あと、蘭も。
数馬は、まだ決めてない。けど弾と似たような感じにするかも。
最後にシャル登場。
一夏は燃えていた。
っというのも……。
「一夏……。」
「箒……。」
カレンダーには、クラス別個人トーナメント戦のことが記されている。
クラス対抗戦は中止になったが、来月行われる予定のソレには、様々なスカウトマンや、スポンサー、果ては、政府機関のお偉いさんも来る一大イベントだった。
「俺は…、勝ち抜くぜ!」
「頑張れ、一夏!」
これは、一夏が男の強さの象徴となり、世の男達に発破をかける大きなきっかけになりそうな重大なイベントだった。
セシリアの仲介でイギリスでスポンサーを少しだけCMや新聞の一部の見出しに写真掲載されたが、それでは足りない。
世界中のスポンサーや、お偉いさん方が来るならまたとないチャンスであるのだ!
もちろん……、今の社会の風潮では、自分の存在はむしろ疎ましがられているだろうから、取り上げて貰える可能性は低いだろうが、だが何もしないわけにはいかない。
何もしないのは、死んでるも同じだ。
それが一夏の考えだった。
自分で決めたのだ。世界を変えようと。今の世界のパワーバランスを嘆いたのなら、変えればいいと。そのために鍛えに鍛えてきた。
「一夏。お前ならやれる! 私は信じている!」
箒が気合いを込めるように言う。
一夏は、気合いを入れてこれからも特訓していこうと、筋トレのスピードをあげた。
***
後日、千冬から新しいISスーツを渡された。
「これは?」
「お前は、いちいち服を破るのでな。企業が破れないISスーツを開発したのだ。」
「えー? じゃあ、窮屈じゃ…。」
「まあ、着てみろ。そして筋肉を使ってみろ。」
言われて渋々着替え、リミッター解除をしてみる。すると……。
「おお! これは!」
「どうやらうまくいっているようだな。収縮性に特化した素材を使った特別製だ。これからはソレを使え。さすがに毎回上半身裸は、女子生徒達からのクレームで目に毒だと……。」
「なんだよ、筋肉の何が悪いってんだ?」
「年頃の娘共には、男の裸体は刺激が強いのだ。ふっ、この素晴らしい腹筋を理解せんとは…、まだまだケツの青い奴らめ。」
「撫でるなって。」
腹出しのスーツなので、一夏の鍛え抜かれた腹筋を撫で触り、うっとりする千冬に、一夏がツッコんだ。
「ああ、それと、白式をおまえの筋肉の仕様に合わせるよう問い合わせをしているぞ。」
「それって、リミッター解除をしても対応できるようにするってことか?」
千冬が言うには、なぜISが一夏の体に適応できないのか、その理由を簡潔にまとめると、一夏の肉体にISの処理が追いつけていないためだろうと考えられるそうだ。
しかもIS・白式は、刀一本に依存した欠陥機で、それのせいもあって処理ができていない可能性が高いとみられているそうだ。
「そのためには、近いうちにお前の肉体のデータが必要になるだろう。その時は一緒に行くぞ。」
「分かった。」
だが、その時、ビリッとスーツが弾けるように破れた。
「あっ。」
「……開発元に言わんとな。耐久性に問題があると。」
***
さらに、後日。
「ふう……。」
「食ったなぁ。相変わらずの食欲じゃねぇかよ。」
彼の前には、引き締まった体の青少年が小さな机を挟んで座っている。
五反田弾(ごたんだだん)。中学校からの一夏の友人の一人だ。
今、一夏は、休日を利用し、IS学園の外に外出して、弾の家、というか食堂に来ていた。
一夏には及ばないが、弾もまた一夏の男の強さの象徴になろうという考えに同調した同志である。そのため、学業と実家の料理の修業をしつつ、筋トレにも励んでおり、その体躯は、同じ青少年を遙かに上回るほど大きく成長した。聞くところによると高校に入学した途端、運動部からの勧誘がすごかったそうだ。
本当は、箒も連れてきたかったが、箒は、篠ノ之束の妹とあって、危険があるため許可が下りなかったのだ。もし許可が下りる場合は、国家機関の息がかかった護衛と監視者付きでないとダメだろう。
箒は一緒に行けないことを寂しそうにしていたが、久しぶりに友達に会いに行くのだから楽しんでこいと言って笑顔で送り出してくれた。
「腕上げたな、弾。」
「おう! けど、爺ちゃんにはまだまだ及ばねぇな…。」
「相変わらず中華鍋ふたつ振ってんのか?」
「ああ。80にもなるってのに。」
弾の祖父は、現役の料理人である。肌は浅黒く、筋肉隆々。厳(げん)と言うのだが、その名の通りかなり厳しい爺さんで、特に食事のマナーには厳しい。姉しか親類がいない一夏にとって、食事のマナーなど身近なしつけをして貰ったことのある恩人でもある。
ちなみに今いない。
「ただいまー。」
「おかえり、蘭(らん)。手洗い、うがい忘れるなよ?」
「分かってるよ、もー。お兄はうるさいなぁ…。って、一夏…さん?」
「おう。蘭。お邪魔してるぜ。」
「お…お久しぶりです!」
「久しぶりってほどじゃないだろ? どうした?」
「いえ…。」
モジモジとする蘭。その様子に兄である弾が、プッと吹き出した。
「お兄!」
「わりぃわりぃ。」
弾がプププっと笑いながら、降参だと手を上げる。その様子に蘭はますます怒る。
「相変わらず仲が良いな。」
「そうか? お前んところの千冬さんも元気か?」
「ああ。相変わらずさ。」
「一夏さん…、IS学園での生活…どうですか?」
蘭が恐る恐る聞いてきた。
「楽しいぜ。まあ、今まで共学の学校にしか行ってなかったら、そういう意味での不便はあるけど。」
「彼女出来たのか?」
「あ? な、なんだよ、急に…。」
「顔に書いてあるぜ。早く会いたいなって。」
「……六年前に離ればなれになった元彼女と再会できたんで、付き合いを再開したんだ。」
「おお! ドラマチック!」
「えっ!?」
蘭は、ガーンッと衝撃を受けた。
「どんな人なんですか!?」
「蘭?」
「もしかして、鈴か?」
「いや、違う。」
弾が聞くと、一夏は否定した。
「…ホッ……。」
鈴じゃないと聞いて蘭はちょっと安心した。
「…事情があって名前は言えないけど、俺にはもったいない女の子だ。」
「ほー。」
「……た、体格ぐらい言えないんですか!」
「体格か……、ポニーテールが可愛くて、胸の成長がだいぶいいな。蘭よりあるぞ。」
「ガーン…!」
「巨乳、好きか?」
「いや、再会したときにはそれぐらいになってたんだよ。」
一夏は、なんてことないように言った。
蘭は、ショックで固まっていた。
「蘭?」
「おーい、帰ってこーい。」
「ハッ! うぅぅ! 一夏さんのバカーーーー!」
蘭は泣きながら家の中に駆け込んでいった。
「はあ……。」
「わりぃな。アイツも悪気は無いんだ。」
「分かってる。むしろ俺の方が傷つけたんだ。」
「蘭には良い経験だっただろうさ。なにせ初恋破れるなんて、経験できたんだ。」
変に恋心をこじらせて病むよりは圧倒的に良いと、弾は言った。
こうして、蘭の初恋は破れた。
一夏が帰った後、泣きに泣いた蘭が部屋から出てきて。
IS学園への入学を考え直すと言い出したのだった。
***
休日明けの、月曜日。
季節外れの転校生が二人来るという話で持ちきりだった。
一人は、フランス、一人は、ドイツ。
ここはISの専門学校だ。それゆえに生徒達も非常に多国籍だ。
しかし、問題は、フランス。
「シャルル・デュノアです。」
入って来たのは、まさに貴公子という雰囲気を纏った、金髪の美しい“少年”だった。
弾は、原作より体格が良いのと、一夏からの影響もあって蘭に押し負けてません。対等な兄妹という設定のつもりで書きました。
蘭、初恋破れる。
とりあえず、現段階(2019/02/26)で書きためているのは、ここまでなので、しばらく間、開くかも。