弾も出てます。
あと、箒の幼少期のオリジナルエピソード(?)も入れています。
腹が膨れたら、今度はゲームメインの屋台を回る。
「金魚すくいするか?」
「飼えるのか?」
「犬猫や鳥はダメだけど、金魚は書いてなかったはずだぞ?」
「まあ…五月蠅くはないしな。」
「けど問題がある。」
「なんだ?」
「金魚すくいの金魚はあんまり長生きしないことだ。」
「…う~む。」
死んだら埋めてやりたい、だが場所はIS学園なので、敷地内に埋めやることができない。
「…できないな。」
「そうだな。」
二人は金魚すくいの屋台から離れた。
そして、景品を玩具のライフルで撃って落とすゲームのある屋台を見つけた。
「すんませーん。二人分お願いしまーす。」
「はいよ!」
そしてお金を払い、二本のコルク弾が込められたライフルを渡された。あと、三発分の予備弾も。
「箒、どれか欲しいのあるか?」
「えーと…。あっ。」
箒が景品を見渡していると、その中に高そうなテディベアが座らされていた。しかも五等賞と書かれていた。しかし、大きさ的に落とせるかどうか微妙なラインだ。
ふと見るとこの屋台のオヤジがニヤニヤ笑っている。どうせ狙っても取れないだろうと踏んでの景品なのだろう。
「あれか? 熊の。」
「いいのか?」
「箒のも貸してくれ。それならいける。」
「分かった。」
一夏は自信たっぷりに手を差し出してきたので、箒は頷き自分の分の玩具のライフルを渡した。
そして…、チャキッと一夏が1本目のライフルを構える。その構えは、学園でシャルロットに教わった撃ち方だ。
一発。そして、二発、三発、四発。すべて撃ち終えると座っているテディベアの体勢が変わった。
「次。」
ポイッとカラになったライフルをオヤジの方へ投げ、もう一丁のライフルを構えて撃った。
そして……。
全て撃ち終えたとき、テディベアが落ちた。
「っしゃあ!」
見ていた屋台のオヤジは、ポカンッとしていたが、ハッと我に返り、手元にあった鐘をカランカランと鳴らし、五等賞が取れたことを知らせた。
「うぇええええん!」
すると、女の子の泣き声が聞こえた。
「あたしが欲しかったのにーー!」
「こら、あのお兄ちゃん達が取ったんだから、ミーちゃんのじゃないの。」
泣きわめく浴衣の少女を母親が窘めていた。しかし少女はまったく泣き止まない。それどころか、お友達が持っているのに自分だけ持ってないと叫んだ。
五等賞のテディベアを受け取った箒は、テディベアと少女を交互に見て、それから一夏を見た。
一夏は、好きにしろよっという風に頷いた。
そして箒は、少女の方へ向かった。
「ほら、泣き止め。あげるから。」
「ふぇ? いいの?」
「えっ? いいのですか?」
「友達に自慢しろ。いいな?」
「ありがとう!」
箒からテディベアを受け取った少女は、それはそれは嬉しそうにテディベアを抱きしめた。
「すみません。ありがとうございます。あのお代だけでも…。」
「いや、いいんですよ。」
一夏が箒の隣来てそう断った。
少女と母親は何度もお礼を言って、そして去って行った。
箒は、テディベアを大事に抱きしめて手を振ってくる少女に手を振り、どこか切なそうに笑った。
「…よかったのか?」
「ああ。私が持つより…、あの娘の方が似合うだろう?」
「そんなことないぞ?」
「……昔を思い出したんだ。私もまだ家族がいた頃、ああやって駄々をこねて困らせたことをな。そしたら、当てた商品の小さいお菓子をくれた人がいたんだ。欲しかったモノじゃなかったが、当時はそれだけで嬉しかったな…。」
「そうか。」
「よー、お熱いねぇ。一夏ぁ。」
「弾!」
「誰だ?」
「さっき紹介した蘭のお兄さんだよ。俺の同級生。」
「五反田弾だ、よろしく。あ、もしかして、一夏…、例の彼女か!?」
「へへへへ…。」
「このこのこの! 綺麗な子じゃねぇか! 羨ましいな、てめぇ!!」
一夏に負けない体格の弾が、にやける一夏の首に腕を回し、グリグリと頭をこずいた。
「弾こそ、彼女くらい作れよな。」
弾の腕を外した一夏がニヤニヤと笑って聞くと、弾はがっくりと項垂れた。
「そう簡単に作れるかっての! 数馬も嘆いてたぜ? 一夏の奴に先超されたーー!って。」
「なーんだ、数馬もまだか…。」
「くわーーー! リア充の余裕か!」
弾がウガーっと叫ぶ。
「フッハハハハ! 羨ましいなら、お前らもがんばれよ!」
「このやろーーーー!」
などと笑い合いながら小突きあいをしていた。
男同士の仲の良い小突きあいを見て、箒はクスッと笑った。
やがて弾は、持っていた携帯電話が鳴ったのでメールをチェックし、時間になったと言って、そして一夏と箒にまた会おうなっと言って待ち合わせ場所に行った。
「さてと…、そろそろ花火の時間だな。行こうか。」
「ああ。」
二人は花火がよく見える場所へ移動した。
そこは、二人が見つけた穴場だ。神社の林を抜けると、そこは花火がよく見えるのだ。
「足下気をつけろよ。」
「ああ。」
一夏に手で支えて貰いながら林を歩き、やがて天窓のように開けた場所に出る。ここが穴場だ。
やがて……。
ヒュルルルルルル…、ドーーーーーーン!
夏休み恒例の花火が始まった。
普通に見物客が集まる場所はきっとごった返しているだろう。しかし、ここは二人の秘密の場所。だから誰も邪魔はなく、花火を見られる。
「……綺麗だな。」
「ああ…。」
箒は、一夏の腕に手を絡めて寄り添った。
赤や青、緑、黄色…、様々な色彩の花火が夜空を彩る。
ここの花火は百連発で有名で、一時間程度はずっと続く。
「…一夏。」
「どうした?」
「また…来年…。」
「ああ、もちろんだ。」
来年もこの夏祭りに来ようっと二人は花火が美しく照らす夜空を見上げながら約束し合ったのだった。
実は、アイツが邪魔者として出る予定でしたが、やめました。やめて正解だったかも。
花火を利用されたらさすがに死者が出る。
なお、このあとデザートにクレープとか食べたとかって話も入れようと思ったけどやめた。