IS? そんなことより筋肉だ!   作:蜜柑ブタ

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一夏、ISを動かしちゃう回。

原作とちょっと状況が違います。


SS1 興味本位は時に非常事態を招く

 

 

「な………………なんじゃこりゃーーーーーー!!」

 

 高校受験会場に少年の叫び声が響き渡った。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 少年の名は、織斑一夏。

 今年、高校生になる年頃の若者だ。

 高校受験のため受験会場に来たのだが、迷ってしまった。

 うっかり人気の無いところに入り込んでしまい、その時、小さな囁き声を聞いて、そこを覗き見ると、同じく受験生らしき男子達が、待機状態で立て掛けられているインフィニット・ストラトスを前に悪戯をしようとしているのを見つけた。

「なにやってんだ!」

 一夏は、曲がったことが嫌いだ。

 小学校時代から、曲がったことは大嫌いで、虐めを見つけてはいじめっ子をこらしめ、反省させる。虐められる側に問題があるなら矯正する。あるときは、不良グループを伸したとか、暴走族を壊滅させたとか……、ちょっと大げさに上乗せされたような、真実のようなことが噂されるほどの人物だった。

 一夏の声にびっくりした男子達は、一目散に逃げていった。

「ったく……。あ、道聞いときゃよかった。」

 注意するのも大事だが、受験会場の場所を聞くのを失念していたと、一夏は後悔した。

 誰かいないかと周りを見回すも、そこに佇んでいるインフィニット・ストラトス……通称IS(アイエス)があるだけだ。

「しっかし……、これがISねぇ…。」

 

 一夏の住む世界は、今、女尊男卑の時代の到来の時代であった。

 始まりは、篠ノ之束(しのののたばね)が開発した、パワードスーツ、インフィニット・ストラトス(IS)が世に出たことだ。

 最初こそ見向きもされなかったソレは、とある大事件によって、一躍注目され、そしてついには世界のパワーバランスは一気にひっくり返してしまった……。

 

 白騎士事件。

 

 日本に向けて2341発のミサイルが発射されるという災いが起こり、それを全身を覆うパワードスーツを纏った白い騎士のようなIS装者がその半数を迎撃したのだ。

 さらにそれにとどまらず、白騎士を捕獲しようとした軍を人災をほとんど出さず迎撃し、逃げおおせたのだ。

 この一件以来、ISは核兵器に変わる最強の兵器として注目された。

 だが問題があった。

 このISなるもの……、どういうわけか、女にしか扱えないのである。男には扱えないのだ。

 そのため、自然と女がそれを扱う側となり、男女平等を謳っていながらも、男尊女卑が根強かった世の中は、瞬く間に女尊男卑の世界へと変わっていった。

 しかも、ISの開発者である篠ノ之束は、わずか500程度のISコアを作った後、姿をくらました。

 結果、世界中で篠ノ之束は、指名手配となり、世界がわずかしかないコアを取り合うような混沌をも抱えることとなった。

 

 一夏は、グッと拳を握りしめる。

 思い出すのは、6年前に離ればなれとなった少女の顔だ。

 名を、篠ノ之箒(しのののほうき)。

 その名の通り、束の身内であり、妹だ。

 そのため、国家機関により連れて行かれ、離ればなれとなった。

 彼女は、一夏にとって、恋人と言える存在だった。

 すべては、IS開発者である、束に原因がある。そして、ISさえなければ……っと、考えることは幾たびもあった。

「こんなもんのせいで……。」

 顔をしかめ、なんとなしに、ISに手を伸ばした。

 テレビや、姉・千冬の試合で遠目に見ていても、実物を実際に目の前にするのは初めてなので、つい興味本位で手が動いていた。

 触れた瞬間だった。

「えっ?」

 キンッと金属音と共に、頭の中に凄まじい勢いでISの情報が流れ込んできたのだ。

「なっ!」

 

「そこの君、なにを……、なっ!?」

 

 後ろの方から声が聞こえたが、一夏はそれどころじゃなかった。

 視界には、ISのパラメーターなどが映し出され、そして、手足を見れば……、さっきまで立て掛けられていたISが手足を覆っていた。

 非常に窮屈に感じ、まるで全身に拘束具をまとったような重たさと、窮屈さが苦しかった。

 

 っというのも……、一夏の肉体は、この年齢の少年にしてはあまりにも発達していた。

 人は言う。

 そんな非常識な筋肉があるかと。

 収縮自在。普段の状態でも十分な立派な体格。

 そう一夏は、マッスル!……なのだ。

 自他共に認める筋肉バカなのだ。

 曲がったことが大嫌いで、そして、今の世界の風潮を嘆き、自らが男の強さの象徴となろうと鍛えに鍛え……、ついに手に入れたその身は、残念なことにISを装着するには不向きになっていた。むしろ枷となっていた。

 

 

「な………………なんじゃこりゃーーーーーー!!」

 

 っと、筋肉バカ一夏……、そう叫ぶしか無かった……。

 

 

 その後、あれよあれよという間に、IS学園への強制入学が決定し、同じ高校、あるいは別の学校で筋肉クラブを立ち上げて、女尊男卑の世界に対抗しよう!っと誓い合っていた友人達が、非常に悲しむのはまた別の話である。

 

 




一夏は、友達多いです。男女問わず。
一夏の考えに同調した筋肉信仰を広めんとする同士達もいましたが、一夏のIS学園行きが決まって、みんな悲しみました。


wikiでの、この事件での死者は皆無だった…ってところが微妙なんですよね。ここがIS二次創作作品で白騎士に復讐しようとする展開が多いところだと思う。
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