IS? そんなことより筋肉だ!   作:蜜柑ブタ

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サブタイトル通り。

前半は、一夏が白式に文句。白式、涙目。


後半は、シャルロットに射撃訓練を教えてもらうが…?



SS14 射撃訓練

 

 ISの装備は、おおまかに分けて、近距離、中距離、遠距離と別れてくる。

 量産機でも調整すれば、ほぼその人の専用機のようにカスタマイズも可能だ。

 シャルロットが使っている、ラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡなどは、その一例だ。容量が拡張されており、ちょっとした武器庫である。

 そして、一夏の白式であるが、これは、完全なる近距離専用機といえる状態の物であり、雪片弐型という刀と、第一形態でありながら、ISの第二形態で使えるワンオフアビリティという機能がある。

 なのだが…、肉体資本の一夏にはすこぶる相性が悪かった。

 己の肉体が武器である一夏には、刀なぞ必要なかったのだ。なので、格闘装備を所望したかったが、刀に完全に容量を取られ、仕様を変えることができない白式はそれすらできない。

 なので、いっそ量産機のISをと一夏が言い出したものだから、白式の開発元は必死に頭を下げた。日本政府の使者も頭を下げに来た。

 なぜそこまで白式を一夏に使わせたいのか、問いただすと……。

 なんと篠ノ之束の名が出た。

 白式は、元から欠陥機で、開発自体が凍結されていたが、それを束が完成させたが今の白式らしい。

 ここで初めて一夏は、白式の装備が、かつて千冬が使っていた葛桜というISと同じ装備であることを知った。というか、今まで白式が表示していた装備を無視していたため、気づいていなかったのだ。

 まさか、自分に千冬と同じ道を辿らせる気か?っと聞いたところ、そういうわけでもないらしかった。ただ、世界のパワーバランスをひっくり返す発明をした束の顔色をうかがって、束が作った白式以外に一夏に与えられる専用機が無かったことが起因していたらしい。

 一夏は複雑な心境になった。

 っというのも、束のことだ。なにせ箒の実の姉。そして、一夏と箒を六年もの間、引き裂いた原因でもある。

 憎まなかったと言ったら嘘になる。

「どういうつもりだ、束さん…。」

「一夏…。」

「……箒。俺、あの人に会ったら、殴るかも。」

「構わん。やれ。私だって殴りたかったんだ。」

 束を殴ること、決定。

 

 

 なお、その夜。

 一夏は、夢で、白いワンピース姿の少女がシクシクと泣いている光景の夢を見たのだが、ただの夢だと思って目覚めてからも特に気にしなかった。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 土曜日。

 自由時間として解放されたアリーナで、一夏は、シャルロットに頼んで射撃武器の特訓をしていた。

「織斑君の白式って、本当に完全な格闘特化型なんだね。」

「ああ。どこを探しても、射撃に関する部分が見当たらないんだ。」

 通常のISには、射撃も出来るよう、それ用のセンサーが備わっているのだが、白式にはそれが無いのだ。つまり、射撃武器を使おうと思ったら、完全に目視などの自身の感覚だけでやらなければならない。

「うーん。それは困ったね。でも、中にはあえてセンサーを切って自分の感覚だけで撃つ人もいるから、無理な話じゃないよ。」

「そうか。」

「軍人の人は、センサーが壊れた時を想定してそういう訓練をするって聞くし…。」

「軍人か…。そういや、ボーデヴィッヒは、軍人だったな。」

「そういえば、そうだったね。」

「まあ、今日はデュノアに頼んだんだ。講師、頼むぜ。」

「うん。分かった。じゃあ、これを貸すよ。」

 そう言ってシャルロットは、自身のISの装備品である五五口径アサルトライフル『ヴェント』を渡してくれた。

「あの的を使おう。」

 そう言ってシャルロットが示したのは、ISの射撃訓練用の的だ。

 他の生徒が使っていたので、番が回ってくるまで待ち、順番が回ってから一夏は、アサルトライフルを構えた。

「脇を締めて。それで左腕をもうちょっと…。」

「こうか?」

「うん! いいよ!」

「…発射。」

 そう呟き、一夏は的に向かってアサルトライフルを撃った。

 そして撃ち出された弾丸は、的の中心に命中した。

「すごい! 一発でど真ん中だ!」

 さらに一夏は、撃つ、撃つ、撃つ!

 弾丸はすべて的の真ん中に当たった。

「す、すごい! すごいよ! マニュアルで、この精度っていったい…。」

「フッ。そりゃそうさ。」

「えっ? どういうこと?」

「目も鍛えているからさ!」

 そう言って一夏は、自分の目を指差した。

「えー…?」

「さすが、一夏だ!」

 シャルロットは唖然とし、特訓の様子を見ていた箒が感激していた。

「深く考えちゃダメよ。アイツの筋肉は非常識だから。」

 そう言ったのは鈴だった。

 

 非常識? それだけの言葉で括っていいのか?

 

 っと、聞いて見てた他の生徒達は思ったのだった。

 

 その時。

 

 

「織斑一夏!」

「なんだ、ボーデヴィッヒか。」

 ラウラが自身の専用機・シュヴァルツェア・レーゲンを装備した状態でやってきた。

「私と試合をしろ!」

「なんで?」

「私が勝ったら、一日お触り自由権を寄越せ!」

「断る。」

 すげなく断られ、ラウラは、ガーンっとショックを受けていた。

 一夏が再び、的を狙い撃とうとすると的と一夏の間にラウラが入って来た。

「おい、邪魔だぞ。」

「私が教習する! それではダメか?」

「今日は、デュノアに頼んだんだ。また今度にするよ。」

「む…むむ…。」

 ラウラが呻く。どうしても一夏とお近づきになるきっかけが欲しいらしい。というか、単純に触りたいだけだ。

「な、ならば…。」

 するとラウラが突如、シャルロットに向かって、リボルバーカノンを向けた。

「えっ?」

「おい!」

「ならば、そちらよりも強いのならば納得いくか!?」

「なんでそうなる!?」

 いきなり銃口を向けられ、困惑しているシャルロットの盾になるように一夏が前に出た。

「どっちがどうとかじゃねぇよ! 俺は今日はデュノアに特訓を頼んだだけだ! 明日ならお前に頼むかもしれねぇってことだ!」

「む…。」

「俺に触りたいからって、他の奴に危害を加えるなら、もう触らせねぇぞ!」

「そ! それだけは! す、すまんかった!」

「俺に謝るんじゃなくて、デュノアに謝れ。」

「分かった…。すまんかった…。」

「あ…べ、別にいいよ。撃たれてないし、だいじょうぶだから。」

「織斑一夏! 明日、私が教習する!」

「…分かった。」

「約束したぞ!」

 嬉しそうに微笑んだラウラが去って行った。

「織斑君…いいの?」

「あいつ…、ああでも言わなきゃ絶対引き下がらないぞ?」

「一夏…。」

「だいじょうぶだ、箒。ベタベタ触らせたからって、減るもんじゃない。」

「そうだが…。」

「ま、俺の血肉は全部、箒のモノだからな。」

「い、一夏ぁ。それは、私の台詞だぞ!」

 感涙する箒。

 始まったイチャコラに、シャルロットを含めてアリーナにいた者達は、あ~、ヤレヤレっと、思ったのだった。

 

 

 




このネタのラウラは、千冬を慕っていますが、一夏に敵対意思は示してません。

次回は、ラウラ暴走?
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