IS? そんなことより筋肉だ!   作:蜜柑ブタ

23 / 53
まだ銀の福音ではありません。


海を楽しみ、そしてご飯を楽しむ一夏達。


SS22  海を楽しもう

 

 

 夏の日差しで輝く砂浜と海より眩しいモノに、水着で海に来た女子生徒達は思わず手で目を覆った。

 

 日焼けオイルを塗りたくり、神々しく(?)輝く、鍛え抜かれた肢体。

 これほどに太陽の下が似合う男も、そうはおるまい。

 織斑一夏。

 まさに、太陽に愛されたような男だ。

 

 その一夏が、しかめっ面で、腕組みして立っている。

 

 その後ろでは、パラソルの下で、シートの上で鈴にオイルを塗って貰っている箒がいる。

 ちなみに、千冬が一夏の背中を睨むように監視していた。

 

 見るな、触るな、想像するな。

 

 っと、千冬から言われ、一夏は箒にオイルを塗るのを断念。

「一夏~、終わったわよ。」

「おう…。」

 返事はしても、一夏は振り向かない。振り向けないのだ。

「千冬さ…。」

「織斑先生だ。」

「織斑先生…、あの…、いくらなんでも厳しすぎでは?」

「約束は約束だ。清いお付き合いを破ろうとしたのだ。当然のことだ。」

「え~、でも男って、多少スケベな方が健康的じゃ…。っ。」

 箒の援護をしようとした鈴だったが、千冬に睨まれ黙らざるを得なかった。

 鈴が負けたので、残るセシリア達が何か言うことはできず押し黙る。

 千冬は、はあ…っと息を吐き。

「性欲を持て余す年代だ。気持ちは分かるが…、風紀というものがあってだな…。」

「そうですけど…。」

「とにかく公共の場で、邪なことをしようとしたのだ。それなりの罰は必要だ。」

「ですけど…。」

「お前達の気持ちは分かる。だが、己を律せぬ者が未来の伴侶を幸せに出来ようか!」

「ち、千冬さん…!」

 未来の伴侶と言われ、箒は涙ぐんだ。

「ともかく! 私は、お前達を見張ることとするから、覚悟しておけ!」

「へ~い。」

「だいじょうぶだと思いますけどね。」

「凰。お前は黙れ。」

「そ、それはそうと! 泳ぎに行こうよ! せっかくの自由時間なんだし! もったいないよ!」

 シャルロットが場の空気を変えようとそう言った。

「そうだな。じゃあ、準備体操してから、行くぜ。」

「生真面目ね~。」

「足つって、溺れても知らねぇぞ?」

「それはイヤね。」

 っというわけで、みんなで準備体操してから、海に向かった。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

「は~~~、きもっちぃいい。」

「温泉じゃないぞ。」

 ほどよく冷たい海水の温度に、つい浸る一夏に、箒がツッコミを入れた。

「温泉なら、二人きりで行きたいな。」

「っ!」

「もちろん、こんよ…。」

「一夏…。」

 砂浜にいる千冬が腕組みして睨んでいる。

「わーかってるって。そうだ、箒。あそこのブイまで泳ごうぜ。」

「う、うむ。」

「置いてったりしねぇよ。もちろん、疲れたなら俺の背中に乗ってくれ、泳いでやるよ。」

「まあ、それだと、ウラガマシマ太郎のようではありませんか?」

「ウラガマシマってなによ? 浦島太郎よ。」

「あら…。」

 セシリアが赤面した。

「えっと、確か、海の底に亀に乗って連れてってもらうって話だよね?」

「竜宮城よ。でも、長いこといすぎて、帰ってみたら誰も知ってる人いなくなってたってオチだけど。」

「まあ…、ハッピーエンドではないのですわね? あら? 一夏さんと、箒さんは?」

「とっくに泳ぎに行ったわよ。」

「早っ。」

 遠くにあるブイを見れば、すでに一夏と箒がそこにたどり着いていた。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 温水プールで泳ぐことはあれど、海のように塩の味がして、波という邪魔が入る環境で泳ぐのは体への影響が違う。

 それを感じながら一夏は、箒を背中にくっつけた状態でブイにたどり着いた。

「遠くまで来たな。」

「ああ。」

 振り返れば、砂浜がずいぶんと遠い。

 ちなみに、一夏は目も鍛えているから分かるが…、千冬が双眼鏡で完璧にこっちを見ている。

 うん。ナニかすれば確実にIS纏って飛んでくるだろう。そんな凄みを感じる。

「なあ、一夏。」

「ん?」

 一夏の首に腕を回していた箒が話しかけてきた。

「この臨海学校が終わったら…、またケーキを食べに行きたい。」

「そうか。けど、もっと洒落たとこ行こうぜ。」

「あまり店に負担をかけさせられん。だから、あそこでいい。」

「いいのか? 駅前のあそこで。」

「二人で行くのがいいんだ。」

「…そうだな。」

 見張りがいることを気にしなければ二人きりのお出かけなのだ。箒はそれが重要なのだと言う。

「そういや、新作で、パフェなんかもあったな。それはどうだ?」

「いいな。二人で…食べよう。」

「おう。」

「そろそろ、戻るか?」

「そうだな。しっかり掴まってろ。」

 一夏は、箒を背中にひっつけた状態で浜辺に向かって泳ぎ始めた。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 そうして海を堪能し、夜になれば旅館の夕飯が始まる。

 ひとりずつあるお膳に、小鍋に、前菜、刺身……。旅館ならではの料理が並んでいる。

 刺身もただの刺身じゃない。なんと、カワハギ。肝も付いている。並の旅館ならマグロの赤身とか、鯛とか刺身パックに入ってそうな並びになりそうだが、この旅館は違うようだ。

 小鍋も季節の野菜と、地元の漁港で獲れるであろう、魚のアラが入っていて、これも美味い。目玉の周りのゼラチンが最高だ。

「食べにくいですわね…。」

「けど、アラは、体に良いんだぜ?」

「あら?」

「魚の頭のぶつ切りとか…、普通なら捨てるところのことだ。まあ、魚の中に、アラって呼ばれてる魚もいるから混同されがちだけど。頭なんか特に、目玉とかゼラチン質で、コラーゲンたっぷりだし、栄養価も高いから成長期の体にはいいぜ?」

「まあ! それはいいことを聞きましたわ。頑張って食べますわ!」

「頭の部分って食べにくいけど、隙間にある肉が美味しいのよね~。」

 アラの骨に四苦八苦するセシリアと、慣れた手つきで喜々と食べている鈴。

 その時、ガターンっと音がしたので、見ると、シャルロットが鼻を押さえて悶絶していた。

「どうした!?」

「~~~辛っ!」

「ああ、ワサビか。これ、本ワサビだから、練りわさびと違ってすげぇだろ?」

 練りわさびとは比べものにならない、ツーンっに思いっきりダメージを受けたらしい。

 けれど、ワサビの辛さは持続しない。やがてハーハーっと、涙目のシャルロットが起き上がった。

「すっごかった…。」

「けど、美味いだろ?」

「うん…。慣れればね…。」

「ワサビ寿司…、わさび漬け…、ワサビのお菓子。日本人はワサビが好きだからな。」

「お菓子もあるのですか!?」

「ワサビ羊羹ってのもあるしな。」

「ヨウカンって、あの黒っぽい塊ですわよね? ワサビでもするなんて…、どれだけ好きなんですの?」

「国ごとに嗜好ってのがあるからな。ん? 箒、どうした? 刺身の肝が欲しいのか?」

「あっ、なんで分かった?」

「分かるに決まってるだろ? ほれ、やる。」

「あ、ありがとう。」

「わたくしの分も差し上げますわ。生の内臓は、ちょっと食べ慣れませんので…。」

「美味いのに…。」

「仕方ないだろ。人の好みなんだから。」

 

 そんなこんなで、夕食を楽しく食べた。

 

 臨海学校の二日目は、各種装備試験運用を丸一日かけて行うのだ。今のうちに英気を養っておかなければならない。

 

 

 しかし、一夏達は知ることはない。

 

 密かに、誰にも悟られず、忍び寄る……悪意に。

 




銀の福音……、いまだにどうするか悩んでますが、半分は束のせい、半分は……って決まってきました。
ただ、その場合だと、ゴジエヴァの作品と、ISにアイツをぶち込んだのをpixivにアップしないと読者が混乱するだろうから、アップしないとな。


原作では、セシリアが生の魚に抵抗感を持っているように書かれてますが、イギリスって、生の魚食べないのかな? 魚の内臓なんて論外か?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。