「田嶋くん、いい加減起きなさい!」
「んぉ、朝っすか?」
「もう午後だよ!全く君というやつは・・・・・・・小野寺くん!どこから出したか分からないけどPS4を仕舞いなさい!山田くん!黒板消しで遊ぶんじゃない!誰だ誰だ、黒板におっぱいを書いたやつは!」
「せんせー、午後から転校生が来るんですよねー。早く紹介してくださーい」
「あ?午後から来んのかよ」
「おや?輝氏はご存知ではないのでござるか?」
級友1 及川 正和
オタク
「・・・・・・・おう」
「では不肖、この及川正和が説明させてもらうでござるよ。この度転校してくるのはかの有名な黒薔薇女子の生徒でござる。黒薔薇女子といえば巨乳から、拙者が愛する貧乳まで選り取りみどりの美女が集う楽園でござろう?ハァ、ハァ・・・・・・・」
「落ち着けや、息荒ぇぞ」
「輝氏は巨乳派でござるか?貧乳派でござるか?」
「おい、とりあえずーーーー」
「そうでござるか・・・・・・ならば仕方ないでござるな」
「何も言ってねぇよ」
「貧乳の宝庫はやはりナマチュウに限るナリ・・・・・・・ナマチュウ、尊ぃ・・・・・・・」
(なんでこんな頭イカれてるやつが俺の隣りなんだよッ!!)
「うおおおおおおおお!!!ゥアァアツモ・・・・・・ゴホン、興奮のあまり熱盛と言ってしまいそうでした。すみませんでした」
(後ろは後ろで一人でなんかやってるしよ・・・・・)
これが輝のクラスの日常風景。もはやカオスを超えたカオス。このクラスの担任はストレスマッハ、胃袋に穴が開くの待ったナシだろう。
「皆さんが静かになるまで・・・・・・・十分かかりました」
(((((うっぜぇぇぇぇ)))))
「それでは転校生を紹介します」
教室のドアが開き見覚えのある顔の美少女が入った。
(あ、アイツ食堂で・・・・・・)
「中野五月です。どうぞよろしくお願いします」
『女子だ』
『普通に可愛い・・・・・・・』
『あの制服って、黒薔薇女子じゃない?』
『マジかよ、超金持ちじゃん』
『おいおい、何者だよ』
「へぇ・・・・・マジモンのボンボンってわけか」
「しかし、解せぬでござるな。お金持ちなのに何故、このような一介の高校に・・・・・・」
「知るかよ」
面倒くさそうに目を瞑り、その日は幕を閉じた。
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翌日
「飯だ飯ー!いやー、この時間のためだけに登校してるもんだよな!」
「留年しても知らねぇぞ」
「お、おい!見ろよ!あれ!」
「あ?何をだよ・・・・・・ッ!?」
食堂の一角の席で同じ顔の五人の女の子が食事をしていた。違うのは髪型と髪色ぐらいだろうか。
「同じ顔が五つ・・・・・・」
「一卵性の五つ子かよ。やべぇな」
「一卵性?」
「一卵性双生児とか聞いた事ぐらいあんだろ?」
「あるようなないような・・・・・・・」
「いわゆる、双子だ。元々一つの受精卵が二つに分かれて発育したやつを、一卵性っつーんだよ」
「それのどこがやべぇんだよ」
「あのなぁ、ただでさえ双子が生まれるのが100分の一なんて確率なんだよ。それが五人だぞ?やべぇだろ、普通に」
「はえ〜、たまげたなぁ。お袋さん、大変だったろうなー、出産の時とか」
「おら、さっさと飯食うぞ」
そう言って食堂の中を歩き回っていると、昨日の少女の目にあの少年が映った。
「あ!おーーい!」
「およ?」
「んぁ?」
「あぁ?」
小野寺、田嶋、輝の順で振り向く。
そこに居たのは昨日輝に話しかけた美少女だった。
「あ。あんたは昨日の」
「何してるの?」
「何って席探してんだよ。見てわかんねぇのか」
((ホンットにブレねぇなコイツ))
「でも、どう見たって空いてないよ?」
「っるせーな。んで、なんか用かよ?」
「ううん、特に!君が見えたから話しかけただけ」
「用もねぇやつに話しかけるか?ふつー」
(んだよコイツ・・・・・)
僅かながら苦手意識を持つ輝をお構い無しに、その美少女は話を続ける。
「そんな迷える男子三名に朗報だよ」
「別に迷ってねぇよ」
「じゃじゃーん!丁度ここに席が三つあります!」
「なん・・・・・」
「だと・・・・・」
「あんた、本気で言ってんのか・・・・・?」
丁度五つ子の座っているテーブルに三つの席が設けてあった。
「お、おい。さっき三つも席あったか・・・・・・・?」
「いや、なかったと思うけど・・・・・・」
「お、おい。天宮、なんか怪しいぜ・・・・・・・ってもう座って食っとる!」
そんなこんなで結局、五つ子と昼食をとることになった。当然周りの目はここに集中する。
『天宮が女子と飯食ってる・・・・・・・』
『あの天宮が・・・・・・・・』
『女子に興味なさそうなのにまたどうして』
『しかも一緒に食べてる五人、めっちゃ美人だ』
『『『『あー、クソ。天宮なんか滑って頭打って死ねばいいのに』』』』
「聞こえてんぞ!クソ共が!僻むんじゃねぇ!」
「落ち着けよ、天宮。皆ビビってんぞ」
「ビビんじゃねぇよ!」
「「いや無理だって」」
田嶋と小野寺でなんとか座らせるが、輝に関してまだ怒りが収まらず、カタカタと震えている。
「・・・・・・怖い」
「あぁ!?」
「・・・・・・・ッ!」
ヘッドフォンを首に掛けた女の子の言葉が聞こえた輝は思いっきり睨みつけると、萎縮し下を向いてしまった。
「やめなっさい、バカタレ」
ベシッ、と田嶋が輝の頭を叩く。
「何すんだよ!」
「ちゃんと見ろ、あの子。お前にビビって下向いたじゃねぇか」
「知らねぇよ!ビビんな!」
「・・・・・・・・」
「ッ・・・・・・クソがッ」
そう言って席を立ち、一人その場を去っていった。
「あ、おい!天宮・・・・・・!」
「田嶋ァ、あんま天宮追い詰めんじゃないよ」
「別に、俺はそんなつもりじゃ・・・・・・」
「口の悪さなんざ、そう簡単に直んねぇよ。天宮もぶきっちょなんだから」
「・・・・・なんか、悪ぃな。空気悪くしちまって」
「あ、ううん。大丈夫だよ」
「まぁ、なんだ。アイツは・・・・・・天宮は見ての通りの性格でな。口は悪いし、開けば「クソ」しか出てこないけど」
「根は優しいやつなんだ」
「とてもそうには見えないけど」
「ご最もだな。アイツ、困ってるやつを放っとけない奴なんだよ。実は俺とこいつ、留年候補なんだよ」
田嶋が指で小野寺を指した。
「教師すら見捨てられた底辺の俺らを、天宮は見捨てないでくれたんだ。補習の時も俺たちと一緒に受けてくれて、難しいところとかはあの口の悪さでちゃんと教えてくれる」
「ファミレスで勉強した時なんか、天宮が叫びすぎて出禁になったしな!」
「そのおかげで一年から二年に進級出来たしよ。返しても返しきれねぇ恩があんだ。えーっと、中野だっけ?」
「あ、はい」
「同じクラスだろ?色々迷惑かけるかもしれねぇけど、アイツのこと嫌いにならないでやってくれ」
「その代わり、この高校一年はぜってぇ退屈させねぇからよ!俺たちのクラスはアマゾンっつーあだ名があるくらいだからな」
『おーい!同じクラスのやつ!天宮を捕まえろぉ!』
『こいつ!美人と通話してやがった!』
『この狼藉者を成敗するでござるぅ!』
『裏切り者めェェエ!』
「だぁから!姉貴だっつってんだろうがァ!おい!制服引っ張んじゃねぇよ、タコが!」
『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!堪忍しろ!歩く口害!』
「てめぇら全員・・・・・・・死にやがれェェェェェェ!」
『ぎゃぁぁぁあ!天宮が箒をぶん回し始めたぞ!逃げろ!逃げるんだよォ!』
「俺たちも混ざってこようぜ!」
「あ、ねぇ君たち」
「んぁ?」
「これ、天宮くんに渡してくれる?」
差し出されたのは一切れの紙だった。
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「家庭教師だぁ?」
紙切れに書いてあったことを口に出してしまった。
(渡してきたのがあのいけ好かねぇアバズレ女っつー事はアイツの家庭教師ってこだよな)
輝は周囲を見渡し、とある人物を発見した。
そしてーーーー、
「おい、星頭」
「星頭って・・・・・・ひっ!」
「ちょいツラ貸せよ」
(殺される・・・・・・・!)
この時の五月の顔が今でも忘れられない。
「家庭教師をやれってどーゆーことだ」
「そ、それはもちろんあなたの成績を買ってのことです」
「おいまて、てめぇら五人全員を一人で面倒見ろってか?」
「いえ、あともう一人います」
「俺だ」
「ぁあ?」
振り向いた目線の先にはあの男が立っていた。
「ガリ勉野郎かよ」
「学年首席の上杉さんと、次席の天宮さん。二人に家庭教師をお願いしたのは私たちの父です」
すると屋上のドアが開き、同じ顔が四人入ってきた。
「あれ?優等生くんと天宮くん!五月ちゃんと三人で何してるの?」
「いたー!コイツ、昨日ストーカーしてたやつ!」
「ええっ。上杉さん、ストーカーだったんですか?」
「二乃。早とちりしすぎ」
「てめ、食堂のアバズレ女!どーゆーことだ!家庭教師なんて話聞いてねぇぞ!」
「まあまあ、落ち着いてよ。カッコイイ顔が台無しだぞ?」
「ぶっ飛ばすぞ」
今日から始まる2体5の家庭教師生活。
どうなる!?天宮輝の生活は!
「クソがァァァァァ⤴︎︎︎!!」
「ちょっと輝!朝っぱらから叫ぶんじゃないわよ!」
続くかも?