IS? そんなことより筋肉だ!   作:蜜柑ブタ

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飯テロ目指した。


SS30  夏祭り その1

 箒は、浴衣姿で待っていた。

 ウズウズ、ドキドキ…。その姿はまさに恋人を待ち焦がれる少女そのものだ。

 そして。

 

「お待たせ! 箒。」

「遅いぞ!」

「ごめんごめん。」

 

 やっと来た一夏がヘラヘラ笑って頭に片手を置いて謝り、箒は、可愛らしくプンスカ怒った。

 この場には、夏祭りに来た者達で賑わっていて、箒の艶姿を見てナンパを考えていた男達もいたのだが、一夏が来たことで、なーんだ彼氏持ちかっとガッカリしていたりしていたのだがそれは二人の知らぬこと。

 一夏は、箒をジーッと見つめた。

「なんだ?」

 その視線に気恥ずかしくなった箒が頬を染めた。

「いや、似合うなって思ってな。綺麗な浴衣が似合うぜ。」

「っ…。い、行くぞ!」

「おう。」

 頬が熱くなるのを感じながらさっさと行こうとする箒を追いかけ、一夏はニヤニヤしていた。

 夏祭りには、今年も様々な屋台が出店している。それを見ているだけでもテンションが上がってくる。

「おい、箒、見ろよ、ドネルケバブが売られてるぞ。」

「多国籍になったものだな。」

「なんか食おうぜ。」

「うーん。」

 並んで歩きながら何を食べるか考える。

「お、箒。」

「なんだ?」

「ラーメンバーガーって、あるぜ。」

「むっ?」

 一夏に肩を掴まれて立ち止まり、一夏が指差した先には、ラーメンバーガーなるモノを売っている屋台があった。

 まあ、名前の通りである。ただバンズでラーメンを挟んでいるのではない。バンズ部分がラーメンの麺を固く揚げ焼きしたモノで、中にラーメンに使われる具材を挟み、タレをかけたものだ。

「すんませーん。ラーメンバーガー1個! 醤油で。」

「まいど!」

「なんで1個なんだ?」

「一緒に食おうぜ。食いあいっこだ。」

「!」

 それを聞いた箒は、またも赤面した。つまり……、間接キス的なアレ?

 そうこうしていると、ラーメンバーガーを受け取りお金を払った一夏が箒の手を引いて座って食べられるスペースへ移動した。

「箒から食うか?」

「え、あ…。」

「ほら、美味そうだぞ?」

 ズイッと、ラーメンバーガーの縁を突き出され、箒は、ゴクリッと息をのんだ。

 そして美味しそうな濃い醤油の匂いに誘われるまま、それを囓った。

 パリ、パリっと香ばしい表面がかみ砕け、すぐに中のモチッとした食感に到達、そして中の具材までかみ砕いて咀嚼した。

「!」

「どうだ?」

 目を見開き、口を押さえる箒に聞くと、箒は口を片手で押さえたまま、お前も食え!っと言わんばかりに指差していた。

 一夏も箒が囓ったところからラーメンバーガーを一口囓った。

「おおっ!」

「美味いな!」

 予想以上の美味しさに、二人はラーメンバーガー1個を堪能したのだった。

 なお箒は、間接キスだということを忘れていた。

「今ので食欲に火が付いたな…。次なに食べる?」

「やはり定番が……。」

 箒は、お好み焼きの屋台を見つけてそこをジーッと見つめた。

「よっしゃ、決まりだ。買おうぜ。」

「あ、ここは私が買う。」

「いいのか?」

「それくらいお小遣いはある。」

 そう言って箒は、お好み焼きの屋台に行ってお好み焼きを買ってきた。

「あ、焼きそばが挟んであるな。モダン焼きってやつか。」

「箸。」

「ありがとな。」

 プラスチックのパックに入ったお好み焼きを、二つの割り箸で分け合いっこ。

 小麦粉生地にたっぷりのキャベツと、アクセントに紅ショウガと豚肉のコク、間に入った焼きそばも炭水化物×炭水化物なだけに禁断の旨さである。ソースにマヨも最高である。

「やはり粉モノは外せないな!」

「今度みんなでお好み焼きパーティーでもするか?」

「いいな。具材はみんなで持ち寄るというのはどうだ?」

「それならたこ焼きも作ろうぜ。ロシアンたこ焼き何つって…。」

「それは中々に怖いな…。」

 

「あれ? 一夏…さん?」

 

「ん?」

 聞き覚えのある声が聞こえて見ると、そこには五反田弾の妹、蘭がいた。

 最後に見たラフな格好ではなく、箒と同じ浴衣姿である。

「よお、蘭じゃないか。お前もきてたのか?」

「は、はい!」

「誰だ?」

「紹介するぜ。中学自体から友達の五反田弾って奴の妹の蘭だ。」

「ら、蘭です…。」

「どうも…。」

「あの…一夏さん、もしかして、この人が?」

「えっ? ああ、俺の彼女だ。」

「…うぅ~。」

「?」

「負けた~!」

 蘭は自分の胸を押さえて嘆いた。

「蘭。女は胸じゃないぞ?」

「男の一夏さんが言わないください!」

「ほら、蘭。誰か待たせてるんじゃないか?」

「あ…。い、一夏さん!」

「なんだ?」

「……私…、もっと大人になったらちゃんと言います!」

「…そうか。」

 蘭はそう言い残すと、自分の学校の生徒会の仲間のところへ走って行った。

 箒は、そんな蘭の後ろ姿を見つめていた。

「…いいのか?」

「ああ。いいんだ。良い経験にはなったはずだろ?」

「けど…。」

「それとも、俺が蘭に移り気するとでも?」

「ち、ちが…。」

「俺は、今も昔もずっと箒だけだよ。」

「! い、一夏ぁ…!」

 感極まった箒は、一夏の胸に抱きついた。

 




蘭、敗北。


腹が減った状態で書いたから結構腹にキツイ。

ちゃんと飯テロに書けたかな?
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