません。まさか自分も同じような目に遭うのでは無いかと…
この写真に写っている男性は、私のよく知る方のようですが気のせいでしょうか?
こちらが、その写真…
何気ない艦娘の部屋で撮った写真…凍りつくような男の様子を、あなたは感じませんか?
谷風「ぎやぁ!なにこれぇ!」
提督「うわぁ!」
浦風「は…?は……?」
磯風「はっはっは、男の子だな司令」
浜風「最低…」
浦風の下着箪笥に注目、提督のような男性が、浦風の下着に顔を埋めている。果たして、この霊の正体は…
瑞鳳『いやこれ…提督でしょ…』
提督「へ〜…」
瑞鳳『へ〜…じゃないよ!もう!』
提督「彼…は、何をしたかったんでしょうかね?」
瑞鳳『し、知るわけないでしょ!自分に聞きなよ!』
提督「…さて、鑑定も終わった事だし、次の恐怖幽便を読む事にしよう」
提督「浦風くん」
浦風「…」
提督「…はい、提督さん」かさっ
提督「これはまだ私が、配属されて間もない頃の出来事です」
……
…
『案山子』
体験者 浦風(仮名)
これは、まだ私が配属されて間もない頃の出来事です…
当時鎮守府は今ほど大きくなく、小さな棟が一つあるだけでした。
浦風「ふぅ…なかなか実らんのう」
棟の横には提督が趣味の一環として作った畑があり、そこでは艦娘たちが持ち寄った野菜の苗が育てられていました。
鳥たちに育てた野菜が狙われないよう案山子を作り畑に置いていたのですが…
浦風「それにしても…」チラ
案山子「…」
浦風「…不気味じゃのう…」
その案山子は作った当初こそ普通の案山子と変わらなかったのですが、日が経つにつれ、雨風にさらされボロボロになってゆき、不気味な雰囲気でした。
浦風「ん、もうこんな時間か〜、警備の交代に行かんと」
案山子「……」
〜次の日・畑〜
浦風「おぉ!なっとるなっとる!」パァァ
提督「どうだ浦風、育てるのは楽しいだろう」
浦風「うん!ちょっと面倒じゃけ育てた甲斐があるのう!」
提督「そうかそうか」
ドサッ
提督「ん?」
浦風「…?」
案山子「…」
提督「なんだ、倒れちまったか」ヨッコショイー
提督「これももうボロボロだな、捨てて新しい案山子作るか」
浦風「…そうか」
こうして、この案山子は廃棄され新しい案山子を作ることとなったのですが…
〜その日の夜〜
浦風「ん〜!はよ寝て明日も演習じゃぁ〜」フワァ…
窓「」どんっ
浦風「っ」ビク
浦風「な、なんじゃ…?」びくびく
浦風「…」そ〜っ…
浦風「!?」
案山子「…」
浦風「ひいぃ!?」
浦風「な、なんで!?捨てたじゃろさっき!?」
浦風「はっ!提督か!あのボケ!ウチにこんな事して笑って楽しんどるんか!」怒
浦風「締めちゃるけ待っとれや!」
ドタドタバタン!
案山子「………」
…
…
〜執務室〜
提督「ん?どうした浦風?」
浦風「どうしたもこうしたもないんじゃ!ウチの部屋の外にあのカカシ置いたじゃろ!」
浦風「ウチこう見えてあぁ言うのに弱いんじゃ…頼むからやめてくれぇ…」
提督「カカシ…?あれはしっかり捨てたぞ?」
浦風「…もうええ!ウチが自分で捨てたる!」ダダダ
提督「…?」
…
ドア「」バタン
浦風「全くあのボケ…悪ふざけがすぎ
ドサッ
浦風「?」チラ
案山子「…」
浦風「ひぃぃいいいああああ!!?!?」
提督「どうした浦風!」ガチャ!
提督「どぅあぁ!?ひ、人か!?」ビクッ
浦風「提督ぅ!あれ!あれじゃぁ!捨てたのに来よるんじゃあ!」
提督「か、案山子か…」ビクビク
提督「だ、大丈夫だ浦風、今度こそ捨てるから…」
浦風「はよしてぇ…」ウルウル
今度は、提督と一緒に捨てに行くことにしました。
不要になった毛布でくるみ、ガムテープを巻いて捨てました。
これで今度こそ安心…そう思っていました…。
〜次の日の夜〜
浦風「あ、そうじゃ」
浦風「ヨーグルト今日までじゃった…ギリギリのヨーグルトは水が出よるんよ…」トテトテ
ドサッ…
浦風「」ビクッ
ドサッ
浦風「〜っ…!!」ビク
浦風「だ、誰じゃ…っウチをからかうんは…も、もう降参じ ドサッ
浦風「」ビクッ
ドサッ
浦風「は、はぁっ…はぁっ…っ…」ブルブル
浦風「…っ」ごくり
浦風「…」くるっ
シーン…
浦風「な、なんじゃ、何もおらんのか…」くるっ
案山子「」ゴロンっ
浦風「ひっ」
浦風「いやぁぁぁぁあああああ!!!!」
……
…
結局あの案山子は、近所にあるお寺で供養をしてもらうことになりました。なぜこのような事が起きたのかは、今となっては知る術がありません…
……
……
谷風「ガチじゃん」ぎゅっ…
提督「あ〜有ったなこんな事」
浜風「あ、暑いですよ、少し離れてください」ぎゅうぅ
提督「それはこっちのセリフだし」
浦風「いやぁウチこん時はほんとに参ったんよ…」
磯風「…?わからんな、カカシに誰か入っていたと言うことか?」
皆「…」しーん…
提督「諸君静かに」
提督「では、心霊研究をはじめよう」
提督「谷風くん」
谷風「はい、提督ぅ〜」
谷風「あの案山子には、ここで暮らす皆の良い感情、悪い感情、様々な念が宿ってしまっていると思うんだけど、いかがですか?」
提督「うん、古来より、人の形をした物には何かしらの念が宿るとされている。それも大きいほど強力なものに取り憑かれやすいだろう。」
谷風「先生、あの案山子は、一体何故あのような行動をしたのですか?」
青葉「あの案山子はですね、きっと寂しかったんじゃないかなって…」
青葉「今まで、鎮守府の畑を見守ってきたのに汚くなったから捨てられる…まだまだ自分は役に立てるよって、鳥だって害獣だって追い払えるよって、浦風ちゃんを驚かす事で知って欲しかったんじゃないのかな」
提督「おぉ〜」
浦風「な、なるほど…」
青葉「人の形をしているものは、人の思いとか、霊体が宿りやすいんです。人に見立てる事が出来ますから。きっと感情が宿ってしまう事もあるんだと思います。」
浜風「ほ、ほんとに心霊研究家みたい…」
青葉「えっへん!色んな記事を読んでますので!」
案山子の起こした行動は、かつて自分も鎮守府の一員であったという思い。捨てられる話が出始めたため、浦風を驚かし自らがまだ役に立つことを証明したかった。
人の形をしたものには、霊が宿りやすいと言う…
提督「では、まとめよう!」
提督「闇を照らす霊訓」
提督「どんなものにも魂が宿る。粗末に扱うとバチが当たります。物は大切にしよう!」
皆「はい!提督さん!」
…
次週の恐怖体験は…
『脱衣所で…』
翔鶴「いやぁ!提督が私の下着を!?」
提督「はむはむ」
瑞鶴「ちょっと何してるの!?離しなさい〜!」
提督「ちゅっちゅっ」
瑞鶴「いやぁ手についたぁあ!!?」
『演習場に…!』
赤城「女の…人?」
木曾「いや、誰も見てないな」
赤城「なんで私のご飯が無くなってるの!?」
赤城「いやぁぁぁああ!!」
……
〜鑑〜
背後に…